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中の人日記・ボルテクス界の孤独編

 ライドウとメガテンIII(ノクターンマニクロ)の話ですよ。

 ライドウが二週目で、プレイにちょっと余裕があるのをいいことに、並行してマニクロを始めてみたのだが。
 なんというか、ノクターンは孤独だ。

 ライドウは、大正二十年の帝都が舞台だ。
 時々異界化されたり、行く先々に悪魔がいたりするが、基本的に人間の世界だ。
 街角に佇むいつもの人やお店の人等、あちこちに顔見知りの人間がいる。
 遠出した村の隠れた因習とか、横溝正史の世界的鬱ネタはあるけど、個人個人は大概いい人だ。おばちゃんもオッサンもヤクザもオカマも女学生も、みんなライドウが大好きらしい。
 悪魔ですら、ライドウにはかなり好意的だ。
 行く先々でサマナーすげー!と言われ、女性悪魔にはモテモテ、男性悪魔にも一目置かれたりしている。
 閣下(ルシファー様)も、妙にライドウには親切だ。
 あれやこれやお言葉をくれたり、別件以来で鍛えてくれたりアイテムをくれたり、人姿の閣下に擬態する(※)のを見て見ぬふりをしてくれちゃったりもする。しまいにゃ仲魔になってくれたりもするし(カオスでクリア後・二週目以降限定)。
(※‥‥閣下のふりをして話し掛けると、畏まった悪魔が大金をくれる。そんなんを見逃してるってどれほど好意的なのかと)

 なのにノクターンの主人公(人修羅)は孤独だ。
 世界がボルテクス化する前から、友達はなーんかヤな奴らだ。お前ら全然友達じゃねえだろ!と言いたくなる言動が多々見受けられる。
「うら若き憧れの美人女教師」ポジションらしい学校の先生は、しかしデンパだ。こんな世界は一度壊して作り直すべき!というカルト教団の幹部に賛同して、その計画に一枚噛んだりしている。
 ボルテクス化の後、世界はその連中以外の人間はいなくなり、行けども行けども悪魔しかいない。
 人修羅は閣下の気まぐれで半悪魔化されちゃったものの、一応人間なせいか悪魔達の反応は割と冷たい。仲魔交渉もライドウに比べると面倒だし、戦闘になる確率高いし、ほんと闘うしかやることがない。
 閣下の扱いも、心なしかライドウより冷たい。手駒としてもあんまり期待されてないというか、もし上手いこと強い悪魔に仕上がったらラッキー、くらいで、最初にマガタマ一個飲まされて悪魔化される以外、ロクに構ってもくれない。時々現れても、お付きのばーちゃんが「なんとか生き延びているようですね。無様な死に様を晒して、ぼっちゃま(閣下子供体)をがっかりさせぬよう」的なことを言われるだけ。

 そんなこんなで、人間や悪魔との交流がともかく楽しかったライドウの後にノクターンをプレイすると、人修羅があまりに孤独でなんか鬱になる。
 人修羅はきっと「ねえ何でアンタはあんなに優遇されてんの?」とライドウを問い詰めてみたいに違いない。
 くっきり鮮やかできらびやかな、浮世絵の如きライドウの画面(配色)と、うす青白い紗のかかったような、茫漠としたノクターンの画面は、それぞれの世界観をほんとによく表現しているなあ、としみじみ思った。

 そんな状況なので、マニクロは今後ゲストキャラのライドウが出てくるのだけが楽しみです。いや、ノクターンはマニクロ以前にも無印版・マニアクス版と何周もしすぎて(※)、いい加減やり飽きてるのもあるんで‥‥
 あの荒涼とした孤独な世界で、早く人間と黒猫に会いたいものです。


※無印版‥‥エンディングはヨスガ・ムスビ・シジマのコトワリエンド3つと、コトワリ全否定世界再生エンド(通称先生エンド)・全否定世界そのままエンド(通称ぼっちゃまエンド)の合わせて5種類。
 マニアクス版‥‥上記5種類+新ルートのアマラエンドの6種類。
 ‥‥全版フル周回した訳じゃないとはいえ、どんな面白いゲームでも流石に飽きる。