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中の人日記・電王最終回編

 電王、ついに最終回!
 結論から言うとむちゃむちゃ面白かったです!
 なお、本日の日記は思いっきり最終回の内容を語りますので、電王未放送地域でDVD待ちの方、ビデオ撮ったけどまだ見てないよ、ネタバレやだよって方は以下ご注意を。



↓(ネタバレ避け空間)


 で、最初に言っておきたい些細な突っ込みなんですが。
 アバンタイトル後にあるスポンサー読み画面の背後で、思いっきりネタバレ映像流してるのはどうなんだ(笑) 出だしでいきなりガクッとなったぞ(^_^;)
(過去に取り残されたウラタロス、キンタロスのみならず、何故かジークまでいるのがしっかり映ってる)
 まあ電王だし、どうにかなるだろうと思っていたのでそれもまた良しだけど。
 あと、明らかに尺は足りてなかったなあ。冒頭で何故かモモと良太郎二人しかいなくて、リュウタロスが参戦してなかったんだけど(デンライナーにこもってる)、その理由を説明するシーンがなかったのは変だろう。多分尺足りなくてカットされたんだろうなあ。勿体ない。
 でもって以下、本編の楽しかったシーンとか疑問を各種。

 前回、病院にいる愛理さんを守れ!と言われてたデネブが、カードを使い果たしてピンチの侑斗を助けに戻ってきて、
「デネブ!病院は?!」
「大丈夫、全部やっつけた!」
 ‥‥デネブ強すぎ(笑) 敵イマジン、「群衆」ってくらいのすごい数だったのに(笑)
 でもその後の二人の、
「最初に言っておく! 俺『達』は、かーなーりー、強い!」
 で泣けた‥‥いつもなら「俺は」なんだけど、今回デネブも一緒か!と超盛り上がり。
 その後の「最後に言っておく!‥‥侑斗をよろしく!」「デーネーブー!!!!」には爆笑したが(笑)

 次のびっくりは、
「やー、オーナーもいなかったんでv」
 と、過去に残されてたウラタロスとキンタロスを、ちゃっかりパス無しで連れ戻してきたナオミ(笑)
 ウラとキンはてっきり「あのまま現代まで数年待ってました」で出てくるかと思ってたので大笑いしたですよ。
 挙げ句、
「たまたまいたんで、連れて来ちゃいました」
 とジークまで!(笑) いや、スポンサー読みの背景映像で、出るのは解っていましたが!(笑)
 何かあれ思い出した。数年前の大河「新選組!」の総集編で、細部を切りつめまくった総集編ゆえに「何でこのキャラこうなってんの?」みたいな展開になっちゃってた場面で、
『捨助さんが何故ここにいたのかは、とても一言では語り尽くせません』
 と、語り手役のおみつさんがナレーションして済ませた時の「何だよそれー!(笑)」という突っ込み笑いと、「でも確かにそうだよなー」という妙な納得。あの時と同じ気持ちだ。これはアリだ(笑)
 でもちょっと前に出たイマジングラビア本(フォトブックIMAGIN)のスーツアクターさん対談で、ジーク役の永瀬さんが「ジーク再登場希望!」的なこと言ってるんだよね。てことは、この対談の収録時点では、まだ最終回のジーク登場は決まってなかったってことだよな。なのによくこの局面で上手いことジークねじ込んだなあ。すげー。同時にスタッフの英断に拍手!

 その後それぞれが次々良太郎に憑依し、リュウタのガンフォーム、キンタロスのアックスフォーム、ウラのロッドフォーム、モモのソードフォームがそれぞれ決めゼリフとアクション!って展開は嬉しすぎた!
 元々、電王に限らず、アニメとか特撮とかの名乗りや決めゼリフ・ポーズは、日本の伝統芸能たる歌舞伎の大見得の一種だって説があるんだけど(アメコミにはそういうのはあんまりない)、今回の全員登場は正にそれだなあとしみじみ思った。白波五人男とかの、ずらっと並んで一人ずつ名乗って見得を切るあれ。
 正直電王は「良太郎のセンスが悪い」って設定もせいもあるのかどうか解らんけど、各ライダーのデザイン自体はあんまり格好いいとは思ってないんだよね、今でも。イマジンのデザインはものすごくいいと思うけども。
 最初に幼児誌で電王の画像見た時「何だこりゃー!」って爆笑したもん、放送開始前、2006年冬コミの会場で。<日記遡れば、その時の爆笑が書いてある。
 でもいざ画面の中であれが動き始めたら、むちゃむちゃ格好良く見えたんだよね。
 それは「俺、参上!」他の決めゼリフと、スーツアクターさん達の動き・決めポーズの結晶なんじゃないかと。
(あの「俺、参上!」は、モモ&電王の中の人・高岩さんが「駄目なら後で直し入るだろう」と思ってガイド時にやってみたら本決まりになったらしい)
 そんな訳なので、「そういうコンセプトで作り上げられたキャラ」があの局面で「全員揃い踏み→名乗りを上げる」ってのは多分、伝統の作劇術として、正しい。どんなに突っ込み所があろうとも、受け狙い・ご都合主義と言われようとも「でも格好いいんだからいいじゃん!」っていうのが全て。それが日本の伝統ですよ!

