自宅で 2

 

 

「よし、んじゃまぁ……」

少し近づいたおかげで、野崎が少し動いた感じが分かりました。

「こけぇ座らせちもらうで」

野崎の声と共に居間のすみに置いてあるソファーが軋む音がして、そしてすぐにかちゃかちゃと音がしました。ベルトを外してる音だとすぐわかりました。

「こん前んごと、しゃぶらんね」

 野崎の声が妙に甲高く響きました。

「ああ……やっぱり、いやです」

「なんな、しゃぶるのもいやっちいうんか?んじゃあもうどげえしようもねえ。こんままあんたをひん剥いち、子供やだんなん前じおめこしちゃろう。
『カラオケ弁償できんらしいけん、しかたなく体で我慢しちゃっちょんのじゃ』っちな」

「……ひどい」

母が泣く寸前のような声で小さくうめいています。

「早く済ましたほうが利口やち思うがの」

また笑うような口調です。

「さあ、せんね」

もう母は返事をしませんでした。そのかわりきゅっきゅと床が鳴りました。忙しく家事をする時にたまに鳴る音で、たぶん母が野崎に近づいたんだと思いました。
私は、また1段階段を降りる事にしました。もう壁は終わり、引き戸の上にはめ込まれているすりガラスまで来ました。
そこから部屋を覗くと、光の具合でやはりソファーに座ってる人間とそのすぐ前にうずくまっている人間の影が見えました。
野崎と母です。さっき2階の窓から外を見た時の色の服を着ているのが、やはりぼんやりと見えたからです。野崎はグレーで母は薄い青です。

「な、大けえか」

野崎の声です。たぶん自分のものの大きさを聞いたんだと思います。でも母は答えません。

「なあ、聞きよろうがえ。今日で二度目や、もう分かるやろ。だんなより大けえんか、え?」

なんか楽しそうに野崎が続けます。

「……しますから、聞かないで下さい」

母の小さい声のすぐ後に、すりガラスのぼんやりとした影が

動きました。

「ほほっ」

今度はすぐに野崎の声です。影の頭の部分が揺れて見えます。母の頭でしょう。野崎はうれしそうに「ほほっ」とか「おおっ」とか短くうなります。

「先もええけど、もっとしんけんやらんとなかなかおめこまででけんで」

野崎の言葉に母の頭は、揺れてたという感じだった今までと違って前後に少し大きく動き始めました。そうするとまた野崎がうなり始めました。
私はもっともっと中の様子が知りたくなりました。もう2、3段ほど下がれば引き戸の透明なガラスがあって、
そこからならはっきり見えるはずですがなかなか勇気が出ません。その時、自分が吐く息で目の前のすりガラスが少し透明になってるのに気づきました。
すぐに私は指先につばをつけて

 すりガラスをこすりました。完全には透明にならなくて残念でしたが、それでもだいぶ中が見えるようになりました。
ちょうど全体が霧にかかったくらいの感じです。

私は、さすがにどきっとしました。野崎と母がなんだかいやらしいことをしているというのは分かってはいましたが、それがほぼ確実に見えたのですから。

野崎はソファーに座っています。ズボンは完全に脱いではおらず、パンツと一緒に足首のところに下りていました。
そして母は、やはりというか、野崎の股間のところに頭を置き、野崎のちんこを舐めていました。舐めていたというより、先の部分をしゃぶっていました。
大人のちんこは父のを風呂などで見て知っていて、自分のとは形が違うというのだけは分かっていましたが、野崎のものはボッキしていて、
太さが全然違って見えました。今となっては野崎のちんこが大きかったかどうかは分かりませんが、
あの時は母の口が大きく開けられてしゃぶっているように見えたので「大きいのかもしれない」と思ったのです。

「むむむううっ」

母が突然うなりました。でも見た目はあまり変わっていないように見えました。

しかしそれからしばらく今まで出していなかったくもった声が続けて聞こえます。

「おほほ、いい感じやのう。大きいんはいいこっちゃ」

野崎がいいます。なにが大きいのか、さっぱり理解できない私。全体はだいたい見えているのに、野崎が母になにをし始めたのかがこのすりガラスでは分かりません。
母はまだ野崎のちんこをしゃぶったままあのうめき声を上げています。

私は決心しました。足をそっと出して、階段をまた下りていきます。私の頭はついに居間をしっかり覗ける、引き戸の透明なガラスのところまで来ました。

見えたのは、野崎の右手でした。ソファーに座ったまま右手を母のほうに出し、母のおっぱいを触っていたのです。

「むううっ……やめてください」

 母が野崎のちんこから口を離して小さく言います。しかし野崎は表情を固くします。

「黙っちょれ。あんたは黙ってしゃぶっちょけばいいんや」

 母はその野崎の顔をしばらく眺めていましたが、あきらめたのかまたゆっくりとちんこに口を当てました。

 野崎はまた母のおっぱいを触り始めます。触ってるだけでなく、薄い青色のセーターを着た母のおっぱいを下からすくうようにして揉んでいます。
私たちが学校で女子に向かってエッチな冗談を言う時によく手をくにくにさせていましたが、野崎の手の動きはそれにそっくりでした。

「大人でも本当にあんなふうにやるんだ」とか、母が他人に触られているのに場違いな感想を持ちながら興奮していました。

 そのまましばらく、母がちんこを舐めて野崎がおっぱいを揉むという光景が続きました。母がたまに無言で野崎を見つめて、野崎はそれを見てニタッと笑う。
その意味が分からないけどなんだかいやらしい感じに私のズボンの中は大変なことになって、こすれて痛いぐらいになっていました。

 次の動きがあったのは5分後です。野崎が急に母の頭を掴んだのです。

「なあ美佐江さん」

 突然のことに母は眉毛をしかめて、野崎の顔を見ていました。窓の外の光に、口の周りが光ってたのを覚えています。

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