母姉相姦 第２話
「夏美 〜禁忌の性炎」
前夜、母との官能的なつながりを経験した悠一は、心躍っていた。行為を終えた悠一は荒い息をする母に「またしてくれるよね……」とささやいた。礼子も、はじめはさすがに拒否した。しかし、「このことをパパやねえさんに言ってもいいの？」と悠一は優しい口調で脅す。一度躰を交わした悠一は、母に対してかなり強気になっていたのだ。
その息子の言葉と、最終的に実の息子を受け入れてしまったという弱みから、 礼子は仕方なくうなづいた。「じゃあ、明日の夜もこの部屋でね」悠一が微笑みながら言った。
そして明朝、悠一は朝食の支度をする母親を食い入るように観察した。その息子の視線に気づき、礼子は目をそらす。そんな母親の反応を見て、悠一は楽しんでいたのだ。
ふと、食卓にいつもいるはずの姉の姿がないことに気が付いた。
「ねえ、ママ。ねえさんはどうしたの？」
悠一が聞いた。
「……え？ああ夏美ね、夏美は今日気分が悪いから、大学を休むらしいわ」
「ふーん。それなら僕が一日中ねえさんを看病してあげようかな、着替えをしたり、体を拭いてあげたり……」
わざといやらしい口調で悠一は言った。
礼子は振り向いて言った。
「変なこと言わないで……！あなた、実の姉さんに対して……」
その顔は怒りに満ちている。悠一は表情を変えず言った。
「冗談だよ、ママ。だって僕には素敵なママがいるもの……」
悠一は立ち上がって、震える実の母親に後ろから抱きついた。
「ね、だから怒らないで……今夜の約束、覚えてるでしょ？」
礼子の太腿に、悠一の固いモノがこすりつけられる。
「僕はママ一筋だから、ね。だから今夜二時に、忘れないでよ」
悠一が甘えた口調でささやいた。礼子はそれに騙されてしまう。
母の態度に安心した悠一は、焼けた食パンを食べると元気に学校へと向かった。
礼子は悠一が出ていった後、昨夜のことを思い出した。自らの恥ずかしい自慰を実の息子に覗かれ、そしてあの禁断の行為に足を踏み入れてしまったのである。
実は礼子がオナニーにふけったのは夫がドイツに旅立って昨夜が初めてである。久々の自慰にふけったきっかけは、他ならぬ悠一のせいであった。
二日前の夕方、礼子は会社の仕事が一段落していつもより早い時間に帰宅した。台所などの様子から、二人の子どもはすでに帰宅しているようだった。
自室に戻り着替えを済ませた後、ふいに子どもたちの様子を見ようという気が起こった。礼子は子どもたちの部屋がある二階へと階段を昇って行った。
「……！」
そこで礼子は、思いがけない光景を見てしまった。息子の悠一が夏美の部屋の前で、なんとひたすらオナニーにふけっていたのだ。あまりに熱中しているためにこちらの事に気が付かない。
夏美の部屋のドアが少し開いていることから、どうやら姉の姿を見ながら自慰しているのだ。悠一は自分の分身を必死にしごき立てている。礼子は息を潜めながら、足音を忍ばせて悠一に近づいていった。
礼子はついに悠一のま後ろに立った。一向に気づく気配がない。礼子は開いたドアから夏美の部屋を見た。夏美も、オナニーをしていた。
礼子はそのまま、視線を下に降ろした。目に飛び込んできたのは、悠一のきばりきったペニスだった。
『大きい……！』礼子は素直に感嘆した。声には出さなかったが、実の息子のモノを見るのはおそらく十年ぶりぐらいだ。しかしその姿は大きく変わっていた。大きく脈打っていて夫のモノより、大きい。
「ああ、姉さん……っ！」
突然、悠一が声をあげた。その瞬間、息子の怒張から白濁した液体が飛び散った。
「……！」
不思議な光景だった。先端から迸るその白い液体が、まるでスローモーションのようにゆっくりと周囲に飛び散って行く。礼子は、その光景の美しさに思わず息を呑む。
しかし、母親としてこのまま放っておくわけにはいかない。礼子は気を落ち着け、悠一の前に回り夏美の部屋のドアを閉めた。そして母親の存在に気づいて、慌てて後始末をする悠一に言った。「早く行きなさい」と。それは母親としての毅然とした声だった。
その夜は、その母親としての気持ちを維持できた。しかし、次の日は一日中息子の猛々しいペニスが頭にちらつき、仕事どころではなかった。振り払おうとしても、あの淫靡な光景はしっかりと脳裏に焼き付いている。そのため仕事が滞り、帰宅が九時半を過ぎてしまった。顔を洗っても、シャワーを浴びてもあの恐ろしい息子の残像は頭を離れなかった。二時を過ぎて、自室で指の慰めを始めたのもごく自然のことだった。
（わたし、寂しいのよ。だから悠一のアレを見てこんなに興奮しているのよ……）自分にそう言い聞かせて、タンスの奥にしまっておいたバイブレーターを取り出した。夫との交歓のために一年前に購入したものだ。しかしこれを使うはずであった夫の秀康は今年のはじめにドイツへと旅立った。その時よりずっと引出しの中にしまわれていたのだ。全裸になった礼子はベッドに横たわり、黒く冷たい張り形を股間に花弁に優しくあてがった。
「ん、ふっ」
心の中で夫のペニスを思い出す。昔何度も交わした愛の行為に思いを馳せる。
「うう、あなた。あああっ」
バイブレーターの電源を入れる。ブーンと低い電動音を立てて細かな振動が始まった。 礼子は少しずつ動かし始める。
