クリスマス・24・アワーズ/03
根元を握られ尖端を思い切り吸い上げられた瞬間、強烈な射精感に襲われて、イギリスは震える手で両脚の間に顔を埋めたフランスの長い髪の毛に指を絡ませ、ねこ耳を掴む。
ついさっきも自分の手で触れて熱を放ったばかりなのに、こんなにも簡単に追い上げられてしまい、少しでも気を抜いたらまたすぐにでも達してしまいそうだった。
けれどフランスの口内に精を吐き出すことは躊躇われ、イギリスは乱れた呼吸を吐きながら腹筋に力を入れて、何度もせり上がってくる快感の波に必死で耐えていた。
下肢から響く湿った音に、全身は火照りじっとりと汗が噴き出す。
目も眩むような快感に、唇からは絶え間なく熱い吐息と掠れた声が零れる。
フランスに肌をまさぐられて、こうして抱き合うたびに身体は酷く熱を帯び、いつも感じすぎておかしくなってしまうのだ。
やがて両脚が引き攣るようにぶるぶると震えだし、フランスはイギリスが快感をやり過ごそうと堪えているその様を楽しむかのように、さらにきつく唇で擦り上げ根元を支えていた指でわざと音を立てて扱いていく。
繰り返される愛撫の一つ一つが思考力を奪い、全身の神経は快感ばかりを拾って他のことを考える余裕もないくらい追い詰められていった。
そのときふいに、フランスの手のひらが汗ばんだ内股を優しく撫でた。
その動作はとても緩やかで、 我慢しないでイってもいいよ、 と言われているように思えて、ついにイギリスは耐えきれずに大きく身体を震わせた。
「んッ……あっ、ふァ、も、出るッ…、…」
普段のイギリスからは想像も付かないような、高くて甘い響きの喘ぎを漏らしながらフランスの口内に吐精する。
射精後の倦怠感にぐったりと身体を投げ出し、はぁはぁと荒く息を吐いて昂ぶりきった心と身体をなんとか落ち着けようとしたが、達したばかりで過敏になっているイギリス自身に、また彼の舌がねっとりと絡み付いた。
「んあっ…ぁ、……フランス…!」
休む間もなく与えられる刺激に逃げるように腰を引いて身を捩るが、フランスは先端から零れていた白濁の蜜を綺麗に舐め取ると、ぬるりとした舌の感触はそのまま下へと辿っていく。
その先は何度もフランスの熱を受け入れた場所で、固く閉じたそこを広げるように彼は尻の肉を両手で掴み思い切り左右に開いた。
こんなときでもなければ晒されることのない皮膚は薄く、外気が触れるだけでぞくりとした寒気を感じる。
早く彼のもので貫いて中を思い切り掻き回して欲しい、といやらしい願望ばかりが頭の中を巡って全身は再び熱を帯び、晒された後孔は忙しなくひくついて浅ましく反応してしまっていた。
広げられたそこにフランスの視線が注がれているのだと思うと、そんなことを求めているのだと知られてしまいそうな気がして、羞恥心でいっぱいになる。
けれどフランスはイギリスの心中などお構いなしに、何の躊躇いもなく舌先で後孔の周りをつつくように舐めて湿らせていく。
「そんなとこ、…やだっ……ゆ、指でしろよ、ばかぁっ…」
「んー……? い、や」
「な、っ…この、変態っ…!」
「変態で結構ー」
彼がしゃべるたびに吐息が過敏になっている皮膚をくすぐり、それにすら感じてしまう。
フランスに触れられることが叶ったのは嬉しかったけれど、受け入れる箇所を直に舐められるのは死にそうなくらい恥ずかしくて、何度されてもこの行為にはまるで慣れなかった。
嫌がるように腰を揺らして逃げようとしても、尖らせた舌先がぐ、と後孔内に侵入してくると、身体から力が抜けて抗うこともままならない。
彼の柔らかくて温かい舌は、言葉では表現出来ない奇妙な感覚を伴い、そこを濡らして蕩かせていく。
ぐりぐりと抉るような動きで少しずつ奥へと浸蝕していくのがわかって、イギリスは何とか止めようと掴んでいたフランスの髪を引っ張ったが、力の入らない手ではどうすることも出来ない。
そんな僅かな抵抗を試みていたイギリスの動きを決定的に止めたのは、たっぷりと唾液を注がれて濡れた後孔から舌を抜かれて、代わりに彼の硬い指が突き立てられたときだった。
ゆっくりと脆い粘膜を傷つけないように少しずつ、確実にフランスの指は内部へと埋め込まれていき、舌よりもずっと奥まで入ってくる感覚と、これから与えられるであろう快感に身体は勝手に期待に震える。
