ずっと俺のターン!!(U.K.ver)/05
このままいかせてやってもいいのだが、今日のイギリスには何をしても許されるだろうという確信がフランスにはあった。
それくらいデレてる彼は素直で従順だ。
滅多にないことなのだから、もう少しだけ可愛らしくデレているイギリスを堪能したいと思うのも当たり前のことだった。
「ねえ、もっといいことしてやろうか?」
熱のこもった声でそう言ってやると、イギリスは小さく身体を震わせる。
もう後孔をめいっぱい開かされてフランスを受け入れているのに、これ以上にいいことなんてあるのだろうか。
イギリスは昔から友達の一人もろくにいなくて、こうして触れ合うこともフランスが初めてだった。
これまでにフランスがしてくれたことしか知らないのだ、イギリスがまだ知らない いいこと があってもおかしくはない。
それがどんなことなのかを知りたいのが本音だったが、普通に肌を重ねるだけでも未だに慣れなくて恥ずかしいのに、それよりもっといいことなんてされたら羞恥で理性が焼き切れてしまうかもしれない。
そう思いながらもどくどくと心拍数が上がっていくのは、未体験の行為に対する期待で胸が震えているからだ。
ベッドの上でのフランスはいつだってイギリスに優しかったし、乱暴に扱うような真似はしないことも、知らないことを教えて欲しいと思える理由だった。
生まれてからずっと何百年もいがみ合って争って、戦場では殺し合いだってした。
それなのにこういうときはひたすら優しくて気持ちいいことばかりしてくれるから、イギリスは抗うことも忘れてフランスに身を委ねてしまう。
そしてそれは今日も例外ではなく、イギリスは鼻先をフランスの肩に擦り付けてぽそぽそと小声で答えた。
「……勝手にすればいいだろ、……」
「いいの? ほんとに?」
フランスがこれからイギリスにしようと思っていることは、普通のセックスではしないような行為だ。
もちろん気持ちよくしてやれる自信はあるけれど、一応彼の口から言質を取っておきたくてもう一度確認する。
「勝手にしろって言ってんだろっ、…で、でも別にして欲しいわけじゃ、ねえからなっ、…」
何度も言わせるな、と肩口に埋めた顔は短い髪の間から見えている耳と同じく、真っ赤に染まっているのだろう。
して欲しいのに素直に言えない天の邪鬼な答えだが、付き合いの長いフランスは彼の答えを正確に捉えていた。
イギリスの本当の答えを知りながら、はっきりした言葉を聞きたくてあえて逆の意味で問う。
「うーん……したいわけじゃないのかぁ……お兄さん無理強いするのは趣味じゃないからなー……じゃあやめよっか?」
意地悪な科白に、イギリスはびく、と肩を揺らした。
案の定赤くなった顔を上げて、フランスの様子を窺っている。
何か言いたげにイギリスの唇が緩んだが、彼が自分からやっぱりして欲しいなんて言い出せないことはわかっているし、あまり虐めて本当にしたくないと言われるのも困る。
イギリスが抵抗なく本音を出せるように、言葉を選んで再び問いかけた。
「したくないならそう言っていいよ。でももししてもいいって思うなら、頷いてくれる?」
「……………」
目線を合わせてじっとイギリスの翡翠の双眸を見つめていると、彼はしばらく逡巡した後小さく頷いた。
ただ単に「もっといいこと」に興味があっただけかもしれないが、イギリスがフランスのしたいことを受け入れてくれたことが何より嬉しく思えた。
お礼代わりに唇を重ね甘く噛んで、繋がっているところを指先で撫でてくすぐると、結合部がぎゅう、と締め付けられる。
続く行為を催促されたようで、これは是が非にも期待に応えてやらなきゃなぁ、とフランスは緩やかな律動を繰り返しイギリスの身体を揺さぶりながら、ベッドサイドに備え付けてある綿棒の入ったケースに手を伸ばす。
「これ……、何かわかる?」
