・テーマ:「レイユリ盛り」「重唱」
泣かされおっさんと、いじめっ子ユーリによる、イチャついてるだけのレイユリです。
レイユリです。
大事なことなので二度いi(ry
大変ガチでR18です。閲覧は自己責任でお願いします以下略。
腰へ回した腕を解き、レイヴンはするりと目の前の襟へ指をかける。
自分を抱き込むようにしているユーリの両腕から伝わる体温をやや照れくさいと感じながら、その熱が自分の欲を煽るのを自覚してレイヴンは勢いのまま身頃を押し開いた。
腰に残った帯がわずらわしいのか身じろぐユーリの無言の求めに、吐息だけで笑って結び目へも手をかける。
するり滑らかな肩から黒い衣服が落ちていくと、至近距離の肌が予感を覚えてか半瞬粟立った。
「…調子に乗るんじゃねぇぞ?」
「だって、さっきおっさんを泣かせたのって、青年じゃない。
これって、そういう埋め合わせでしょ?」
14も離れた相手からの仕打ちとは思えないし、それだけ年上の自分がこの有様というのは情けないとも思いはするが。
時折、青年の精神的な揺さぶりに負けて、マジ泣きする、ことがあ……。
「おい…。おいおっさん、また墜落していってんぞ」
「…うう、負けない」
二度背中を叩くユーリにぼそぼそ呟き、むき出しの白い肩口に額を乗せる。
そのまま鼻を擦り付けるように唇を下ろして、曲線を描く鎖骨は指だけで触れた。
「ねぇ青年」
「んだよ」
「キスしたい」
「…断り入れるってことは、拒否られるのも覚悟してるってことだよな」
「…おっさんまた泣くからね?!」
「ったく、……ほら」
レイヴンが顔を上げると、面倒そうな声音と裏腹に唇が弧を描く。
微笑む形のそれにわざと音を立てて吸い付いた。戯れるように唇を舐め、忍び込んで深みを攫えば、間もなく甘く呻きが滴り落ちるように零れ始める。
「ん……ふ、あ…んん…、んぅ…」
「…ん、ユーリ…」
「ば、かやろ…んん、まだ、触ん…っ、……あ、ふ…」
甘やかすような口付けに弱いことを知ったのは、いつだったか。
いつもしゃんと背中を伸ばし毅然とした態度で歩くユーリの別の面を垣間見て、言いがたい独占欲を刺激されたのは言うまでもなく。
キスだけ。
たかがキスひとつ。
そう思った当初に、長いキスの後、腕の中でくず折れてしまったユーリにいたく感動と欲を覚えて――経験の浅いユーリを思う存分……えー、いただいてしまって以降、多少、いや随分頭があがらない。
「……レイ、ヴ…。……」
息継ぎの合間、名を呼ぶ声に我に帰りやや距離をとろうとして、
「あ………」
切なげな響きにまた心臓が止まりかける。
羽織の袖を掴む手が、縋るように頼りなく布地を握りなおす。
潤んだ黒瞳を覗き込めば、そのままの熱でぎりっと睨まれてつい相好を崩しかける。
「くそ……っ、さっき泣かせてたのはオレだったってぇのに…!」
いえ、そのように悔しそうにおっしゃいましても。
「じゃあ…ええと、またおっさん泣かせんの?」
つい、口をついて出た言葉に自ら慌てて口を覆う。
濡れた瞳がきょとりと瞬いて、
「いいなそれ」
悪戯を思い立ったような瞳で、にやーりと浮かべた笑みは迫力満点。
「え、ちょ!」
「うるせぇ、黙ってそこに寝ろ」
「あの、おっさん何され」
「話聞いてたろ。泣かせてやる」
「おおおおい! ちょっとーー?!」
言いながら自分の下穿きをさっさと脱ぎ捨てるその姿の、男前なことときたら。
顔色を変えて抗議する間には、もうシーツの上に勢い良く転がされてしまう。肘を突いて慌てて起き上がるが、手早く腰紐を緩められて勃ち上がりかけものを引き出されていた。
ユーリの白い掌の中にそれがあるというだけで、じわりと熱が溜まる。
指を絡めただけでぐぐっと硬さを増した雄に、ユーリの目が細くなった。
「ふーん…」
「ちょ、せいね」
「動くなっての」
声に面白がる響きが含まれているのは気のせい……、
(じゃないわよねやっぱり!)