「あなた……礼子こんなになって、あなたの帰りを待ってるのよ。ああ……っ！」
固いバイブが女の表面を滑るたび、快感は高まっていく。やがて、礼子の想像は膨らんでいった。さっきまでは確かに夫の肉体を想い描いていたはずなのにそれがだんだん曖昧になり、やがて自分を優しく抱いている男の姿は、息子の悠一へと変わっていた。
「はああっ、あふう……」
バイブレーターは完全に礼子に収まり、体内でいやらしくうごめいている。礼子はそのいやらしいモノを出し入れする。
「はああ……ねえ来て。あなた、来てっ！」
喘ぎの『あなた』もすでに誰を指しているのか分からなくなっていた。
「ああああっ……はやく来て、あなたっ！」
すぐ目の前に、息子が立っている事など気づかずに、礼子は欲望の叫びを上げた。そして、あの悪夢が始まったのだ。
「ママ、どうしたの？」
突然の娘の声に、礼子は飛び上がりそうになった。振りかえれば、パジャマ姿で二階から降りてきた夏美がいる。
「え、あ、な、なんでもないの。夏美はもういいの？」
「寝てたからだいぶよくなったけど……どうかしたの？」
礼子はいつのまにか汗びっしょりになっていた。夏美はそれを見て心配したのだ。
「あ、いや、ちょっとママも気分が悪くて」
「ふーん……まあいいか。あ、そうだママ、悠一はもう学校にいったの？」
「ええ、いったわよ」
礼子はだいぶ平静を取り戻した。
「分かった。じゃあわたしもう少し寝てるわ。ママも寝てたら？」
「うん、そうするわ……」
礼子はテーブルを立ち、エプロンをはずして自室へ向かった。母のおかしなようすを不思議に思いながらも、夏美は自分の部屋に戻った。
（今夜ははっきり拒否しよう。そうしないとこのまま……）礼子はそう自分に言い聞かせた。自信のない自分を抑えるように……
その夜、夕食はいつもの通り三人でとった。パジャマのままの夏美は、やはり朝と同じようになんだかおかしい母のようすを見ていたが、たいして気にもしないでいた。それどころではない。夏美には今夜、大きな目標があるからだ。実の弟 悠一を誘惑し自分だけのモノとするための……。
「あら、もう食べないの？」
悠一が小食の姉に言った。
「うん。二日も大学休むわけにいかないから、今日は早く寝るわ。あ、それから夜中にシャワーを浴びるかもしれないから、湯沸器をつけといてね」
夏美はそう言うと、階段を登っていった。悠一は姉の後ろ姿を眺めていた。
（ママのお尻もいいけど、ねえさんのヒップもなかなかだな……）悠一はあの夜覗き見た姉の狂態を思い出し、ほくそ笑んだ。
（でもいいや。また今夜、ママの躰を……）悠一も夕食を食べ終わると、後かたづけをする母親にウインクをして自分の部屋に戻った。
やがて夜が更け、午前一時五十分頃。悠一は自室で時計を見ていた。
「そろそろかな。ふふふ」
悠一は笑った。また実の母親の豊満な肉体を思う存分楽しむことができる。長い時間躰を交えられるように、すでに二回オナニーを行っていた。
「さてと……」
悠一は立ち上がろうとした。その時、突然部屋のドアがノックされた。
「……誰？」
悠一はドアを開けた。そこには夏美が立っていた。シャワーを浴びたばかりなのか、素肌にバスタオルを巻いただけの姿だ。
「あら、やっぱり起きてたの」
夏美はそう言うとドアを閉めて、ゆっくりとベッドに腰掛けた。
「ねえ、悠一。ちょっと聞きたいことがあるの。座って」
「うん……」
悠一はしょうがなく椅子に座った。姉の雰囲気がいつもと違う。
「悠一。あなたおとついの四時過ぎに、わたしの部屋を覗いてたでしょ」
「えっ……！」
悠一は驚いた。あの時姉は気づいていたのだ。
「どうなの、悠一」
厳しい声で夏美が問いつめる。
「気づいてたの……？」
弱々しく悠一は聞く。
「気づいてたなんてもんじゃないわ。あんな大きな声出すんですもの」
夏美は脚を組んだ。その瞬間、悠一には姉の秘部がタオルの隙間からチラッと見えたような気がした。そんなことはおかまいなしに、夏美は続けて質問する。
「何をしていたの？あんな声出して……わたしの、恥ずかしい姿を見ながら。フフフ……」
夏美が前かがみになって悠一を見た。悠一はゴクリと唾を飲んだ。タオルの隙間から、今度は姉の胸の谷間がはっきりと見える。
「さあ、言いなさい。あなたは何をしていたの……？」
夏美はさらに前かがみになる。姉の体が手に届くところまで近づいていた。
「僕は……僕は、ねえさんのオナニーしてる姿を見て興奮して、オチンチンを握っ
ていたんだ！」
「まあ、いやらしい！」
夏美は立ち上がった。
「ねえさんの裸を見て、オチンチンを触っていたなんて……なんて恥ずかしい弟なの！」
悠一は恥ずかしさに目を伏せた。夏美が近寄って来て言った。
「その時も、ココを固くしてたんでしょう！」
夏美が悠一の股間をつかんだ。突然の姉の攻撃に悠一はひるんだ。悠一のペニスは、姉の裸身を見せつけられてすでに固くなっていたからだ。
「まあ、いやらしい。今もわたしを見て興奮してたのね！」
弟のモノをつかんだまま、夏美はつめ寄った。
「変態ね、悠一。あなたは変態よ！これはおしおきしなきゃね……」
夏美は突然、悠一のズボンのチャックを開け、弟のペニスを引きずり出した。
