この物語はフィクションです。
実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
ちなみに。
制作時期は2005年10月頃だったはずです。
……特に意味はありません。


 距離が縮まるにつれ、男たちが交わす会話が耳に入って来る。
「選挙」「接戦」「比例復活」「刺客」……。
 ホームレス同士でさえ熱っぽく語り合えるほど、今回の選挙戦は熱かった。
 ダミ声で繰り返されるそんな単語一つ一つに、女は心ざわめかせる。

『あの場所』に到着した時、むせ返るような男たちの汗の匂いを感じた。
 プレッシャーから解放された事で、ますますそれが生々しく感じられた。
 しばらく意識していなかったその感覚。肉体の奥底から湧き上がる、炎のような。
 自分のすぐ近くで「バンザイ」の声と共に湧く牡臭。
 その匂いに呆となりながら、準備した謝辞を読み上げる女。

 もう、いいのよね? 二週間以上も、我慢したんだから……。

 自分たちに近づいて来る季節外れのコートを着た、サングラスの女。
 住処である裏通りの公園には場違いな女の接近に、ホームレス達はやっと気づいた。
 彼らは自分たちのテリトリーに侵入して来る者たちに敏感だ。リーダー格の男が呟く。

「何だ、あんた。俺たちになんか用か?」

 まだ選挙結果の情勢を伝え続けるラジオはそのままに、男たちは一斉に女を見た。

「……」

 女は立ち止まった。無言で、自分を鋭く見る視線をゆっくりと見回し、喉を鳴らす。

「……私を」

 紡いだ短い言葉さえ、燃えるように熱い。女はその熱さに酔いながら、次の言葉を。

「抱いて、欲しいの……あなたたち、皆で、めちゃめちゃに……っ」

 コートを自らの両手でゆっくり開く。怒りを帯びていた場の空気が、一変する。

 真っ白い肌。
 豊かな双胸。その頂上に息づく、小さいが存在感のある乳首。
 くびれてはいるがしっかりと肉感を湛えた腰。
 揉めば明らかに痺れそうな尻。
 美しく手入れされた、しかし黒く濃く茂った陰毛。
 奥に息づく、肉色の泉。
 すらりと伸びた美しい脚。

 普段より敢えて下品に塗った口紅。その赤い唇をゆっくりと動かす。

「どう……?さあ、この体を自由にしていいのよ。お願い、早く……」

 男たちが一斉に息を呑むのを感じ女は思わず、舌舐めずりした。


「んぐぐうっ……んむ、んむうっ!」

 ひび割れたコンクリート製の登り山の陰。公園にいた人間は全てそこに移動していた。
 すでに全裸になった女は、口に男の汚らしいペニスを深々と呑み込んでいた。
 それだけでは飽き足らず、両手にも匂い立つペニスを握っている。
 マニキュアに彩られた細い指を巧みに絡ませ、しごきたてながら。

「あんた……よっぽど溜まってたんだな」

 まだ女に絡んではいないリーダー格の男が、冷笑と共に女に囁く。

「んむうっ……んふ、そ、そうなのっ……ずっとこれが欲しくてたまらなかったのぉ!」

 サングラスの奥の瞳を潤ませて、女は本心からの言葉を叫ぶ。
 再び嬉々としてペニスを咥えた女。唇と指先はますます巧みに揺らめいていく。

「……旦那にしてもらえてねえのか、若い男に逃げられたか。どっちにしろ淫乱だな」

 リーダーの男に、最年長のホームレスが囁いた。確か60を過ぎているはずだ。
 なのに、ズボンから引っ張り出した自分の勃起を嬉しそうに擦り立てている。

「ははは……あんたみたいな爺さんでも興奮すんのか」
「あれくらいの熟れた女が一番味がいいんだよ。見ろあのいかれた顔を……」

 言う通り、女は悦んでいる。汚らしい男たちのペニスを自分に引き込もうとしている。

「あんなに美人で、あんなに淫乱……言う事ねえぜ」

 ますます興奮した口調で呟いた最年長の男は、女の側に近づいていった。

「全く……しかし、あの女どっかで」

 リーダー格の男が女に近づかないのは、そのためだった。
 間違いなく、あの女をどこかで見た事がある。そこがずっと心に引っかかっている。
 女優だったか歌手だったか。だが自分は有名人のお遊びに付き合ってやるつもりはない。

「んむ、んんんっ!あはっ、また来たのね、臭いのが……嬉しいっ!」

 最年長の男が押し付けたペニスを、飢えた獣のように遠慮なく舐め始める。
 2本同時にいきった男のモノを舐める。先端を咥える。両手のモノをしごき上げる。
 涎の垂れさえ気にせず、女は心の赴くままホームレス達を貪っていた。
 ここ数日、必要以上にフォーマルであろうとした自分を、自ら汚すように。

 そう……本当はこんな女。男のモノが欲しくてたまらない、いやらしい女なのっ!