居心地悪そうに身じろぐレイヴンに、ユーリは一度小さく喉を鳴らして笑う。
嫌味なく響いたその声にどこかほっとしながら、レイヴンの視線はユーリに釘付けだった。
唇を一度舐めると、ユーリは長い髪を耳にかけながら熱を帯びた性器に唇を寄せる。目を閉じて食むように唇で含むと、舌を絡めながら肉棒を咥え込んでいく。
「ん……っ」
同性であるがゆえ以上にレイヴンの悦いところを知っている舌が、指が、丹念にそして容赦なくソコを刺激する。
とうに濡れきった唇が自分のそれをしゃぶっているだけで、煮立ったような熱が高まっていくというのに。
「…っ、こ、ら、せいねんっ、たら!」
「ふ、んぅ……、なん、だよ。イイんだろ?」
乱れた呼吸のまま苦情を口にすれば、自分の先走りでてらり濡れた唇を吊り上げて、ユーリが視線を向けてくる。
その、上目遣いが。
「〜〜〜っ、凶悪、なんだから!」
「へぇ、そりゃどーも」
笑った黒瞳はこちらに固定したままで、見せ付けるように裏筋を根元から舐め上げると、レイヴンの視線を意識したまま目を閉じ水音を立てて亀頭に吸い付いた。
それも、二度三度と。
「くぅ……っ、なんで、そんなに、おっさん苛めて楽しがるかなぁ?!」
「ん……、あんたのオレへの反応見てると、ついな」
指の動きは止めないままで、ユーリが呟きを漏らす。まさか答えが返るとは思わず…レイヴンはゆっくり瞬いた。
「他のことには、へらへら似たような反応のクセに…」
「くせに?」
「………いや、べつに」
注がれる視線の色に初めて気付いたように、ユーリの頬が一気に染まる。
目を逸らし動きの止まったユーリに、たまらなくそそられて、レイヴンは腕を伸ばし――
「ぎゃっ!」
強く握りこまれて思わず悲鳴を上げた。
「動くなっつの。オレがやってんだから」
「なんか、おっさんが襲われてるみたい、じゃないのよっ」
「なんか間違ってるか?」
再びの苦情は、ユーリに深く呑まれた雄と同時にそれぞれの喉の奥へと姿を消す。
「ちょっ、……もう、いいってユーリ!」
引き剥がそうとする手と切羽詰った声に返った反応は、鈴口を抉る舌ときつい吸い上げ。
「〜〜っ!!」
ユーリの口の中で果てながら、レイヴンはどうやったら立場逆転できるのかしら…と、誰にも漏らせない呟きを飲み込みガクリ肩を落とした。
「あ、悪ぃおっさん。あんたの服少し汚しちまった」
「ん? ああ…知ってるからいいわよ」
軽い虚脱感とともに頷けば、「あっそう」ぶっきらぼうな声が応える。
レイヴンのものを咥えながら、時折――ユーリが自分の足の上で腰を擦り付けるように揺らめかせていたことは知っていて、それもまた盛大な燃料だったのだから。
人のことは散々に煽っておいて、自分が煽られていることに触れられるとこうだ。
(まあ、そこも可愛いっちゃ可愛いんだけど…)
「さて、と。本番に行きますか」
「あーもー、青年の好きにしてちょうだい…」
「じゃあ、搾り取らせてもらうぞ」
「……お手柔らかにね〜」
口ではどう言おうとどんな状況だろうと、自分の熱が下がり切っていないのも事実だ。そもそもユーリに逆らえるはずもない。
まだ硬いままのレイヴンを指で緩く扱くユーリの腰に手を伸ばす。
「さすがに、慣らさなきゃでしょ?」
「なんのために、あんたのを準備してたと思ってんだ」
…あ、そういう意味もありましたか。
ああうんそうね、と曖昧に呟く合間には、ユーリはもうレイヴンの腰の上にまたがっていた。
後ろ手にレイヴンの肉棒を掴み、もう片手で身体を支えるとユーリが目を閉じる。
吐いた息が熱を帯びているのは、先の期待ゆえか。
「ん……っ」
長く息を吐きながら、ユーリが先を飲み込んだ。
「あ、ああ……」
震える濡れた手がもう一方の手に習い、レイヴンの腹の上で身体を支える。圧迫感にか辛そうに眉を寄せ、それでも止まることなく腰が降りていく。
ぐいぐい呑まれる感覚に息を乱しながら、ユーリの余裕がないのをいいことにレイヴンの手がユーリの腰に改めて伸びた。
「あ、さわ……、んく…っ」
「お手伝い、だけよ」
二人分の弾む息とかすかに聞こえる粘着質の水音が、否応なく部屋の空気を改めて淫靡に染める。
「っ、ぅあっ!」
ズッ、と最後は自重で呑みこみ、ユーリの身体が反射的に強張った。
苦痛に一瞬歪んで――でもすぐに違う色に塗り替えられる表情は、レイヴンの欲を掻きたてて止まない。
