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中学生の時こんなことがあった

 双魔と鯖のしっぽ編。

 今日も今日とてオカルト本を読みふけっていた双魔の元に、父がひょこりと顔を出した。
「双魔双魔」
「なにお父さん?」
「今日の晩ごはんは鯖の味噌煮なんだよ」
「あ、うん。それで?」
「それでさっき鯖を捌いたから、はいこれ」
 と、満面の笑顔を浮かべつつ、父が何かを差し出した。
「‥‥鯖のしっぽ?(しかも二匹分)」
「うん。儀式とかに要るなら使いなさい」
「‥‥‥‥ありがと」
 双魔が茫然としっぽを受け取ると、父は相変わらず軽い足取りでトントンと階段を降りていった。
 双魔はとりあえず、二本のしっぽを凧糸でくくって、部屋の片隅に吊り下げた。
 それから、一部始終を横で見ていた神無に思わず訊いてみる。
「‥‥お父さん、僕のこと何だと思ってるんだろう‥‥」
「いや‥‥親父はお前のこと、ものすごくよく解ってると思うぞ」
「西洋オカルトと鯖は何の関係もないよ‥‥」
「‥‥じゃあ何故それを部屋に吊る」

―――

 ‥‥いきなりしっぽを渡されたので、とりあえず吊るしたとこは実話。
 心荒むことが多くて原稿進まず、つい馬鹿ネタに走る日々ー。