彼の長い指が付け根まで差し込まれたところで、イギリスは息を詰めて短く声を上げた。
「や、…あ、んっ、ふらん、すっ」
「ね…息吐いて、ちょっと力抜いてな」
優しく太腿を撫でられ、こくこくとフランスの言葉に何度も頷いたイギリスは、長くゆっくりと息を吐く。
身体から余分な力が抜けると彼の指がさらに奥に沈んで、中を擦り上げるように動くたびにイギリスの肩がひくり、と小さく震えた。
二本目の指を含まされると意図せず一気に肉襞がぎゅうっと絞られ、その先への侵入を拒むようにフランスの指をきつく締め付けてしまう。
するとフランスは少しだけ身を起こして薄く笑うと、腰の辺りで捲れていたエプロンをどろどろに濡らし、またも緩やかに屹立したイギリスの性器を口に咥えて、さっきよりも濃厚な愛撫を与え始めた。
尖端の小さな穴を舌先でなぞって吸い付きながら、何度も頭を上下に動かし唇で擦り上げられる。
イギリスは下肢の辺りでゆらゆらと揺れるねこ耳をぎゅうっと掴んだまま、彼の行為を受け入れようと両脚をより大きく開いた。
「ふっ…、ぁあ、……ん、く…」
フランスの口腔内を出入りする自分自身は、堪える間もなくすぐに硬く勃ち上がってしまい、どこを触れられてもどうしようもなく気持ちいい。
彼の好きなように翻弄されている自分はなんて不様なんだろうと思うのに、それ以上にもっとフランスと触れ合いたいという気持ちの方が大きかった。
先ほど達したばかりの身体は脱力し、フランスはイギリス自身を口内に含んだまま、体内に差し込んでいた指もゆっくりと抜き差しされる。
入口が弛んでしまえば、唾液で濡れたそこはスムーズに異物の挿入を受け入れ、容易に奥まで飲み込んでいった。
中を探る彼の指先が奥の膨らんだ箇所に触れた瞬間、イギリスの身体がこれまでにないほどびくん、と大きく反応する。
それによってフランスの口内に収まっていたイギリス自身の尖端からもトロリと先走りが溢れ出し、そこがもっとも感じる部分なのだとよく知っている彼は、内部がもっと柔らかく解れるまで舌と指を巧みに使って前後を攻め立てた。
フランスはイギリスのいいところを自分以上に熟知していて、彼に触れられて初めて性感帯だったのだと教えられたところも一つや二つではない。
充分に時間を掛けて三本まで増やされた指が抵抗なく入るようになった頃には、イギリスの目尻には涙の粒が浮かび全身を汗で濡らしていた。
指で開かされすっかり蕩けた入口は、繰り返された摩擦でじんじんと疼いてとても熱くて、フランスから与えられる快感を伴う刺激にもう何も考えられなくなっていた。
「イギリス、……もう、いい?」
いつものからかうようなふざけた口調とは違って、やけに甘く色のある声音が耳元で響く。
そんな声を聞かされたら嫌だなんて言えるわけがないし、言えたとしても最初から拒む気などない。
お前がどうしてもしたいって言うなら、しょうがねえからしてもいいぞ… と口に出したつもりだったが、実際に唇から零れたのは熱の籠もった吐息ばかりで、イギリスは彼の言葉にただ必死で頷いていただけだった。
そうしてイギリスが頷いたのを、問いに対する了承の意と取ったフランスは、中に突き立てていた三本の指すべてをそっと引き抜く。
ようやくもどかしい熱と圧迫感、そして時折電流のように走る快感から解放されたことにほっとするが、それは本当につかの間だった。
すぐに両脚を大きく開かされ高く持ち上げられて、散々フランスの指で弄られて小さく口を開けていた後孔が彼の目の前に晒される。
羞恥のあまり思わず下肢に目線を向けると、いつのまにか硬く反り返っていた生々しい色の彼の肉塊が視界に入り、イギリスのより大きいそれが肌に当てられた。
先端を手で支えて互いの体温を馴染ませるように擦り付けながら、捻り込むようにして入口の肉を割る。
フランスが自分の中に入ってくる感覚は、何度行為を繰り返しても慣れなくてイギリスの胸はどくどくと脈打った。
早くもっと奥まできて欲しいなんてそんなことは恥ずかしくて口に出せず、堪えるようにぎゅう、とシーツを握り締めると、フランスはその手を握って耳たぶに口付け囁く。
「シーツじゃなくて、お兄さんの背中に手回していいよ?」
