なんとなく、ザンギャックの内幕解説回。
色々と濃かった&殿下の不憫さに涙が止まらん回だった‥‥
グレートワルズ配達! そして赤いスゴーミン=ドゴーミンなのはともかく、語尾が「ドゴッ」って(笑)
「確かに、ザンギャック最強のグレートワルズを使えば、誰でも地球制服が出来るのでは‥‥」
「誰でもとはどういう意味だ!」
「いえ、決してそういう意味では‥‥(汗)」
‥‥いや、どう聞いてもそういう意味だろ、ダマラスさん(笑)
いつもの会話だなーと思っていたらしかし、まさかそれが後であんな方向に行こうとは‥‥
ゴーカイジャーの大いなる力。そういえばあっても不思議じゃない、が、それってゴーカイ=地球を守るスーパー戦隊、でないと成立しないよなあ。しかし元々ゴーカイ勢は、ザンギャックとは関わりたくない(※1)と最初っから言ってた訳で。
「降りかかる火の粉を払ってるだけだ」「守ってねえし、守れてもいねえ」ってマベちゃんの溜息混じりのセリフが、次回辺りでなんかそこを乗り越える布石に?
にしてもアカレッドのトラウマ深いな、マベちゃん‥‥
そしてこの辺から殿下の不憫物語が‥‥
グレートワルズで自ら出陣しようとする殿下。
「司令官自ら出撃など、常軌を逸しております!」と止めるダマさんに、
「俺を舐めるなよダマラス! お前は俺を無能なバカ息子だと思っているのだろう」
「滅相もない!」
「見え透いた嘘を。‥‥俺が何も知らないと思っているのか?」
って流れで、殿下の回想で出てくるザンギャック皇帝アクドス・ギル陛下と、ダマさんのやり取りがまた微妙でなあ‥‥
「第二次地球侵略艦隊‥‥ワルズ・ギルに司令官を任せる」
「殿下に?!‥‥しかしそれは、荷が重すぎるのでは‥‥!」
「一度侵略に失敗したとはいえ、スーパー戦隊とやらはもういない。‥‥それにダマラス、お前に補佐を任せる」
「私が‥‥」
「お前がいれば、地球など簡単に征服出来るだろう。‥‥違うか?」
「はッ!‥‥陛下の仰せのままに」
そしてそのやり取りを影で聞いている殿下、という‥‥
ここすごい微妙だよなあ‥‥多分、三人それぞれの思惑と受け取り方のすれ違いが起こってそうな。色んな意味で。
最強メカに「グレートワルズ」なんて命名する辺り、多分アクドス陛下はそれなりに殿下を可愛がっておられる。ダマラスさんをつけてやれば、ちょっと弱体化した地球なら簡単に侵略出来るだろう=殿下の業績に箔が付く、と思ってる。盛り立ててやって自分の後継者にする意思はあるっぽい。
しかしその「弱体化した、いかにもぬるそうな戦域」をお膳立てするってのは、殿下の実力を信じてないってことだよなあ‥‥
皇帝片目だったし、もしかしたら「一代でザンギャック帝国を興した」とかの、政治家としても武人としても飛び抜けてものすごいお人なのかも知れん。だとしたら殿下くらいの「全てがそこそこ」の人は頼りないダメ息子に見えるのかも。
ダマさんはダマさんで、殿下には無理っしょ!と暗に言っちゃってるけど、そこには戦略的な問題だけではなく、叩き上げじゃないボンボンに無理をさせたくない親心的なものが多少混ざっていそうでもある。
しかし皇帝に「出来るだろう?(必ずやれ)」と念押しされたら逆らえない訳だし、別にダマさんが「殿下がアレでも自分がいればオッケーか」と思った訳では多分ない。皇帝陛下のごり押しだって、そりゃ結局は殿下のためだろうし。
でも殿下の目には「父は自分をダメだと思ってる→だからダマラスをお守りに」「ダマラスもそう思ってる→あれは所詮父の部下であって自分の腹心ではない=信用出来ない」となる訳で。
いやそこで頑張って実力見せろよ!と思わなくもないけど、それすらも出来ない環境(※2)ってあるからな‥‥
「殿下、お考え直しを!」
というダマさんを顧みず出て行く殿下&それを追っていくバリゾーグ、って次のシーンで、
「俺は子供の頃からずっと、父上の重臣達に囲まれていた。‥‥しかし、誰もが父に似ぬ馬鹿息子と思っていた。‥‥俺は一人だ。お前がいなければな」
「‥‥ボス」
「俺はダマラスや父上の重臣どもの鼻を明かしたい。‥‥お前は俺についてきてくれるな」
「私はワルズ・ギル様の忠実な部下。どんな命令でもお聞きいたします」
このくだりがあまりにも気の毒すぎる‥‥
何言っても「イエス、ボス」としか言わない洗脳サイボーグ(しかも自力調達)しかあてに出来る味方がいない皇子様ってどんだけ不憫なんだよ。しかも開発者のザイエンが死んじゃってるから、壊れても二度と修理利かないぞ、バリゾーグ‥‥
で、前述の※2ですが。
殿下って何となく、頑張って何かを成し遂げても「さすが陛下のご子息(=そのくらい出来て当然。つかその程度?)」で済まされてきたんじゃないかなあと。普通なら褒められそうなことでも、親父が偉大すぎて過小評価されてそうな気がする。
今までも作戦の立案や発想に関しては、まともな回が多々あったし、そこを上回ってゴーカイ勢が勝つのはお約束。それも殿下が致命的なポカをやった回よりも、単に運が悪いとか内輪の作戦不整合とかのパターンが多い。
第一次レジェンド大戦と比べると、与えられてる物量も明らかに少ないし、その辺は皇帝の、地球に対する読み間違い(※3)だよなあ。本来は前線で戦う武人っぽいダマさんに後方で参謀させてるのもまずいし、殿下が「俺が俺が」って暴走するのは、ダマさんを信用出来ない+頑張っていいとこ見せなきゃ!って焦ってるせいでもある。
ダマさんと皇帝の、殿下に対する悪意なき侮りは、多分同時に親心。でも全く通じてないし、逆に殿下のプライドを傷つけて追い詰めるばかり、というすれ違い。気の毒。
で、前半※1のマベちゃんの諦観が、ジョーと鎧の会話「今までザンギャックと戦って、勝った者は誰もいない」に落ちる訳か。
同時に、だからこそ皇帝も、※3程度の戦力で済むだろうと踏んだんだろうなあ。ゴーカイの存在と交戦は、双方にとってイレギュラーだった訳だし。
「それでも、俺は守ってみせます‥‥絶対に!」
と言う鎧が、唯一ザンギャックにボロ負けしてない・スーパー戦隊がいたがゆえに、辛うじて引き分けに持ち込んで、制圧を免れた地球人代表ってところがいいよなあ。
宇宙最高に恵まれてるはずの環境なのに、周囲のレベルが高すぎて頑張りが全く認められず荒んでる殿下と、何もかも失ってどん底から這い上がってきて、今やっと守るもの/仲間が出来つつあるゴーカイ五人+まだ完敗の絶望を見ていない鎧、という対比が上手い。
ドゴーミン強ぇ‥‥!