「ああ、ちょっとねえさん……！」
覗いていたのがばれてしまった後ろ暗さからか、悠一は姉の攻撃に抵抗できない。弱みを握った母親に対しては強気に出る事ができるのに、今の悠一にはそれができなかった。
「こんなに固くしちゃって……この変態さん！」
いきり立ったペニスを指で強く何回も弾いた。悠一はそのたびに低い悲鳴をあげる。夏美は楽しそうにそれを続ける。やがて指先による痛みと鈍い快感のため、悠一のモノはさらに固くなった。
「こんなもんじゃ足りないわね……そうだ、悠一。あなた服を全部脱ぎなさい。 全身をいたぶってやらなきゃ気が済まないわ」
「ええっ、そんなの、いやだよ……」
「あ、ダメだっていうの？変態の弟がいるってことを、パパやママに言ってもいいの？」
悠一はさすがに嫌がった。がしかし、姉の強い口調に飲まれしぶしぶ服を脱ぎ始めた。
昨日礼子を犯して得た自信など、どこかへ飛んでしまった。
「……はずかしいよ」
全裸になった悠一は、股間を手で隠して姉の前に立った。
「ちょっと、手をどけなさいよ。あなたもわたしの裸見たんでしょ！」
悠一はおびえて手をのけた。さっきすでに見られているはずなのに、恥ずかしさは倍増している。
「華奢な体して、ココだけはおっきくして気持ちわるいのよね……」
夏美は悠一の股間に顔を近づけた。確かに悠一のどちらかといえば細身の体には不釣合いなペニスが、鼓動にあわせて脈打っている。
やはりそれも突然だった。夏美が、弟のモノにいきなりしゃぶりついたのだ。
「わっ、ねえさん！」
突然姉がフェラチオをはじめ、悠一は動揺した。
夏美は七年前のあの日、弟のペニスをしゃぶってから男性経験は一度も無い。つまり二度目のフェラチオは再び実の弟、悠一のモノだったのだ。
（そう、これよ。わたしはこの七年間、このオチンチンだけを待っていたのよ……！）夏美は感激に酔っていた。弟の精液を、今度は吐き出さずに全部飲んでしまいたかった。
「ねえさん、やめて……ぼくイッちゃうよ……」
悠一の声が細くなる。甘えた声はあの時と同じだ。しかし口に含んでいるものは、想像していたものよりはるかに大きく固い。夏美は愛情込めてフェラチオを続ける。
「あっ、ねえさん……ねえさんったら！」
悠一の言葉も聞かず、ただただ激しく首を動かす。
「あっ、ねえさん……あああっ！」
その瞬間悠一のモノが膨張し、姉の口の中に熱いエキスが大量にほとばしった。夏美はその液体を、ゴクゴグと喉を鳴らせて飲み込んだ。
「ううう……」
放出した感覚に、悠一は全身の力が抜け、ベッドに倒れ込んだ。
夏美は舌なめずりして立ち上がった。
「さあ、これからが本番よ……」
そう言うと、夏美は体に巻いていたバスタオルをとって全裸になった。
「……！」
悠一は我が目を疑った。実の姉が、自分の目の前でまっぱだかになったからだ。母 礼子よりこぶりだが形のよいバスト。細くくびれたウエスト。むっちりとした腰。そしてなにより悠一の目を引いたのは、薄くちぢれたヘアだった。ヘアヌード写真集の女優や母親 礼子に比べ、極端に毛が少なく、その下からはっきりとピンクの秘裂が顔を見せている。少毛症、という病気があることを悠一はどこかで聞いていたが、姉の恥部はその病気ではないかと思ってしまうほど陰毛が少なかった。そのせいで、女性器がはっきりと観察され、
しして姉のそこが濡れていることに気が付いた。
「なにジロジロ見てるのよ。さあ、おしおきよ」
夏美はベッドに乗り、ひるむ悠一の腰に馬乗りとなった。
「あなたが覗いてたせいで、あの日わたしは満足できなかったの。だから今から、悠一の躰を使ってわたしを満足させるのよ……」
夏美は淫らに言った。そのまま、なんの躊躇も無く弟のペニスを自分の淫唇にあてがい、腰を沈める。男性経験の無い、正真正銘処女である夏美の、駆け引きも何も知らない初セックスだった。
「ねえさん……」
「うはあ……はあっ！」
処女の夏美にとって、それは大変な痛みを伴う行為であった。ただ弟を自分のものにしたいがための冒険だった。
夏美は痛みを隠しながら、笑って言う。
「さあ、わたしを満足させて……」
悠一に自分が処女だと悟られてはいけない。そういう気持ちが夏美に働いていたのだ。
やがて、ゆっくり夏美は腰を動かし始めた。確かに痛い。弟のモノが挿入された場所から、全身に鈍く痛みが広がる。しかし痛みよりも、弟を征服したという満足感が今の夏美を襲っていた。
「うああ、ねえさん。気持ちいいよ！」
悠一が声をあげる。
「いいわ、悠一……ねえさんも気持ちよくさせてね」
夏美が本心からささやいた。早く弟のモノに快感を与えて欲しかったのだ。
しかし痛みからか、大きい動きを行うことができない。夏美は動きを止めて言った。
「ねえ、ねえさんのなか、どう……？」
「あったかくって、狭くて……気持ちいいよ、最高だ！」
悠一は本心から言う。
夏美も同じ気持ちだった。体内に息づく弟の怒張から少しずつ湧きいでてくる快感は、今までのどんな自慰経験よりも素晴らしかった。そのまましばらくじっとしていると、感じていた痛みはいつの間にかなくなってきた。
「さあ再開よ。悠一も頑張ってね……」
夏美はささやいた。再び腰の動きを始める。
