母姉相姦 第3話
「礼子 〜禁忌の悦鎖」

 礼子と悠一が秘めたる交歓に酔っている頃、夏美は二日ぶりの短大のキャンパスにいた。前夜弟との念願の結合を果たした夏美は、二日前に起きたあの事件のことを思い出さずに講義を終えた。。幸い、おそらく大垣と共謀して夏美をはめた知美は、今日なぜか学校に来ていなかった。他の参加者たちも、さすがに悪いと思ったのか夏美に次々と謝った。おかげで夏美はそんなに悪い気分にならずに一日を終えようとしていた。

(今日もまた悠一のおちんちんをいじめてやろうかしら……)夏美はさらに悠一との関係を深めようと想像力を働かせていた。

「な・つ・み!」

 夏美の思考はその声でさえぎられた。知美だ。

 知美の声は、校門の前の車からしていた。助手席に知美が座り、運転席にはあの日知美とくっついていた男がいた。

「ちょっといい?今からドライブに行くところなんだけど、夏美にどうしても謝りたいことがあって……ね、分かるでしょ?」

 知美がいつもの声で言う。夏美は無視して校門を出た。車は後をついてくる。しばらく歩いたがいつまでもついてきて知美は声をかけてくる。夏美はついに耐えきれなくなって車の窓に歩み寄り、声を荒げて言った。

「いつまでもついてこないで。知美、あなたとはもう絶交よ!」

 その時、後ろの座席にあの大垣がいることに夏美ははじめて気が付いた。突然後ろのドアが開き、何者かの太い腕によって車内に引き込まれた。夏美は必死に逃げだそうとしたが、がっしりとした腕に掴まれて動けない。腕の主は、大垣だった。

「今度は逃がさないよ……」

 大垣の低く、迫力のある声が車内に響く。車は夏美を閉じ込めたままスピードをあげた。

 車内では大垣、知美、そしてもう一人の男も一切しゃべらなかった。夏美がどんなに質問してもまったく黙ったままだ。ただ時々、前部座席の二人が後ろを見て微笑むだけだ。

 やがて、車はあるマンションの前に止まった。

「ちょっと、どこに連れてくつもり……!?」

 夏美は三人に言ったが、三人とも薄笑いを浮かべるだけで何も言わない。夏美は大垣の強い力に引っ張られてマンションの中に入っていく。

(この人たち、まさか……!)夏美は思い浮かぶ最悪の事態を想像していた。

 夏美は有無も言わさずそのマンションの一室に連れ込まれた。チラッと見た表札には『佐野孝太郎』とある。おそらく知美の相手である男の部屋であろう。

「離して、ねえ離して!」

 夏美の必死の抵抗もむなしく、その佐野孝太郎の部屋に連れ込まれる。鍵は知美がかけた。

 夏美はソファーの上に突き飛ばされた。

「さあ、落ち着きなよ。夏美ちゃん……」

 大垣が言う。佐野は相変わらず薄笑いを浮かべている。

「夏美、大垣さんはね、どうしても夏美が欲しいそうなの」

 知美が言った。その言葉に夏美は絶望した。やはり、大垣はあの夜の失敗を今、取り返そうとしていた。大垣は少しずつ夏美に近づく。

「来ないで……来ないで!」

 夏美は必死にあらがった。しかし、大垣は意外に落ち着いて言った。

「……ハハハッ、冗談だよ!」

 目の前の大垣は、急に笑顔になった。夏美には、状況が把握できない。

「ゴメンゴメン、なつみ怖かった?」

 知美が両手を合わせてウインクする。その傍らで佐野が笑っている。

「……どういうこと?」

「だから、何もしないって……今から、この間のお詫びもかねて仲直りのパーティーをしよう、ってことさ」

 キッチンにいた佐野が温かいココアを持って来る。

「さあ、飲みなよ……」

 大垣が勧める。夏美は周りを警戒しながら、そのココアを飲んだ。

「ほんとはお酒も飲みたいんだけど、またこの前みたいになったら、夏美ちゃんに嫌われちゃうからね」

 優しい口調で、大垣が言う。少し安心してきた夏美に、そのココアの温かさが心を潤す。夏美は突然、知美や大垣に申し訳ない気がしてきた。

「ごめん……疑ったりなんかして」

「いいんだよ。この間は、ほんとに悪いことしたから」

 大垣が、急に土下座する。

「だって、わたし勝手に、あなたたちがわたしを……あれ?」

 突然、夏美は急激な眠気に襲われた。目の前がちらつく。

「うそ、なんで……」

 呆然とする夏美の前で、大垣はゆっくりと立ち上がった。薄笑いを浮かべながら。

「さあ、パーティーだ。招待されたお姫さまが深い眠りについたら、スタートだよ……」

 薄れゆく意識のなかで、夏美は大垣の言葉をかすかに聞いていた。

 

 

 ふと、夏美は目を覚ました。少し頭が痛い。自分がどこにいるのかもすぐには分からなかった。頭を振って起き上がると、自分がまっ裸であることに気がつく。慌てて室内を見まわすと、室内に同じような裸の男女がいた。知美と、佐野だ。二人は激しく腰をぶつけ合っている。セックスの最中なのだ。

