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キャシャーン

 テレビで放送していたので、劇場版のキャシャーンを見ましたよ。
 公開当時は、ともかく散々な悪評しか聞かなかったのですが、見てみたら予想外面白かったです。特にあの映像は非常に好みでした。
 イグは「いかにもなCG」があまり気にならないタイプなので、作中の瓦礫の廃墟とか、モノトーンの埃っぽい街とか室内とか、メカのCGとかは、普通にわー凄ー!と思ったですよ。
(こういう好みにつながる他のネタ‥‥ゲームの「バロック」とか、映画「バンディットQ」「ラビリンス」の魔王のお城とか)

 ただ、肝心の物語部分、「何がどうなってこうなっている話なのか」というのは、元のTVアニメ版を知っているイグにも全く訳解らず‥‥
 というか、「キャシャーン」というタイトルと主要モチーフを使ってるだけで、原作とはあんまり関係ない、かなーり別の話になってました。別話なだけならいいんだけど(※)、ともかくその「映画独自の設定部分」に関する説明描写が全く足りてません。

(※‥‥いや、ほんとは良くないのかも知れませんが。過去に三度とか映像化されているにも関わらず、アレンジの有無なんてレベルじゃなく「正に名前を借りただけ」で、原作通りの話だったことは一度もないという「戦国自衛隊」の例もあることだし‥‥)

 唐沢寿明とか及川ミッチーは、役者さん本人に興味のないイグが見てもいい感じだったので、余計に「勿体ない感」がひしひしと‥‥
 特に唐沢氏のブライキングボスは良すぎでした。どう見ても主役はキャシャーンじゃなくてブライ。
(というか、それはあえてそう作ってた気がしました)
 しかし、独自部分の大前提らしい(?)反戦・非戦の観念とか、キャラの背景や過去を説明する部分(会話パート)になると、ほんと突然説明くさくなるのと、しかもその説明が唐突で断片的なので、見れば見るほど「わけ解らない‥‥」感が募ってしまい‥‥

 なるほど、公開当時はそれで不評だったのだろうか。
 と思いつつ、何となく検索してみたところ、考察サイトを発見。
 そこの情報によると、何とこの映画、実際は4時間くらいある予定だったのを、劇場でそれはあまりに長すぎて駄目なので、無理矢理切り詰めて2時間半にしたとかで(汗)
 そりゃあそんなに詰めたら訳解らなくなって当たり前だよ!
 しかももっと驚いたのは、劇場公開版と後に発売されたDVD版、さらにはテレビ放送版の全部が、あちこち手直されていて、セリフだの音楽だのが違っているという話でした。
 テレビ放送時に枠に合わせて尺をカットするのはまだ解ります。
 公開時に入れきれなかったシーンをDVDに入れるのも解る。
 でもセリフが大幅に変わってるってどういうことなんだろう(汗)

 ‥‥イグは大昔に聞いた、「劇場版のとあるアニメ映画が、初日・二日目・三日目と、動きが進化していった」という伝説を思い出しました。
 それは公開初日に完成が間に合わず、尺だか動画だかが足りていないまま配給し、仕上がった部分を次々と足して足して、公開中なのに連日完成に向けてバージョンアップしていったという噂だったのですが。
 ‥‥キャシャーンももしかしてこのクチだったのだろうか‥‥

 そんな訳で、映画を見終わったイグは、勿体ない感で一杯でした。
 独自部分のストーリーとか設定さえちゃんと解るようになっていれば、もっと普通に面白かったと思うのでなおさら。
 今はとりあえず、レンタルででもDVD版をもう一回見てみたいなあ、と思っていたり。比較用にビデオを撮らなかったことを後悔したですよ‥‥
(テレビで放送があるのを放送時間まで忘れていた。いつもうっかり爬虫類)

 というかイグアナ、結局劇場版キャシャーン結構好きなような。
 それで突然思い出したのですが、「キャシャーン」という作品は、実は劇場版で三作目なんですね。
 最初の昭和TVアニメ版と、平成リメイクOVA版、そしてこの劇場版。
 でもって、何故かイグの手元には、平成OVA版のノベライズがありまして。
 部屋を漁って、すっかり忘れていたその内容を読み返してみたら、劇場版に至る設定と言えるような、なかなか面白いことが書いてあったのでした。

(続く。かも知れない)