いつものように天野家を訪問したシェキルが、いたたまれない風情で差し出したものとは。
「あの‥‥ミカエル様が、イオス様にこれをお渡しするようにと‥‥」
「? 何でしょうか」
また怪しいアイテムを発明して、イオスに試させようと言うのだろうか‥‥と思いながらも受け取ってみると。
平べったい箱の包み紙には、日本語で、
『天界に行ってきました』
と書かれたロゴと、妙にほのぼのしたイラストがプリントされ、名状し難い場違い感を醸し出していた。
(‥‥全国展開の地名差し替え土産物饅頭か)
と、身の内の神無がツッコミを入れたが、勿論外には聞こえていない。
「これは‥‥ミカエル様がお作りになったんでしょうか‥‥」
「‥‥恐らく、そうだと思われます‥‥」
「あ、美味しそう。一個ちょうだい」
パタパタと現れた双魔(+手乗りサイズソード)が、何も気にせず横から饅頭を摘まんで言う。
「こういうの、魔界にもあったら面白いのに。『外魔宮殿に行ってきました』とか『ゲヘナの箱船に行ってきました』みたいなの」
「言うな! サタンが聞きつけたらマジで作り始めるに決まってるじゃねーか!」
「ある日突然、げんなりした顔のヴィシュヌさんが菓子箱持ってうちに来る日も近いかもね」
「やめんか!(パキャ!)」
「あう(久々の悪魔パンチだー)」
「‥‥とりあえず、お茶でも入れましょうか‥‥」
(オチない)
(こういうのはたまに、小ネタ収納の際に加筆したりしてます)
御礼‥‥パチパチありがとうございます(^_^)/
二名様にパチって頂いた! 「魔王さま~」のすっきり感とは裏腹に、「新世界より」はなんつか、色々と後味悪い感じの話でした。設定の緻密さとか描写の丁寧さはすごかったですが。展開・ストーリー的にはやはりSFラノベと言ってもいいと思うけど、しかし、実際のラノベレーベルだと、この長さで緻密な書き込みは赦してもらえないだろうなあ、と思うのもまた確か。<ラノベは刊行ペースが異常に速い上に、ちょっと売れなくなると速攻打ち切られるので、想定の内容を全部書き切っての完結は出来ない可能性を常に考えて、キリよく一巻ずつまとめておかないと危ない。
ともあれ、両作品ともお勧めですので、気が向いた方は是非どうぞ(^_^)/