「ね、ねえさん……いいよっ」
悠一が叫ぶ。姉の内部は涼子や礼子のものよりかなり狭い。そのため自分のペニスに与えられる感覚がだいぶ違う。
「はっ、ふ……あああーっ！」
夏美が激しく喘ぎはじめた。悠一は自分の腰に乗っている姉を見た。姉が腰を振るたびにみずみずしく張った形のいいバストが激しく揺れる。汗びっしょりになって快感に身を委ねる姉の恥態を眺めて、さらに興奮した。悠一は夏美の腰をしっかり掴み、そして自然に自分も腰を使い始めた。
「あああっ、悠一。イイわ……それ、イイっ！」
夏美が叫ぶ。もうすでに破瓜の痛みはなく、ただ実の弟との性の交わりに身を任せる悦びだけに酔っていた。腰はさらに激しくグラインドする。
「ああっ悠一。ねえ、もっと……もっと激しくやって！」
「ねえさん……うああっ、最高だねえさん！」
二人は互いに鳴咽し、腰をぶつけあった。悠一は揺れる姉の豊胸を手で掴んだ。
（すごく弾力がある……なんて素晴らしいおっぱいだ！）悠一は感動し、握った手にさらに力を込めた。
「ふ…あっ。悠一……なんて、なんて気持ちいいの！」
夏美はなにもかも忘れて腰を振る。
「あ、あ、ああっ……ねえさん、イイよおっ！」
腰をさらに突き上げながら悠一が喘ぐ。
「ふあうっ、ねえ、悠一……ねえさん、もうダメなの。イクわ……」
「僕もだ、ねえさん。イキそうだよ……！」
二人に絶頂が迫って来ていた。互いの性器をぶつけ合うその姿はもはや「姉弟」などではなく、激しく愛し合う恋人同士のようだった。
「ねえさん、僕……イクっ！」
「悠一、わたしもイクわ……ああ、イクうっ！」
悠一と夏美の互いの動きが同調した時、絶頂の瞬間が一致した。
自分の上の夏美の体が細かくケイレンした。悠一も体を反らして快感を迎えた。
「ふう……ねえさん、よかったよ」
悠一はかすれ声で言った。
「そう、よかった……わたしも満足したわ」
感激に潤んだ瞳を弟に向けた実の姉夏美が言った。
「だから、ねえ……悠一。いつでもこうしてあげるから、これからずっと、わたしだけを愛して……ね？」
夏美はそう言ってキスをした。突然の愛の告白だった。（そうか。ねえさんは僕のことが好きだったんだ……）悠一は思った。
「嬉しいよ、ねえさん。僕もねえさんが大好きさ！」
また悠一は夏美を抱きしめようとした。
しかし姉はそっけなく逃れると、立ち上がって素早くバスタオルを巻いた。
「今日はダメ……自分自身で今夜の幸せを噛みしめていなさい。おやすみ、悠一」
夏美は悠一に投げキッスし、ドアを出ていった。ドアの外で夏美は思った。
（ついにやったわ……悠一をわたしのモノにした！）自室に戻っても今の熱烈な交わりを思い出し、夏美は感激していた。
その時、一階の自室で礼子は眠れぬ夜を過ごしていた。シャワーを浴びて体を洗い、バスローブ一枚でベッドに横たわっていた。
自分では、悠一にこの行為の異常さを教えるため、と思っていた。いや、無理やりそう思い込もうとしていたのだ。しかし、今自分の躰を襲っているのは、言いようの無い寂しさだった。
（わたしは待ってなんかいない……そう、待ってなんかいないわ……！）自分でそう思い込もうとするたびに、あの息子の美しい肉体が頭に浮かぶ。
振り払おうとしても、礼子自身がその肉体を欲しているのだ。
自然に淫裂にあてがわれている手に気が付き、礼子は紅潮する。
（そう、わたしは間違いなく悠一を求めている……あの体を、あの匂いを、あの逞しいペニスを……！）その気持ちは礼子の偽りざる本心だった。礼子は早く息子の剛直に貫かれたかったのだ。
しかしその礼子の心は裏切られる。悠一は午前二時を過ぎても礼子の部屋に現れなかった。「どうして」と思う気持ちと、「よかった」という気持ちが礼
子のなかを駆け巡った。その夜礼子は午前三時まで息子を待ち、その後指で火照った躰を自ら鎮め眠りに就いた。
あんなに暗く沈んでいた悠一の表情が明るくなっている。涼子は悠一の変貌を疑っていた。
（私に抱かれたあの日、悠一クンはかなり落ちこんでた。それがこの二日であんなに笑っている……）涼子は教育大学で専攻した心理学の知識を総動員して考えた。
（母親や姉への性的欲求が悠一クンにあの妄想を見せた。だからこそ私は悠一クンに、『母親と秘密をつくる』という精神的アドバイスをした……まさかあのアドバイスを真に受けて……？）確かにそれならば説明がつく。悠一の性的欲求が母親、あるいは姉によって満たされたとしたら、悠一のあの心からの笑顔も納得できる。涼子の疑惑は大きくなるばかりであった。
（冗談じゃないわ。悠一クンは私だけのものよ……だって悠一クンの童貞を奪って女の躰を教えたのはこの私よ！）あの日から三日、その間男性教諭二人から抱かれたが、涼子はあの悠一の若さあふれるセックスにしか感じなくなってしまっていた。
「その近親相姦の現場を見つけて、悠一クンをわたしの手に取り戻して見せる……」涼子は保険室でそう呟いた。
「ただいま」
いつもなら悠一の相手のいない帰宅のあいさつだが、今日は違っていた。
「おかえり」
礼子がダイニングの椅子に座って悠一を待っていた。
「ママ、どうかしたの。こんなに早く……」
悠一が聞く。礼子は答えようとしない。母親の頑なに見える態度から、その時はじめて悠一は昨夜の母との約束を思い出した。
