榊は昔っかららハーロック好きだ。
とはいえそのハーロックは「宇宙海賊キャプテンハーロック」の原作プレイコミック版と、それが下敷きの最初のアニメ版がメイン。
無限軌道SSXとか、パラレルなのか同軸なのか解らない「ニーベルングの指輪」はさして興味がないのだ。嫌いじゃないけど。
何でかというと、最近シバのことを考えていて気付いた。
私はハーロックの、「トチローを失った後の、魂に風穴空いてるところ」が好きなのだ。
SSXやニーベルングでは、まだトチローが健在なので、ハーロックのキャラもちょっと違うのであるよ。
そういえば「銀河鉄道999」の劇場版二作目で、鉄郎の父と親友だったみたいな話が出てきた時も「‥‥トチローの他に友達いんのかよアンタ」と思ったものだ。
それは正に、正サタン様とソードしか友達のいないシバの如し(笑)
なんつか、私は年季の入ったハーロックのファンだけど、全シリーズ作中を通してトチローの方がモテてるのは、非っ常ーーーによく解るんだよね。
あれをして松本零士の自己投影とは思えない。現実にハーロックは人間性になんかが欠けてるというか、女の恋愛感情に付き合ってくれそうな人じゃないのだ。あれは「永遠の少年」ってやつだ。
そしてトチローが死んだ後には、「永遠の少年」越えて「世捨て人」なんだよなあ。夢しか食えない男なのに、その夢見せてくれる人がもういないから。
トチローの方がよっぽどリアリストというか、アルカディア号を作りデスシャドウ号を作り、好き勝手バカやってる風ではあっても、ちゃっかりエメラルダスをゲットして、アニメ版じゃ娘までこさえてるし。
しかし私はちゃっかりリアリストより、なんかが欠けてて遠くを見ているハーロックの方が好きなのだ。
「何かを失った男」大好き属性です。<そんな属性あるのかどうか解らんが。
アニメ版で何度かあったシーンなんだけど、
「アルカディア号の、多分船尾にあるハーロックの私室で、ミーメがハープを弾いている。
ハーロックは無言でグラスを傾けている。
二人の傍らでは、トリさんがホロホロ泣いている。
(多分、二人と一羽は、何か同じ苦い記憶を反芻している)」
って感じの、あの切ない沈黙が大好きだった。
まあ四行目の( )内は俺妄想ですが、でもさほど外れてはいないと思う。演出ってそういうもんだし。
そして話戻すと、デビでシバが好きな理由は、間違いなくこの系譜に入ってるせい。<カブト後半の矢車さんも多分これ。
原作リアルタイム進行中には、正様との事情なんて微塵も出ちゃいなかったから、これは全くの偶然なのだが、でもなんかあるよね、こういう一致って。
ああ、この道はいつか来た道(略)