 触るまでもなく、淫泉がしっかり潤っている事を悟る。男に向かって開き始めたのも。

「……ああっ!もう我慢できないっ……して、してっ!私のココに、誰か挿れてぇっ!」

 ペニスを口から離し、叫ぶ。右手をヴァギナに導き、そこを指先で開く。
 ルージュはすでに乱れ切り、女の淫らさだけを強調していた。

「お、おう入れてやるとも……じゃあ、そこに寝な」

 一人の男が指示した。女は素早くそれに従う。やはり、ヴァギナを指で開いたままで。

「早く早く、挿れてっ……あなたたちのが、欲しいのぉ……はやく、挿れてよぉ!」

 女の語気の強さに、寝ろと指示した男は苦笑いしながら女の脚と脚の間に座った。

「ああっ、来た……っ、あふうう、うんっ!」

 男のペニスがすでに触れているのにも拘らず、腰を揺らし誘う女。
 少し離れて痴態を眺めるリーダーの男も、さすがに体を震わせた。

 全く、どれほど盛ってやがる。この女は……。

「ああ、あひぃ……入って、来たぁん!」

 余程待ちわびていたのか、先端の侵入だけで全身を痙攣させ歓喜の叫びを上げる。
 あの激戦のさなか、自分で慰めようとしても没頭できなかった。
 あまりの高ぶりに、好色な目で自分を見る応援者の手をじっと握ってしまった時もある。
 気づかれはしなかったが、いずれ来る性欲の発露を自ら悟った瞬間だった。
 その日から常に頭をよぎる、かつての甘く激しかった肉の生活。
 当落関係なく、これからはあのような日々を再び望めないだろう。
 ならば結果が分かったこの日、この日だけでも乱れていいはず……。
 地位も名誉もある、一人の女の淫ら極まりない決心だった。

「も、もっと奥にっ……あはぁ、私を満たしてぇ……っ!」

 男の動きを促すように女は更に腰を揺さぶる。組敷かれてはいるが支配されてはいない。
 ただひたすら色の悦びを求め、淫らに振舞い続ける。そうする事が最善だと、祈る。

「おうっ……待てよ、今すぐ突いてやるからよ」

 勢いに当てられていた男がやっと攻勢に出た。
 女のだらしなく開いた両脚を力強く抱え込み、ぐいと突き挿れる。

「あ、ひいいいっ……!いいわ、いいっ!あなたの、すごくいいっ!」

 待望の充実感を得た女。しかしまだ、自分の本能を抑え切れずに。

「早く突いてっ、もっと奥に……強く、強くよお願いっ!」

 首を上げて結合部を凝視し、更なる躍動を求め願う。
 挿れた男はとうとう無言になり、ただ求められるがままに腰を必死に振る。
 その滑稽だが淫ら過ぎる男と女の交接に、周囲も再びあらぬ熱を持ち始めた。

「く、口が空いてるな……」

 先端を舐め回されただけでは満足できずに、あの最年長の男が女の顔に近づく。
 再び目の前に差し出されたそのペニスを、匂い立つようなモノを、見つめる女。

「ああ……いいわ、舐めてあげるっ!誰のだって、あんっ、いいのよっ!」
 突かれながら、腰を振りながら、女は唇から舌を艶かしく回し出す。

「な、舐めて、く……」
「あはぁ、んんんんっ!……んは、あっ、美味しいわ、いいわよぉっ!」

 舐めろと命ぜられるわけでもなく。何十年も長く生きた男がおずおずと出したモノを。
 当たり前のように舐め、当たり前のようにしゃぶり、当たり前のように咥える。悦ぶ。
 そして下半身は絶え間なく淫らにくねり、男の分身を粘膜で味わい尽くそうとしている。

 サングラスをかけただけの裸の女。そこには二人の男がしっかりと密着していた。
 しかし周囲の男たちには、まだそれでも足りないように感じられている。
 スポーツ新聞のエロ記事を持って、こそこそとトイレで自慰に耽るという日常。
 それが当然だったからこそ、目の前で猥褻に振舞う女の登場はまさに奇跡だった。

 俺たちが望めば、なんでもしてくれるんじゃないか……?

