例の如く、影サタン様が双魔の部屋に遊びに来たある日。
双魔+様子を伺う神無&魂ソードとイオスが、階下からお茶を持って戻ってきたらば、山と積まれた本の上にあった「はたらく魔王さま!」の原作本+同人誌の表紙を、影様がじっと見詰めていた。
それを目にしたイオソ神双は、
「何考えてアレを見てるんだろうな‥‥」
「魔王サタンの同人誌があるなんて‥‥とかでしょうか」
「貞夫さんが受か攻か考えてるとか」
「待てあれはそういう本なのか?‥‥」
「そういうってどんなだ?」
「えーと、同人誌にはまず男性向けと女性向けがあってー」
「やめろバカにこれ以上余計な知識を与えるな」
「バカとはなんだ!」
‥‥とか何とか、何となく部屋に入りづらいまま戸口でぼそぼそと密談していた四人に、影様がくるりと振り返り、
「はたらく、という言葉からして、これは魔王の職務を解説する教育資料とかなのかい?」
「あー‥‥昔あったNHKの『働くおじさん』的な?」
「それは知らないが、人間界にそんな資料があるとしたら驚きだね。‥‥もしや魔界の他の職能についても研究されていたりするのかい?」
「えーと、その‥‥」
「‥‥」
「‥‥」
「‥‥」
「‥‥何故黙るんだい」
影サタン様の一言に、神無とイオスとソードの視線が一斉にくるりと双魔を向き、
「主にお前が悪い」
「だな」
「すみません、弁護のしようがありません‥‥」
「ええー」
「‥‥一体何の本なんだい、これは」
‥‥そして沈黙が広がってしまった。
(さすがのサタン様も、同人誌の存在まではご存じない模様です)
(教育番組の「はたらくおじさん」はデビキャラの歳だと知らないはずなんだけど、双魔はオタだから年齢の範囲を越える知識を多々持っています、ということで)
(あるいは新世界編では、その辺の時系列もちょっとずれてたりする可能性もあるのかも)