「あっ、夏美。もう起きたの……?」

 虚ろな表情で夏美を見た知美が言った。瞳には淫らな光が宿っている。

「あ、やべえ……薬の分量間違えたかな」

 佐野が言う。そう言っている間にも、二人は腰の動きを止めない。薬、という言葉に夏美は反応した。

「薬って、薬ってどういうこと!」

 夏美は立ち上がろうとして、すぐにベッドに引き戻された。自分の両手が、手錠でつながれていることに気が付いた。

「これ、いったい何……!」

 夏美が叫んでいると、大垣かドアを開けて入ってきた。大垣も全裸だった。

「あれえ、夏美ちゃん起きてたの!?おい佐野、あの睡眠薬あんまり効かねえじゃねえか!」

 知美とつながっている佐野に、大垣は冗談っぽく言う。

「まあいいか。夏美ちゃんのヌードはもう存分に拝んだし、これから俺と夏美ちゃんは念願のセックスができるわけだし……」

 大垣はあの夜と同じ、いやらしい笑いを浮かべている。夏美はやはり騙されたのだ。

「さあ、やろうか……」

 大垣がベッドの上にあがり、手の自由を奪われた夏美に近づいた。

「いやあ、いやあっ!」

 夏美は叫んだ。が、大垣は顔色ひとつ変えないで夏美の目の前に迫る。

「オマ○コまるだしで騒いでんじゃねえよ……いいかげんに、観念しな」

 今度は低く冷たい声で脅す。夏美は恐怖におびえた。

「今日は時間もある。だからゆっくり、あんたを楽しませてやるよ……それならまず、これをくわえてもらおうか」

 夏美の目の前に、黒くいきり立ったペニスが差し出される。夏美はそのあまりの不気味さに思わず顔をそむけた。大垣は自分でその肉茎を支え持って、夏美の美しい顔に擦りつける。

「観念しろって言っただろ。俺は無理やりにでもさせられるんだぜ……」

 大垣はそう言うと夏美の両頬を腕で掴み、強い力で口をこじ開けた。そしておもむろに、その口に自分の肉棒を突っ込んだ。

「うっ……」

 強引なそのやりかたに、夏美は思わず吐き出しそうになる。しかし大垣の怪力はそれを許さない。

「ほら、なにボケっとしてるんだよ。舌使ってなめるんだよ。フェラチオ、知ってんだろ?」

 大垣がきつい声で言う。確かにフェラチオは弟の悠一のペニスで経験している。しかし今夏美がくわえているのは、愛する弟のペニスではなく自分を犯そうとしている汚らしい男のペニスなのだ。

「どうしても舐めないつもりだな……それなら、こうだ!」

   大垣はなにもしようとしない夏美に業を煮やして、手を振りかぶり夏美の腰のあたりの白い肌を思いきり叩いた。

「ふむっ……!」

 その激痛は夏美を心底から恐怖させた。大垣の顔に、怒りが漂っている。このまま拒否すれば、なにをされるか分からなかった。しかたなく少しずつ顔を動かして大垣の汚らわしい怒張をフェラチオする。

「そう、はじめからそうしとけば痛い目に遭わないで済むんだよ……」

 大垣は満足そうに言う。やがて夏美の頭を両手で抱え、無理やり動かす。

「いいぞ……おい、もうちょっと舌使えよ、このバカ!」

 罵倒されて腹が立ったが、今は大垣への恐怖が夏美を支配しようとしていた。舌を一所懸命ペニスに這わせる。悠一とのフェラチオではやったことのないテクニックだ。

「やっぱり知ってんじゃねえか。カマトトぶりやがって……こっちも大層感じてるんだろな」

 大垣の右手がむき出しの淫唇に伸びてきた。夏美は小さな叫び声を上げた。大垣の予想に反して、夏美のヴァギナは濡れていない。当たり前だ。恐怖のあまり感じるどころではなかったのだ。大垣は舌打ちした。

「くそ……このアマ、俺を馬鹿にしやがって!」

 怒りにまかせて夏美の頬を張る。

「ヒッ……!」

 夏美が悲鳴を上げた。頬を押さえて小さく震えている。

「ちょっと……あまりひどくいじめないって約束でしょ!」

 佐野の下に組み敷かれている知美が、あまりのひどい大垣のようすを見て言った。

「うるせえ、この淫乱女!おまえは黙って佐野とよがってりゃいいんだよ!」

 声を荒げて言うと、大垣は夏美の口からペニスを取り出した。そして恐怖に震える夏美の前にかがむと、閉じている夏美の両脚を力ずくで開き股間に顔を埋めた。

「この女を絶対モノにするんだ、俺のテクニックでな!」

 大垣はそう言うと夏美の淫裂に乱暴に舌を這わせた。夏美はそのおぞましさに、固く唇を噛んだ。全身に悪寒が走る。ふと、自分の手にかけられた手錠に気づく。

「……!」

 夏美は思いきり股間に張り付く大垣の後頭部に振りおろした。

「うあっ!」

 ガツンと、鈍い音がして大垣は頭を抱えてうずくまった。チャンスだ!とにかくこの悪魔のような男から逃れようと思った。

 とにかくベッドから立ち上がろうと、ひざに力を込める。しかし、その企みは成功しなかった。大垣が夏美の腕をつかんだのだ。

「このアマ……!」

 大垣は鬼のような形相で夏美をベッドに突き飛ばした。そして今度は遠慮なくこぶしを握って夏美を殴った。夏美は痛みと恐ろしさにとうとうすすり泣きを始めた。知美は上に乗っている佐野の体を突き飛ばして立ち上がった。

「ちょっと、それはひどいんじゃない!夏美にけがをさせる気!?」

 知美は語気を強めて言う。佐野は行為を中断され、情けない顔でなりゆきを見ている。

「うるせえな、スベタ!出ていけ、ここから出ていけ!」

 大垣が怒鳴る。知美は一歩も引かない。

「暴力でしか女をモノにできないなんて、あんたは最低の男だわ!」

「うるせえ!出てけって言ってんだろ!」

 大垣は知美にも殴りかかろうとした。それを佐野が止めた。

「なんで止めるんだよ、佐野!」

「……やっぱり、暴力はよくないよ。落ち着いて、な?」

「てめえ、俺に指図する気か!?」

 大垣にそう言われると、佐野は黙ってしまう。二人の間には歴然とした力の差があるようだ。

「冗談じゃないわ!あんた、最低の男ね!」

 捨て台詞を吐きながら、知美がそのスキに部屋を出ていった。佐野はそれを追う。一瞬、室内が静かになった。

「……さあ、これで邪魔者はいなくなったぜ。夏美ちゃん……」

 低い声で大垣が言う。すすり泣いてなにも言わない夏美を見て、大垣はほくそ笑んだ。

(この女、やっと観念したか。さあ、これからだ……)大垣はベッドの横に落ちていたタオルを拾いあげると、夏美に近寄った。それを夏美の手錠に結びつけると、ベッドの柱にきつく縛った。