「見た目で人を判断するなと、先生に教わらなかったのか?ドゴッ」
ってセリフもすごいが(ザンギャックの教育課程に道徳とかあんのか!)、
「ゴメン、学校なんて行ったことないのよね」
ってルカの返しも嫌味が効いててすげえ。<星がザンギャックに滅ぼされて貧民育ち。
そしてルカのズバーン(のアテレコ)可愛いなあ(笑)
バリゾーグのアクション、久々だがすげえ‥‥今まではジョーが突っかかってくるのを軽くいなしてた程度、って記憶しかないんだが、本気の斬り合いの動きが速い速い!
そして今回初めて気付いたが、バリゾーグの中身って次郎さんか?!
なんというか、あの腹が。いや、腹が出ているとかそういう方面ではなく、あの人のアクションって重心が低いというか腹が座ってて、速い動きでもすごく重厚なんだよね。メカ系とかのキャラで、体重が重くて地面にめり込んでそうな感じというか、一撃が重そう&ぶつかっていっても微動だにせず跳ね返されそうな安定感があるのだ。<実際ゴーカイブルーが迫り負けて吹っ飛ぶのだが、その動きにすげえ説得力がある。
そして殿下、お気持ちは解りますが、生身で自ら海賊の前に出ていくのはやっぱどうかと‥‥ゴーカイが問答無用で集中放火してきたらどうするんだよ。
まあ子供番組だから、ヒーローがそんな真似をしたらいかん(のでやらない)のは解るが、改めて思うとむっちゃ紳士的な海賊だよな、ゴーカイ‥‥<まあ手配書の容疑はザンギャックの捏造ってことになってたけど、資金強奪は実際してたから海賊であることは間違いない。
グレートワルズ強ぇ! 殿下操縦上手いな!
‥‥と思ったが、冒頭の「グレートワルズを使えば、誰でも地球制服が出来るのでは」ってダマさんのセリフからすると、もしかしてアシスト機能がものすごく優秀で、操縦自体はそんな難しくないのかも‥‥
(と思わせるのも、多分計算された表現だよなあ‥‥殿下気の毒‥‥)
アカレッドのトラウマ再び。というか、以前は助けられたマベちゃんが、今度は仲間を逃がす立場に‥‥
しかし「これは船長命令だ!」に「こんな時だけ都合が良すぎるだろ!」と言ってたジョーは来週キレそうだ。恩人の命と引き替えに助かる絶望感はマベちゃんだって知ってるだろと。しかもアカレッドとヒヨッ子時代のマベちゃんは、恩義・実力共に対等ではなかったからしょうがないかも知れないけど、ゴーカイ五人はそこそこ対等の仲間だしなー。
そして合体解除で吹っ飛ばされるガレオンと、高笑いする殿下。
そこで勝ち誇っちゃ駄目だろ殿下! 追ってってきっちりとどめ刺さないと!
もー、その詰めの甘さが! そこで必死にならないなまじの育ちの良さが! 全て裏目に出るのが殿下だよなあ‥‥!
いや、それやられたらが最後、ゴーカイジャーはここで最終回を迎えてしまう訳ですが‥‥
予告で完全ゴーカイオーとか言ってるし、バリゾーグじゃなくシド先輩っぽいセリフはあるしで、次週は殿下とバリゾーグの退場フラグが立ちまくりです。
バリゾーグが土壇場でシド先輩モードに戻って、殿下に剣を向けるかどうかも気になる。バリゾーグすら離反した上で死んじゃったらあまりに可哀想だよ。
バリゾーグはジョーが解ってくれるからいいけど、誰か殿下のこと解ってくれるのかなあ‥‥その後の皇帝とダマさんの態度も気になるよ‥‥
そんな訳で、イグアナ今から泣きそうです。ふるふる‥‥
御礼‥‥パチパチありがとうございます(^_^)/
調べに調べた挙げ句、作品内では全く言及しなかった!とかもたまにあるよね‥‥ない? しかし、今使わない知識でも、ある程度仕入れておくに越したことはないと思いたいですな。いくらかなりとも知ってるのと、全く何も考えていなかったのとでは、やっぱどっかで差が出たりボロが出たりすると思うので。日々是精進。