(という訳で早速複数記事してみる)
買い物に出掛けた神無と双魔。
(というか多分、実質お使いに出たのはイオスと双魔で、買い物を終えて「一休みしましょうか」とコーヒーショップに寄った途端、ちゃっかり神無が出てきたと思われる)
そうしてデート気分で一服している時、ふいと神無が何かを目で追う。
「? 何かあった?」
「いや‥‥一瞬ガーベラかと思ったが違った」
「似てたんだ?」
「後ろ姿がな。だがよく見たら髪型がツインテールだった」
「ガーベラさんはいつもポニテだしね‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
何だその間は。と言いかけて、
「‥‥前から思ってたんだけどさあ」
何とはなしに恨みがましい双魔の声に、「体型で見間違えた→通りすがりの女の子の尻とかをつい見ていた→デート中なのに!」という方向で責められるやべえ!と神無が無表情に焦ったその瞬間。
「女の子の髪型は『ツインテール』じゃなくて『ツーテール』だよ!」
「‥‥‥‥は?」
「ツインテールは『帰ってきたウルトラマン』からシリーズに登場する円谷怪獣で、エビの味に似てて美味しいって噂のやつだよ!」
「そっちかよ!」
「‥‥この席からだと歩いてる女の子のお尻がちょうど目線の高さにあるから、そっち見てたんでしょ髪型じゃなくて。‥‥っていう方向で行った方がいい?」
「‥‥いや」
「じゃあ大人しく続き聞いてね。――そもそもツインテールはグドンが餌として捕食する弱め怪獣って設定なんだけど、その後のウルトラシリーズに登場すると意外と強いんだよね。ウルトラマンメビウス登場時だと、水中に強い水棲怪獣って設定で素早い海中戦を展開してて――」
「‥‥‥‥‥‥」
「あとでメビウスのDVD借りるから、帰ったら一緒に見ようね」
「‥‥解った」
神無(とイオス)の無駄知識は、こうして着々と増やされていくのだった。
―――
最近すっかり双魔に勝てない神無。
(まあさして勝つ気もないらしいが。<過去が過去なので「双魔が元気ならまあ何でもいいか‥‥」状態)
(ちなみに双魔が怪獣も好きなのは原作準拠ですよ。<部屋に複数の怪獣ソフビ、はっきり解る分だけでもブースカとジャミラとゴジラがある)