記事一覧

デビ小ネタ・愛と悪意とアイスの実編

 ある暑い日の昼下がり、神無はアイスの実を摘まみながら、革ジャケットの手入れをしていた。
 そこにソードがふらふらとやってきて、
「お、美味そうなもん食ってるじゃねーか。ひとつよこせよ」
「やらん」
「いーじゃねーか一個くらい!」
「食いたきゃ自分で冷凍庫を探せ。お前と双魔の分が入ってる」
「解ったよ! もう頼まねーよ!」
 と、一旦台所に向かおうとしたものの、ふと脳内で閃いたらしく。
「おい双魔、ちょっと代われ!」
「――え?」
 突然ポンと表に出され、目を白黒させる双魔の前に浮き、魂ソードがズビシと言った。
「よし、行け! 行ってあのアイス全部食え!」
「な、ナニ突然?!」
「いーから行け!」
「ええー?」
 何が何やら解らぬままにソードにぐいぐいと背中を押され、神無の傍らに歩み寄った双魔は、
「あー‥‥それ、一個ちょうだい?」
 ソードの言い分をある程度立てつつも、さすがに控えめに言ってみた。
 すると。
「‥‥ほら」
 ソードの時とは裏腹に、神無は至極あっさりと、アイスを袋ごと差し出した。
「ただし一個だけな。‥‥後は自分の分出してきて食えよ」
「うん、ありがと。後で一個返す」

 ――という展開を、傍らで見ていた魂イオスとソードは。
「‥‥愛ですねえ(双魔くんに対する)」
「いや、悪意だろ!(オレに対する)」


御礼‥‥パチパチありがとうございます(^_^)/
 更新確認!的なパチに感謝! 多分七月は原稿の受信作業に専念するため、3~4回くらい更新はお休みすると思われます。「書いてる時」そのものより、「受信に集中する期間」の方が何も出来ないんだよね俺‥‥再版しないといかん本が7種類くらいあって、原版自体を作り直そうと思っているのですが、その作業も遅々として進まず‥‥もっと精進します‥‥