SWEET for my SUITE/01






(注)フランス×イギリス(女体化)で普通に性描写があります。
そういうのが苦手な方はご注意下さい。































朝食が済んだ頃、胸ポケットに入れていた携帯がうるさく鳴った。
こんな朝早くから一体何事かと電話に出ると、 仕事のことで話がある、今すぐ来い、 と唐突にイギリスに呼び出され、フランスが返事をする間もなく電話を切られてしまった。
急ぎの用事なんてなかったはずだし、何の仕事か知らないけどそんなの電話でいいじゃん、と思いながらも、呼び出しを無視すると後が面倒なので、仕方なく彼の自宅へ訪ねて行った。
昼前にはつい十日ほど前も訪れたばかりの古びたイギリスの家に辿り着き、チャイムを押すとすぐに少しだけドアが開いた。
その僅かな隙間から顔を見せたイギリスは、挨拶もろくにしないうちに乱暴にフランスの腕を引いて家の中に引っ張り込む。

「よう、相変わらず元気そうで何よりだな」

イギリスの後についてリビングに向かいながらそう声を掛け、目の前を歩く彼に目線を向けたフランスは、全体的に丸みを帯びている後ろ姿を眺めてニヨニヨと笑った。
フランスがそんな妙な反応をするのは、今のイギリスは、イギリスであってイギリスではないからだ。
三ヶ月ほど前から、彼の身体にはちょっとした異変が起こっていて、フランスと同じくらいだった身長は少し縮んで、肩幅もやたらと薄っぺらくなっている。
平らなのが当たり前であるはずの胸も人目を引く程度に張り出していて、要するにイギリスは今、身体だけが女性のものになっているのである。
フランスがそのことを知ったのは、本当にたまたま、紛れもなくただの偶然であった。
話を聞けばこの珍事の原因は、イギリスの友達である妖精たちの悪戯らしいのだが、悪戯ならすぐに元に戻ると思っていた。
けれどあれからもう三ヶ月が経つが、未だ戻る気配がない。

「…ところでまだその状態なわけ? お前の身体、いつ元に戻るんだよ?」

「さぁな。普通に生活する分にはそんなに不便はねえし、あいつらも飽きたら戻すだろ」

あいつら、とは妖精たちのことだろう。
飽きたら、とは言うが、もう三ヶ月経ってんのになぁ、とのんきに構えているイギリスに呆れたが、妖精たちとは幼い頃から大の仲良しらしいから、本当に困ったときにはすぐに元に戻してもらえるのかもしれない。
それにしてもこの姿じゃ思うように外出も出来ないだろうに不便ではないのだろうか、とさすがに少し心配になるが、当のイギリス本人がまったく気にしていない様子なので、いちいち自分が口を出すことでもない。
まぁいいか、と気を取り直して用件を問う。

「で、今日は何の用? 仕事って言ってたけど何か急ぎのものとかあったっけ?」

「あぁ、別に急ぎってわけじゃねえけど、この前頼まれてた会議の資料が出来たから確認してくれ。そこ、座っていいぞ」

ソファに目線を向け座るよう促され、会議の資料なんか朝から呼び出すほどのことでもないよなぁ、と思いながらフランスが腰を下ろすと、なぜかイギリスも隣に座った。
あれ? なんで隣? いつもは向かい合って座るじゃねえか、と訝しげに隣を見やるが、彼は普段とまったく変わらない態度でテーブルに資料を広げている。
イギリスはその中の付箋がいくつもついたページを開いて、フランスに手渡してきたので隣に座った方が見やすいからかな、と単純に考えて差し出された資料を受け取った。

「とりあえずこういう感じでまとめたけど…どうだ?」

「ん…、あぁ…いいんじゃないの。でもこの統計はもう少し下の方が見やすいかなぁ…」

イギリスの方に資料を傾け紙面を指差すと、それを覗き込むように身を寄せてきて、彼の手のひらがフランスの太腿に置かれた。
彼の方から触れてくるのはめずらしいことで、…しかも仕事の話の最中だったのでフランスは余計に驚いたが、イギリスの目線はきちんと資料を追っていたので、単に手を置くのにちょうどいい高さだっただけ…かな…、うんそうだよな、そうに違いない、とやましい考えを頭の隅に追いやる。
しかしフランスの思いを裏切るように、触れた彼の手のひらがそろそろと太腿を撫で回し始めた。
その手の動きには少しばかり煽られたけれど、今は一応仕事中だし、うっかり手を出して 「そんなつもりじゃねえ」 と殴られでもしたら目も当てられねえよ、と思いイギリスの細い手首をやんわりと掴んで止める。