 すでに先ほど舐められた男も、手で擦られていた男たちも、その他の男たちも。
 まったく同じ目的を持ってじりじりと女に近づき、そしてすぐに裸女を弄り始める。

「んは、ああっ!もっと強く……挿れられてるのも、舐めてるのも、す、てき……っ!」

 何本もの男たちの手が伸び柔肉を弄ろうとも、女は体を揺らし悦び、叫ぶ。

「いいわ……揉んで、つねってっ!あひ、はひっ、ほら、もっと激しく突くのぉ!」


 無関心を決め込もうとしても、女の乱れようは余りに激しく男の本能に訴えかけて来る。
 熱っぽくなる自分の頭を小さく振り、リーダーの男は輪から離れた。
 歩を進めれば喧騒は薄れていくが、あの女の艶やかな声だけはなぜか耳に届く。
 顔を洗うために水道に辿り着いた時、やっと淫声から解放された事を悟る。
 大して冷たくもない水で、熱帯夜という理由以上に高まった体温を冷ましていく。

 男は若い頃、政治家を志していた。
 理想に燃え、大学で学び、更に社会に出てから代議士の鞄持ちとして夢の実現を待った。
 だがしかし、理想が高いほど現実とのギャップが激しく感じられた。
 公然のリベート。政治意識の薄い有権者、そして候補者。血縁後継中心のシステム……。
 能力も意識も高いのに、自分より劣る者達が「政治家」になっていくという現実。
 政治への絶望は社会その物への無関心へと変わる。
 気ままに生き、世の中を斜に眺めて冷笑できるホームレスになったのは、そのためだ。

「……ふうー」

 顔の水滴を汚れたタオルで拭きつつ、ふと側のゴミカゴに目が留まる。
 そこにはくしゃくしゃにされ捨てられたスポーツ新聞。原色の見出しや煽り文字が並ぶ。

「美人刺客」「女の戦い」「不倫メール」「ネットで萌え〜」……。

 地元であるこの地域はおろか全国的に騒動を巻き起こし、今日終わった選挙戦。
 男も近くの繁華街に来た両女性候補の演説を聴きに行った。これは性のような物だ。
 政治に対しクールになったため、内容への興味は余りなかった。
 しかし時に丁寧に、時に熱く語る女性候補同士の戦いは、単純に華やかに思えた。
 将来の首相候補とされながら与党案に反対し無所属で立った従来候補。
 彼女に対して「刺客」として党本部に送り込まれたキャリア満点の新人候補。
 マスコミが煽り、有権者も熱っぽい議論を交わしながらその騒動に乗った。
 特に、新人候補のほうは演説中も美しかった。ネットで人気が出るのも頷けた。

 ゴミカゴの中の新聞。その女性候補の写真が、自分に向かって微笑んでいる。
 男は、思わず顔を拭く手を、止めた。


「ひっ、あひいっ!い、いいのっ!もっと強くしてーっ!」

 女は騎乗位で、男たちの精を貪っていた。相変わらず声は艶やかで、激しい。
 四股を踏むように男の腰の上で尻を振り、両手では二つのペニスを握りしごいている。
 時折その先端をしゃぶり先漏れ汁を味わう。本人にとってみれば、贅沢極まりなかった。

「……どうだったかい?あの女」

 饗宴の輪に戻って来たリーダーの男は、輪から離れて座り込む一人の男に声かける。
 すでに精を搾り取られた後の、あの最年長の男だった。

「……ふう。十何年分か口に出させてもらったが、その間何度も気を遣ってたな」

 時折ため息のような深い呼吸が混じる。老境の男には口淫放出も重労働だったようだ。

「そのくせ、もっともっとと男に向かってどんどんケツを振る。底なしもいいとこだ」

 興奮と疲労で更に呼吸が乱れる。同じように、幾人かの男が放出後の余韻に酔っていた。

「なるほど、底なしねぇ……」

 顔に薄笑いを浮かべながら、リーダーの男はズボンのベルトに手をかける。

「へえ……あんたも犯る気になったのかい?」
「……まあな。こんなチャンスは二度とねえ。なんてったって国会議……」

 言いかけて、口をつぐむ。この楽しみは、俺一人の物にしておこう、と。


「い、いいわっ、素敵よぉ……ああっ、もっと強く、ち、ち、ちっ……」

 女も何かを言いかけて、朱く染まった唇を閉じた。
 以前恋人達と愛し合っている最中に、何度も叫んだ、淫語。
 その言葉をここで叫ぶ事が出来れば、更に心昂ぶらせ強い悦びを得られそうだった。
 しかし、しかしさすがにそれは躊躇われた。
 ひたすら淫らに躰を揺らし、閉じた唇から耐え切れぬ喘ぎを漏らしているこの状態でも。
 今は全裸で見知らぬ男たちを貪っているが、明日の早朝はまたスーツ姿になる。
 そのスーツで皆の前で、誠実に清潔に清楚に、マイクに向かって語らなければならない。
 
