◇ 神双とイオソと+α、日々のドタバタ・その4。 ◇(↑new old↓)


◇ 似て非なるもの編 ◇

 イオスが買い物から帰ってきた時の一コマ。
(ソードが本体使用中、双魔は手乗りサイズ魂状態、神無は多分内側で昼寝中)

「新しいパティスリーを見つけたので、お土産に買ってきてみました」
「んー、お店の名前読めないけど、これフランス語かなあ」
「何でもいいから早く出せ!」
「一応品揃えを見て下さいよ‥‥えーと、今日買ってきたのはマカロンとマドレーヌと、カヌレとクグロフと―――」
「ん? それはなんか聞いたことあるな」
「え、そうなんですか? 意外ですね‥‥」
「確か犬だろ、クグロフって」
「‥‥ソードさん、それは多分『パブロフの犬』とごっちゃになってるんじゃないかな」
「? パブロフは風邪薬じゃねーのか」
「それは恐らく『パブロン』でしょう‥‥」
「じゃあクグロフって何なんだ」
「いやあの‥‥ソードさんは目の前の菓子パンが何に見えてるの‥‥」
(2013/02/12日記)04-10

◇ 豪雪の朝編 ◇

ある朝起きたら、北国のみならず関東までがものすごい雪に見舞われていた。

「うわーすごい! わざわざ山を作らなくても、穴掘るだけでかまくらが出来るね!」
「お前にそんな気力体力があるのか‥‥」
「う、裏暗黒魔闘術で‥‥!」
「ケルベロスに火吹かせた方が早いんじゃねーか」
「あの炎では穴を開けるどころか、雪が全部溶けてしまいますよ」
「どっちでもあちしには関係ないニャ。猫はこたつで丸くなるのニャ~」
「あ、でもうちこたつないよ?」
「エエー‥‥」
(そして恒例・影サタン様がオチをつけに来ないか、何となく周囲を見回してしまう四人+一匹)
(しかし今日は来ませんでした)
(こんな日もあるさ)
(2013/02/03日記)04-09

◇ 双魔の密かな憧れ編 ◇

 一通りの話を終えて、手乗りサイズの魂双魔が悪魔の卵に潜ろうとした時。
 同じく魂で表出していた神無が、イオスの肩口で怪訝に言った。
「そういえばお前、何でいつもそこからしか出入りしないんだ?‥‥」
「え、神無はどこからでも出てこられるの?」
「当たり前だろうが‥‥」
「だって神無さんには悪魔の卵みたいなものがありませんからねえ」
「オレは出ようと思うと自動的にそこから出ちまうんだよなあ。魔力と魂の何たら的に、そこが一番外に近いんじゃねーか?」
「あ、でももしかして僕の場合は、そう思い込んじゃってるだけなのかも? ソードさんが最初に卵から出てきた時のイメージが強いから」
「じゃあ試してみたらどうだ」
「うーん‥‥でもポロッと目から出ちゃったりしたら、なんか鬼太郎のお父さんみたいだし‥‥」
「‥‥何故真っ先にそこを想定する」
「実はやってみたくてたまらないんですね、双魔くん‥‥」
「だからキタローって何なんだ! 教えろ!」
(双魔は小ネタ詰め合わせ2の「寒暖連鎖」をまだ引きずっている模様)
(2012/11/13日記)04-08

◇ あっても困るお土産編 ◇

 いつものように天野家を訪問したシェキルが、いたたまれない風情で差し出したものとは。
「あの‥‥ミカエル様が、イオス様にこれをお渡しするようにと‥‥」
「? 何でしょうか」
 また怪しいアイテムを発明して、イオスに試させようと言うのだろうか‥‥と思いながらも受け取ってみると。
 平べったい箱の包み紙には、日本語で、
『天界に行ってきました』
 と書かれたロゴと、妙にほのぼのしたイラストがプリントされ、名状し難い場違い感を醸し出していた。
(‥‥全国展開の地名すり替え土産物饅頭か)
 と、身の内の神無がツッコミを入れたが、勿論外には聞こえていない。
「これは‥‥ミカエル様がお作りになったんでしょうか‥‥」
「‥‥恐らく、そうだと思われます‥‥」
「あ、美味しそう。一個ちょうだい」
 パタパタと現れた双魔(+手乗りサイズソード)が、何も気にせず横から饅頭を摘まんで言う。
「こういうの、魔界にもあったら面白いのに。『外魔宮殿に行ってきました』とか『ゲヘナの箱船に行ってきました』みたいなの」
「言うな! サタンが聞きつけたらマジで作り始めるに決まってるじゃねーか!」
「ある日突然、げんなりした顔のヴィシュヌさんが箱持ってうちに来る日も近いかもね」
「やめんか!(パキャ!)」
「あう(久々の悪魔パンチだー)」
「‥‥とりあえず、お茶でも入れましょうか‥‥」
(影サタン様がどうこうという発言があるネタは、大体新世界編以降の時系列です)
(2012/10/17日記)04-07

