母と美佐江 4
「おおっ、あちいぞおめこん中がよい。美佐江のおめこあちいあちい。ひひひっ」
「あ、ひ、いい……っ、おめ、こ、ぉ。野崎さ、んんっ」
まるで中身のなさそうな言葉を2人が続けます。でもその間も野崎の腰は動き続けています。
ただ野崎のその動きは言葉と同じようにゆっくりなのに、母の言葉、というか喘ぎはどっちかというと早く焦るような感じでした。
「ほら、どげえか……はじめん時より馴染んできたやろ」
「ああ、ううっ、野崎、さぁ、ん……」
ただそうつぶやくだけで答えない母。でも言葉で答えないかわりに、それまでごそごそと床を動いていた両手が野崎の体の上に置かれました。
それも、ゆっくりと動いている腰の上へです。
「おお……へへへっ」
野崎はその動きに気づいたようですが、その事に関してはなにも言いませんでした。
「まあ、馴染んでねえとこげえまで締めて来んわの。どこをどけえ突いてん、美佐江んおめこは食いついち来るけんの……
なあ美佐江、俺んちんぽ好きやろが」
「は、はいぃ……好き、好きっ、ちんぽ、好きで、すっ」
「……旦那んチ○ポよりか、よい」
「は、ひっ」
「ほおお」
驚いたような声で母が小さく叫び、野崎はそれをあっさり理解したみたいでした。私には答えるのに戸惑った声に聞こえた母の言葉は、
どうやら意味が違ったようでした。
なんの迷いもなく母は父より野崎がいいと即答したのです。
「ならよい、態度で示しちくれんとな。美佐江ん好きな俺んちんぽを、どげえして欲しいんか、え?」
「あ、ああっ」
野崎は母の喘ぎを聞いて、動かしていた腰を止めました。そして、覗き込んでいた顔もじわじわ上げていきました。
「え、あっ……野崎さ、んっ」
野崎が体を起こしたおかげで、母の表情がすりガラス越しでもよく見えるようになりました。
離れた野崎の顔をじっと見て、どうしようもなく困った顔をしていました。ただ顔はどうしようもなく赤くなっていましたが。
「聞こえちょったやろうが。言葉にせんでいいけん、好きなように自分から動いちくれ」
母の顔の横に手をついて、ニヤニヤしながら母を見下ろす野崎。
「……ああっ、あの」
「しゃべんなっちゃ。体動かせ、よい。美佐江」
結局、野崎はこのセックスが始まった時から、母を焦らして弄んでいたのです。母が「子供がいるから早く」と訴えても、
むしろそれを楽しむように母を焦らしていたのでしょう。
そのままニヤケながら、一度だけ腰を出したりします。そのたびに母は眉を歪めて必死に野崎を見上げています。
そしてそんな顔を見て、また野崎は腰を一度だけ出します。
「……あ、あっ」
そして、母が動き始めました。野崎に焦らされて我慢できなくなって、ついに2階に息子の私がいるのに淫らに振舞い始めました。
アルファベッドのMのように見えていた母の足が、ゆっくりと宙に上がっていき、野崎の腰に置かれたのです。
「ほお……続けんか」
さっきよりも更にニヤケて、野崎は動かなくなりました。だから母は仕方なく、自分の動きを続けます。
足は、まだ動き続けました。腰に置かれただけじゃなく、はっきりと隙間なく野崎に密着していったのです。
どちらかといえば小太りの野崎の腰に、母の白い足が絡まっていく感じでした。
もう完全に、命令されてしている行動ではありませんでした。母がしたいようにした末が、足を絡めるようにして野崎の体に密着させたのです。
今ならばなんとなく(性器同士を密着させる)意味が理解できますが、それが分かっていなかった当時でも母の両足が野崎に絡んだ光景は
どうしようもなくいやらしく思えたはずです。
「おお、美佐江……そげえしたいんか」
「あ、あっ……はい、野崎、さんっ」
返事をして、両手を伸ばし、少し距離があった野崎の頭を掴んで母は舌を伸ばしました。明るい居間でその小刻みに揺れる舌が影になって黒く見え、
