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デビ小ネタ・朝目が覚めたら怖かった編

・ソードの場合
「あー‥‥目が覚めたらあちこち痛くて腫れ上がってて、腕とか曲げられなかったことがあったな」
「それは‥‥怪我ですか?」
「ああ。前の日の戦闘のダメージが意外と大きかったらしくてな。シバに見せたら骨が折れてるとか言われて驚いたぜ」
「いやあのソードさん、骨折に気付かないで寝ちゃったってどういうこと‥‥」
「‥‥‥‥(鈍い奴だな‥‥)」
「テメエ今なんかムカつくこと考えただろ!!」

・イオスの場合
「ああ、でも似たようなことは私もありましたね」
「お前も怪我関係か?」
「ええ。ソードと決闘するとさすがに無傷では済まないので、天界に戻った後、治癒のために睡眠を取らないといけないんですが―――」
「え、天使って睡眠必要なんだ?」
「全く不要な個体もいますけどね。私の場合、睡眠を取った方が治癒魔法の効果が高いんです」
「へえーーー!」
「‥‥だからメモ取るな(これだからオカルトオタクは‥‥)」
「(目が普通じゃねーよ双魔‥‥)‥‥で、その何が怖い話なんだよ」
「いえ、それ自体はいいんですけど、目が覚めると大体シェキルのお説教が待っていて」
「あー‥‥」
「だから言ったのにとか、もうソードとの決闘はやめて下さいとか、毎回大体38分くらいは叱られましたね‥‥」
「何その半端な数字」
「それは怖いとかじゃなくうんざりしてるだけじゃねーのか?」
「というかヒエラルキーガチガチの天界で、上司に38分も説教する部下は確かに怖いかもな‥‥」

・双魔の場合
「うーん‥‥僕はあんまりそんな激しい話はないなー。何か気持ち悪くて吐いたらゲロじゃなく血だったとか、朝起きたら鼻血で枕が血まみれだったとか、そのくらい?」
「いやそれ十分怖いだろ! 何が原因なんだよ?!」
「さあ‥‥前の日に殴られた影響とか、そんなのじゃないかと思うけど―――」
「‥‥いやお前、時々変な魔法薬作って飲んでは、具合悪くして吐いてただろう‥‥」
「あーそういうこともあったっけ? 何かよく覚えてないなあ」
「あの‥‥そんな目に遭っていながら、原因を『よく覚えていない』という双魔くんが怖いんですが‥‥」

・神無の場合
「人外のお前らに比べたら、俺も大した話はないな‥‥」
「テメーまだ自分が普通の人間だと思ってんのか」
「ねー。色々ありすぎて麻痺してるだけだよ、絶対」
「神無さんの場合は、意味が解ったら怖い話が沢山ありそうですね‥‥」
「お前ら俺のこと何だと思ってるんだ。‥‥あ」
「何か思い出した?」
「あー‥‥中学の時、夜遊びして仲間と飲んで、翌朝目が覚めたら、強面の先輩の彼女の部屋にいたことが―――」
「あああ、そっち方面の話はあんまり聞きたくなかった‥‥!!」
「その先輩が色々やらかして年少送りになるまでは、バレないかどうかさすがに肝が冷えたな‥‥」
「つまりはその女寝取っちまったってことか!」
「‥‥(全く似てない双子なのに、訳の解らないそら恐ろしさだけがやたらと似ているなんて‥‥神よ‥‥)」

(多分全員が麻痺しているだけで、掘り返せば怖い話がもっと出てくると思われます)