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デビ小ネタ・双魔のささやかな対策編

※真贋取り混ぜて昆虫ネタ注意。

 今日も今日とて双魔の部屋には、理解不能なガラクタが転がっていた。
「‥‥なんだこりゃ」
 ソードが指先で摘まみ上げたものは、一昔前に流行ったような、平たい棒付きの「芋虫入りキャンディ」だった。
 手乗りサイズの魂双魔がコウモリ羽でパタパタと飛んできて、
「あ、それね。虫入りキャンディ」
「見たまんまじゃねーか」
「中のもの出した時に落としちゃったのかなあ」
 などと双魔が呟いて、
「あと、他にこういうのもあるよ」
 と、引き出しを開けさせて出てきたものは。
「‥‥何なんだ、これは!」
 さすがにソードが引き気味に叫んだ。
 円柱形のガラス瓶の中は、半分がた土で埋まっていた。
 そして土の上の空間には――よくよく見ると土の中にも埋もれて――色とりどりの昆虫が、ガラスに張り付いて詰まっている。
「土のところがクラッシュのビタークッキーで、虫は全部グミだよ。ムカデとか赤いのがイチゴ味で、黒いのがコーラ味。芋虫っぽいのがミルク味で、緑色のが――」
「味の解説はいい! 何に使うんだ、こんなもん」
「‥‥七海ちゃんが引き出し開けた時対策に」
「あー‥‥」
「朝から押しかけてきて布団剥がれたこと、ソードさんもあったでしょ?」
「あったな‥‥」
「その勢いで勝手にゴミ捨てられたり、ベッドの下とか引き出しチェックとかされたりするんだよね‥‥これ入れとけば、その下のものは掘り出されずに済むから」
「あいつ、虫触れないのか」
「うん。そんなとこだけ普通の女の子で大助かり」
「‥‥‥‥」
 ソードがそこらを見回すと、今ひとつ趣味の悪いエロ同人誌が至極無造作に転がっている。
 その無防備さとは裏腹に、こうまでして死守する引き出しの奥には、一体何が隠されているのか――
 ‥‥見ないことにしよう、と心に誓い、ソードは元通りガラス瓶をしまい込んだ。


「あ、でもこれ、子供の頃に買ってもらったやつだから、十年単位で賞味期限切れしてて食べられないよ」
「そんなこと気にしてる訳じゃねーよ!」

―――

(死守されているのは、きっと「開けると呪われる」という噂の、封印付きのオカルト本とかですよ)


御礼‥‥パチパチありがとうございます(^_^)/
 二名様のパチに感謝! 連打の方のみならず、里からのいち早い来たよ印はやはり、「栞子さんに剛力はねえよ!」か、「あるあるそんな無謀な実写化‥‥」だろうなあ‥‥
 いや、私は元々は、相当アレなキャストの実写化にも、かなり寛容な方なのです。有閑倶楽部の弥勒→赤西ですら「まあ他が結構似てるからいっか‥‥(でもどうせジャニ系枠なら、田中の方が弥勒には似てるよな)」で済ましたくらいです。花ざかりの君たちへ(堀北版)なんか、元々嫌いな方だった原作よりよっぽど上手く出来てると思ったくらい(許せないのは保険医のキャラ改造くらい。ゲイと女性恐怖症をごっちゃにすんなよと)。
 だから正直、キャスティングを聞いた時点で「駄目だァッ!」と思ったのはこれが初めてですよ‥‥だって剛力もひどいけど、大輔役がエグザイルの人(三十路)って。役者が三十路のおっさんと二十歳の小娘じゃ、原作の「高校時代ちらっと見かけた年上の美人(それが栞子さん)に、大学卒業後再会。なんとその人の店でバイトすることに!」って大前提が成立しないじゃないですか。そして作中に出てくる重要脇役も、原作:ホームレスのせどり屋→ドラマ:古書店の居候、では、栞子さんの怪我で人手が必要になり、大輔がバイトとして雇われる、って展開もどうなるんだと。おっさんが住み込みでいたら大輔要らねえって。
 大輔がとあるトラウマで本が読めない、って設定も、エグザイルの人ではなあ‥‥「ああ、そんな感じだよね」で終わってしまうではないか!
 という訳で、不安しかないドラマ化です‥‥読んだことないけどとりあえずこの騒ぎで興味持った、って人は、先に原作を読むことを熱烈にお勧めします‥‥

(なんかこないだ「マギ」でも同じこと言った。「新世界より」もやっぱり原作を読んだ方が‥‥アニメは色々と飛ばしすぎで説明不足だよ。ああ、「K」もアニメだけでは設定が解らんので、古橋の小説「K SIDE:BLUE」は必須だと―――なんかこんなんばっかりだな‥‥)