自宅で 5
「……なんも答えんか、まあいいわ。よぃ、そろそろ出すで。中がいいんやろ?」
「そんな……!中は、だめっ!」
「いいやねえか。あとですぐ流しちょきゃ孕みゃせんて。中んほうがあんたも気持ちよかろうが」
「だめ、だめ、だめ……!それだけは勘弁してください!」
母は野崎のほうを向いて必死に言っています。真剣な分、足を上げられ毛も丸出しでおめこされてる母がなんだかかわいそうに見えました。
「……んじゃあな、中に出さんかわりに約束しちょけ、な?これからも俺が気ぃ向いた時におめこしにくるけんな。別にこん家じゃなくても俺ん家とかでも
あんたを呼ぶけん、絶対断るなよ、ええか?」
「そ、そんな……っ」
「なあ、どげえするんか、美佐江」
「ああっ……します、約束します!」
「よおし、よう言った……でも中には出すで」
「え?……あああああっ!」
その瞬間野崎の動きが止まりました。母は信じられないといった顔で野崎の顔をじっと見ています。
「気持ちよかったで、美佐江」
「ああああ……」
野崎が手を離し体が自然に離れた瞬間、母は一度深くため息をつきました。そしてすぐ立ち上がって、周りに散らばってた服をかき集めました。
急にあわてた感じになったのですが、私は突然の事だったので階段から一歩も動けませんでした。
母はそのまま服を抱えて、部屋を飛び出してきました。階段の下、私がいる数メートル前を裸の母が通り過ぎていきます。
「ばれた!」と思いましたが、どうやら母は階段の上を見る余裕なんてなかったようで、そのまま私に気づかずにばたばたと走って風呂場に駆け込みました。
私は今度は野崎のほうを見ました。野崎はズボンをゆっくり上げて、そのまままたソファに座ります。
ズボンのポケットからタバコを取り出してニヤニヤしながら吸い始めました。大体同じ時間くらいに、風呂からシャワーの音が聞こえ始めました。
野崎は周りを見回して、近所に灰皿がないのに気づくと立ち上がって外に向かいはじめました。また私が動けませんでしたが、
やはり野崎も私には気づかず階段の下から消えました。人間はあんがい上を見ないものだと思いました。
「約束やけんな!明日もくるかも知れんで……わっはっは」
野崎の声です。そのまま玄関のドアが閉まる音がし、すぐあとに軽トラの走り去る音も聞こえました。急に静かになった家の中に、シャワーの音だけが聞こえます。
私は少し考えて、ゆっくりと階段を下りました。心臓はどきどきしていましたが、なんとか音も立てずに階段を降りることができました。
そのまま風呂のほうに注意しながら私も玄関に向かいました。玄関に座って靴をはき、しばらく息を整えてたと思います。
4,5分くらいでしょうか?まださっきまでのいやらしい光景が頭に浮かんでいましたが、今はとりあえず「私には気づかれなかった」という事を
知らせて母を安心させたかったのです。子供ながらよく考えたと私は思います。
「ただいまー」
ドアを中から開いたあと、私はわざとらしくそういいました。そのままなにごともなかったように靴を脱いで家に上がり、階段を上りました。
階段まで来たとき、風呂からいつもより小さな声で母が「おかえり」と言うのが聞こえました。
その日の夜、私は夢を見ました。まるで霧がかかったようなぼんやりとした世界の中を私が歩いています。しばらくそこを歩いていると
少し先になにやら建物の影が見えてきました。
なんだろうと近づくと、そこは野崎電気店でした。霧の中にぽつんと野崎電気店だけがあるような状態です。私は、なんとなく中を覗いてみました。
何のことはない、テレビ、ビデオデッキ、エアコンがふつうに置いてある、少し薄暗い感じ以外は前をたまに通る野崎電気店そのものでした。
しかしいつもと変わらないはずなのに、私はなぜか店の中に入りたくなりました。それまで入ったこともないのにです。
今考えると、昼間野崎が「俺ん家とかでもあんたを呼ぶけん」と言ったのが頭に引っかかっていたのだと思います。
引き戸を開けるとガラガラと音がしましたが、気づかれるとかいう不安はありませんでした。また店内に入ったとたん窓の外が明るくなり、
なぜかセミの鳴き声が響き始めました。実際の季節は冬でしたが、夢の中では真夏。これはなぜか思い出すたびに気になって夢判断の本などを調べてみましたが、
いまだによく分かりません。
店先には誰もいませんでした。しばらく店の中を見回していると突然奥から誰かが歩いてくる音が聞こえました。しかしやはり、私はそこにぼーっと立っていました。
店の奥、そこから歩いてきたのは母でした。家での私と風呂に入ってる姿にそっくりな感じで、裸のままタオルで髪の毛を拭きながら歩いてきます。
母は私に気づかないまま、裸のままで店の中にある椅子に座りました。距離にして2mくらいでしたが、母は私に全く気づきません。夢だからしかたありませんが。
どうやら母は誰かを待っているようです。場所が場所だけに、相手は明らかでした。そして、当たり前のように野崎が奥からやってきます。
母はそれを無表情で迎えます。
野崎は母に近づいてキスをしました。その時私はまだAVなどを見たことがなかったので、2人のキスは舌を絡ませあうようなキスではなく
何度もちゅっちゅと繰り返す感じでした。そのまま抱き合い、椅子の上でずっとキスをする2人。やがて野崎が母のおっぱいを揉み始めます。
母は、昼間途中から上げ始めた「ああ、ああん」みたいな喘ぎ声をすぐに上げ始めました。
私はその2人を見ていて情けないながら興奮して、気づかれないことをいいことにはあはあと荒い息を吐きながらじっと見つめていました。
夢の中でも、股間は勃起していたと思います。野崎がおっぱいを揉む手と、母の喘ぎにしばらく夢中でした。
しばらくすると感じている様子だった母がゆっくりと目を開けて、野崎を見つめました。
何か耳元でぼそぼそと囁いてるようでした。聞いた野崎の横顔がニヤリと笑い、母から体を少し離した時、私は「ああ、またちんこを入れるんだな。
今度は母から頼んだな」と思いました。
ところが、野崎がズボンを脱ぎかけた所で、母がこっちを見たのです。そして驚いた顔をしました。その瞬間夢から覚めました。
時計を見ると午前4時。私はその時初めて夢精しました。起きたばかりの時心臓がどきどきしていたのを覚えています。
あわてて洗面所にいきパンツを脱いで気持ち悪い白い液体がついたパンツを洗濯機の奥の奥に隠しました。その後気づかれたかどうかは分かりません。
部屋に戻って、同じ部屋で寝ている母を見ました。私のふとん、父のふとん、その向こうで寝ている母。また何かいけないことを考えてしまいそうになり、
私はそのままふとんにもぐりこみました。