「…なーに、くすぐったいんだけど」

軽く咎めた途端、イギリスはいきなりフランスの膝の上に跨って、正面から向かい合うようにして抱き付いてきた。
驚くより先に彼の唇が自分のそれに重ねられ、ちゅ、と小さく音を立てて何度も触れ合わせてくる。
仕事で呼んだんじゃないのかよ、と思いつつ、今日のように不自然な呼び出され方はおかしいと思っていたので、そこは突っ込まないでおく。
現に今聞いた資料の話もFAXや電話で十分やり取り出来る内容だったし、仕事というのはフランスを呼び出すための口実だったのだろう。

「…したいの?」

ストレートな問いにイギリスは答えず、首筋に柔らかく噛みついてフランスのシャツのボタンを外すと、首から鎖骨に唇が降りて胸へと順に辿っていく。
跨っていた膝の上から下りたイギリスは床の上に座り込み、足下に跪くとズボンの上からフランスの下肢に手のひらを這わせた。
指と手のひら全体を使って揉むようにさすられるとそこは徐々に熱を帯び始め、反応があることを確認するなり、彼はベルトやボタンを手早く外してズボンの前を開いた。
イギリスはくつろげたところから指を差し入れ、無遠慮に下着の中にまで手を突っ込んでくる。
そしてそのままフランスの性器を取り出して軽く扱くと、躊躇うことなくその先端を口に含んだ。
彼の方から触れてきたことで、こういうことになるんだろうとわかっていたのでもう驚きはしないが、性欲を満たしたいだけならその相手は他にいくらでもいるくせに、なんだってわざわざ自分を呼び出すのだろう。
理由は聞かなくても察しがつくが、それをイギリスの口から聞けたら海を越えてきた甲斐もあるというものだ。

「あのさー……もしかしてこのために俺のこと呼んだわけ?」

「どうせ暇なんだろ」

さらっと答えた言葉が否定ではなかったことに苦笑した。

「暇じゃねえよ。でも他にも遊んでくれる奴らがいるのに俺を呼んだのは、俺とするのが一番いいからなんでしょ?」

「うるせえな、噛み千切られたくなかったら黙ってろ! わかってんならいちいち言うんじゃねえよバカ」

こいつなら本当にやりかねない、と背に冷や汗を滲ませたフランスは、言われたとおりに口を閉じる。
下肢に顔を埋めているイギリスの髪を撫でると、彼は再びフランスのものに唇を押し当て、舌先を尖らせて窪んだ部分を抉るように舐めていく。
ときおり音を立てて吸い付いて、彼の口内に収まった自身の熱はあっというまに硬く勃ち上がった。
イギリスは先端を口に含んだまま根元に手を添え、手のひらで包んで上下にきつく擦り上げられると、尖端の小さな穴からぬめった先走りが零れ出す。
それは唾液と一緒に彼の手のひらを濡らし、動かすたびに湿った水音を室内に響かせた。
一体どこで覚えてきたのか知らないが、イギリスの口戯はフランスが知るどの女よりも巧みで、いつも簡単に限界まで追い詰められてしまう。
加えて今日はゆっくりと丁寧な愛撫ではなく、早く欲望を吐き出させようとしているかのように、性急に手と舌を動かして射精を促している。
それを何度も繰り返されるとフランスは短く息を詰め、イギリスに咥えられたまま達すると、そのまま温かな口内に思い切り精を吐き出した。

