大晦日。
年越し蕎麦を食べ終わり、テレビ中継の除夜の鐘を聞きつつ、日付が新年に変わる頃。
キッチンでお茶を入れてきた父が、
「去年の水で入れたお茶だよ~」
と、双子にお茶を差し出した。
年明けの深夜限定の、父の恒例ギャグである。
子供の頃は神無も双魔も一瞬本気で驚いたものだが、さすがに高校生にもなると、いい加減慣れがきて飽きている。
淡々と茶を受け取りながら、
「ありがと。‥‥そういえば僕、去年からお風呂入ってない」と双魔が、
「俺は去年から寝てない」と神無が、
(それ言ったらあちしは去年からゴハン食べてないニャ~)と、ついでにネコが心の中で返し、
「ああー子供達が子供っぽくなくなってる! 父は、父はー!」
と涙ぐんで父が右往左往する中、
「じゃあお休みー」
「俺も寝る。朝の雑煮は餅三つで頼む」
父の嘆きをスルーして、双子は自室へ引き上げた。
それを中から見ていたらしいイオスとソード(手乗りサイズ魂)が、二階に戻るなり顔を出して言った。
「えーとだな‥‥オレ様去年からずっと悪魔に戻れてねーな」
「それを言ったら私もですよ。そのせいか、去年から未だにルシファーを使いこなせていませんし‥‥」
二人としては、何とはなしに人間界の風習(?)を真似てみたつもりだったのだが、しかし。
「あー‥‥ごめんソードさん、まだその辺の情報、全然探し出せてなくて‥‥」
「いや、ルシファーはな‥‥一朝一夕で使いこなせるような、ぬるい代物じゃないだろう‥‥」
予想外深刻な双子の返事に、イオスとソードは顔を見合わせた。
「‥‥オレ様なんか間違ってたか?」
「うーん‥‥人間界の慣習って難しいですね‥‥」
(多分イオスとソードは、これをエイプリルフール的なものだと勘違いしています)
御礼‥‥パチパチありがとうございます(^_^)/
二名様にパチって頂いた! 感謝! これは冬コミお疲れー!か、はたまた「ダイオウイカ一枚の巨大握り寿司旨そう!」なのか。きっと両方に違いない! いや何か、ソードがもの食う話になると止まらなくて(笑) というか食えるものの話をしていると、そのままソードが食えるかどうかの話になってしまうというか‥‥。多分ソードがリアルに聞いていたら「てめえオレ様のこと何だと思ってるんだ!」とキレるに違いありません。でもとりあえず食うよね、ソードは(笑)