コミックス待ちで雑誌連載分を読んでない人には、些細なネタバレ感想があるですよ。
展開に関する話を読みたくない人は避けて下さいまし。
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という訳で、最終回掲載のヤングアニマルを読んだですよ!
よかった‥‥ユウ死んでなかったよ‥‥<前回ラストで、ナイフで腹を刺されていた。
しかし舞台はいきなり三年後。
伊沢さんはなんか異種格闘のカリスマとして表舞台に復帰してて、これはなんか納得。
確かに三年はかかりそうだし、「一年後」よりはそれらしいかなあ。
でもショウゴは来週出所。って三年もお務めしてたのかよ!とちょいびっくり。
それまでの経緯考えると、そこまで重罪くらうんか?あれ‥‥と微妙に釈然としない。
街ではその三年間に「下北ヤンキー狩り」は伝説になってて、本人が今どうしているのかは誰も知らない、みたいな状態。え、今ユウどうしてんだよ?という不安が‥‥
伊沢さんの試合前の控え室には、シンと土屋さんがいるんだけど、何故かユウはいないし。
それで「やっぱり前回ラストで死んでたんじゃないだろうな‥‥」と不吉な予感が増大したんだけど、伊沢さんが「どっかで見てるだろ」とか言うんで「じゃあ生きてんのか‥‥」と絶望と希望のバドミントン状態(byイエモン)。心臓に悪い‥‥
街中では伊沢戦がTV中継されてて、でもそれを見るでもなく待ち合わせをしてるっぽいマイちゃん、というカットが。
相手はユウだろうなあと思うんだけども、しかし、マイにとっては兄、ユウにとっては恩人であるマサキの試合を見ずにデートか? というのもなんか微妙な気がするのでまた不安が(汗)
その後、ネットでユウの伝説だけ知ってる不登校少年がヤンキーに絡まれたところでユウ登場!
さくっとヤンキーを追っ払って、へたばってた少年に「君は変われる」という言葉を残して去る、というラストだった。
という訳で、二・三の疑問はあったけど、最終回は手堅くまとまったなあ、という感じだった。
疑問その一は、結局三年後のユウは何してんの?ということ。
前回では、ジムかなんか行ってちゃんと格闘技やってみる、という話になってたんだよね。だから「ヤンキー狩り」としての街の喧嘩からは卒業したんだろうけど、伊沢さんみたいに表にはまだ行ってないのかなあ、と。
同じ流れで疑問その二は、今は伊沢さんやシンとは交流ないの?という。
どうもあの控え室のシーン見ると、しばらく会ってないような雰囲気で、「たまたま今日は来てないだけ」って感じじゃないんだよなあ。シンのもの言いが、こんな時に来ないなんて何やってるんだよ、じゃなく、今どうしてるのか‥‥みたいなニュアンスだったし。
まあもしかして、伊沢さんが勝つのは解ってるからわざわざ見に行かなくてもいいよ、ってことなのかも知れないし、今まで何かっちゃー伊沢さん伊沢さん言っててべったり頼ってたから、自立した今はもうそうじゃない、ってことだったのかも知れない。
でもだからこそ、それで三年後のユウが今どうしてるのか、は気になったなあ。なんか茶髪になってるし(笑)
そこんとこだけがちょっと不満だけど、がっかりな最終回では決してなかったし、やっぱりホリランは面白かったです。
イジメ不登校から自殺未遂まで追い込まれたユウが、独学のワンツーパンチから始めて、やがて「下北ヤンキー狩り」と呼ばれるまでになり、友達も出来(彼女も出来るけど、描写がほんとおまけ程度だった‥‥何故)、その後ユウと同じ引きこもり少年に「君も」という希望を引き継ぐ、というのは、掲載は青年誌だけどある意味少年マンガの王道だよね。
しばらく前、「まんが☆天国」http://manganohi.jp/というサイトで、作者である森先生のインタニューが載ってたんだけど(http://manganohi.jp/2008/03/11018.html)、インタビューその3で、
「(カトー編の辺りで)本当はシンは死ぬはずだった、でも担当の編集さんに『シンを殺したら後で絶対困るから』って止められた、その通りだった」
というようなことを仰ってて。
いざ最終回を迎えてみれば、ほんと編集さんありがとう!って思ったですよ。
多分シンがあそこで死んでたら、このラストはなかったと思う。大事な友達が巻き込まれて死んじゃってたら、その後ユウ本人がどんだけ強くなっても、やっぱり完全には立ち直れなかったと思うし。
(そいうえば「殺し屋1」は「中身がダメな奴はどんだけ腕っ節が強くなってもダメ」「仲間も彼女も信用ならない一過性のもの」みたいな話だったなあ‥‥ホリランは逆に「喧嘩に強くなるには心の強さも必要になってくる」「それも人とのつながりがあってこそ」という方向性だった気がする)
余談だけど、マンガって上手くまとめるに適当な長さ、ってものがあると思うんだよね。
内容(物語の密度)にもよるんだけど、大概の作品は長くても10巻~20巻で間に合うんじゃないかと思う。
何でって、大体7~10巻くらいまで続くと、本屋で「どこまで持ってたっけ‥‥」って思い出せなくて、続きを買いそびれることが多くなるんだよね。つまり、それを覚えてないほど面白くなくなってくる。
(実際イグの部屋には、コミックス5巻まで、10巻までしか持ってないシリーズもの、というのがゴロゴロしている。完結まで揃えて持ってるものはごくごく僅か)
面白さを保ったまま長く続けていくってのは実質不可能で、ジョジョみたいな化け物作品はごく一部だし。
それ考えると、ホリランはちょうどいいところで終わったなあ、と思う。
キング編は焦点がドラッグだったのもあって、何か今までと方向性が違うというか「ホリランどっち行くんだよ‥‥」とちょっと思ってたんだけど、上記のインタビュー見ると「ラスボスが少林寺拳法の人」ってのは予定通りだったらしい。ということは、ホリランは引き延ばしも短縮もなかった、ってことで。
今どきの少年誌の惨状を見るに、それはすごく幸せだったなあ、としみじみしたのでありました。
(20巻越えて「だからいつ、どう決着がつくんだよ‥‥」って気持ちになる「彼岸島」とか、「いい加減謎解きに入ってくれよ!」と苛々する「ガンツ」とか、「前半大盛り上がりだったけど、今後どこ行くの、この話‥‥」な「ベルセルク」とかさ‥‥面白いんだけど、同時に「まだ続くの?‥‥」と思ってしまうのもまた確か)
そんなこんなで、面白かったよ、ホーリーランド!
未読の方は是非どうぞ!
めきめきと身体を鍛えたい気持ちになります。マジで。