「これで、もう抵抗できないだろ……さあ、いくぜ」

 大垣の怪力が夏美の閉じ合わされた膝を無理やり開いていく。

「いや、いやあっ!」

「もう前戯はなしだ。このままぶちこんでやる!」

 大垣はそう言うと、いきなり何も準備のできていない夏美の陰唇に猛ったペニスを差し込んだ。

「ひい……!」

 愛しい実弟との、たった一度の経験しかない夏美のヴァギナはまだ未開発で、大垣のペニスによって夏美は大きな痛みを感じた。

「どうだ……俺のチ○ポが夏美ちゃんの中に入ったぜ……しっかり食い締めてるじゃねえか。このイ・ン・ラ・ンさん……」

 大垣がいやらしげにささやく。くやしい。夏美は目を閉じて顔をそむける。

「まあいいさ、これから俺が気持ちよくさせてやるよ……」

 大垣が腰の躍動を開始した。夏美は唇を強く噛む。その美しく歪んだ顔を見て、大垣は満足した。

(顔も最高、スタイルも最高、そしてこの女の躰は、今までのどんな女より感触がいいぜ。今日は思う存分痛ぶってやる……!)

「どうだ、お嬢さん……気持ちいいだろう。俺は、女のどこが感じるか分かってるんだ。あんたのタイプなら……ここだ!」

 大垣はクリトリスと会陰部の間に指を這わせる。この前の車内での指の感触から、クリトリスを直接触れるよりも、アヌスからヴァギナに至る性感帯を優しく撫でている方が感じるタイプであろうと憶測した。大垣の読みは当たった。夏美は声こそ出さないが、顔の表情は先ほどの挿入直後とは明らかに変化していっている。

「へへ、どうやら感じてきたようだな……いいぜ、ドンドン感じなよ」

 腰の動きを大きくした大垣は、夏美の変化に嬉しくなった。さらに大垣のペニスに凌辱されている秘唇から、大垣の動きを助けるように愛液が湧き出してくる。

「濡れてきたぜ、夏美ちゃん……ほんといい躰してるよ」

「くっ、くう……っ」

 唇は閉じたままだが、夏美の顔は左右に悩ましげに揺れている。沸き上がってくる快感を必死に耐えているようだ。

 大垣は顔を倒して豊かに揺れる乳房を掴んで揉みしだく。さらに舌を出してピンク色の乳首をしゃぶる。乳首はすでに固くしこり、舌に心地よい感触を与える。

「ふ……」

 夏美が小さく喘いだのを、大垣は聞き逃さなかった。

「ほら、感じてるんだろ?我慢しないで声出せよ、オラッ!」

 大垣は腰を激しく打ちすえる。夏美はついに耐えきれなくなって、声を出す。

「ふ、ふあっ……あっ、あっ」

「そうだよ……素直に感じりゃあいいんだ」

 忍耐の緒が切れた夏美は、ついに本能的に喘ぎ始めた。

「はっ、あっ、ふっ、ああっ!」

 大垣は夏美が乱れ始めたことに感動していた。ついさっきまで自分を拒絶していた美少女の肉体が、今は陰茎を埋め込んで激しくよがり始めている。よし、この感じだ……。大垣は腰のグラインドを強めて、さらに夏美を乱れさせようとする。

「イイだろ……ほら、イイって言ってみろよ……」

「ふう、はあっ……あああっ」

 答えはなかったが、間違いなく夏美の躰は高まりはじめている。

 大垣は突然、抽送を止めた。その瞬間、夏美の躰は確かに空しさを感じた。

『……私は無理やり犯されて、しょうがなく躰を渡している……』心の中では必死にそう思い込もうとしているのだが、女としての夏美の躰は男の逞しいペニスを求めていた。

 大垣は、剛直を夏美に深く突き刺したまま裏返し、脚を立てて四つんばいにした。形のいいヒップが、大垣の眼前に現れる。窓からの日差しに、濡れた淫裂が妖しく光っている。その美しさに大垣は思わず舌なめずりした。