 でもって決戦が終わり、カイとイマジンが消滅した後、デネブの姿を探してゼロライナーに駆け込む侑斗。
 すると卓上に『侑斗へ。椎茸ちゃんと食べてね』というメモと椎茸ごはん定食が‥‥うわあ。
 大嫌いな椎茸てんこもりのごはんを泣きながらかっ込んでる侑斗の元に、実は消えてなかったデネブがそっと現れるのはまあ予想内のお約束だったけど(その合間に、モモ達四人も実は消えてなかった、ってシーンが入るから)、その時の侑斗のセリフが秀逸すぎ!
 グダ泣きのまんま「デネブ‥‥お前ーー!!」と飛びついて、「椎茸入れんなよー!」ってお前(笑)
 でもいつもならそこでプロレス技かけまくりなのに、号泣しながらデネブ抱き締めてるのにはやっぱり泣けた。
 その後のデネブの「侑斗‥‥ただいま。‥‥ただいまーー!」にまた泣けた。モモ達はどうか解らんけど、あるいはデネブは一回消えて、侑斗の記憶から再構築されたのかも知れん。
 なんにしろ良かったなあ。良太郎と4タロスはまあ死なないだろうと思ってたけど、ゼロノス組はちょっと不安だったから。
 大人の桜井さんは消えちゃったけど、19才の侑斗がデネブと共に過去に戻っていったし、多分「2007年にイマジン襲来の事情を聞いて、ゼロノスを託された桜井さん」は、「19才の時に未来(2007年)に行って、イマジンと戦ってきた記憶を持つ桜井さん」になって、もう一回愛理さんと出合い直すんだろうなあ。二人の子供であるハナさんが存在してる以上、それは不変の未来だってことだし。
 てことは、ハナさんが中盤で子供になっちゃった!って展開も、微細な時空改変のせいで桜井さんと愛理さんの出会いの時期がずれた、ってことで説明つくんじゃ?
 ‥‥すげえ、大人の事情だったはずの女優さん降板が、ちゃっかり物語に組み込まれちゃったぞ。
 恐るべし、脚本家小林靖子。龍騎はあんまり好きじゃなかったけど、これはかーなーりー、感動したぞ。

 あと、実は死んでなかった4タロス達、って場面でモモが持ってる「俺、参上!」のプラカードは何だ(笑) いつ何のために作ったんだ!(笑) どうでもいいところで笑いを取られてしまったよ(笑)

 ただ、カイは結局何だったんだろうなあという疑問はちょっと残ったかな。まあ脳内で補完しようと思えば出来るけど。
 って訳で以下考えてみた。
 思うにカイは「自分の記憶」を消費してたから負けたのかも、という気がする。
 作中で何度も言われていた「過去が希望をくれる」ってのは、過去から未来を助けに来た侑斗のことでもはあっただろうけど、同時に「過去がない未来は存在し得ない」ってことでもあるのではないかと。
 侑斗のゼロノスは「自分に関する、周囲の人の記憶」を消費してたけども、でも誰が侑斗の存在を忘れたって、本人が生きてる以上存在は消えない。
 カイは逆に、自分の記憶=過去を使い果たすことによって「存在出来たかも知れない未来」をも断ち切ってしまったのではないだろうか。
 鶏と卵みたいになるけど、カイは多分「自分の未来」が消えるのを知ってたからこそ過去に干渉してきたんだよな。確定してるんなら放っといたっていいんだし。
 分岐点が最終回ギリギリまで繋がってなかったということは、ハナさんが未来の特異点=消せない未来であるということをおいといても、カイのいた未来だって「存在する可能性」として残ってたってことのはず。カイも同じ特異点なんだし。
 でも「過去への干渉の手段」として「特異点である自分の記憶を消費」することによって、逆にカイの世界は「過去=未来に続く基盤=記憶=消えた時間を再生する、特異点の特殊能力の拠り所」を失った。
 それどころか、干渉することによってその反対勢力・もうひとつの特異点である良太郎(記憶による時間の再生者)を巻き込んでしまったから、元々のハナさんの未来に、本来なかったはずの「モモ達が存在する+αの未来」を与えてしまったと言うことかな。
 最終回近くの数話で、モモ達が消滅しかかってシュワシュワしてたのは、良太郎との接続がどうとかじゃなく、カイのいたイマジンの未来がその時点で既に消えかかってた(分岐点から遠ざかってた)ってことか。でもそこで良太郎が、特異点としての力業でモモ達だけ存続させてしまったと。前にもケータロスで消えた三人を復活させてたし、十分アリか。