なぜかひどく淫らに見えました。
「ふん」
野崎はそんな母に顔を近づけ、口づけました。2人の舌が絡み合う、音の聞こえるキスです。
しかしそれはそれほど長く続かず、野崎はまた笑いながら顔を離しました。
「ん、あ……っ」
顔を話された母の顔はもう、直視できないほど可哀想になっていました。唇の周りはよだれで濡れているのに、
表情は大事な物を取られたような悲しい顔です。野崎はそれを分かって、腰の動きを止めたりキスを途中でやめたりしていたのです。
またも焦らされた母は、声を上げませんでした。しばらくその表情のまま上の野崎を見つめていました。
そんな様子を見ていた私は、変化がないと思った姿の異変に気づきました。それはほんの些細な動きでしたが、
やはり見つけた時には大きなショックを感じてしまいました。
母の足先、ちょうどふくらはぎのあたり。そこの筋肉、というか筋が1秒ぐらいごとにぴくぴくと動いていたのです。
母は、絡めた足に力を込めて、さらに野崎と密着したがっていたのです。
「……よい、美佐江」
「ああ、はいっ」
「……本気でしたいんやな、おめこを」
母は、泣きそうな顔でうなずきます。
「……息子がおるにか?2階に、お前ん腹痛めた息子がおるに、俺に本気でおめこして欲しいっちゅんやな?」
母は、美佐江は、1秒も躊躇することなく、何度もうなずきました。
「じゃあ、しちゃんけんの。足に力入れち、下からも腰振れや美佐江……ひひひっ」
今まで聞いた中で一番冷たい笑い声を野崎が上げて、そして動き始めました。実の息子がいる2階にもう視線すら向けなくなった母のおめこを、
野崎は激しく突き始めました。
「あ、あううっ……こ、これ、来た、ぁっ」
さんざん焦らされ続けて、ついに欲求を叶えられた母は、泣きそうな表情は続けながら喘ぎ始めました。
大きな叫び声ではないけれど、耳をすませばドアを閉めている2階の部屋にも自慰分に聞こえるほどの声でした。
「ほら、もっとおめこ締めんか。さっきより緩んじょんぞ美佐江」
「は、はいっ、締めます……っ、ひ、ああ、あっ」
実際はどうなったのか確かめようはありませんが、母がそういったあと、さっきよりさらに足の筋が大きく動き始めました。
体中に力を込めて、野崎を喜ばせ自分も気持ちよくなろうとしていたのでしょう。
「ああ、よい、いいぞ美佐江。おめこ締めち俺んちんぽもっと欲しがれ」
「ああ、野崎さん……野崎さんの、ちんぽっ。す、好き、素敵、いっ」
また母は野崎を見つめていやらしい言葉を吐きます。そして、絡まった足だけでなく下からお尻にも力を入れています。
さっき野崎が「下からも腰触れ」と言ったのを忠実に守っているのです。でももしかしたら、言われなくてもそうしていたのかもしれません。
「美佐江、ほら、いいんか?おめこいいんか?」
「ああ、いいっ。美佐江のおめこっ……い、いいいっ」
「何がいいんか……俺ん分かるように言わんか、よい」
「……おめ、こがっ、野崎さんのちんぽで、いっぱい、やけん……おめこが、い、いひいっ!」
「俺のちんぽ好きなんやな」
「好き、好きっ……ちんぽ、ちんぽぉ、好きいいいっ」
「だんなんのより好きなんか美佐江。なあ、ちんぽはどっちが好きなんか?」
「ああ、ああっ……違う、違うけんっ……あの人のとは違うけんっ、こっちが、好きっ……野崎さんのちんぽ、好き、好きいいいっ!」
もういまさら、父のことがどうと言う事はショックではありませんでした。入れられた直後にも即答していましたし、
自分がそばにいるのに母はこんなにも激しく乱れていたのですから。
ただ。その会話で、今までにないくらいショックだったのは。
当たり前のように方言を使い、野崎の方言と同じような響きで答える母に気づいた事でした。