自宅の風呂 3
「の、野崎さん……は、ひっ、そんなに強く、しない、で……」
「ははっ、何言うちょんのか。今はあんたが腰を勝手に振りたくりよんのやろうが。見ちみい、初めん時に比べたらだいぶ気分出しちょるやねえか。
動くたんびにおめこがぐちょぐちょ音立てよんで?よぉ」
「あああっ……恥ずかしいっ」
恥ずかしいと言葉に出しても、母の腰の動きは止まりませんでした。それと野崎が言ったおめこの音は、私のいる場所からは聞こえませんでした。
ただ聞こえないからこそ、おめこがどんな音を立てるのか頭の端で考えてしまい、また股間を痛くしていました。
「しかしあんたもわりい女やの。旦那が必死じ働いちょん時間に、俺みたいな男とおめこしまくりよん。子供も学校やろ?どんだけ好きもんなんか、よぃ」
「そん、そんな……っ、今日も、あひっ、野崎さんが……来たから、あうううっ、ううんっ!」
「来たから、なんかえ?来たから旦那や子供も忘れちおめこ開いてさせちくれたんか?嫌やったら俺のちんこなんかやめて今すぐ旦那呼んじすりゃあいい」
「あ、うううう……っ」
「……なあ、俺のほうがいいんやろが?俺んほうがいいけん、何も言わんでおめこしよんのやろうが?え?」
「……言わ、ないで、あうんっ!は、ひ、ああああーっ!」
野崎の問いに答えるかわりに、母は腰をもっともっと前後に大きく揺すり始めました。そして、もっともっとショックな光景が見えました。
「ああっ……野崎さん、野崎、さんっ……んう、むうううっ、んちゅっ、んんっ!」
腰をぐいぐいと動かしたまま、母は野崎の上の上半身を折り曲げ、両手で野崎の顔を抱え持ちました。すりプラスチックの扉に黒い頭が見えたからです。
そして母は、その頭に、キスしました。声がこもったのはそのためです。
キスというのは、お互い好き合ってる同士がすると思っていました。しかし母は、父とではなく野崎とキスをしたのです。
今から考えれば、もしかしたら野崎の言葉攻撃を封じるためにしたのでは?とも思いますが、当時の私には大変なショックでした。
「ん、むっ、んふうんんんっ……ん、んふ、んちゅっ」
そしてそのキスは、長く続きました。母が、父ではないどちらかといえば嫌な男と、長く長くキスをしている状態に、私はどうしようもなく不安を覚えました。
しかしやはり、そのキスがおめこと同時に行われているという現実に、興奮もしていました。
「ん、ふうっ……んふ、んふ、んんっ!」
「んううう、んあっ……よい、美佐江さん。あんまり強く吸うと息が出来んがえぇ。舌も痺れて来よんし」
「あ、あ……っ」
言葉が聞こえるので唇は離れたようですが、二人の距離はあまり離れていません。キスしているような距離で、顔がほぼくっついている状態で、
2人は会話していたようです。
「口んほうはもういいけん、もっとおめこに気ぃ出しちくれんかえ。そしたら俺もちんこをもっと突いちやるけん。な?」
「ああ、は、い……っ」
「ちんこ、好きなんやろ……なあ美佐江さん。俺のちんこ、よい……」
野崎の声の響きが少し変わったように聞こえました。ゆっくりとしっかりと、「ちんこ」という単語に力をこめて母に囁いている感じです。
「ああ、いやっ……」
「嫌じゃあんめぇ。俺んちんこが好きやけん、そげえおめこを食い締めて来ちょるんやろうがぇ……」
「違い、ます……ああ、あふっ!」
「……ふうん、まあいいわ。も少し激しくやるで」
「は、ひいい、んんん……っ!」
野崎の声が前の強い調子に戻り、また母の体がゆさゆさと上下に揺さぶられ始めました。野崎が下から腰を突き上げ始めたようです。
ちんこという言葉を巡るやり取りは、私の心をかなり惑わせました。野崎とぶちゅぶちゅと遠慮なくキスをし合っていた母の口から、
「ちんこ」という単純ですが卑猥な言葉が出てきそうで怖かったのです。幸いこの時はそれは避けられましたが、
心乱れしかしそれと共に股間を痛くしていた私は、どうしようもないまま風呂の中の裸の2人を覗き続けるしかありませんでした。
「ああ、ひいっ……あ、はぁ、あは、の、野崎さん……あ、ふうっ!」
「おお、おおうっ。いいで、そんままもっとケツ振っちょけ」
それからしばらく、野崎の上で母が体をゆさゆさ揺さぶる形が続きました。母はしっかりと野崎の首に腕を回し、お尻を前後や上下に激しく動かしていました。
それはシルエット、というかすりプラスチックの向こうでも分かりました。たまに思い出したように野崎の顔を抱えキスすると、また母の声がこもります。
それが余計にいやらしく聞こえてたまりませんでした。
「おい、よい」
思わず見入っていた私に、野崎の声が聞こえました。
「はあ、はふ、うううんっ」
しばらく答えないで、声ばかり出している母に、
「よい、聞こえちょんのか美佐江さんっちゃ」
野崎が少し怒った声で言いました。
「は、ああ……な、なに……っ」
「あちいけん、そこん戸を開けようえ。んで、風呂に手ぇついちこっちにケツ向けちょくれ。な?」
「あ、あぁ……」
「あんたん好きなカッコじゃ。犬みたいにケツから入れちゃるで、美佐江さんよぃ」
母の返事は聞こえません。でも野崎は返事を待たずに風呂の戸をガラッと開けました。
さすがにびっくりしたのを覚えています。その瞬間、野崎の顔がはっきり見えたからです。野崎が少しでも玄関のほうを見ていれば、
私が廊下ではいつくばって覗いていたことがバレていたと思います。
しかし野崎はこちらには気づかず、ニヤニヤとしたいやらしい顔をこちらから湯船のほうに向けました。そしてもう1つ、母の姿も見えました。
顔ではなくおなかから腰、そして毛の部分です。それを隠すように野崎の汚い尻が見え、その向こうで少し母の裸が浴槽のほうを向くのが見えました。
ああちんこが抜けたんだ。とか「こっちを向きます」とかもう返事しないで野崎の言う通りにするんだ。とかぼんやりと思いました。
「ああ、いいのぉ」
野崎がつぶやきます。開けた戸から野崎の裸の後ろ姿と、ほんの少しだけ母の尻の肉が見えます。野崎のほうに向かって嫌がらずに尻を向けている母。
見えるのに少ししか見えないという状況にかなり興奮していました。場違いだとは思いますが。