「あっ……」
礼子が憂いた目でこちらを向く。どうやら間違いなくその用件のようだ。
「ごめんママ、昨日は遅くまで起きていられなくて……」
言い訳がましく悠一が言う。
「……いいのよ、あんなことは本当はやってはいけないこと。もう二度とママにあんな恥ずかしいことはしないでね」
礼子は冷たく言い放つと立ち上がり台所へと向かった。悠一には礼子が怒っているように見えた。
「ちょっと……なに怒ってるのさ」
悠一は母を追いかけた。抱きついた母の躰に、明らかに拒否の態度が感じられた。昨夜姉の突然の来襲によって、礼子との秘めたる約束を破ってしまった。がしかし、あんなに嫌がっていた母親の、今の態度が理解できなかった。
「さあ、悠一。離しなさい……ママは忙しいの」
相変わらず母の言葉は冷たい。悠一は礼子の躰から手を離した。
悠一はダイニングのソファーに座り込んだ。母親は今まで一度も見せたことのない激しい怒りをあらわにしている。なぜ母はこんなに怒っているのか、悠一には分からなかった。
（なんでママは怒ってるんだ？僕が昨日の夜部屋に行かなかったことがそんなに悪いことなんだろうか……）そうしてふと、ある考えに到達した。ママは、僕が行かなくて寂しかったんじゃないか、と。
「……僕は、ママのことを思って昨日は行けなかった……」
悠一はわざとトーンを落とした声で言った。先ほどの考えを確認するためだ。
「僕があの日、ママの姿を覗いてママと愛し合った時から僕は後悔していたんだ。ママが寂しいと思ったから、あの夜僕はママを抱いたんだ。それなのに……」
台所の母の動きが止まる。どうやら考えが当たったらしい。悠一は続けた。
「ママはなんで僕の気持ちが分かってくれないの……僕は毎日毎日が苦しいんだ。きれいなママやねえさんに囲まれて、どうして普通に暮らせるって言うの……？」
語尾を意識的に少しかすれさせた。礼子がエプロンをはずしながら台所を出てきた。思い詰めた顔をしている。
「……ごめんね、悠一。あなたがそんなに思い詰めていたなんてママ知らなかったの」
礼子は、沈んだ表情をしている息子に向かって必死にしゃべる。
「でも、ママや夏美ちゃんをそんな目で見るのはいけないことなの。あなたぐらいの男の子は、スポーツしたり勉強したりしてそれを発散しているの。だからもう……」
「でも僕はママが好きなんだよ？それはスポーツなんかじゃ忘れられないよ！だって僕がママを好きなのは事実なんだから！」
悠一は声を荒げて言った。
「でも、それは……」
息子の激しさに押され、礼子の受け答えが怪しくなる。
「……ときどき、ねえさんの姿を見てオナニーすることだってある。それはママも知ってるよね。でも、それはあの日一度じゃないんだ。何度も何度もねえさんの裸を想像してオナニーしてる……いつその想いが爆発するか、僕にも分からないんだ……」
礼子は悠一のその言葉に、恐ろしい想像をした。悠一が実の姉である夏美に襲いかかり、裸に剥いて凌辱する。礼子はその想像を振り払うかのように言った。
「そんな、そんな恐ろしいこと……」
しかしやはり語尾は小さくなってしまう。
「ねえ、僕を助けてよ……頼めるのはママしかいないんだ。そうでないと僕、ねえさんや他の女の人を……」
悠一は弱々しい声で言う。もう完全に自分の演技に酔っている。
「やめて……悠一」
耳を塞いで座り込んでしまった母親に、悠一は覆いかぶさるように抱きついた。礼子はなにも言えずに震えている。
「ねえママ、させて……お願いだよ」
甘える息子の声に、礼子の心はかき乱された。悠一は悩んでいる。若さゆえの、溢れるような性のはけ口を探している。その悩みを母親としてどう解決できるのか、実の母親として……。
「……悠一、ママはどうしたらいいの？」
礼子は細い声で言った。顔には出さなかったが、悠一はこの一言に狂喜した。
「とりあえず、出させてくれればいいんだ。そうすれば少しはガマンできると思うから……」
悠一は言った。いきなりフェラチオやセックスを頼んでも、今の母はそれを拒否するに違いない。母にスペルマを出させてしまえば、きっとあの夜のように拒むことをいつしか忘れるだろう。そう悠一は踏んだのだ。
「分かったわ……」
礼子は立ち上がった。悠一はいそいそと学生服のズボンを下ろした。すでに悠一のペニスはトランクスを高々と押し上げている。
「お願い……ママ」
悠一はトランクスは下ろさない。母親に下ろさせたいのだ。そうすれば礼子に少しの負い目を感じさせることができる。
礼子は何も言わず悠一に近づいた。悠一のトランクスに手をかけると、少しずつ下ろしていった。勃起したペニスが、弾かれるように飛び出てきた。
「ああ……っ」
あの夜見た印象と同じく、大きくいなないている。礼子はため息をついた。
「出してあげれば、いいのね……」
心の中の場違いな感動を隠すように、礼子は意識的に冷静な声をつくって言った。しかしその声は少し震えてしまい、悠一はその微妙な変化に気が付く。
「さあママ、やって」
「わかったわ……出してあげる」
やがて礼子のしなやかで細い指が、遠慮がちに息子の剛直に触れる。やはりその指も興奮に震えていた。
「ああっ……ママ、ゆっくり動かしてよ」