「さあ、今度はバックから可愛がってやるぜ……これならもっと深くあんたを楽しませることができるからな」

 大垣は夏美の背中にそうささやきながら、形のいい夏美のヒップを抱え込んだ。もう夏美は何も言わない。「勝った……!」大垣は思った。

「いくぜ、夏美ちゃん。今度は本気で感じなよ……」

 大垣はそう言うと、再び激しいペニスの抽送を開始した。

「は、はっ、ああ……っ!」

 もう大垣がなにも言わなくても、自然に夏美は喘いだ。体内に埋め込まれている大垣の肉茎から湧く言い様のない快感は、夏美の理性を完全に奪っていた。

「ふっ、はあっ、あああっ!」

 夏美の喘ぎがさらに激しくなる。

「ほら、気持ちいいんだろ、気持ちいいんだろ!?」

「はあっ……イイの……私、どうにかなっちゃいそうなのっ!」

 大垣は口笛を吹いた。腰はさらに大きく動きはじめる。

「どうにかなっちゃえよ!イイぜ、もっともっと乱れるんだ!」

「ふうっ、あああっ……もっと、もっと!」

 夏美は乱れに乱れる。大垣に突かれる快感に、十九歳のの躰は酔いしれていたのだ。

「……いやあ、知美ちゃん怒って帰っちゃったよ……」

 その時、部屋に佐野が戻ってきた。そしてベッドの上でつながっている二人を見た。佐野は、先ほどの夏美と今の夏美のあまりの変わりように驚いたようだった。

「あれ、夏美ちゃんもうそんなによがってるんだ……」

 佐野のその言葉に、夏美は非常な恥ずかしさを覚えた。

「ちょっと、やめて……」

 夏美が大垣に懇願する。しかし大垣は腰の動きを止めない。

「佐野、あの可愛らしい夏美ちゃんがどういうふうに乱れるか、そこで見てろよ……」

 大垣はそう言って激しく腰を突き出す。

「はうっ、はあ……いやあ……やめてっ!」

「おいおい、さっきの喘ぎはどこいったんだ!?ほら、ほら!」

 巧みに腰を繰り出す大垣に、快感を我慢していた夏美は再び乱れ始めた。

(もう、見られたっていい……悠一、ごめんね。ねえさんこんなに汚らしい淫乱な女になってしまった……)夏美は心の中で最愛の弟に懺悔しながら、快感の海へ溺れていった。

「はうっ、ふあああっ……もっと、もっと突いて!」

 夏美は大声で叫ぶ。佐野に見られているのは、もう気にならなくなっていた。

「ああ、突いてやるよ……夏美お嬢さん!!」

 大垣は夏美の尻を引き付けて突く。ぶつけ合わせる性器から淫わいな音が洩れ聞こえる。手錠をかけられている両手がもどかしそうに動く。

「うわあ……すげえ!夏美ちゃんも腰使ってるよ!」

 佐野が感嘆の声を上げる。

「ほら、淫乱女の正体をあらわしたんだよ……もっと乱れさせてやるぜ!」

 大垣がこれ以上ないくらい激しく腰を使う。夏美も腰を本能的に躍らせる。

「……ねえ、私ヘンなの……なんかヘンよ……っ!」

 悩ましげな声で夏美が言う。絶頂が近いのだ。

「イキたいのか?イケよ!俺も一緒にイッてやるから……」

 大垣の言葉に夏美は無言で何度もうなずく。

「よし、イケよ……オラッ、オラッ!」

「はああっ……一緒に、イッてね……イク、ああっ、イクッ!」

 美しい背中をこれ以上ないほど反らせて、夏美はイッた。大垣もほぼ同時に熱いスペルマを夏美の中にほとばしらせた。突っ張っていた両脚の力が抜け、二人はつながったままぐったりと倒れ伏した。

 

 

 先ほどの大垣との交わりが、頭の中でグルグルと回っている。私は無理やり犯されたのに、最後はあんなに感じてしまった。自分の淫らさに夏美は絶望した。涙が自然に溢れてくる。なにより、あんなに自分を愛してくれた悠一に申し訳ないからだ。遠くで、シャワーの音がする。おそらく大垣が浴びているのだろう。しかし、どうでもよかった。夏美には、もう目を開けることもおっくうになっていた。

 股間になにか触れているような感触があった。先ほどの行為の名残であろうか。いや確かに、誰かが自分の淫裂に指を這わせている。夏美は少し首を上げて後ろを見た。佐野だ。

「あ、気が付いたんだ。夏美ちゃん、可愛い顔してすごいんだもの。俺めちゃめちゃ興奮しちゃったよ……」

 佐野はそう言うと股間から手を離し、ベッドに上がってきた。全裸のままだ。

「俺、さっき知美ちゃんに帰られてから、そのままなんだよね……だから夏美ちゃん、代わりにやってよ」

 佐野の手にはタオルが握られている。夏美のうつ伏せの体を裏返すと、佐野はそのタオルを夏美の口にあてがい、猿ぐつわにした。

「声出されると、あいつが気づいちゃうし……あいつのいないうちにやっとかないと何言われるか分からないからね……」

 佐野は自分勝手な理由をつけて夏美にのしかかり、いきなり陰茎を夏美の中につっこんだ。

「む、むぐっ……」

 佐野のモノは、明らかに大垣のペニスと違っていた。大垣のよりだいぶ細いが、とにかく長いのである。

「さあ、はじめるからね……」

 佐野が大垣に比べてえらく貧弱な体を動かし始めた。

 佐野のその細く長いペニスは、腰を使うたびに夏美の粘膜をポコポコと擦る。

 その感覚は、大垣とのセックスにも、ましてや悠一とのセックスにもないものだった。夏美の肉体に、再び快感の炎がともった。

「ふうっ、夏美ちゃん……気持ちいいよ」

 佐野が情けない声を出して喘ぐ。その声は弟の悠一をなぜか思い出させた。急に佐野が愛しく感じられて、夏美は自分から腰を突き上げた。大垣に犯され乱れに乱れた今となっては、少しでも女の悦びを得ようと体が動く。

「感激だ、夏美ちゃんがそんなにしてくれるなんて……」

 その佐野の言葉には夏美に対する優しさが感じられた。夏美は今度は脚を佐野の腰に絡ませ、その優しさに応えた。

「ああ、いいよっ……夏美ちゃん!」

「むぐっ……ふむうっ!」

 猿ぐつわから洩れる夏美の声は、完全な喘ぎ声だった。佐野は急いでいるはずなのに、ゆっくりと抽送している。やはり夏美をいたわっているのだ。夏美はその佐野の優しい動きを、弟の悠一と思い込んでいった。そうすることで、大垣との汚れた交わりに懺悔できる気がしたのだ。

(悠一……このねえさんの汚れた躰をきれいにして、そう、やさしく……)

 夏美は一所懸命に腰を使った。愛する弟に対するように……。

「あっ、夏美ちゃん……イクよ」

(いいわ悠一、ねえさんもイクの……)心の中でそう思っていた。

「うっ……イク!」

 佐野が果てる。夏美は体内でしぼんでゆく佐野のペニスに不思議な感情を覚えていた。

 バスルームのドアが開いた音がした。放出の処理もそこそこに、佐野はすぐに夏美の上から離れ、猿ぐつわを外した。やがて大垣が部屋に入ってきた。

「ほらっ、これで手錠を外せよ。」

 大垣は小さな鍵を佐野に投げた。佐野はそれを拾い、夏美の自由を奪っていた手錠を外した。

「シャワー浴びるんなら浴びろよ。ま、ここは俺の家じゃないけどな」

 大垣が言う。

「そうさ、そうすればいいよ」

 佐野も同意する。しかし、夏美はそろそろと立ち上がりながら言った。

「服は、どこ……?」

「……隣の部屋だ。ソファーの上にあるぜ」

 夏美は無言で隣の部屋に向かった。服はある。それを着け始めた。

 やがて服を着終わった夏美は、力ない足取りで玄関へと向かった。

「おい、ちょっと待てよ!」

 大垣が叫んだ。夏美が振りかえると大垣はバッグを投げてよこした。この間大垣の車内に忘れていたバッグだ。

「それなら、また会おうぜ。夏美ちゃん!」

 大垣の、その場にそぐわぬ大声を聞きながら、夏美はドアを出た。

 