 欲望に溺れ、同じ口から淫猥極まりない言葉を叫ぼうとしていた、自分……。
 

「なあ、姉ちゃんよ……」

 不意に耳元で囁かれ、女は身を震わせる。
 たった今逡巡したばかりなのに、また一人男が迫って来た事で心躍ってしまう。

「……あんた」

 更に耳元に近づき低い声で囁きかけて来る、男。
 続けて嘲りの言葉がぶつけられるのなら、嬉々として受けよう思った。溺れゆく、女。
 だが。

「ユカリさん、だろ……?」

 淫らな血に激しく脈動していた心臓が、止まるかと思った。


「おっ、何だ何だ?動かなくなった代わりに中がえらく食い締めて来たぜ」

 挿れていた男がその理由も分からずに、女の内部の変化を語った。
 周囲の男たちも突然踊らなくなった女を訝しがっている。
 ユカリ、と呼ばれた当の女は、色を貪るどころではなくなっていた。
 選挙中は幾度も連呼し、連呼された自分の名前。
 その名をこの場所で呼ばれるとはまるで想像していなかった。
 発覚の恐怖に体をこわばらせてしまった事自体、その指摘が事実だと語っていた。
 止まりかけた心臓は、今度は別の心情に早鐘を鳴らし始める。


「当たり、か……安心しな。あんたがどこの誰かなんて、他にはバラしゃしねえよ」

 周囲の者たちに聞こえないように、リーダーの男は女に囁く。
 女はただただ恐怖に慄く、だけ。

「だからよ」

 今日得たばかりの、責任ある立場。それを守るために金品を渡さねばならないのか。
 それとも……。全身を硬直させながら、女は男の要求を待った。

「……這いな」

 短すぎる言葉に、思わず聞き返しそうになる。這、う……?
 それ以上何も言わない男の意図を探ろうと、女はサングラス越しの視線を向けた。

「クククっ……」

 その距離数センチ。
 女、いやユカリは男の冷たい笑みを捉え、男はユカリの困惑する表情を見つめていた。

「まだ物足りねえんだろ?だから、ケツにも挿れてやるよ……」
「……っ!」

 見透かされたとおり、まだまだ男の逞しいモノを全身が欲している。
 だが、だがやはり今の男の提案は限りなく躊躇われた。
 これまで様々な肉の交わりを経て来た。もちろんアナルセックスも何度か経験した。
 しかし常に相手は一人。つまりヴァギナとアナルを同時に挿し貫かれた事などない。
 ましてや幾人もの視線が存在するこの状況で。


「おい、一体どうしちまったんだ?」

 勃起でユカリの中を満たしてる男が小腰を使いながら堪らないという風情で尋ねる。
 いきったモノを曝け出したままの男たちも、それに同調する。

「ちょっと待っとけよ……」

 男たちをぐるりと見回したリーダーは、再び女に向き直り耳元に囁きかける。

「今から忙しくなるんだろ?めいっぱい愉しめるのは今夜だけだぜ……」
「あ、あ……っ」
「ケツとマ○コに2本……なあ、欲しいんだろ?あんたが望むなら何本でも追加できるぜ」

 ユカリは声に惑うように周囲を見回す。サングラス越しの暗い視界
 しかしそれでも、男たちの飢えた顔と気張りきったペニスだけははっきり見えた。
 そのどれをとっても、自分の肉体に向けていなないている。
 自分が求めれば口もヴァギナも、そしてアナルもその汚くも熱いモノで満たされるのだ。

「さあ、想像してみな。俺たち全員に犯られる自分を……ケツに、挿れられたいんだろ?」
「んっ……挿れられ、たいっ」
「挿れて欲しかったら、這いな……」
「ああぁ……は、這うわっ」

 ヴァギナに1本挿入されたままの不恰好な体勢で、ユカリはゆっくりと躰を動かしていく。
 その脳裏には、自分。妄想の中では、自分は今の痴女の如き姿ではない。
 熱い体臭を撒き散らせた支持者の男たちが去った、あの選挙事務所。
 明日から毎日着ねばならないフォーマルなスーツを、
 乱入して来たホームレスの男たちにブザマに引き裂かれ、
 清楚な化粧も剥がされながら、肉という肉を弄られ、穴という穴を犯される、自分。

 あまりにも狂おしくて、それだけで絶頂してしまいそうだった。

 リーダーの男はユカリの背後に回る。真夜中でも真白に輝く、魅惑の臀部。

「おお、すげえっ」

 同じように背後から眺める数人の男たちがそのヒップの美しさに呻く。
 その姿を命じたはずのリーダーの男も、思わず息を飲んだ。

「んっ……はあぁ」

 切なげな吐息と共に揺れる、スマートだが肉の乗った尻。
 男なら誰もが後ろから激しく突きたくなる、魅力的な尻。
 ゆっくりその尻に近づくたび、自分の頬が緩むのをリーダーの男は感じていた。


「は、ひい……っ!」

 白く柔らかい肉を両手で掴むと、ユカリが全身を震わせて喘いだ。
 あえて跡が残りそうなほど指先を強く埋め、双肉の弾力をマゾヒスティックに愉しむ。
 そのまま左右に開けば、ペニスがずっぽりと埋没しているヴァギナ。
 そしてその少し上に、セピア色のアナルが繊細にひくつくのがはっきりと見て取れる。