礼子はゆるゆると手を動かし始める。血管の走ったペニスはその動きに敏感に反応する。
「ママ、いいよ。すごく気持ちいい……」
悠一は母親の指の感覚に感動を覚えた。この前の夜はいささか無理やりの感があったが、今は少なくとも母は進んで自分の怒張を握りさすっている。
「あうっ、ママ、ああっ」
情けない声で悠一が喘ぐ。礼子はその声を聞き、少し手のピッチをあげた。この目で早く息子の射精の瞬間を見たいためだ。しかしそのフォローも忘れない。
「早く、早く出してね……そうすれば……」
この場から逃れられる、そう言いたいのだ。意識とは裏腹に湧き上がってくる興奮を、礼子は必死に隠そうとしていた。
「うあっ、ママ。イクよ……イクッ！」
悠一は顔を紅潮させて射精した。その噴出は礼子の顔面に直撃したあと、床に落下した。また礼子は大きなため息をついた。その目は妖しく潤んで輝いている。しばしの沈黙が二人を包む。
先ほどはずしたエプロンをつかんで、礼子は精液の始末をはじめた。まず自分の顔に付着したエキスを拭き取る。そのとき偶然、一滴の精液が礼子の口内に滑り込んだ。その液体のあまりの甘美さに、礼子の全身に電流が走ったようになる。
「ああ……っ！」
礼子はその場に座り込んだ。母親の息が荒いのに気が付き、悠一が近寄って来る。
「どうしたの……？」
「……何でもない、何もないわ！」
礼子が大きな声で言う。気を取り直して今度は床を拭き始める。
悠一は母の声に圧倒され、その場に立ちすくんだ。しかしこのまま終わってしまえばなんの意味もない。床に四つんばいになって必死に液を拭き取っている母親に再び激しい劣情を覚えた悠一は、たった今放出したばかりの股間に漲る力を感じながら、ゆっくりと豊満な肉体に近づいていった。
「ママ……」
そう言って悠一は不意に後ろから抱きついた。礼子は驚いた。
「やめて……悠一！」
「でも、僕入れなきゃ落ち着けないよ……」
また固くなったペニスを、母親のヒップに押し付ける。
「やめて！」
礼子は悠一を思い切り振り払った。そして急いで立ち上がると、駆け足でバスルームに逃げ込んだ。ここは鍵がかかる。あのままいれば間違いなく悠一に犯され、自分もその悦びに身を委ねていただろう。それほどまでに、礼子自身の躰も昂ぶっていたのだ。
悠一がバスルームに走り込んで来た。礼子は急いで鍵をかける。
「ママ、お願いだ。やらせてくれよ！」
息子が悲痛な叫びを上げる。礼子は耳を塞いでその声をさえぎった。
「ママ、開けてよ！お願い、もうたまらないんだ……っ！」
たった１枚ガラス戸を隔てて、悠一がいる。戸を叩く力は、そのままそれを破らんかという勢いだった。礼子はただひたすら、この嵐が早く過ぎ去ってくれる事を願った。
それから何分たっただろうか。いつの間にか悠一はいなくなっていた。力が抜けた礼子は、そのままタイルの床に座り込み、小さなため息をついた。
「これで、よかった……」
さまざまな思いが、疲れ果てた躰に去来する。妻としての自分、母親としての自分、そして女としての自分……。今ここで断ち切ってしまわなければ、満たされぬ女の欲望は息子に激しく向けられた事だろう。たった少しの後悔を残しながらも、今の自分の決断に満足していた。
礼子は気を落ち着けて、そしてゆっくりと服を脱ぎ始めた。先ほどの興奮と、午後のバスルームに閉じ込もったための汗が、いつの間にか全身を濡らしていた。
「ああ、熱い……」
あらかた服を脱ぎ終わった礼子はただ一枚残ったパンティーに手をかけた。
（やっぱり、濡れてる……）息子への手の愛撫の時、自分でも淫裂が潤い始めていることに気が付いていた。礼子は湿った下着を抜き取り、シャワーのコックをひねった。ボイラーがついていないため水は冷たいが、今の礼子にはその冷たさが心地よかった。
「ふうっ……」
全身を伝う水流が火照った肉体を冷ましていく。しかしあの押し付けられた息子のペニスを思い出すと、再び躰に熱が宿って来る。
（ああ……わたしは悪い女だわ。悠一のモノを見て、こんなに興奮してしまうなんて……）いつの間にかシャワーを持っていた手は、自分の熟れた陰部にあてがわれていた。
「ふ、あああ……っ！」
しかし数秒後、礼子はその手を股間から離し、立ち上がった。
（やっぱりいけない……このまま欲望に溺れては……）礼子は自分を奮い立たせた。たった今、その未練を断ち切ったばかりではないか。
礼子は鍵をはずし、脱衣場に悠一の気配がないことを確認した。足音を忍ばせて脱衣場に出た。礼子はまわりの気配に気を配りながら、洗面台の下からバスタオルを取り出し、体に巻き付けた。
耳を澄ますと、２階から大きな音が聞こえてくる。悠一がよく聴くアーティストの曲だ。礼子は少し安心して、鏡に向い髪をとかし始めた。
（悠一は分かってくれたんだわ、だから……）礼子は息子の行為を自分なりに弁護した。これから先、今までのことは忘れて悠一に接しよう。きっと分かってくれる。母親として、しっかり愛情を注ぐ事ができれば……。
しかし礼子の息子への信頼は直後に裏切られた。正面の鏡の中に、全裸の悠一が写ったのだ。ハッとして礼子が振り返ると、やはり裸の悠一がいた。
「ママ……やっと出てきたね」