 

 その夜の結城家は騒然となった。夏美が、あきらかにいつもと違うようすで帰宅したからだ。あまりのことに礼子と悠一は、夕方のバスルームでの秘めごとなど、どこかに飛んでいってしまうほどであった。

「どうしたの、夏美!?」

 礼子が心配そうに聞く。夏美は虚ろな目で言った。

「お風呂、沸いてる……?」

「ええ、沸いてるけど……」

「それなら、私入るね……」

 夏美はそう言うとまっすぐバスルームに向かった。

「ねえさん、どうしたの……?」

 悠一も、心配そうに礼子と顔を見合わせる。

「何も、何も言わないのよ、だから……」

 母親として、考えられる範囲で考えて見る。そして導き出された結論は『レイプ』だった。女性があのように呆然とした態度に追い込まれることがあるなら、礼子の知る範囲では、強姦しかないのだ。しかし服は乱れていないため、強姦と決めつけるのもはばかられる。

「……とにかく、悠一は部屋に戻ってなさい。ママがちゃんと確かめるから」

 礼子が強い口調で言う。悠一も事態の大きさが分からないため、素直に母親に従うことにした。

 

 

「夏美、入ってもいい?」

 バスルームのガラス戸ごしに問いかける。礼子は母親として夏美のおかしな様子の原因を探ろうとした。

「ママ?いいわよ……」

 夏美が力なく返事をした。少し息を整えて、礼子はゆっくりとガラス戸を開ける。夏美は湯船に浸かってしきりに何かをしている。

「何しているの……?」

 礼子が湯船に近寄って見ると、夏美は自分の陰部を必死に指でこすっている。 

「……!」

 ショックに倒れそうになるのを抑えて、礼子が質問する。

「夏美、何しているの!」

「だって……」

 視点の定まらぬ、相変わらずうつろな瞳を、夏美は礼子に向けた。

「だって、あいつらの精液がまだ残ってるかも知れないもの……」

 言いながら必死に作業を続ける。

「夏美、やっぱりあなた……レイプされたのね?」

 その礼子の言葉に、夏美の体がビクン、と震えた。どうやら、恐ろしい予感は当たってしまったらしい。礼子は心を落ち着けて、慎重に言う。

「犯人の顔は見たの……?」

 夏美は答えない。ただただ夢遊病者のように一つの作業に没頭している。

 それから礼子は色々な質問をしたが、夏美が口を開くことはなかった。よほどショックだったらしい。

「……ねえ、ママ。今日ママベッドで一緒に寝てもいい?」

 夏美が言った。

「ええ、いいわよ……」

 そう言った礼子の瞳に涙が溢れてきた。何も答えない、いや何も言えない娘が、あまりにふびんだったからだ。

「今夜は、ママがなっちゃんを抱きしめてあげるわ……」

 涙声で礼子が言う。母親として、強姦された娘にできることが他に思い浮かばなかった。しかしその母の優しさに打たれ、夏美も涙を流して母親に抱きついて来た。静かなバスルームに、二人の鳴咽だけが響いていた。

 

 

「はい、コーヒー。温まるわよ」

「ありがとう、ママ」

 ベッドのへりに腰掛けて、夏美は母親からコーヒーカップを受け取った。礼子も、夏美の隣りに座る。

 その夜、夏美は礼子の部屋で寝ることになった。だいぶ落ち着きを取り戻した夏美を見て、礼子は安心する。そして母親として、娘の無念を晴らすためにぜひとも犯人のこと、事件のことを夏美から聞いておかなければならなかった。

