ソードと神無のある日の会話。
「‥‥言っておくが」
「? 何だよ」
「双魔が弱気で非力で泣き虫なのは確かだが、微塵もひ弱じゃない。むしろ頑丈な方だ」
「あァ?」
「お前、ローパー騒ぎの時、屋上から落ちて入院しただろう」
「それが何だ」
「イオスは『中身が悪魔の魂だから助かった』と思ってたようだが、元々だ」
「へ?」
「すぐ転ぶし事故るのは昔っからだが、死んでも不思議じゃない状況でも、いつも擦り傷や捻挫止まりなんだ、あいつは」
「‥‥待て、どういうこった?」
「小学生の頃、双魔が頭から流血して帰ってきたことがあってな‥‥『また苛められたのか』って聞いたんだが」
「それで」
「あいつ、平気な顔で『車にぶつかった。今日のおやつ何?』って冷蔵庫を開けようと――」
「食い意地張りすぎじゃねーか!」
「勿論おやつどころじゃなく、血相変えた親父が病院に連れてったんだがな‥‥」
「‥‥それ、転んだ拍子に止まってた車にぶつかっただけ、ってオチじゃねえだろうな」
「いや、親父と双魔が出てった後、『さっきの子供はここの子か』って車の持ち主らしきおっさんが泡食って駆け込んできたからな‥‥本当に人身事故だったらしい」
「‥‥‥‥」
「今までだって、お前がどれだけ無茶しても、骨折したり手術したりは無かっただろう」
「あー‥‥そういやそうだな‥‥」
「幼稚園の時に二階の屋根から落ちた時も、尻と脚に痣作っただけだったしな。‥‥まあ、素で屋上から落ちたら流石に骨折くらいはしたかも知れんが」
「‥‥‥‥‥‥」
「‥‥そんな訳だからな。お前抜きでも、双魔は元から相当に打たれ強い方なんだ」
「‥‥‥‥‥‥‥‥(←神無だけが特別バケモノじみてた訳じゃなかったのかよ‥‥とショックを受けている)」
「今にして思うに、俺の腕力に当たる領分が、双魔には頑丈さとか打たれ強さとして配分されたんだろうな‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥(←「魔族=人間より強い」というアイデンティティが一気に揺らいでさらにショックを略)」
なお、神無がどこまで話を盛っているのかは、定かではない‥‥
(盛っていないかも知れない)
――――
死んでても不思議じゃない状況で「あー調子わるー」とか言いながら普通に生活してる人って、実はものすごく健康で頑丈だよね。
(ソース:自分)
御礼‥‥パチパチありがとうございます(^_^)/
他の地域はどうなのか解りませんが、中の人の在住県では、今年もインフルが流行しているっぽいです(地元ニュースでもちょくちょく報道されている)。しかし周囲にはインフルに罹って治ったという人も、咳込んでいる人もいないのであった‥‥謎のサイレントインフルエンザ現象。一体どこで流行っているんだろう。謎深いです。