悠一が冷たい笑いを浮かべて言った。礼子はその笑いに絶望を感じた。
「ああ、悠一……」
「もう、逃げられないよ。さあ、やってよ……」
悠一がゆっくりと近づいて来る。礼子はもう何もできなかった。
「……」
やがて悠一の腕に掴まれた礼子の躰は、人形のように力が無かった。悠一はそれが自分を母親が受け入れたと錯覚した。ただ礼子は悠一の裏切りに絶望し、これから自分がやらなければならないことに、恐怖しているだけだった。
「さあ、舐めて……」
二人はバスルームにいた。全裸で向かい合っている。悠一はバス・チェアに腰かけて、礼子はその前にひざまずいていた。すでに礼子は抵抗を諦め、悠一が主導権を握っている。今悠一は母親にフェラチオを要求している。
礼子は目の前でいなないているペニスを眺めている。やはりためらいはあったが、少しずつ口を近づけてくわえこんだ。
「ああ……いいよ、ママ」
甘美な口内の感触に、悠一は全身をこわばらせた。
「すごい、ママすごいよ……」
感嘆の声しか出てこない。もう母親は無言で自分の分身を舌愛撫している。けして悠一が命じたのではない、自然な舌の動きだった。
「あああ、気持ちイイ……もっと、ママ」
甘えた声は子供のように聞こえる。しかし、その甘え声と口に含んでいる逞しい怒張とのあまりのギャップに、礼子は大きな戸惑いを覚えていた。
「す、スゴイよママ……もっと気持ちよくさせて！」
愛しい、と礼子は思った。最近このように素直に子供に甘えられたことがあっただろうか。母親の愛撫に、息子は全身で喜びを感じているのだ。
「え、あ……っ！」
突然悠一の声のトーンが変わった。礼子の手のひらが突然、自分の陰嚢に触れたからである。いや、触れただけではない。その手のひらでその肉袋を優しく包み込み、ゆるゆると揉み始めたのだ。
「ママ……それ、気持ちがいいよっ！」
鈍い痛みと共に、そこからえもいわれぬ快感が湧き上がってくる。その感覚は母親の口内にある怒張にも更なる膨張を与えた。子供の反応にうれしくなって、礼子はさらに手や舌の動きを巧みにする。
「……あ、あうっ！」
悠一が小さく叫ぶ。眉を反らした悠一は、母親の顔を手でポンッと軽く突き離した。
「……？」
息子の拒否のしぐさに戸惑ったのか、礼子が悠一を潤んだ瞳で見上げる。もうすっかり、息子の放出を呑み下すつもりでいたのだ。
「……ママがあんまりうまいから、もう出そうだったよ」
猛ったままのペニスを誇示しながら、悠一は礼子を見つめる。ビクンビクンッと脈打つそのペニスに、自分の唾液がテラテラと光っているのを見て、礼子は全身がカーッと熱くなる。
「さ、今度は僕がママを可愛がってあげる……ここに座って」
バスチェアから立ちあがって、うつろな目のままの母親をその椅子に座らせる。
「脚をひろげるんだ、ママ」
「ああっ……恥ずかしい」
言葉では、かすかに抗っている。しかし、女の心に灯った淫炎は、息子の呪文に誘われるように、自然に脚を開いてしまう。
「そう、それでいいよ。ああ……ママのあそこ、とってもキレイだ……」
息子の興奮した吐息が、熱い秘裂にかかる。それだけで、全身が震えてしまう。
「あ、ママのあそこどんどん濡れてきてる……」
リビングで息子を放出させた時から、自分の淫華が濡れ始めていたのを感じていた。しかし、フェラチオや息子の眼前に秘部を晒す興奮に、礼子の花芯はさらなる愛液をしたたらせていたのだ。
「こんなになってるんだ。ママ、感じてるの？」
「感じてなんか、いません」
嘘だ。しかし、そう答えるのが精一杯の抵抗だった。
「ふーん。ココなんか、すごく気持ちよさそうにしてるけど……」
いきなり悠一の指先が、昂ぶりにすっかりめくれあがったクリトリスを弾いた。
「あくっ……！」
ただでさえ高まった全身に、痛みのような快感が駆け巡った。女の熟れた躰はそれにすぐさま反応し、再び淫裂に淫汁の潤いを与える。
「ほら、濡れてきた……やっぱり気持ちいいんでしょ？」
子供のような口調で、悠一が母親に訊く。しかし指は好奇心一杯に這い回り、肉の唇を開いてしげしげと観察している。
「もう、訊かないで……ママ恥ずかしいわ」
もっとして！と素直に言えればどんなに気楽かと、礼子は思った。実際、もう指の愛撫だけではたまらないところまで、礼子の肉体は昂ぶっていたのだ。
「あふっ……！」
そんな母親の本心を感じ取ったかのように、悠一は思い切り舌を濡れた淫裂に這わせた。
「ああっ！しゅう、いち……」
母親として、はねのけなければならなかった。しかし、突き放そうと息子の頭を捉えた両手は、まるで自分の陰阜にさらに押しつけるように動いたのだ。圧力が強まり、礼子はさらに大きな喘ぎ声を上げる。
「ダメ、ダメよ……ああっ、イイ……っ！」
悠一も、女の性器を舐めることなど初めてだった。しかし、その思いつきは正解だったようだ。現に母親は、先ほどとは比べ物にならないほど高い声で、自分の顔に愛液を浴びせかけている。
「ひ、あっ、ふ……ううっ！」
稚拙なクンニリングスは、逆に女の躰の奥のほうから快感を沸きあがらせていた。しっかりと実の息子の頭を掴み、さらなる舌の愛撫を望んだ。
「ふ、あああっ……悠一！」