「いいねぇ……あんたの全てが見えるぜ。マ○コも、ケツの穴もよ」
「あ、はあんっ……そんな事、言わないでぇ」

 恥じらいの熱い息を吐くが、けして男の手から逃れようとはしない。
 それどころか2本のモノに内部を蹂躙される時を想像し、さらに誘うように尻を揺らす。

「じゃあ」
「ひいいんっ……!」

 すぼまりを、男の指が小突いた。その瞬間に迷い、その感触に空虚を感じる、ユカリ。

「あ、ゆ、指なのぉ……?」
「クククっ、やっぱり指じゃ物足りねえか。じゃあ、おねだりだ」
「おね、だり……」
「どこに何を挿れて欲しいのか、俺におねだりするんだよ。さあ、どうする?ユカ……」
「ああっ、おねだり、するわっ!」

 名前を呼ばれかけた事に気づいたユカリは、慌てて叫ぶ。
 だがそんな状況でも、体験した事のない被虐のやりとりに図らずも興奮してしまう。

「さ、言葉は正確に丁寧にな、あんたがこれから毎日しなきゃいけない事だろ……?」

 ユカリにしかわからない言い回しで、煽る男。

「は、い……あの、お、おっ、おし……っ」
「よく聞こえねぇ」
「ああっ……お尻、にっ」
「穴に、だろ」
「……お尻の、あ、穴にっ、挿れ……」
「何を、だよ?そんなんじゃ『タトウ』の奴らにすぐ反論されちまうぜ」

 特定の政党名を挙げるでもなく、もちろん野党と言うでもなく。
 そうする事でリーダーの男は、ユカリにさらにじりじりと堕落を迫る。
 対するユカリは、また妄想に耽る。
 演説や質問途中に、昂ぶって発する淫単語。一斉に集まる好色な視線。
 その視線を全て受けとめて、陰部をしとどに潤ませていく、淫乱極まりない自分……。


「お、お尻の穴にっ……ち、ち○ぽ挿れて、下さい……早く、はやくうっ!」

 聞いていた誰かが、ヒューッと口笛を吹いた。深夜の公園に鈍く響き渡る。

「おいおい、まさか『ち○ぽ』なんて言うとはなぁ……どスケベこの上ねえぜ」

 リーダーの嘲笑にユカリは躰を震わせる。その震えはもちろん恐怖から来たのではない。
 先程躊躇した猥褻極まりない淫語を、当たり前のように叫んだ自分に酔っているのだ。

「いいぜ、挿れてやるよ『先生』……俺のち○ぽを、あんたのケツの穴にな」

 強調するように一語ずつゆっくりと宣言するリーダーの男。
『先生』、という特殊極まりない敬称をあえて呼ぶことも忘れずに。
 聞いているユカリはその一語一語にヴァギナを潤わせ、アナルをひくつかせる。

「あ、あ、あぁ……くううっ!」

 久々にその場所で感じた男の熱い圧力。歪んだ感激に浸るより早くその圧は増していく。
 決して緩んでもいない肉のすぼまりを、ズッズッと割り開いて進むペニス。
 滾る肉の奥で、2本のペニス同士が距離を詰めていく、乱れた感触。
 何度も息を呑まなければ耐えられないほど、その牡の運動は鈍く重かった。
 しかしもちろんそれは、ユカリ本人が待ち望んだこと。
 距離が縮まりきった時、そこで生まれるであろう快感を、ユカリは待っているのだ。


「くうーっ……いいねぇあんたのケツの穴の中は。キツキツにち○ぽを締めてくるぜ」
「あ、く……ううっ!キツ、いぃ……っ」

 リーダーの男は感嘆し、ユカリは呻きながらも狭洞の充実感に酔い痴れていた。

「おおっ、こっちも……ま○この中の具合がよくなったぜ。おお、いいっ!」

 ヴァギナを穿ち続けている男も、リーダーに倣ってユカリを淫語で嬲り始める。
 体内をみっちりと満たす2本のペニス。ぐいぐいと遠慮なく進む2本のペニス。
 さらに淫らな言葉や熱い視線に責められ、ユカリはどうしようもなく昂ぶっていた。

 ああ……っ。これなの、この感じなのっ!
 どんなに肩書きが変わったって、これを忘れることなんてできないの……っ!