「…、…フランス、…」
伏せた目を上げると、正面から自分の顔を覗き込んでいる青い瞳と目が合う。
彼の表情には酷く優しい笑みが浮かんでいて、イギリスの胸はきゅうっと甘い感覚に締め付けられるように疼いた。
そろそろと腕を上げるとフランスの首に緩く巻き付け、飽きもせず柔らかいねこ耳を撫でる。
「さっきから耳触ってるけど、そんなに気に入った? 前、自分で付けるのは嫌がってたのに」
微笑ってそう言ったフランスは、額に口付けて頬を擦り寄せてくる。
ざらざらした髭がちょっと痛い。
これがベッドの上でなければ暑苦しいことこの上ないだけなのだが、今はフランスと触れ合う体温は心地良いばかりだ。
けれどイギリスが彼のねこ耳を撫でながら答えた言葉は、相変わらず自分の気持ちとはまったく反対のものだった。
「……き、気に入ってなんかねえよばか…」
ぼそぼそと呟くとフランスはおかしそうに笑って、
「そうやってお前に撫でられるの、すごくきもちいいよ……気に入ってなくてもいいから、そのまま触ってて?」
とねだるような科白とともに吹き込まれた彼の吐息が、耳元の皮膚をくすぐる。
そのことにぞくぞくと身体の芯が震えて、言われるままにさらさらと手のひらから零れるフランスの髪とねこ耳を一緒に撫でた。
触れられることを嬉しいと思うのは、きっとフランスも同じなのだ。
彼は愛おしそうに瞳を細めてイギリスを見つめると、何度もキスを繰り返しながら自らの性器を宛がった後孔を指で広げる。
そのまま狭い入口を割って中に侵入するフランスの熱は酷く熱くて、繋がったところから溶けていきそうだと思った。
はぁはぁと荒く息を吐くと、互いの身体の間に挟まれ尖端から蜜を零してどろどろになっているイギリスの性器が、乱れた呼吸に合わせるようにふるりと揺れる。
それを彼の手のひらに握り込まれ、にちゃにちゃと音を立てて擦り上げられた。
「ふ、ふらん、すっ……」
「…ベッドから俺の匂いがして、興奮しちゃったんだ? 先に一人でするくらいなら、呼んでくれれば良かったのに」
「……だ、誰がお前なんかに、んなこと言うかっ…!」
フランスの手で触れられて全身を甘くとろかせているくせに、こんなときでもイギリスの反応は変わらない。
本当は彼に触れられることを望んでいて、望むとおりにこうして抱き合うことが出来たのが嬉しくて仕方がないのに、そんなことはやっぱり恥ずかしくて言えなかった。
彼はそんなイギリスの本心を見透かしたかのように、ニヨニヨといやらしく笑った。
「ほんっと素直じゃねえよなぁ、……俺にされるのを想像しながら、自分でここをこんなふうにしたんだろ?」
「ちが、…ぁっ、…あ、んっ…」
握られた性器の先端を軽く揉み潰され、イギリスは快感に染まったかわいい声を上げて、びくびくと身を震わせる。
どうしてフランスに触れられることはこんなに気持ちいいのだろう。
セックスのとき、イギリスから彼に何かしてやることはあまりないが、フランスも自分と同じように思ってくれているのだろうか。
探るように潤んだ緑色の瞳で見上げると、彼も僅かに呼吸を乱し、熱に溶けた艶のある笑みを浮かべていた。
それを見て自分だけがおかしくなるくらい感じているわけじゃないのだと思うと、安堵が胸いっぱいに広がって、指先に絡まるフランスの髪にキスをする。
すると彼もイギリスのこめかみや頬にキスを返し、張り詰めた性器を扱かれるのと同時に、突き立てられていたフランス自身も徐々に体内に押し込まれていった。
「ぁ、……だめ、ダメだって、…こんなの、……ん、あっ」
そう言ったイギリスの声は明らかに甘い色を含んでいて、だめという言葉が本心ではないことは明白だった。
素直になれないだけの照れ隠しのようなもので、彼もそれに気付いているから行為をやめようとはしない。
「イギリスのだめ、はいい、ってことだもんね? ……知ってるよ」
「…っ、ばかぁ!」
フランスは大きく腰を回しながら、ゆっくりと奥へと進めていく。
指なんか比べものにならない質量に貫かれ、先ほどから疼いて仕方のなかった肉襞は待ち望んだ熱を受け入れようと蠢いた。
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