「あ…、また……変わって、る」
「だって、ユーリの中が悦くてしょうがないのよ」
「は、は…ったく、……正直なのは、いいけどな」
目元、耳朶に沿うように色づく肌が、しっとりとレイヴンの掌に馴染む。
また叱られるのも、と迷いながら腰にかけたままの手をどうしたものかと思っている間に、ユーリの身体が動いた。
白い手が腹の上で体を支えて、浮いた腰が再び落ちる。
「っあ………っ、く……っ」
甘い喘ぎ声と共に裡が収斂して、レイヴンの雄を強く刺激する。
たまらずレイヴンも呻きを漏らす。繰り返し起こる締め付けに思わずレイヴンの顎が浮く。
そのうえ、下から見上げるユーリの媚態ときたら。
「う……っ」
「は、はは…、ぁ……っ、どうだ、よ、お…さん」
「〜〜〜〜っ、お叱りは」
「は……、ぁ?」
「後で受けるからねっ」
潤んだユーリの瞳がぼうっとレイヴンを見て――驚きに見開かれる。
「な、なにす……、うあっ?!」
突然腰を掴んだ両手が、ユーリを持ち上げ引き落とす。それに合わせるように鋭く突き上げられて、ユーリはひっと息を呑んだ。
「あ! ばか、やめ!っふあああ!!」
逃れるようにレイヴンの腕に手をかけようとするものの、その度抉るように突かれてユーリの声が止まらなくなる。
「やめ、っ! あぁっ、くそ…んあ! ぁあ……!!」
抵抗するように首を振り、突き上げる動きにされるがままに身体を戦慄かせていたユーリだったが……やがて、その面から気の強さが鳴りを潜め、快楽を素直に追う色へと変化した。
「…あ、ああっ、あ、イ……ぃ…!」
「は、青年、腰動いてるわよ」
「だ…て、あぁ…! そ、こ…ほし……」
「ここ?」
「そ、れ……!」
何度となく奥のしこりを突けば、びくびくっと白い身体が跳ねた。
「あ、あああ…!」
「……え、ちょっ…?!」
男の動きにあわせて、ユーリの腰がしなやかに踊り始める。
突き上げながら、今度はレイヴンが目を見開いた。
「んあ、ああ! イ…、んんんっ!」
「ひ……! こら、ちょい! そんな動いて…!」
本能のまま快楽を貪り始めた身体が、レイヴンの肉棒を貪欲に呑み吐き出し、また奥へと呑み込む。
際限なく刺激を欲する裡は、容赦なくレイヴンを締め付けながらもっととせがむように絡み付いて離そうとしない。
ぐちゃぐちゃりとあられもない水音が聴覚から意識をかき回して、思考力を奪う。
「あ、あ、ちょ、もっと、ゆっくり…!」
「ぁあ! む、り…っ、とまん…ね…、ひゃ…あぅ!」
「も、もう、おっさんも、無理……!」
ユーリの動きに引き摺られるように、レイヴンの理性も消し飛んだ。
突き上げられ、啼きながら腰を振るユーリと。
突き上げながら、搾り上げるように粘膜にしゃぶりつかれるレイヴンと。
もうどちらがどちらを抱いて抱かれているのか、境目など二人の知ったことではなく。
「あ、あぁああ! も、イ……く!」
「くぅ…っ、ユー、リ……、で、る……!」
「ん…、ほし…っ!」
「ユーリ…、うう……っ!」
ただ、本能の赴くままに。
心の求めるままに――どちらからともなく手を伸ばし、触れた互いの掌へ爪を立てて。
「ひ、あああああ……っ!!」
「うぁ………っ!」
断続的に身体を戦慄かせほぼ同時に熱を吐き出した二人は、糸が切れたようにガクリと脱力した。
腕で支えるだけの気力もなく、繋がったままでくず折れたユーリの身体を胸に受け止め、荒く息を弾ませながらレイヴンは目を閉じて肌に伝わるユーリの心音にじっと耳を澄ませていた――。
「あの、青年…」
「んだよ」
「ええと、おっさんのそれ、まだ握ってんのはなんで…?!」
「泣かせてやるって決めてたのに、できなかった腹いせ」
「いや、おっさん十分泣いたから!
青年にむちゃくちゃ泣かされたから、ね?!」
「オレが納得いかねぇんだよ。安心しろ、たっぷり出させてやるから」
「ちょ…本気で搾り取るのやめてぇぇえ!!」
突かれる側は決まってユーリなのに、ヤられる感が拭えないのはこの限りなく男前な姿勢のせいだろう。
いつになったら、しおらしくヤらせてくれる日が……。
(こないわよね、きっと……!)
諦めに肩を落とし、レイヴンはユーリから齎される快感を涙と共に受け入れる。
「うう…っ、青年ひどい……」
「お、泣いた?」
「泣いてもそこで止めないでーーー?!」