「つっ、突いて!」
「……だから、どこを、だ?」
「あふんっ……お尻の穴、け、ケツの穴のち○ぽを……激しく突き上げてっ!」
「……まったく」

 自分が仕向けた淫語嬲りの効果に、リーダーは自嘲気味に笑う。
 すぐにつられて『ケツの穴』と叫ぶ女。予想以上の反応だ。

「じゃあ、遠慮なくいくぜ」

 ならば女の乱れに任せて責めてやろう、尻の穴で狂わせてやろう、と。


「あ、ひいいいっん……!」

 えぐるような強烈な突きがユカリの全身を痙攣させる。
 尻穴を奥深くまで穿った男の一撃に、ユカリはイッたのだ。

「まだまだ。こんなんで参っちまうなよ先生……おい、一緒に突き殺してやろうぜ」

 きつい超粘膜のわななきに女の絶頂を知ったリーダーはニヤリと笑う。
 すぐさま下の男に指示し、ユカリをますます狂わせようと狙う。

「……あひ、はひっ、ひいんっ!つ、よいぃ……んんんっ!」

 男2人は腰の躍動を合わせて、サングラスのみを纏った美熟女の肉体を攻める。
 いや僅かにずれた動きだからこそ、淫粘膜を隔てる快感がユカリに鋭く感じられていた。
 ヴァギナの、動かなくても精を吸い取ろうとするような蠢き。
 アヌスの、自分では動かし難い神経から来るざわめき。
 まるで違う女の快感が、逞しく熱く、形も動き方も違うペニスによって与えられる。
 さらに自分が淫らに叫び振舞うことで、被虐的牝の悦びを新たに得られる。
 これまでのセックスライフとは比べ物にならない歪んだ愉悦の中に、ユカリはいた。


「す、すげえな……」
「あぁ、エロ過ぎるぜ」

 前と後ろに挿れられながら歓喜の声を上げ続ける裸の美熟女。
 暗い公園で体液を滴らせ踊るその女を、ホームレスたちは食い入るように眺めている。
 街裏の寂れた公園に、深夜現れた淫乱極まりない女。
 すでに女の膣内や口に精を放った者もそうでない者も、再び興奮に囚われ始めていた。

「ひっ、ひいいんっ!ケツの穴素敵、すてきぃ……っ!
「あうう……ま、ま、ま○このち○ぽもイイっ……もっと、もっとよぉ!」
「こす、れるぅ……ま○こもケツもいっぱいなのっ!いいっ、いひいいいっ!」

 前後の穴を貫かれ突かれ悶える女と、激しく兇器を繰り出す2人の男。
 先程よりもずっと乱れ狂った光景に、囲む輪もまた小さくなる。

「お、おい……口は、空いてるんだろう?」

 サンドイッチされ続けるユカリの開ききった唇に、一人の男の怒張が向けられた。
穴を塞がれる快感に酔っていたユカリも、すえた匂いによってそれに気づく。

「あ、ああん……っ」

 これで何本目の口淫だろう?汚らしい男たちが自分の唇をめがけペニスを向ける。
 ユカリはまだ求めている。
 ヴァギナとアヌスを埋められてなお、口の充実感も求めているのだ。

「んっ!いいわ、舐めるわっ……あなたたちの臭くて汚いち○ぽ、全部舐めてあげるっ!」

 先程よりもずっと無理な体勢だったが、ユカリは目の前のペニスにむしゃぶりついた。

 ぐいっ、と顔を上げ男のモノを舐めるユカリを見つめながら、リーダーの男は思う。
 この数週間抑圧された肉欲を、今夜公園で晴らそうとしている、女。
 だが全ての肉穴を塞がれてなお色を求める女が、数時間で気を晴らすことが出来るのか?
 明日から訪れる禁欲の日々に、ユカリという名の欲深き女が耐えられるだろうか?と。

「……もっともっと、ケツの奥を突くぜ」
「んぐぐうう……っ!いい、いひぃ!」

 一定の感情を含ませながらリーダーは呟くが、ユカリは我を忘れて叫ぶばかり。
 ならばと男も、今は我を忘れただユカリを蕩かせ抜く覚悟を決める。

「んんっ、いひいいっ!あは、ま○こもケツの穴もいい……っ!最高よぉ!」

 充分膣奥を穿っているはずの2本のモノでさらに快感を得ようと、前後左右に腰を揺さぶる。
 そうすればこれまで触れられたことない粘膜部分が擦られ、思う以上の悦びが湧く。
 今までの苦労も、これからの責務も、淫らに躰を振るうことで全て忘れられた。
 たまに背後の男が言葉で思い出させるが、それさえも痺れるような愉悦に変わる。
 この短い時間だけでも、淫らに踊っていたい。それが今のユカリの全てだった。


「う、うくうっ……もうダメだっ」

 下から必死に腰を繰り出していた男が、突然鋭く呻いた。
 ユカリの激しすぎる躍動に、放出の予感を感じたようだ。

「んふ、んうん……っ!ああっ、来て!ま○この中にいっぱい出して、出してぇ……っ!」

 声高に膣内発射を許可したユカリは、すぐに飢えたように口淫を再開する。

「いいぞ……、この淫乱女の奥にめいっぱいぶちまけちまえ!」

 リーダーが狭洞を抜き挿ししながら煽る。
 顔をしかめながらラストスパートに入る、ヴァギナを突く男。
 一番奥深い所で放出してもらおうと、ぐいぐい尻をくねらせるユカリ。
 ペニスを咥えた唇から淫ら過ぎる喘ぎを漏らしながら。