「あー……ごめん」

「…ふぁ……、…あ…」

少しも悪いとは思っていないが一応口に出したことを謝ると、イギリスは構わずに小さく声を上げて放たれた白濁をすべて飲み下し、フランスのものから口を離して、床に膝をついたまま上目遣いで見上げてくる。
頬を上気させた物欲しそうな表情をしたイギリスと目が合って、その劣情に潤んだ瞳を見つめ返してやると彼は身に付けていたセーターを床の上に脱ぎ捨て、フランスの隣に座り直した。
ぴったりと互いの身体を密着させるように身を擦り寄せながら、彼は自らシャツのボタンを外して胸元をはだけたので、フランスはその大きく開いたシャツと肌の隙間に手を差し入れた。
柔らかな乳房をそっと揉みしだくとそこに指がめり込み、掴んだ指の間から零れ落ちんばかりに揺れる。
ボタンをすべて外して肩口からシャツを脱がし、上半身が露わになるとフランスは大きな手のひらで胸の膨らみを好きなように歪め、緩やかな愛撫を施しながらイギリスの唇を塞ぎ、ソファの上に組み敷いた。

「ん、…ぅあ、ぁっ」

息継ぎの合間に零れる声も奪い、舌と舌を擦り合わせ食むようなキスを繰り返し、フランスの唇は首筋を辿り、鎖骨に軽く歯を立てる。
やがて色づいて硬く勃ち上がっていた両の乳首を舌と指で転がし、すっかり硬くなったそれを吸い上げて優しく噛みついてやると、ひくひくとイギリスの腰が揺れた。
ベルトを引き抜きズボンのボタンを外すと、見慣れた男物の下着が現れてフランスは大きな溜息を吐く。

「相変わらず色気ないなぁ…」

ぽつりと漏らすとイギリスは薄く微笑って唇を重ねてきた。
イギリスの身体がこうなったことを知ってすぐ、フランスは付き合いのある女性に頼んで女性用の下着や衣類を用意してもらったのだが、彼に渡したその場でこんなもん着れるかと燃やされた。
なんてことしてくれてんだ、こいつ……とは思ったが、服はまだいい。
事情を知らない者が見たらおかしな趣味に目覚めたと勘違いされかねないし、それはあまりに憐れである。
けれど下着くらいはどうにかしてほしいのが本音で、フランス的にセンスゼロのユニオンジャック柄はとにかく萎えるなんてもんじゃない。
俺に会うときだけでもなんとかなんない? とお願いしてみたが、イギリスは鼻で笑って なんで俺がてめえに気を遣ってそんなことしなきゃなんねーんだよ、それに女物は小さくてなんか落ち着かねえ、 とふてぶてしい態度で答えた。
確かに女性用の下着は男物に比べたら布の面積は1/2程度だし、そもそもフランスが用意したものは1/2どころか1/3しかないような下着だった。
じゃあせめてユニオンジャック柄は勘弁して下さい、本気で萎えるから、と頼み倒したところ、なんとかそれだけは譲歩してくれたが、そんなめんどくさいこと言うのお前くらいだ、と余計な一言を付け足された。
めんどくさくてすいませんね、俺は他の奴らと違って雰囲気を大事にするタイプなんですー、と拗ねたように言うと、イギリスは やっぱめんどくさい奴、 と可笑しそうに呟いて、宥めるように何度もキスをして過剰なまでに奉仕してくれた。

そんなやり取りがあったのを思い出しながら、やはり女性の身体に男物の下着なのはどうしても気分が盛り下がってしまうので、フランスはその色気のない下着をズボンとまとめてさっさと脱がせた。
空いていた手を下肢に滑らせるとイギリスの秘部はもうしっとりと濡れていて、フランスを受け入れる準備が出来つつあることを知らせている。
イギリスの両足を抱えて左右に大きく広げると、熱く熟れた襞を捲りぷくりと膨れた小さな肉芽を捏ね回すように指の腹で擦る。
すぐにぬめった粘液がじわじわと溢れ出し、フランスの指を濡らした。
声にならない吐息が零れると、イギリスは羞恥に染まった表情を隠すように顔を背けた。
指で濡れた割れ目を開き、弛んだ入口に挿し込んでぬるぬると滑る肉壁を擦り、そのままそっと中を掻き回す。