耳元に唇を寄せてそう声をかけてやると、虚ろだったイギリスの瞳に光が戻る。
フランスの手にある白くて細い棒を見た途端、訝しげに眉を顰めた。
「何、だよ……、それ」
「ん? 綿棒だろ」
「…それは見りゃわかんだよ…。それを、どうするつもりだって聞いてんだ…」
答えは与えずによによ笑うと、フランスの手に握られている白い綿棒が目の前でゆらゆらと揺れるのを見て、イギリスはそれが自分にとって良い使い方をされないものだと思ったらしく熱に蕩けた瞳が潤む。
何をされるのかわからないことに怯えているのか、彼はフランスと繋がったままなのに何とかベッドから起き上がろうと藻掻き始めた。
フランスは咄嗟にイギリスの腰を掴んで、緩やかだった抽送を突然激しいものに変えると最奥まで突き入れる。
この状態で本気で逃げられるなどと思ってはいなかっただろうが、イギリスの僅かばかりの抵抗は徒労に終わった。
「大人しくしててよ、いいことしてやるって言っただろ?」
言いながらフランスはちょうど半分くらいの量のワインを残したまま、サイドテーブルに置いていたグラスを近くに引き寄せ、手に持っていた綿棒をその中に突っ込んだ。
グラスの中の液体を掻き混ぜるようにして、綿の部分にしっかりとワインを染み込ませる。
イギリスはその行動を恐る恐る眺めていたが、まだフランスがその綿棒を何に使おうとしているのかはわからない。
グラスから引き上げた綿棒は、ワインを吸ってふやけたように膨張し、赤紫色の雫がポタポタと滴り落ちた。
フランスはにやりと笑って、その綿棒をイギリス自身の先端に当て薄い割れ目を擽り、濡らしていく。
熱を持っていた部分への冷たい刺激に、イギリスは一瞬だけ身を竦める。
まるで消毒でもされているような感覚に違和感を覚えながらも、何をされるかわからず怖い想像をしていただけに なんだこれだけか、 と浅く安堵の息を吐いた。
しかし次の瞬間、濡れた綿棒の先が尖端の小さな穴に宛われ、いきなり押し広げるように突き立てられた。
「痛っ…、痛い、バカ! や、…」
「ちょっとだけ我慢して。痛いのは最初だけだから」
フランスは痛みに全身を強張らせたイギリスの額にキスを落とす。
無理に挿入することはせず、イギリス自身を扱きながら先の穴が自然に開くように、綿棒の先でつついて少しずつ差し込んでいった。
同時にイギリスの中を貫いている熱も、ゆっくりと抽挿を再開する。
そのまま律動を早めていくと、肉襞を擦り上げられることで彼の身体はどんどん熱を帯び、前と後ろから与えられる刺激に堪えきれなくなったのか、目尻から涙の粒が零れ落ちた。
フランスはイギリスの下肢に伸ばしていた手で重く張り詰めた袋ごと屹立した性器を扱いてやると、綿棒を当てていた射精口はひくひくと収縮を繰り返し開きかけている。
べたべたに濡れた尖端を指で摘んで固定し、挿していた綿棒をグッと押し込んだ。
「あ、ぅ、…だめだ、それ…!」
綿棒を差し込まれた瞬間、そのあまりの衝撃にイギリスはビクッと大きく身体を震わせて、フランスの背に回されていた腕がぎゅうと締められる。
指先に力を込めてしがみつかれたせいか、さほど伸びていないはずのイギリスの爪が肌に食い込んで痛い。
背中が引っ掻き傷だらけになる前に楽にしてやろうと、強張った彼の身体を抱き締めて目尻に溜まった涙を吸い取った。
「ほら……もう入っちゃったし、力抜いてな」
「…フランス…っ、なんか、俺、ヘンだっ」
羞恥のためかイギリスは朱に染まった顔を歪めたが、綿棒の膨らんだ綿部分が入ってしまうと、あとは軽く押してやるだけでそのまま奥へと沈んでいった。
そこに異物が突き刺さっている感覚は何とも言いようのない苦しさがあり、じんじんと痺れにも似た痛みとも疼きともつかない奇妙な感じと不快感しかない。
「やだ、これ、…やだって…!」