「う、ああっ……い、イクっ!」

 眉間にしわを寄せ苦しげに呻きながら、溜まりに溜まった精を放つヴァギナの男。
 その瞬間ユカリが全ての肉穴をぎちりと締め上げたのを、リーダーは分身の鈍い痛みで悟る。

「あひ、いいん……す、てきぃ……っ」

 舌先をペニスに残したまま、ユカリは満足げな吐息を漏らす。
 だがまだ精液に満たされていない粘膜は、ぐいぐいと男のモノを遠慮なく締め上げる。
 肉体内部を全て牡の体液で汚されることを、望んで。


「や、やべぇ……すぐ出ちまいそうだ、クソっ!」

 喉を反らしながら、ユカリの口に突っ込んでいる男が情けなく喘ぐ。
 ヴァギナに覆う出されても、歓喜の淫声を高らかに上げても、舌の巧みさは変わらない。
 ユカリは先端の膨張を巻きつかせた舌で感じ、美貌を奇妙にくねらせながらその瞬間を待った。

「あ、あう……出る、出ちまう!」

 まるで童貞少年のように、口のホームレスはカクカクと最後の腰を振りたてた。
 口内にぶちまけられた熱く濃く臭いスペルマを、ユカリもまた赤子のように呑み下す。

「うっ……うくうっ」
「んああ……おい、しいっ」

 精を吸い尽くされしぼんでいくペニスを最後にひと舐めして離し、ユカリは甘いため息を吐く。
 今夜これまで何人の男がユカリに精を放っただろう。
 しかしユカリはまだ貪欲に、今宵初めてのアヌスへの爆発を願い、肉感的なヒップを揺らす。


「くうっ……いいぜセンセイ、ケツの中は最高だ。もっといやらしくケツ振れよ……っ!」
「ふ、振るわ!ケツもっと振ってあげる!ケツ穴ももっともっと締めてあげるっ!いひっ、いひいぃっん!」

 叫ぶと同時に、熱い狭洞が強烈に締まる。男のペニスを食い潰すかのように。

「ぐうぅ、キツ、い……っ!」

 リーダーの男も、さすがに顔をしかめ腸粘膜の責めに耐える。
 一気に頂点を悟ったが、負けじとしゃにむに兇器をユカリに向けて振るう。

「ああ、あはぁ!い、イクの!ケツの穴に挿れられて……イキ、そうなのぉっ!」
「ああイケよ!あんたがイッたら、俺のありがたい精液を汚ぇケツの穴にくれてやる……おらっ、イキやがれっ!」

 2人が上げる獣のような声と動きに、放出した者もそうでない者も圧倒されている。
 突然現れて色を求めた裸の美熟女。
 求められるまま、いやそれ以上の勢いで尻穴を穿つ男。
 周囲の男たちは、住処であるこの公園で起こっている狂宴の終幕を、無言で見守り、待っていた。

「あく……うふんっ!く、来るのね……ああ、分かるわっ!わ、わたしもケツの穴で、イクうっ!」

 ままならぬ筋肉のはずなのに、内部でペニスが膨張するのをユカリは感じている。
 熱液が尻穴にほとばしる瞬間、今までにない快感が訪れるはず。ユカリはその時を迎えるため、豊かな肉を最大限に振った。

「おらっ、イクぜ……俺みたいな世捨て人のち○ぽで、ケツ穴ほじられてあんたもイキな……『センセイ』っ!」

 久々に抱いた、ユカリという女。このどうしようもなく淫らで美しい女は、男が若い頃憧れた場所に揚々と登りつめるのだ。膣や排泄穴に精液を湛えながら……。これほど滑稽で痛快なことはないと、男は噴出の予感の中で冷たく笑った。


「あひっ、はひっ!ダメ、イクのぉ……あなたのち○ぽで、ケツの穴で、めちゃめちゃにイッちゃう……っ!」

 経験したことのない、素晴らしいエクスタシー。自ら進んで、汚らしい男たちに裸を晒し、秘肉を拡げ、怒張を迎え入れ、腰を振り乱し、尻穴さえ喜んで開き、淫らな本性を露わにして、遂に訪れるであろう最高の絶頂を迎えようとする、ユカリという女。間もなく代議士という、女。