◇ 占い分類編 ◇

双魔(本体使用)とソード(手乗りサイズ魂状態)、通学前の食卓。
新聞を広げた双魔が何やら渋い顔。
「うーん‥‥」
「どうしたシワ寄せて」
「新聞の誕生月占いだと、六月生まれは『本日ラッキーデー』になってるんだけど――」
「お前はロクガツウマレって奴なのか」
「うん。でもさっきのテレビの占いコーナーだと『双子座は大凶』だったんだよね」
「フタゴザって何だ?」
「5月21日から6月21日生まれのこと」
「大して変わらねえじゃねえか」
「そう。まあ占いなんて所詮気休めだけど、この上血液型でまた結果が正反対だったりしたらと思うと流石にね‥‥」
「血液型?」
「えーと、血の成分で色々あって、大雑把には四種類くらいに分類されてて」
「あー、そういうのは魔界でもあるな、多分」
「え、本当?!」
「ああ。魔界でも赤い血の奴が一番多かったな。その次によく見るのが青と緑か」
「‥‥個人的な興味は尽きないけど、それは血液型とはまた違う話じゃないかな‥‥」
(デビの天魔キャラの血は大体赤いんじゃないかと想像しています)
(2012/10/03日記)04-06

◇ オカルトとスピリチュアルの違いとは編 ◇

宅配便が双魔宛てだったのを見て、「またか‥‥」と神無は渋い顔。
「また怪しげなオカルトグッズ通販したのか‥‥」
「怪しくないよ。ただの水晶ペンデュラムだよ」
「ペンデュラム?」
「ダウジングなんかに使う振り子の一種で」
「十分怪しいじゃねえか」
「怪しくないってば。ダウジングは宗教とかスピリチュアル関係なく、昔から何故か効果があるから井戸掘りなんかに使われてるくらいだし」
「? スピリチュアルだってオカルトの一種だろうが」
「全然違うよ! オカルトは神秘学から宗教学・神智学・魔術・超能力・未知の科学まで幅広いけど、スピリチュアルはぶっちゃけ現実逃避のポジティブ教以外の何物でもないよ!」
「何だポジティブ教って‥‥(ネーミングだけで双魔が嫌いそうな匂いがぷんぷんするな‥‥)」
「ニューエイジまではまだ解るんだけど、スピリチュアルはそっからまた変な方向に行ってるんだよね。何故か幽体離脱したがるとか、訳が解らないよ」
「幽体離脱‥‥」
「‥‥ザ・たっちのネタは僕らじゃ出来ないからね」
「‥‥そんな話してねえ」
「ともかく。僕はオカルトは信じるけど、波動アイテムで放射能が防げるとか考えてる人の気持ちは解らないよ」
「何だそれは‥‥」
「そういうの売ってるんだよね、ヘミシンクCDとか扱ってるところで‥‥ヘミシンクってのはスピ系の人が好きな率高い、脳波をいじるための音声のこと。慣れると体外離脱出来るんだって」
「前に魂抜かれた身としては、今さらそんなもの試したくもないな‥‥」
「でしょ?‥‥という訳で、オカルトとスピリチュアルは違います、ということで」
言って宅配箱を持ち、さくさくと部屋に引き上げていく双魔の後ろ姿を見送って、ふと気付く神無。
(しまった。ペンデュラムとやらの有効性について突っ込みそびれた‥‥)
(幸せすぎるせいか、最近は神無もボケボケです)
(2012/09/05日記)04-05

