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中の人日記・イオス×ソード小ネタ編

(またも小ネタメモなので、小説文にはなってません)
(前提‥‥コメディにおけるうちのイオスは、料理やお菓子作りが得意な餌付けマニアです)

 ◇ ◇ ◇

 キッチンで沈痛な面持ちと共に、何かが入った卓上のボウルを見つめ、何やら溜息をついているイオス。
 そこにふらりとやってきたソードは、勿論つまみ食いが目的である。
「お、何だ? 食いもんか?」
「ええ‥‥シュークリームを作ろうと思いまして、まずは中に入れるカスタードクリームを作ったのですが―――」
「かすたーど?」
「牛乳と卵黄から作るバニラ風味のクリームですよ」
「お、あの何かトロッとしてて甘いやつか?」
「そんな感じですね。でもそれが―――」
「よし、食ってやる!」
「あ!」
 相変わらず、返事も待たずにスプーンを突っ込み、ばくりとクリームを口に入れるソード。
 しかし。
「‥‥‥‥苦ぇぞ」
「‥‥だから止めたのに」
 呟くイオスに、ソードはハッとして牙を剥き、
「まさか毒でも仕込んであったんじゃねーだろうな!!」
「そんなはずないでしょう。‥‥実はこのクリーム、コーンスターチとベーキングパウダーを間違って入れてしまったんですよ」
「べーきんぐって何だ」
「ケーキなんかに使うふくらし粉ですよ。少量ならいいんですが、入れすぎると苦いんです」
「へえ?」
「こんなマンガみたいな間違いを、まさか自分がやるとは思ってもみませんでしたねえ‥‥」
 言いながら、失敗作の入ったボウルを片付けようと、すたすたと流しに向かうイオス。
 茫然としたままのソードに気づき、ふと振り返る。
「どうしたんですか、固まって」
「‥‥い、いや、何でもねえ」
 甘いと思って食べたクリームが壮絶に苦かったのには驚いた。
 が、「イオスが」「料理を失敗した」ことの方が、何故かショックだったということに、さらに衝撃を受けたソードであった。