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 自由にならない体を蹂躙されるように、角を掴まれ喉を穿たれる。
「……ぅぐ……ふ、ぅ……ッ」
 容赦なく喉の奥を突かれ、その苦しさに喘ぐ。
 生理的な涙を目じりに滲ませ、リコリスは必死に受け入れようとする。
 どうせ抵抗しても無駄なのだ。ならば、楽に受け入れる方法を模索するしかない。
 他の悪魔に比べて経験は乏しいが、それでも今咥えさせられているソレが、通常ではありえないほど太く長い立派なものであることは分かる。
「……っ、は、……ぁっ……」
 不意に口が開放される。
 直後に、顔で感じる生暖かい飛沫。
 鼻を突く独特の臭い。
 穿たれ続けて疲弊した喉を宥める様に咳き込むリコリスに、サタンは低く嗤う。
「いい様だなぁ、リコリス」
 そして、彼は乱れるリコリスの髪に手を差し入れ、強く掴んでその頭を引き寄せた。
 体に力を入れることすら出来ず、リコリスは大人しくその乱雑な行為を受け止める。
 ニタリと嗤う、魔界の王を、虚ろな目で見返して。
「白が良く映えるじゃねーか」
 そう、揶揄される。
 リコリスの豊かな黒い髪を彩るのは、饐えた臭いを放つ精液。
 たった今かけられた物だけでない。
 長い間蹂躙されつくした体は、大量の液体に塗れ、酷く卑猥に見える。
 サタンは決して小柄ではないリコリスの体を軽々と持ち上げると、座ったままの状態で、再び乱暴に結合させた。
「ぁ……ぐ……ふッ」
 リコリスは唇を噛み、その衝撃に耐える。
 己の体重で、ただでさえ受け入れるので精一杯だった大きな物を、深いところまで咥え込まされる。
 すでに何度も中で出され、体内を満たしていた液体が内臓を押し上げ、吐き気を伴うほどの圧迫感を齎した。
「は、ぁ……ぅ……っ……!」
 そんなことはお構いなしに容赦なく突き上げられ、行為を要求されて、リコリスは人形のように体を揺らし、呻くような嬌声を漏らした。
 虚ろなオッドアイに暗闇を映し、苦しげに喘ぎ、強制的に引き出される快楽に背筋を震わせながら、彼はぼんやりと思う。

 性行為が愛を確かめ合う行為だと、そう言っていたのは、誰だっただろうか。

 闇一色で塗りつぶされた中にチラついた白い影を追い出すかのように、リコリスは苦い息を吐き出す。
 何度も繰り返した、ただ欲を満たすだけの行為。
 獣じみた性行為に愛などあるはずもないし、今更そんな物が欲しいとも思わなかった。



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