 礼子は、自分の腕の中で何かを忘れようとしている娘を傷つけないように、慎重に聞いた。

「ねえ、なっちゃん……いったい何があったの?」

 夏美の体が震えはじめた。よほど恐ろしい目にあったらしいことが分かる。

「……ママに話してちょうだい。きっとなっちゃんの力になってあげられると思うの」

 娘の心傷を少しでも和らげようとして、礼子は力強く聞く。夏美はやはり黙って震えていた。

「なっちゃん……」

 やがて、夏美は口を開いた。

「ねえ、ママ。今パパがいなくて、寂しいよね?」

 突然の質問に礼子はびっくりした。

「それが、なっちゃんのことと何か関係があるの?」

「いいから答えて!」

 夏美の目は真剣だ。さっきまで震えていた娘とは全く変わっていた。

「それはもちろん、寂しいわ……」

 礼子は答えた。

「その寂しさを、どうやって鎮めているの?」

「それは、パパから任された会社を一所懸命に守ることで……」

「そんなんじゃない!」

 夏美は叫んだ。なぜ夏美がこんなに興奮しているのか、礼子には分からなかった。

「私が聞きたいのは、パパがいなくなってどうやって躰を鎮めているか、ということなの」

 礼子はさらに驚いた。夏美は、セックスの欲求不満について聞いているのだ。

「ちょっと待って、なっちゃん。それは……」

「答えて!」

 夏美の声はさらに大きくなる。その迫力に礼子は負けてしまった。

「ママは、そんなことしないわ……」

「オナニーも?ママこんなにきれいでいい躰してるのに……」

「え、ええそうよ……でも、それが?」

 礼子の声に応え、夏美は深く息を吸った。

「私、今日レイプされた……」

 夏美自身からその言葉が出てきた時、礼子はさすがにショックを受けた。しかし、母親として毅然とした態度をとろうと努力した。

「でも、私にも油断があった。だからあんなことに……」

 夏美はそう言うと、瞳に涙を浮かべた。しかし夏美はそのまま続けた。

「私、無理やり犯されたのにいつのまにか、自分から感じてた……私の躰って、そういう淫乱なものなんだって、その時思ったの……」

 娘の告白は衝撃的だった。礼子は息を飲んで耐えた。

「でもそれは、私だけが淫らなんじゃなくて、女の人全員がみんな、そういう躰を持っているんじゃないかって思ったの。だからママに質問した……」

 夏美は言葉を詰まらせた。夏美の先ほどの剣幕は、それを確かめるためだったのだ。

「ママの答えで、私だけがいやらしい女だって分かったの……ありがとう、ママ」

 夏美は部屋を出ていこうとした。礼子は、自分の質問に娘が大きなショックを受けていることが分かっていた。礼子は夏美の手を掴んだ。

「待って、なっちゃん!ママ、さっき嘘をついてたわ……」

 夏美が振り返る。

「……嘘?」

「ええ。さっきママ、オナニーも何もしないって言ったわ。でも、あれは嘘。オナニーは、したわ」

 礼子が告白する。オナニーは、と特定したのは心のどこかで悠一との関係を隠すという気持ちが働いたからだ。

「ほんとに……?」

「ええ、ほんと。つい最近だけど……」

「それって、いつ?」

 夏美が母親に詰めよる。

「そうねえ、確かつい三日前ぐらいよ……」

 礼子はそう言って、悠一との初めての交わりを思いだしていた。

「ふーん……そうなんだ。ママもするんだ、フフッ」

 夏美が微笑みながら言う。好奇心丸出しの顔だ。しかしそれでも、礼子にとっては心の安らぐ、娘の笑顔だった。

「ねえねえ、どんなふうにやるの?やっぱり、指とか?」

 再びベッドに寝ころんだ夏美と礼子は、修学旅行で秘密を明かしあう女子学生のような気分であった。

「なっちゃんは、指でやるの?実はママはね……」

 夏美が元気な顔になったのを見て、礼子は得意になってベッドの引き出しからあの黒いバイブレーターを取り出した。

「これでオナニーするの」

「うわあ……エッチ!」

 夏美は感嘆して言った。そして礼子からその張り形を手にとると、さらに驚いていた。

「ママ、これでオナニーしてるの?だってこれ、こんなに大きいよ」

 手で輪を作って母親に見せる。礼子は笑った。

「そうよ。だから気持ちいいの。だから、女はみんなエッチで淫らなものなのよ。安心してなっちゃん、ママもいっしょよ」

「うん、分かった」

 夏美が言う。礼子はその顔を見て安心した。

「ねえなっちゃん、もう話してくれてもいいでしょ。今日、何があったの?」

「……ママ、もういいわ。私だいぶ落ち着いた。今日のことはママが心配するほどのことじゃないの。ただ私が無警戒だっただけ」

 夏美は淡々と話す。しかしその語り口はもうなんの憂いも感じられなかった。だから、礼子はこれ以上もうなにも聞こうとしなかった。

「……いいわ。さあ、もう寝ましょ」

 母親としての、心優しい声で言う。夏美は無言でうなずき、また母の布団の中に入ってきた。

「あ、そうそう。ママこれだけは許して。しばらく、短大は休むから」

 きっと今日の出来事に関係しているのだろう。礼子は承諾して、ベッドの明かりを消した。

「おやすみ、ママ」

「おやすみ、なっちゃん」

 二人は目を閉じ、眠りに沈んでいった。

 眠りの中で夏美は汚れたこの躰を、また悠一に抱いてもらおうと決心し、また礼子は娘が元気を取り戻したことを喜んでいた。

 

 

 翌朝、礼子が食事の支度をしていると、悠一が心配そうな顔をして寄ってきた。

「ねえさん、どうだったの?」

「……うん、べつになにも心配いらないの。おとついの病気がまたぶりかえしてきたようね」

 悠一はまだ心配そうな顔をしている。

「きのうねえさん、ママの部屋で寝たんだよね。その時僕のこと何か言わなかった?」

「何も言わないわよ……どうしたの?」

 悠一は母親に聞き返され、どぎまぎした。悠一は昨日の姉の変調を、自分とセックスしたために起こったことだと勘違いしていた。だから昨夜、姉が自分とのことを母親にしゃべったのではないか、と心配しているのだ。

「何、何かあったの?」

「い、いや、なんでもないよ!じゃあ学校行って来るから!」

 悠一は慌てて家を出て行った。不審に思いながらも、礼子は会社に娘の看病のために休む旨を伝えて、再び夏美のためにと、食事の用意を始めた。

 

 

 夏美は気分転換のために、昼過ぎに高校時代に習っていたスイミングクラブへと向かった。礼子はその姿を見送って、再び母親の作業へと戻った。

 四時頃、学校から帰宅した悠一に、また夏美について質問された。

「ねえママ、昨日ほんとにねえさんは、僕のことなにもいわなかったんだよね?」

「……ねえ悠一、あなたいったい何を聞きたいの?夏美はただ病気でしばらく短大を休むだけで、他には何もないの。だからあなたがなにを気にしているのか、ママは全く分からないわ」

「ほんと?ほんとなんだね!」

「ええ、ほんとよ。安心しなさい」

 悠一は喜んだ。そして言った。

「それなら安心して、またママとセックスできるね」

 礼子は息子のあっけない言葉にショックを覚えた。もう悠一は自分と躰をつなげることを当り前のように思っている。

「ね、また今夜僕がママの部屋にいくから、今度は間違いなく二時に、ね?」

 またあの子どもっぽい顔を見せる。礼子はこの顔にいつも騙されてしまう。

「それじゃ、約束だよ」

 悠一はそう言って自分の部屋に向かった。その後ろ姿に何も言えない自分を、礼子は情けなく思った。

 やがて夏美が帰宅して、またいつも通りの夕食風景が結城家に見られた。そして礼子が望んでいない、午前二時という時間がやってきた。礼子が自室で待っていると、午後二時きっかりに悠一は現れた。すでに悠一はTシャツとトランクスという格好だ。すぐにセックスができるようにしているのだ。

「さっ、しよ……!」

 悠一が元気よく言ってベッドに乗ってきた。礼子はなにも言わない。むしろ、すでに二度躰をつなげてしまった今となっては、年齢を経た自分を性の対象に見てくれる実の息子に、母親として、いや女としてもこの上ない喜びを感じていた。