◇ 夕暮れ時の魔聖剣ルシファー編 ◇

魔聖剣ルシファーが身の内から囁く。

―――我を取れ。

魂の奥深くに巣食う魔物に、イオスは耳を貸さない。

―――我を取れ。

ならぬ、とイオスは拒絶する。

―――我を取れ。

今はまだその時ではない。
お前にくれてやる魂はない。

―――我を取れ。命あるものを屠るのだ。

今はまだその時ではない。

―――魔族でも天使でもヒトでも構わぬ。魂を。

黙れ。

―――我に魂を。魂を。魂を‥‥

‥‥イオスは手を止め、溜息をついた。
「‥‥夕食の魚を捌いてる時にまで口出ししないで下さい、ルシファー」

「また腹減ったってゴネてんのか、あの剣」
 夕食前にも関わらず、スナック菓子の袋を漁りながら、人ごとのようにソードが言った。
「ちょっと戦闘から遠ざかってると、生きてるものを切れってうるさいんですよね‥‥」
「‥‥ていうかアイツ、魚の魂とか食えるのか?」
(ルシファーが一番食べたがっているのは、多分ソードの魂)
(2012/07/12日記)04-04

◇ 呪いのライセンス編 ◇

「非情のライセンス」という古い歌から「呪いのライセンス」という言葉を連想してしまった。
双魔は持ってそうだな、呪いのライセンス!
‥‥という話で盛り上がる(?)、影サタン様+イオソ神双。

「でもそれは二級免許だろう。人間界で使えるのは、確かその程度のレベルが限界のはずだからね」
「え、魔界では呪いって免許制度なんだ‥‥(取りたいかも)」
「だから何故、いつもサタンがうちにいる‥‥」
「あの‥‥何故一句詠んでいるんですか、神無さん‥‥」
「‥‥‥‥(どう考えたって偶然なのに、真顔で突っ込むのがイオスだよな‥‥)」
(そして多分物陰では「イオス様、それは‥‥」とシェキルが涙ぐんでいると思われる)
(なんか段々天野家が天魔集会所みたいになってきた)
(2012/07/06日記)04-03

◇ 神双・呪いのアイテム編 ◇

手が離せない双魔に頼まれて、混沌部屋にものを取りに来た神無。
(忙しい訳ではなく、何かの作業中、うっかり自分の手を接着剤でその場にくっつけてしまったので、文字通り手が離せない・離れないという情けない理由。それで溶剤を取ってきてくれとかそんなことらしい)

目当ての溶剤を探すうちに、転げ出てきた箱の中身をふと見てしまう。
箱の中には、小分けにビニールでパッキングされ、名前を書いたシールを貼られた、膨大な量の髪の毛が。
上の方の袋には、主に現在のクラスメートの名前が書いてある。下に行くにつれ過去の知り合い(特にいじめっ子)の名前が―――
「‥‥‥‥‥‥」
‥‥見なかったことにして、神無は元通り、棚の奥に箱を押し込んだ。

そして、そんなことは綺麗さっぱり忘れていた後日。
「神無ー」
「何だ」
「この前の件で、ソードさんがちょっと機嫌悪いんだよね‥‥」
「それで」
「朝起きてソードさんが出たら暴れそうだから、貴重品預かって」
 と言って差し出された段ボール箱の中には、禍々しい表紙のオカルト本や、怪獣その他のソフビとフィギュア、PCのメディアにゲームソフト、見覚えのある謎の箱―――
「‥‥‥‥」
「大丈夫、夜中に長いものが這いずって出てきたりはしないから」
「‥‥断る」
ちなみにこの箱は、「見なかったことに~」の後に一度神無に捨てられていて、後半のはまた再収集した分。 しかし再収集分も後でソードに見つかって捨てられ、「ひどいよソードさん!呪ってやるー!」「呪ってもコレお前の身体だけどなー」みたいな展開があるらしいよ!)
(2012/04/30日記)04-02

◇ ○○の日の存在意義とは編 ◇

5月23日は「キスの日」だったらしい。
――が。

「だから何だ‥‥」
「今更だよねえ。僕ら普通に毎日してるし」
「何だ、食い物もらえる日じゃねーのかよ」
「ところで『決闘の日』とかは無いんでしょうか?」

「‥‥‥‥」「それこそオレ達にゃ今さらだろ」「(イオスさんって‥‥)」

 そしていつもの展開↓

「ちなみに決闘の日は存在するよ。4月13日だ。宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島の決闘がその日だったという説が――」
「テメーいつから聞いてやがった?!」
「またか‥‥」
「ていうかそれって記念日なんだ‥‥(最近は人間界の時代劇にはまってるんだね、サタン様‥‥)」
「温かいお茶と冷たいカルピス、どっちがいいですか?」

「だからもてなすな!」「あ、僕カルピスで」「‥‥(←双魔の順応力にげんなり中)」
(決闘の日とかねーだろ!と突っ込みを入れようとして、検索したら実在して驚いた)
(2012/05/24日記)04-01