 しかし、時空ものというのは個人的に、「繰り返したループも全部、人間が知覚できない位相に保存されている」説を唱えているので、多分電王作中の一年間も「改変された新たな未来」や「無かったことになる過去」ではなく、「確定されたひとつの未来のために全部必要なループだった」説を提唱したいところ。
 図解が出来ないので解りにくい説明になるけども、想像してもらうと、

・床に伸ばしたリボン。
・リボンの中央を引っ張り上げて、空中にたるみ・余りの輪を作る。
・持ち上げた地点と再設置地点の間に隙間は作らない。
・こんなん→Ω。輪の部分は実際には無限で、左右はもっと長いと思って下さい。
・始点と終点は定位置のまま。
・リボン全体の長さは、床に真っ直ぐ伸ばした時より、空中ループ分だけ増えている。
・しかし人間の視覚には、空中に伸ばされた分のリボン(ループ時間)は認識出来ず、床に設置している部分(通常の時間の流れ)の直線しか見えない。

 榊の中では「時間」ってこんな感じ。
 空中のループ部分は「切り取られて無くなった」訳ではなく「認識出来ないところに存在し続けている」。
 モモ達が消えなかった新たな未来は、空中のループがちょこっと垂れ下がって、床の直線部分に触れてる感じで。
 たるんだループ分の時間は、ある意味過去も未来も混在してるので、未来が過去に干渉することも有り得る。
 そう考えると、カイの未来もハナの未来も、多分両方が一旦等しく消えたんだよね。消えたというか、「存在がまだ確定していない」状態=空中にたわんだリボンのループ部分になった、という。
 それでそれぞれの特異点が、自分の時間を「地面=知覚出来る時間の流れ=確定した歴史」にくっつけようとした時に、第三の特異点・良太郎の望んだ方にくっついたと。カイは自分で始点(過去)に繋がるリボンを切って使ってしまったし。でも「カイの未来が存続したかも知れない『可能性』が存在した事実」は消えないので、過去に侵略してきた事実はループの中に残っている、と。
 ‥‥うう、頭悪いので何かこんがらがってきた。

 という訳で、細かい理屈は抜きにしても、電王最終回は非常に面白かったです。
 お約束上等ですよ。歌舞伎とか水戸黄門と一緒だよ。その安心感こそが電王だよ!
 もう毎年言ってるんだけどさ、平成ライダー(クウガ除く)の何が嫌いかって、泥沼の内輪揉めライダーバトルが嫌でしょうがなかったんだよね。
 ミラーモンスターだのオルフェノクだのという「作中における人類の敵」そっちのけで、人間同士でゴタゴタしてるあの感じ。日曜の朝っぱらからあんなギスギスした人間ドラマなんざ見たくねーんだよ!っていう。
 だから響鬼前半で、クウガ以来の「仲間はみんな仲良し・一致団結して敵と戦う」って構図が再現されてやっと安心してたのに、後半アレになっちゃったしさー。
 カブトはデザインとかすごく好きだったんだけど、「加賀美いい加減学習しろ!」「天道もちゃんと理由を話せ!」が全てっつーか、ラス前で地獄兄弟があれじゃもう最終回なんかどうでも(略)な流れだったし。果たしてこのオチは、払った犠牲に見合うほどの大団円なんですか?っていう釈然としなさがさー。

 それで平成ライダーにはいい加減疲れてて、電王にもあんまり期待してなかったんだけど、予想を裏切って面白かった!
 特に18話以降、侑斗が出てきてからはかなり真剣に見てた。(前半は「うん、面白いね。以上」くらいだった)
 何より、最後まで味方が誰も死なず、身内の裏切りも決別もなかった、ってのは、自分的にはすごく重要なポイントですよ。他に好きな特撮みんなそうだもん。
(↑クウガ、セイザーX、メビウス、リュウケンドー。いや、セイザーはジャッカル死んじゃうけどね‥‥でもあれはキャラに悪意がなかったから見てられた。裏切られたっていう勘違いからくる憎悪はあったけど)
 てな訳で、見てない方には是非お勧めいたしますですよ。
 面白いかったよ、電王!