慣れない行為が辛いのか、むずがる子供のように頭を左右に振って泣き言を漏らすイギリスに、フランスは宥めるように優しく髪を撫でてやる。
固く閉じた瞼にそっと唇で触れ、フランスは突き立てていた綿棒をゆっくりと上下に動かし始めた。
潤滑油代わりにワインで綿棒を湿らせたが、さっき一度達したせいかそこはまだ奥に精液が残っていて、ワインの水分など必要ないくらい潤っている。
尖端の小さな穴を綿棒で抜き差しするたびに、ワインと混ざり合って泡立った粘液がトロリと溢れ出た。
それを何度も繰り返されると最初は苦しいだけだった穴を塞ぐ感覚が、少しずつ今まで経験したことのないような強烈な快感にすり替わっていく。
「ん、ぅ、…っ…ふぁ…」
苦痛に歪んでいたイギリスの表情が、徐々に熱に浮かされたような艶めいたものに変わる。
もう痛みはほとんど感じていないのか、背中に立てられた爪からも力が抜けていた。
「…イギリス…、まだ痛いだけ? その割りにここはずっと勃ったままなんだけどなぁ…」
綿棒を小刻みに動かしながら、耳朶に歯を立てて意地悪くそう言って、熱い吐息で過敏になった彼の皮膚を擽る。
イギリスはフランスの言葉はかろうじて理解しているようだが、答える余裕はないのか眉間に皺を寄せて荒い呼吸を吐くばかりだった。
「なあ……どうして欲しい? お兄さん今日はお前の言うこと何でも聞くって言っただろ?」
「っ…うるさいばかぁっ! てめーは、っ…どんだけ変態なんだよっ…!」
言うことを何でも聞くと言った以上、イギリスが本当に嫌がってやめろと言えばやめてやるつもりだったのに、声を上げるのも精一杯な中ようやく発した言葉はいつも通りの悪態で、それは彼が拒否することを放棄したのも同然だ。
自分のすることを受け入れてくれることが嬉しくて、イギリスの劣情に揺らめく双眸を見つめ返したフランスは思わず口元を緩めた。
もっともイギリスの方は今頃きっと、ダブルの部屋まで取ってフランスが訪ねてくるのを待っていたことを後悔しているかもしれないが。
初めて経験する快感を必死で堪える姿態を眺め、これ以上虐めるのはやめておこうかな、とフランスは満足げに微笑むと律動を早めた。
卑猥な水音を立てて体内を出入りするフランスの熱が奥深くに当たって、甘ったるく掠れた声はもう抑えられないのか、イギリスの戦慄く唇から次々に零れてくる。
きつく締め付けてくるイギリスの肉壁を擦り上げながら、どろどろに濡れた性器に差し込んだままの綿棒も一緒に動かすと、まるでその刺激を待っていたかのように彼の身体が震える。
「…、やっぱりお前って…」
お兄さんのこと大好きだろ、と吐息が触れるほどの至近距離で囁いた。
するとその勝手な言動に言い返す代わりだろうか、せめてもの仕返しにとイギリスは力の入らない手でフランスの前髪を掴むと、顔を上げて唇に噛み付くように口付けられた。
続きをねだるような彼のキスに応えるように、フランスはさらに深くまで突き入れる。
「はぁっ、ァ……、ん、ぁあっ!」
ひときわ高い声が上がった直後、びくん、とイギリスの身体が大きく跳ねて、一瞬息が止まったかのように硬直し、すぐにがくりと脱力した。
少し遅れてフランスもイギリスの中に白濁を散らし、前に突き立てていた綿棒もズルリと引き抜いた。
「あ、……」
栓の役割をしていた綿棒が抜かれた瞬間に、堰き止められていたワイン混じりの精液が止めどなく溢れ出る。
抜いたときのイギリスの声がやけに名残惜しそうに聞こえたけれど、さすがにそれは都合が良すぎるかな、と苦笑いを浮かべた。
フランスは腹の上に飛散した白濁を指先で掬って、 ワインの味する? とぐったりとしているイギリスの唇に塗り付けると、彼は心底嫌そうに眉を顰めて顔を背けた。
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