「さ、ママも脱いで、さあ」

 母親のネグリジェをそそくさと脱がしていく。やがて母親の豊満な躰が姿をあらわすと、悠一は小さなため息を洩らした。

「やっぱり、ママの裸は最高だ……」

  そのささやきに、礼子の躰が硬直した。息子のその言葉には全く邪念が感じられなかったからだ。

「今日はね、おもしろい考えがあるんだ。もちろん、ママも気に入ってくれるはずだから」

 悠一が笑いながら言う。その目には、昨夜の夏美のような好奇心があふれていた。

「……なにをすればいいの?」

 いつものように毅然と、しかしどこかに甘えた感じのある声で礼子が聞いた。

「僕はね、ママの一番きれいな姿を見たいんだ。じっくりとね……」

「……?」

「女の人の一番きれいな姿は、イク時だと思うんだ。だから……あの時、初めての夜にママが使ってたバイブレーターで、今からママが自分でオナニーするんだ」

 息子の提案に、礼子ははっきりと拒否した。

「……あなたは、この上ママを辱めようとするの?イヤ。いくらなんでもそんな恥ずかしいことはイヤ!」

 礼子は先ほど脱がされたネグリジェを掴もうとした。しかし悠一はそれを許さなかった。

「ママ、お願いだよ。今まで二度ママと愛し合って、間違いなくイク時がママの一番きれいだった瞬間なんだ!」

 悠一は母の手を掴んだまま懇願する。その切ない声は、母親の威厳を崩すに充分な威力があった。礼子は抵抗をあきらめ、また悠一は母の手からあらがいの態度が消えたことに満足していた。

「やってくれるんだね!」

 息子の活気ある声に、礼子は無言のうなずきで答えた。悠一は喜んで、ベッドの引き出しの隠し場所からバイブレーターを取り出した。それを、何も言わなくなった母親に手渡すと、悠一はベッドから降りて少し離れた鏡台の椅子に腰掛けた。

「僕はここから見てるよ、ママが乱れるのをね。それじゃあまず、ブラジャーとパンティを脱ぐところからやってよ」

 まるで熟練したヌードカメラマンのように悠一は指示した。礼子もそれに酔わされる女優のように下着に手をかける。まず、豊かで張りのあるバストを窮屈に包み込んでいるブラジャーをはずす。途端、艶やかで豊満な胸が、音を立てるように弾かれて出て来る。

「ああ、恥ずかしい……っ」

 思わず礼子はつぶやく。視線を上げると、悠一は母親の美しいバストに瞳を集中している。

「すごい、キレイなおっぱい……さ、進めて」

 次に礼子は膝で立って薄いピンクのパンティに指を添えて、その姿をじっくり息子に見せるようにゆっくりと下ろしていく。そのまるでストリッパーのような仕草に、悠一はこの上ない興奮を覚えていた。

「きれいだ……」

 感嘆の声に励まされるように、礼子の動きがさらに大胆になっていく。太腿をピンクのパンティが滑り降りてゆくにつれ、今までその薄い布切れに隠されていた母の陰部が姿を現す。そこには、礼子の人格の貴さを現すような、上品で美しい陰毛に包まれた秘密の花園があった。淡く輝くその部分は、収まるべきペニスを待ちわびてわなないているように見える。

 礼子は片足を順番に上げ小さな布切れを抜きとるとそれを悠一の目の前に投げた。すでに礼子もこの演技がかった不思議な興奮の渦中にいた。

「さあ、そのバイブを自分で握って、あとはママが思った通りに使うんだ」

 礼子は目の前の黒く冷たい人工物を手にとって、しばらく眺めていた。何度も見ているはずなのに、この異様な興奮のなかではこのモノがなぜか生きているように思えてくる。その沸き上がる妄想に突き動かされ、礼子はそれにキスをした。やがてそれに舌の巧みな動きが加わり、まるでAV女優がするフェラチオのように淫らになってゆく。いやむしろ悠一にとっては、美しく上品な実母が乱れる姿こそAV以上の最高の風景だった。

 張り形をくわえながら、礼子はそっと指を自分の淫裂へと這わせていった。

「あ、あう……っ!」

 そこはすでに、多分な熱と水分に潤っていた。自らの淫らな多感に驚きながら、指をさらに中心へと進める。勝手に肥大したクリトリスと、勝手に蠢く淫唇がそこにあった。

 礼子はしばらく片手だけで淫裂をまさぐり、バイブレーターとの疑似フェラを楽しんでいたが、やはり我慢できなくなってバイブレーターのスイッチを作動させ、自分の秘唇へと導いていった。

「あ、ふうんっ……」

 たまらず声をあげる。擬似ペニスでのオナニーにこんなに興奮している自分が恥ずかしくもあり、また誇らしくもあった。少しずつ円を描くように動かして花弁を愛撫すると、新しく体内から愛液が湧いて出て来る。黒い張り形の先端はその愛液でテラテラと妖しく輝いている。女を知る前の悠一なら、その光景だけで発射していただろう。しかし今は、股間のモノはいきり立ってはいるが決して不用意に射精したりはしない。ただただ母の乱れる姿を観察したい気持ちだけだった。

「ふうっ……ああっ」

 異物の先端が少し膣内に進入すると、礼子の喘ぎはさらに大きくなった。バイブを持つ手も巧みな動きを開始し、円運動から、上下・左右の動き、時にクリトリスに触れながら張り形は股間を這いまわる。

「ママ、もっと乱れて……そう、いいよ!」

 悠一の声もさらに興奮を含んでゆく。

「はあっ、ふん……あああっ!」

 礼子も熱に浮かされたように喘ぐ。バイブレーターが半分ほど礼子に埋没すると、もう手の動きは完全に出し入れの運動に絞られていた。また余っていた左手を、喘ぐたびに妖しく揺れる豊胸にあてがい揉み始めた。礼子は自分自身、バストの愛撫が特に感じることを経験から知っており、左手を激しく動かしてさらなる快感を得ようとしていた。