 あともういっこ思い出したんだが。
 良太郎、電王のパスはオーナーに返したけど、ケータロスは持ったまんまだよね?
 てことは「いつか未来で」まで待たなくても、普通に4タロス達と連絡とれるんじゃないのかもしかしたら(笑)
 だといいなー。

 さらに思いついた。
 大人のハナさんが、良太郎も愛理さんも侑斗も「両親&叔父」だって認識してなかったところ見ると、元の時空(一旦消えたハナの未来)では、ハナはすごい幼少期に家族を失ってる状態で育った、ってことなんだろうか?
 だとしたら、今回のラストでそれも多少改変されてて、家族が全員いる状態の未来になってたらいいなー。


 で、以降、本編とは何の関係もないところにあった、最終回一番の突っ込みどころですが。
 エンドテロップにあった、

「climax jump Wingform」

 の文字!
 えええーーー?!?!と思ってビデオ見返してみたら、ジークの場面で聞き覚えのないアレンジ(歌無し、インストのみ)が確かに流れていた‥‥
 ‥‥が、これはクラジャンじゃなくてDouble actionだーーー!!!
 作曲者の名前もダブアクのlove&hateになってたから、多分ダブアクをクラジャンと打ち間違えたと思われる‥‥

 そして第二の突っ込み所。
 コンプリートCDボックスまで発売した後になって新曲アレンジ登場って、どういうこったいエイベックス。
 まだ何か売る気か。きっとそうだ。そうに違いない。だってエイベックスだからな!
 クラジャンデンライナーフォームとか、あの手この手でゴールドディスク貰うまで売りまくったしなー。特撮知らないでCDTV見てる人は、きっとここ数週間、ランク上位に突然現れる着ぐるみ怪人のPVにびっくりしてるぞ。
(あの特典DVDのためだけにコンプリートボックス買ったさ!)
(ダブアクの多重アレンジ発売のあたりから、エイベックスは絶対まだ何かやるなと思ってたから、今までのCD買わずに待ってたし、佐橋俊彦の音楽は電王以前から好きなので、損は全くないけどね)

 実際、電王は関連商品が一番多く出た平成ライダーなんじゃないだろうか。
 龍騎もキャラが多かったから、役者さんのDVDとか写真集とか大概出た方っぽかったけど、キャラの人数考えると、電王の商品展開(特に食玩・CD)は異常の部類じゃないかと思う。おかげでグッズカタログ本まで出るらしいし。
 本と言えば、年末出たはずの「DOUBLE ACTION×4+2」ってムック本は、店頭で一度も見かけないままネットでも売り切れ状態だし、先週コンプリCDボックスとイマジン写真集も出たし、電王公式読本は発売前からアマゾンでも入荷未確定状態(※今見たら販売再開してた)。
 しかもこれ↓

1月18日 電王公式読本(2000円)
1月19日 特写写真集 IMAGINE(2500円)
1月19日 DETAIL OF HEROES 特写写真集(2500円)
2月26日 てれびくんデラックス 仮面ライダー電王メモリアル
3月予定 仮面ライダー電王キャラクターブック002(推定2000円)

 ‥‥どうしろと。
 つーか何で特写写真集二種類。片方は毎年伝統的に出てるシリーズだけど、もう一冊は何だ?
 そして電王メモリアルって。
 それはあれか、イマジンが伝説の木の下で告白しようと待ってんのか?! プレイヤーは良太郎か! 体力を強化するとキンタロスが、遊びを優先するとウラタロスが来るのか! 館林ポジションの隠しキャラはジークか! 藤崎詩織はモモか!
 ‥‥うわあ。<自分の想像に撃沈。

 番組は大団円だったけど、そこらへんの電王貧乏の予感は一体どうしたものか。
 何だかなー。

 ※同じくらい今回盛り上がったゲキレンに関しては、元気があれば後日語り倒したい‥‥


御礼‥‥ パチパチとコメント、ありがとうございます(^_^)/
 アイデンティティ問題は、やはりもの書く人は皆考えるものなのですね。
 自分だけじゃなかった!とちょと安心。
 核にある不変の部分‥‥それは自分からは見えない部分である可能性も高いですね。そういえば予期せずそこに惚れ込まれてシバ(新)に落ちたのが影様でした(笑) なるほど!
 機会がありましたら、そこら辺を是非語りたいものです。