‥‥後編も何だかよく解らなかった。
いや、私はブレイドの劇場版を見ていないので、それ関連の「原典をどう捻ってあるか」の妙味が解らない、という要因も大きいとは思うんですが。
とりあえず、洗脳されてると思ってたらアレだったよ!という海東(兄)のキャラは良かったと思う。あの胡散臭い笑顔と、そうじゃない時の演じ分けの差とか、事実を知らずに振り回されてた海東(弟)というポジションとか。
(ラルクとランスはちょっと何かキャラ弱いというか、世界における役割的なものが弱かった気がするけど、劇場版と比べられないので何も語れず)
ただ、
・じゃあ何で海東(弟)が怪盗なのかとか、
・何でディエンドとして世界を巡っているのかとか、
・そもそも明らかにこの世界に由来してないっぽいディエンドの力ってどっからどうやって手に入れたの?とか、
・それがこの世界にどういう影響を及ぼすのか。
‥‥みたいなことが、全部謎のまま終わっちゃったのがすごい消化不良。
海東(弟)の気持ちとか行動原理に関しては、珍しく士の方からまとわりついてあれこれと解説してくれちゃったりはしているんだけど、それが何故か全部耳を素通りしていったんだよなあ‥‥
例えば「AはBなのでCである」みたいな説明をされたとして、まず「AはBで」のところに納得出来ないと「は?」ってなっちゃって「Cである」の部分が耳に入らない、ってことあるよね。今回の士の説明って、何かそんな感じだった。
大して深く見てもいないものを「大体解った」って言い切っちゃってそれが当たってる、というのが士のキャラではある。
普段の流れだと、そう言いきるだけの「気付き」と、そこに至る証拠の描写が割としっかりあるんだよね。
でもなんか今回は、それがちょっと足りなかったような‥‥
おかげで士が「真実に至った」んじゃなく「何となくこうかと想像した→当たってるよなそうだろ?」と勝手に喋りまくってるだけっぽく見えたんだよなあ。だから恒例のバトル前の口上(つか説教)に説得力が足りなかった気が。
恒例の士のコスプレ(※)も、今までは「その世界に関わっていく糸口にして象徴」なんだけど、前回の営業マンってあんまりその意味を成してなかったしなあ。
みんなが洗脳されて病的な善人になってる世界だから、セールスが有り得ないほど上手くいきます、って描き方は何か方向性が変じゃないか?
というか、その状態を変だと思わない(世界の歪みに気付かない)士の方がキャラ変だったよ。営業つながりの物語的進展とかぜんぜんなかったし、いくら海東がメインの世界とはいえ、「世界の役割」じゃなくほんとにただのコスプレ/見た目だけのお遊びだったような。
ネガ世界編における「大人気タレント・士」ってのは、士をおだて上げてあの世界に引き留めるための餌だから、って意味でまだ納得出来たんだけどなあ。
(※‥‥一番よかったと思うのは、アギト編の郵便配達員。受取人が逃亡中で何年も読まれないままだった手紙を、異世界ファクターである士が強引に届けることによって、止まっていた物語=世界が動き出すとか、すごくいいじゃないですか。そういう「世界の秘密に分け入りすぎる」謎のコスプレ男に対して、誰かが「何者だ?!」と問うた時に「通りすがりの仮面ライダーだ」って真の姿を現すのが格好いいところだと思うんだよ、ディケイドは)
あとこれは脚本のせいでも監督のせいでもないんだけど、コンプリートフォームがあんまり面白くないな!
デザインの割にというか、デザイン負けというか。
フォームそのものはいいんだけど、それでやるアクションがちょっとなあ。
ライダーもう一人召喚して、二人でミラーな動きをするだけ、っていうのは、技として地味というか、あんまりオモチャが売れそうにないような気が‥‥
そしてよく解らないままに来週は劇場版の宣伝でシンケンとコラボ、って大丈夫なのだろうか‥‥全三十話って話だから、残りの尺も多くはないのに。
期待しすぎなのかなあ、俺。
‥‥とか言うと「だが期待するな!」という矢車さんの声が脳内にこだまするのだった。
どんな局面でも使えるなあ。凄すぎるよ矢車語録‥‥
御礼‥‥パチパチありがとうございます(^_^)/
これは原稿への励ましか、エヴァがやっぱりよく解らない‥‥という件への同意なのか!
ともあれ反応を頂けると嬉しいイグアナです。小躍りしつつ原稿頑張ります。