礼子が叫ぶように喘ぐ。悠一は心の中でほくそ笑んだ。ママだって普通の女なんだ。こうして優しく愛撫してやれば、どんな女だって淫らに乱れるんだ……。
悠一が母親の股間から顔を上げた。鼻先が、テラテラと愛液で濡れている。
「さあ、もういいよね。ママ」
礼子はもう何も言わない。悠一は堂々と言った。
「さあ、代わって……」
力の抜けた礼子は、動かない。いや、動けなかった。悠一はしかたなく母の躰を抱き抱え、立ち上がらせた。
我にかえった礼子は、再びバス・チェアに座った実の息子を見た。華奢な体に、そこだけ浮き上がったような異様なペニス。そしてその表情は、今から起こることに期待する顔である。
「やろう、ね？」
少年のままの無邪気な笑い顔で言う。その表情に、また礼子は騙される。
「さあ、ここに乗って……」
悠一がいきり立ったペニスを指さす。自分に乗れ、と言っているのだ。礼子はもうなにも言わない。今さら何を言っても意味がないことは分かっているし、なにより礼子本人の躰が、男の肉体を欲していたのだ。
ゆっくり母親の豊満な躰が近づいてくる。そして悠一の目の前に立つと、一言「早くしてね……」とだけ言って、腰を沈めていく。礼子の最後の自己弁護の言葉だった。
「ふ、はああ……っ！」
息子の剛直が自分の体内に少しずつ侵入していく感覚は、礼子の高まりきった躰全体に電流のように広がった。悠一も二度目の母の肉体を、徹底的に攻略する気持ちで体に力を込めた。
「あっ、くう……っ」
ついに悠一のペニスが実の母親の体内に収まりきった。そのあまりの充実感に礼子は悦びを覚えていた。大きく、太いその肉棒は間違いなく十四年前に自らの体から生まれ出たものなのだ。母親として、そして女としてこの芸術品を喜んでいた。
「さあ、いくよ……」
悠一はそう言うと母の熟れた躰を抱え込み、躍動を開始した。
「ふ、ふ、ふあっ、ああ……！」
礼子が断続的な喘ぎをあげる。
「ねえ、ママ。いいの？気持ちいいの……？」
悠一が礼子の耳もとにささやきかける。母の正直な感想を聞きたがっていた。
「いいわ、悠一。とってもいいの……」
礼子は感極まって言う。自分の言葉に礼子の熱い躰は敏感に反応し、息子のモノを括約筋がキュッと締め付ける。その感覚に悠一は歓喜し、突きあげる腰にさらなる力を漲らせた。
「あああっ、いいわ……悠一、ママとっても気持ちいいのっ！」
「うっ、僕も……気持ちいいよ！」
二人は互いに大きな喘ぎ声をあげる。やがて礼子の腰も自然に動き始める。悠一は目の前でブルンブルンと揺れる礼子の豊胸に魅せられて、思わずしゃぶりつく。母親が小さな叫びをあげる。乳首に念入りに舌を這わせると、礼子は美しい顔を大きく反らして感じいる。
「はああっ……もっと、もっと突き上げて！」
礼子は心からの言葉を叫ぶ。愛する息子の首にすがりついて腰を振る。ふと目を開けると、目の前にバスルームの姿見がある。そこに写った自分は、ただただ快感を求める美しく、そして淫猥な女の顔だった。
「は、あ、あ、あああっ……悠一、悠一っ！」
「ママ、ママ！あああっ、気持ちいいよっ！」
礼子は息子の顔を手で抱き、キスをする。悠一も母親に応え、舌を絡ませ合って唇を吸う。あまりにも淫らな、実の母子の口吻だった。
二人の性器から溢れる愛液が混じり合い、バスルームに淫媚な音がピチャピチャと響く。二人はさかりのついた動物のように互いの腰をぶつけ合う。
「悠一……イクわ。ママ、イキたいの！」
押し寄せる快感に耐えきれなくなって、礼子が叫ぶ。
「僕もイクよ……あああっ！」
悠一も母親の乱れた姿に感化され叫ぶ。この上ない悦楽の瞬間が二人に訪れようとしていた。二人の雄と雌は、最大限に性器を重ね合わせて絶頂を迎えようとする。
「ママ、イクよ……あああ、イクッ！」
「ママも……イク、イク、イクうっ……！」
悠一の熱いエキスが礼子の中に満たされた。二人は実の親子ではなく、ただの性をむさぼる獣となっていた。
写真部の顧問の男性教諭に頼んで借り受けたカメラを持って、涼子は悠一の家へとやってきた。警戒しながら家の中をうかがうが、不審な様子はない。
（やっぱり私一人の思い込み……？いや、まだ分からない。もしかして、二階で……）涼子の疑惑は大きくなるばかりであった。
その時ふいに、涼子の耳に小さな、しかし確かな声が聞こえてきた。涼子は惹かれるようにその声がした方に走った。
それはおそらくバスルームであろう部屋から聞こえている。涼子は周りを見渡し、ビールの箱を踏台にして室内を覗き見た。
そこには、涼子の一番恐れていた風景があった。悠一の上に、悠一の実の母親である結城礼子の美しい躰が躍っている。二人の表情はこの上ない満足に包まれていた。涼子はしばらくその親子の交わりに圧倒されていたが、ふつふつと湧いてくる嫉妬の炎に衝き動かされ、カメラを手にとって必死にシャッターをきった。愛の行為に没頭する親子には気が付かない。それさえも涼子には屈辱的だった。
やがて二人が絶頂して果てると、気づかれないように涼子はバスルームの窓を離れた。手が震えている。この写真がどういう役目を果たすのか、涼子自身にも分からなかったが、とにかく親子の秘密を握ったことに涼子は満足していた。
（これで、また悠一クンは私のモノになる……）遼子は心の中でほくそ笑んだ。