最近、中の人宅の裏側(大地主さんの畑)に、雉のつがいが現れます。
田舎とは言っても、、塀一枚はさんだだけの電車の駅の真ん前で、畑の隣は数棟のアパート。
しかも畑は種蒔き前のお手入れ時で、連日地主さんがトラクター等でバルバルと轟音を上げながら往復しています。
でも何故か雉は数日に一度くらい、仲良くつがいで現れては、畑をてけてけバサバサしているのでした。
まあ広大な畑なので虫もたくさんいるだろうし、近所の家々には食べられる花芽や実のついた木もわんさかあるし、そこそこ水のきれいな用水堰もあるので、もしかして別荘(子育て用の巣)でも構えているのかも知れません。
その畑は中の人宅の台所からよく見えるので、料理をする中の人&母の目撃頻度が割と高く、雉の来訪に居合わせた人は「雉が来たよ!」と知らせあっては双眼鏡(※)を構えるのでした。
(※‥‥鳥好きな中の人母の持ち物)
そして思い返せば、里でもたまに人間が紛れ込んで来た時は、皆さん似たような反応をしていたですよ。
「あれ人間じゃね?」
「え、ヒト姿の誰かじゃないの?」
「見覚えないから新しい人間じゃない?」
「えー人間? マジ人間?」
「おっさん? 子供? 美人?」
「双眼鏡貸して貸して!」
「触りに行っていい? 答えは聞いてない!」
「駄目だよーその前に役場に届けて保護しなきゃ」
「あ、何か食べてる!」
「カロリーメイトかな」
「あれ大豆ですから」
「うわー双眼鏡越しに目が合った気がするー!」
「こっち来るぞ逃げろー!」
「だから誰かちゃんと案内してやれよ‥‥」
‥‥このような混沌が繰り広げられた後、迷い込んだ人間のヒトは、居合わせた獣達によって役場に届けられます。
そうして白犬軍曹の監督の下、長老にお告げを仰ぎ、里を案内され、儀式を受けて獣になるまで保護されるのでした。