「…ぁっ、…んん、…」

暴走する熱を自分の意志では抑えられないのか、イギリスが堪えきれずに短く喘ぐと、フランスの指はますます卑猥な動きで攻め立てた。
受け入れる箇所がすっかり柔らかくなったのを確認して、指を抜き取ったフランスは間をおかずに再び屹立した自らの性器をそこに宛がった。
フランスが動きやすくなるように、イギリスは大きく開いた自らの両足の膝裏を手で押さえると、柔らかく解れた肉襞が熱く脈打つフランス自身を何の抵抗もなく根元まで受け入れていく。
セックスのとき、イギリスの態度はいつも必要以上に協力的だった。
フランスの熱を体内に感じると身体の芯がじくじくと疼き、もどかしく燻る熱に呵まれて我慢出来なくなってしまうらしい。
意外とかわいいとこあるんだよなぁ、と思いながら、フランスは情の籠もった瞳で見下ろし唇に口付けると、緩やかに腰を動かして浅く突き上げ始めた。

「っ…、あ…」

馴染んだ熱で肉壁を擦られる感覚に堪えきれず小さく喘ぐと、中を出入りするフランス自身が徐々に勢いを増し、奥まで深々と貫かれる。
その質量はさっきまで咥え込んでいた指とは比べものにならず、与えられる快感もより大きなものだった。
結合部から溢れ出た蜜が湿った水音を響かせ、激しい抽送を繰り返すフランスの律動を受け甘い鳴き声を上げる。
きゅう、ときつく締め付けてくる濡れた内壁を擦り、何度も奥まで突き入れながら、フランスは脚を押さえていたイギリスの手を取って、指と指を絡ませるようにして強く握った。
中を灼く熱に身体だけでなく意識までも溶けて、イギリスはただ快感だけを求めてなりふり構わず縋り付いてくる。

「もういきそう…? いいよ、……俺も、…」

「ぁっ、…ァッ…だめ、ふぁ、っあ、フランスっ…!」

きつく目を閉じて、力強く突き入れてくるフランスの肉塊を最奥まで受け入れた瞬間、イギリスは強烈な刺激に抗えず大きく身体を震わせて達してしまう。
ひくひくと下腹部が揺れ、波打つように蠢く熱い肉襞が奥まで貫いた性器を包み、締め上げてくる感覚は快感以外のなにものでもなく、フランスも荒く乱れた息を吐いてイギリスの中に熱い迸りを散らした。
熱の籠もった呼吸を吐きながら、ぐったりとソファにもたれ掛かり脱力した身体を抱き起こし、あちこちに跳ねているぼさぼさの髪を撫でてやると、イギリスは甘えるように汗ばんだ身体を擦り寄せてきた。
……かわいいけれどなんともおかしな感じだった。
まるで恋人同士の睦み合いのようにも見えるが、フランスとイギリスは恋人どころか付き合ってすらいない。
ほんの三ヶ月前までは、イギリスのことは恋人以前にセフレすらありえないと思っていたはずなのに、今ではたまに顔を合わせたときにはベッドに傾れ込むような仲になってしまっていた。
顔を合わせなくても、彼がその気になれば今日のように呼び出されて抱き合うこともある。
そういう大人の付き合いをする相手は今までに何人もいたけれど、イギリスがそういう対象になるなんて考えたこともなかったのに、一体この状況はなんなのだろう。

(…まぁでも悪くないんだよなー、こういうのも…)

いつもは顔を合わせるたびに罵り合い殴り合いが当たり前なのに、抱き合っているときのイギリスは酷く素直で従順だった。
そういうところははっきり言えばかわいいと思うし、悪い気もしない。

「ね、キスしていい?」

「………ん」

縋り付く彼の耳元でそう囁くと、顔を上げたイギリスは自分から口付けてきた。
舌を潜り込ませ、角度を変えて何度も唇を重ね合わせてくる。
百年戦争したりケンカばかりしていたのが嘘みたいに、セックスの後は甘ったるい空気になるのは妙な居心地の悪さのようなものを感じてしまうのだが、今さら彼とそういう雰囲気になるのが少し気恥ずかしいだけで、決して嫌なわけではない。
唇を擦り合わせ、舌と舌を絡め合う深いキスをしながら、フランスはイギリスとこんな関係になるきっかけである三ヶ月前の出来事を、ぼんやりと思い返していた。





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