(既刊「Brilliant World」以降の、シバソード改変旧世界です)
外出する日の朝、シバが言った。
「王城に行く。これに着替えろ」
そうしてシバが渡してきた衣服は、やや装飾的な高価そうなもので、正直ソードには苦手な型のものだった。
が、
「魔王との謁見があるからな‥‥こちらにもそれなりの格式が要求される」
「あー‥‥(めんどくせえけどしょうがねーな‥‥)」
そしてまた別の日。
「公務の面談だ。お前にも同席してもらう。これに着替えろ」
そうして渡されたその服は、王城に行った時ほどではないが、それなりに凝った作りからして、やはり高価なものと解る服だった。
「しかも長袖かよ‥‥邪魔くせえなあ」
「公務だからな‥‥色々と―――」
「解ったよ着ればいーんだろ!」
さらにまた別の日。
「村の視察に行くぞ。これを―――」
「麓の村なら普段着でいいだろうが!」
渡された服を投げ返して、さすがに今度こそソードはキレた。
「大体てめえはいつも同じ鎧じゃねーか! 何でオレ様だけ毎度着せ替えられなきゃならねーんだ!! たまにはてめえも違う服に着替えろよ!」
怒りの勢いそのままに、ソードはシバの背後にあったクローゼットの扉を乱暴に開けた。
が―――
扉の向こうの衣装部屋には、いつも見慣れた同じ鎧がどう見ても軽く十着以上、ずらりと並んで立てられていた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「ちなみに手前のものは耐火炎攻撃用の素材で、その次のものは氷結耐性だ。その向こうのものは稀少な竜の鱗を素材に使ったもので、魔王に謁見するような格式の時にはこれを―――」
「‥‥訊いてねーよ!」
(破門された時の回想を見るに、シバは実際には普段着っぽいものは普通に持っているようですが、鎧は全部あの型の素材違いだったら‥‥という妄想)
御礼‥‥パチパチありがとうございます(^_^)/
最近は振り込め詐欺を「じゃあ歴代プリキュア全員の名前を言って」で撃退したお母さんとか、色々愉快な話がありますな。息子の名前をうっかり間違えて、しかし犯人がそれに乗ってきたので詐欺だと気付いた話とか(しかし何故子供の名を間違う)。母すごい。
余談ですが、榊も一回だけ、初期のオレオレ詐欺の電話を取ったことがあります。まだ年寄り狙いの劇場型じゃなく、適当に電話して女の人が出たら「あー、俺だけど」って彼氏のふりして呼び出して強盗する、って内容だった頃ですが。その時は昨今噂のアレと丸わかりだった&何でか虫の居所が悪い時だったので、
「あ、オレオレ」
「誰だよ」
「だからオレだって」
「知らねーよ! 誰だよ! 名乗れよ! 俺の知り合いに名乗りもせず電話してくるような礼儀知らずはいねーんだよ! 名乗れよ! 名字が『オレ』かよ! 何人だよ!」
というようなことを延々怒鳴ったら電話は切れた。まあ榊は声が低くて、特に電話だと全く男にしか聞こえない声らしいので「あ、ヤベえ男だ!」と断念されたのではないかと思われる。ちょっと楽しかった&すっきりした思い出。