■プロフィール■

ペンネーム

ヒンクレヰ

好きな作家

スティーヴン・キング クライヴ・バーカー アーサー・マッケン W.H.ホジスン H.P.ラブクラフト ロス・マクドナルド K.W.ジーター 江戸川乱歩 夢野久作 筒井康隆 中島らもetc…

好きな映画

「ゾンビ」 「地獄の黙示録」 「ジョーズ」 「燃えよドラゴン」 「タクシードライバー」 「太陽を盗んだ男」etc…


映画「タクシードライバー」とレーガン大統領暗殺未遂事件について

 私のペンネームであるヒンクレヰというのは、1981年にレーガン大統領(当時)を狙撃した犯人、ジョン・ヒンクレーからとりました(昔この事件をモチーフにした短編を書いたことがあるので)。
 ヒンクレーは映画「タクシードライバー」に強い影響を受け、助演女優であったジョディ・フォスター(12歳の少女娼婦(!)の役でした)の自宅のドアに自作の詩を書いたメッセージを何通も挟み込んだり執拗に電話をかけるといったストーキング行為を繰り返した果てに、自分を映画の主人公トラビスになぞらえて大統領暗殺を企てました。銃弾は胸部に命中しましたが、使用された拳銃が殺傷力の低い.22口径だったため、レーガンは一命を取りとめ、ヒンクレーはその場で逮捕されました。
 映画と同じく犯行の動機に政治的背景は一切無く(飛行機をハイジャックして自殺することでジョディー・フォスターの注意を引くことも考えたようです)、ヒンクレーは自分のストーキング行為の総決算として――いわばジョディー・フォスターへの究極のラブレターとして事件を起こしたわけです。
 ジョディー・フォスターへの病的な執着心もさることながら、何回も大学を休学と復学を繰り返し、ソングライターを夢見てロサンジェルスに行くもすぐに挫折して両親のもとに戻るという、何一つとして成し遂げることのできない鬱屈したヒンクレーの人生が動機の背景にあったことは想像に難くありません。典型的ダメ人間であったヒンクレーは同じくダメ人間である映画の主人公トラビスに自分を重ね合わせていたのでしょう。
 あるいは、ヒンクレーは映画「タクシードライバー」を現実世界で再現しようとしたのかもしれません。自分が「主役」になるために…