「……悠一、ママイキそうっ」

 膣口から湧き出てくる快感が、全身を包んで行く。張形で、実の息子の目の前で、イクのだ。そしてそれが、今の礼子にとっては再こうの悦びでもあった。

「あくうっ、しゅ、悠一……もうイクわ。あ、ああ……っ!」

 股間に添えられた手の動きの速さと、そこから湧き出す淫らな音が、正確に母親の絶頂を予知していた。悠一は立ち上がり、ベッドの縁まで近寄って美しい実母の最後を見届けようとした。

 礼子は目を固くつむって、迫り来る快感に対していた。もはや息子に強制されているのではなく、女としての快感の探求のためだけに全身を蠢かせていた。

「くうっ……はああっ、イク!」

 ベッドの上で美しい裸身がケイレンする。四肢は伸びきり、この絶頂がいかに激しかったかを物語っていた。

「あ、あふう……ふうっ」

 礼子は荒い呼吸をしながら半失神の状態で、快感の余韻に酔っていた。

 突然の重みに礼子は我を取り戻した。悠一が自分の上にのしかかってきたのだ。しかし礼子は、その心地よい重さを自ら迎えた。悠一は何も言わないで怒張を母の体内に埋没させていく。礼子はその動きを、自分から手を添えることで助けた。

「う、わあ……」

 母親の中に分身が収まると、悠一がたまらず声を上げる。嬉しくなって礼子は、括約筋に力を込めて息子のペニスを締め付ける。ここにきて礼子に大きな余裕が出てきた。今までのセックス経験を駆使して、息子の反応を楽しむことさえできるのだ。

「ちょ、ちょっとママ。そんなふうにしたら僕、出ちゃうよ……!」

 情けない声で悠一が叫ぶ。十四歳の少年には、熟練した女の動きに翻弄されてしまっている。三度目の母子の交わりにして、主導権は完全に母礼子に移っていた。

「さあ、どうしたの?動かないの?」

 礼子は甘い声で悠一にささやく。悠一は顔を真っ赤にして恥ずかしがっている。礼子はその表情に微笑む。

「もう、ママ。いじめないでよぉ……」

 悠一が言う。下から息子を食い締めている礼子は、括約筋の力を抜いてやる。

「ああっ……ママったらひどいな。それじゃあ、いくよ」

 華奢な腰が躍動を開始する。悠一にとって、母に奪われた主導権を取り返すには、セックスで母親に大きな快感を与える、ということしかなかった。

(そういえばさっき、ママは自分で胸を揉んでいたら、急に大きく喘えぎ出した……)そう思いだした悠一は、目の前でブルンブルンと揺れる豊かなバストにゆっくりと手を伸ばした。

「はあうっ!」

 途端、母親が喘ぐ。悠一の狙いは当たっていた。気をよくした悠一は、腰を動かしながら両手を礼子のバストにあてがい、激しく強く揉みしだきはじめた。

「あああっ、悠一。イイわ!それ、イイ!」

 礼子の躰も胸への愛撫で高まりはじめ、さらに確かな快感を得ようと、スラリと伸びた両脚を息子の若々しい腰に巻きつけて自分の腰を突き上げた。

「ママ、イイよお!」

「イイわ悠一。ママもこんなに感じたの、はじめて……」

 悠一は若さにまかせてただ激しく、経験豊かな礼子は巧みにねちっこく腰を動かす。その不釣合いな二人の躍動は、不思議に調和して母子に新たな快感を与えていた。

「ねえ悠一……お願い、今度はバックでやって……」

 礼子はあまりにも妖しい声で息子に願う。悠一は歓喜した。母親が初めて、自分から体位を要求してきたのだ。

「バックがいいの……?」

 悠一が礼子の耳もとでささやく。

「お願い……ママを、ママをバックでやってぇ……!」

 礼子が心から叫ぶ。

「いいよ、じゃあ自分で四つんばいになりなよ。もちろん、つながったままでね……」

 悠一の要求に礼子は無言でうなずく。礼子は二人の結合部分によく気を配りながら、自分でバックの体位をつくった。後背位は、礼子にとってもっとも感じる体位なのだ。若い頃の夫との交歓にはいつもこの体位で愛をむさぼっていたが、最近のつながりでは夫はこの格好を嫌がった。『男の主導権』を感じさせる後背位に自分の体力が不釣合いだと悟ったのだ。しかし今礼子の膣内に収まっているペニスは、その礼子の不満を吹き飛ばすほどの若々しさをそなえていた。

「さあ、悠一。やって……ママを思いきり突き上げて!」

 淫らな美しい顔を振りかえらせて、礼子が要求する。悠一は母親の豊かな双丘をしっかり抱え込むと、再び腰を動かし始めた。

「ママ、どう?僕のおちんちん……気持ちいい?」

 初めての後背位のつながりに、不安な悠一が聞く。

「イイわ、最高よ……ママとっても気持ちイイの!」

 礼子は尻を息子のほうに激しく動かしながら言った。久々に体験したバックでの行為は、礼子をこの上なく高ぶらせていた。

「ふ、はあっ、ああっはあっ!」

 礼子は激しく髪を振り乱して喘ぐ。声に応えて悠一もさらに大きく躍動する。そのたびに悠一の陰のうが揺れて、それがちょうど礼子のクリトリスにパチンパチンと当たって、不思議な快感を生み出す。

「うっはあ、ああっ……はううっ!」

 礼子の叫びは、なにも抑えてはいない真実の叫びだった。息子の若々しい肉体によって、礼子はこれ以上ない快感を体験している。

「うあっ、ママ……僕イッちゃうよ!」

 突然に息子が叫んだ。迫り来る快感にもう耐えられなくなったのだ。礼子もすでに自分の躰が快感の波に呑まれそうなことを感じていた。

「イイわ悠一!イッて!ママもイクわ!」

 礼子が激しく叫んだ。悠一は自らのペニスを、母親の中に思いきりねじ込んだ。

「はああっ……ママ、イクっ!」

「悠一!悠一!あああっ……イクうっ!」

 絶頂の瞬間、礼子は再び括約筋を思い切り締めた。しっかりと肉に包まれた悠一の肉茎から若く熱いスペルマが発射される。息子の熱いほとばしりは、礼子の膣壁を勢いよく打ち、心地よい満足感を礼子に与えていた。




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