「……受け取れ、淫乱センセイっ……うおおっ、イクっ!」

「あはっ、き、来てぇん!ケツの穴にあなたの熱いの、いっぱいちょうだいっ!あひ、い、イクぅ!」

 ユカリとリーダーの意味深な雄叫び。周囲がそれぞれの思いにざわめく中、2人は色に至る最後の1段を駆け上がった。

「く、ううう……っ!」
「あ、はああ……っ!」

 女は叫び、男は呻いた。
 女は満たされ、男は放った。
 女は揺らめき、男は震えた。

「あうう……すて、きぃ……っ」

 躰の奥底から、愉悦の大波が押し寄せて来る。完全に同調した絶頂の瞬間。
 熱いスペルマが、腸まで到達するかの勢いで粘膜内を満たす。男の射精によって得られた恍惚は、ユカリの望んだとおり素晴らしいものだった。リーダーの男も、ユカリのきついアヌスの奥に数年分の濃いスペルマを吹き散らし、燃え尽きてしまいそうな感覚に溺れれていた。淫乱女の尻肉に強く爪立てながら。

 誰かが、また荒い息を吐きながらユカリの肉体に近づいていく。1人、2人、3人……ゆっくりとユカリから離れたリーダーはなぜかその光景が可笑しくて、下半身を晒したまま静かに微笑み続けた。
 刹那、ユカリがまた、啼いた。


「……すぐ間近に迫っている、いえすでに突入しているであろう少子高齢化社会……コホンっ、これは女性にとって非常に重大な、また火急な問題であるかと思います」

 議場に響く、凛とした声。周囲の男たちはニヤニヤと笑みを浮かべその艶やかな声に聞き入る。女を凌辱しその声で啼かせる光景を想像している者も少なくないだろう。
 初の委員会質問で緊張しているのか、美貌をほんのり紅潮させ必死に言葉を紡いでいる。その様子も、好色な思いを持つ者にとってはまるで別の表情に妄想される。そう、例えば……。
「この件に関しまして政府与党……そ、それからや、野党……あっ、うんっ。し、失礼しました」

 陰部を弄くられ快感に喘ぐ美熟女、そのように見えても不思議ではなかった。しかしもちろん報道では「初質問に緊張する新人注目議員」と伝えられるであろう。

 注目新人議員の名は、ユカリといった。

 しばらく奇妙な質問の乱れは続いたが、やがて社交辞令のような答弁の応酬を経て委員会は終了した。好奇を含んだ視線やカメラのフラッシュを浴びながら、ユカリというその美女は議場を去っていく。


「もういいわ。ここで」
「しかし、先程の質問のとりまとめを……」
「大丈夫よ。彼と2人でちゃんとやるから」

 議員宿舎、ユカリの部屋。
 彼女と党から推薦された公設秘書が入り口で言葉を交わす。

「……大変申し上げにくいのですが、彼は本当に信頼できるのですか?」
「……家柄や学歴は問題ないはずよ。私が自分で探してきた、有能な人物だから心配しないで」

 そういってユカリはドアを閉じかける。

「ですが……」
「じゃあ、また国会に戻って反応を調べてきて。こちらが済んだら私もすぐ向かうから」
「……はい」

 公設秘書は一礼して廊下を去っていった。ユカリはその後ろ姿を見送りながら、小さくひとつため息をついた。

「……やっとどっかに行ったか」

 鍵をかけた部屋の奥から、低く冷たい声が響く。

「え、ええ……」

 ゆっくりと応えたユカリの声は、先程のため息よりさらに熱を増していた。

「さて……党期待の新人議員ユカリさん。こっち来なよ」

 ソファにどっかりと腰掛け手招く男。初登院直前に私設秘書となったこの男はユカリのいう通り確かに家柄も学歴も問題ない。だが。

「どうだった?ケツ穴にローター突っ込んだまま国民さまの前でしゃべった気分はよ」

 議員たちはもちろん、カメラを通し流されたユカリの姿。注目多きこの状況で、秘すべき穴に電動振動器を埋め込ませていた、女。

「……っ」
「見てたぜ中継……感じてたんだろ?あんたは人様の前でいやらしい姿を晒すのが大好きな淫乱女だもんなぁ」

 質問には答えずに、ソファの男に歩んでいくユカリ。穴から全身に伝わっていく鈍い快感に体温を上げながら。

「よし……スーツのスカートをめくって、こっちにケツを向けな。ローター取り出して、すぐにぶっ挿してやるからよ」
「ああっ……し、てっ!ユカリのケツ穴に、あなたのたくましいち○ぽ、ぶっ挿して……っ!」

 ソファに座ったままの男に向かい、仕立てのいいスーツのスカートをめくり上げ、そのままショーツを引き下げる。
 そして、くねくねとその尻を振り、あろう事か自らの指先で尻穴を広げた、女。
 背後でベルトが外される音、それに続いてチャックがゆっくりと開かれる音を聞いただけで、ユカリは急激に昂ぶった。
 また、この場所で激しく犯されるのだ。国民の視線に晒された直後に、この男に尻穴を満たされるのだ。
 なのにユカリは、どうしようもなく熱い吐息を、ゆっくりゆっくり漏らした。

終わり

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