前にもちょこりと書いた気がするが、コピー本を再版量産するたび、「フォントを変えようかどうしようか‥‥」と苦悩する。
うちの本は基本的に、フォントには教科書体を使用していた。
デビを始めた初期数年には、今よりはるかにどんよりダークな話が多かったので、明朝体の字面が明るすぎて合わない!と思ったのだ。
(それ以前の最初期には、まだPCではなくワープロを使っていたので、選択肢のなさから書体名の解らない謎明朝で出来ている本も一部ある)
しかし「教科書体は読みにくい」という意見も根強いので、どんよりしてないコメディの時には、JS明朝を使ってみたり。
昨今は一太郎付属のヒラギノフォントを入手した+印刷屋に頼む時のデジタル原稿はPDFなので、否応なしにヒラギノ明朝を使ったりも。
そういう媒体の違いのみならず、フォントは見た目の大きさが結構違う。
同じサイズを指定しても、教科書体は小さく見え、ヒラギノは大きく見える。JS明朝はその中間くらい。
この三種でファイルと作って比べると、同じ字数×行数で組んであっても、
・教科書体‥‥小さい字が縦にびっしり/文字感の詰まり+行の隙間感あり。
・ヒラギノ‥‥大きい字が全体的にぎっちり/文字間・行間共に詰まって見えて圧迫感あり。
・JS明朝‥‥上二つの中間。人によって「スカスカ」「丁度いい」と意見が分かれる。
という、印象の違いが発生するのである。
あと、うちは話の長さとフォントとの兼ね合いで、
・25文字×20行
・26文字×20行~22行
・27文字×24行
なんて感じで、本によって字の詰め方まで変えたりしている。
しかも教科書体の時にはさらに試行錯誤で、字数行数は同じ設定で「フォント大きめ本」と「小さめ本」の二種類があったりするのである。<その時々に使うコピー機の調子によって、フォントの痩せ太りが変わるのを調整した名残。
つまりうちの既刊には、フォント&サイズ合計四種類(※1)×文字組4パターン、が存在することに‥‥!
(※1‥‥実際には角ゴや丸ゴの本とか、もうちょっと大文字で字組みのゆるい絵本的な本も出したことがあるが、少量&完売本なので除外)
字数行数は、変えると本のページ数が変わっちゃうので今さらいじれない。
が、さすがにフォントと文字サイズは、今後再版ごとに統一するべきだろうか‥‥と最近ちょっと考え始めた。
じゃあ何に統一するか?と考えた時、世間的にはヒラギノ一択なのであろう。
しかし私はヒラギノが嫌いだ。
世間的には一番人気らしいのだが、なんつーかトゲトゲしてメリハリのきつい字面が苦手だ。自分で読んでて目が疲れる。何故あれが人気なのかは本気で解らん。
それでもJS明朝より精度が高いのは確かなので、印刷屋に出すデジタル原稿の時にはしょうがなくヒラギノを使ってみたりしたのだが、そこまでの精度が要求されないコピー本だと、やはりJS明朝を使いたくなる。
そしてヒラギノはうちの話のトーンにいまいち合わない。
特に「SIDE BY SIDE」みたいな、繁華街のネオンの陰の暗闇、みたいな雰囲気のバイオレンス本だと、字面の重い楷書体から離れたくない‥‥天魔の屍積み上がり、血が飛び肉が飛ぶ「JAM」も同じく。JS明朝でもちょっと微妙だと思う。
そういえば、商業ラノベの使用フォント一覧、みたいなのをまとめてるサイトさんがあるんだよね。
そこ見てて何となく気付いたのだが、自分が読みやすいと思うレーベルは、ダントツで電撃文庫(石井細明朝体)だった。<数年前の時点で。最近はフォント変わったらしい。
逆にいつも「でかくてトゲトゲしててくっそ読みづれえー!」と思っていたのは、ファミ通文庫とメディアワークスで、リュウミンだった。
そういや「新世界より」の講談社文庫も読みづらかったな!と思って今調べてみたら、案の定ヒラギノだった。<これもフォントサイズがでかいので読みづらさ倍増。
リュウミンもヒラギノも、一太郎の最近のバージョン同梱だったのを考えると、確かに人気があるのだろうが、しかし‥‥!
(リュウミンが付いてたバージョンは、確か他の同梱ソフトのアップデートがなかったので見送ったんだよなあ。ヒラギノの付いてたバージョンは、別にヒラギノ目当てじゃなく、メーラーとかPDFソフトの新しいのが欲しくて買ったような記憶が‥‥)
その辺を総合してみると、どうも私は「字面が小さくて」「トゲトゲしてない」「曲線的にとろっとしている」フォントが好きらしい。
それで教科書体なのか‥‥と妙に納得。
しかしそれも変えねばならん世間の趨勢なので、ヒラギノ的トゲトゲがもうちょっと控えめな明朝とは‥‥!と模索したり。でもコピー本で出力した時の太り具合とかがあるから、モニタで見本を見ただけでは今ひとつピンとこないんだよね‥‥
さらに話ずれるけど、そういえば近年判型がでかくなったハヤカワも苦手になった。昔のちっこい字(※2)がびっちり詰まってる方がよっぽど読みやすかった‥‥
「昨今は読者の高齢化が~その老眼を考慮して」というのは言い訳にならん。だってそれじゃあ昭和中期頃までの本や新聞の文字の小ささをどう説明するのかと。あの時代には老眼の高齢読者がいなかったとでも言うのか!
とか、なんか訳の解らない怒りに駆られながら、とりあえず無難な内容の本の再版から、渋々と明朝化を進めてみようかなー‥‥と、実行の有無はさておき、考えるだけ考えたりしています。
印刷屋頼みの時は否応なしにヒラギノにするだろうけど、コピー本がなー‥‥
中の人苦悩。
(※2‥‥ハヤカワって元は何のフォント、つか写植だったのか&新フォントは何なのか、とググってみたけどよく解らず。フォントマニアじゃないから見分けもつかねえ‥‥
ただ、版型大型化に際して「グとペだけ無視されてて笑った」と書いてあるブログが引っかかって爆笑した。<グ=グインサーガ。ペ=ペリーローダン。いずれもギネス級の大長編。確かにアレ全巻を版型変更で刷り直す、とか出来んわな)
御礼‥‥パチパチとコメントありがとうございます(^_^)/
三名様のリアクションに感謝! うちのメインカプは一応イオソと神双なのですが、相変わらずホモ受攻間でチョコをやりとりしようとかは全く考えていない4人にほっとします(笑) しかし何故か影様だけは、律儀にシバ(新)にチョコを用意していそうな気がしますが。何故だ。
そしてコメントの方、ありがとうございます。うん、このまま春になるはずはないよ‥‥忘れた頃に豪雪→その後には急激な暖気が訪れ、どかっと積もった屋根雪がざざーっと一度に落ちてきて、玄関前を塞ぐ雪山に途方に暮れるまでがワンセットだよ‥‥
そしてハーロックのリメイクなあ‥‥あれは昨今のリメイク&続編の惨状を見るに、今から無かったことにしたい気がしなくもない‥‥<同じ東映の星矢Ωも、途中で視聴挫折し、心の中で無かったことになっている。