魔王と救世主を2話更新しました。
救世主と魔王がどんどん低年齢化していく気がするのは何故だろう……。
書いてると、だんだん中学生の恋愛書いてる気分に陥ります(爆)
そうそう、下の記事のSSは、今の村編後に当たります。
多分、内容的に、今回の更新分を読んでから読まれると、別の楽しみ方もあると思います。
『●●』についての、微妙に偏った救世主の考え方とかね。
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関係ないけれど、不意に過去読んだお話が読みたくて本棚を漁ったら、
肝心の読みたい部分がネット連載だという事実にたどり着きました。
……今でも読めるかなぁ……?
記事一覧
更新。
ねぇ、あそんで?(SS追記)
表情薄いくせに、どこか期待に溢れた眼差しが……こう……(鼻血)
相変わらず落書きですが。
ご主人様ヴィジョンでお送りしております(爆)
わんこだから、服なくても大丈夫ダヨネ!
こう、手取り足取りいろんな遊びを教えてもらえばいいと思うんだ。
ウサギさんは構ってもらえないと寂しくてしんじゃうけど、
ワンコは構ってもらえないと、自分から積極的に……(ry
しかも、天然無知で、羞恥も皆無だとイイ。
そうやってご主人様を翻r……(変態発言自重)
すいません、なんか……み・な・ぎ・っ・て・き・たwww(末期)
拍手コメ、ありがとうございます!
落書き連投すいません;
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです^^
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みなぎる欲望のままに、SS追記↓
救世主が構ってちゃんw
魔王と救世主SS
「セナ!……セナ!」
大声で呼びながら、金髪の青年が庭を歩き回る。庭といっても、魔王城の中にある、ちょっとした村程の広さ。木々が生い茂るそこで探し物をするのは、容易ではない。
しかも、彼が探しているのは、あちらこちら動き回る生き物だ。呼んでもこないということは、何処かで昼寝でもしているのだろうか。
「ったく、何処いったんだ、アイツは……」
跳ね気味の髪を更に掻き乱しながら、青年は緑の間を歩き回っていた。
魔物を待たせているから、早く連れて行ってやりたいのだが。
「……!
セナ……こんなところに居たのか」
がさごそと茂る葉を避けた先、木の下に探し物はあった。
思いも寄らない組み合わせで。
道理で部屋に居なかったはずだ。
木陰で、幹に背を預けて眠るローブ一枚姿の銀髪の青年。その膝には、白地に茶色の化粧模様がついた子犬。
穏やかな寝顔に、思わず頬が緩む。
近づけば、子犬が先に気配に気づいて目を開けた。
そして、嬉しそうに尾を振って、金髪の青年へと駆けて行く。
それを受け止めて、青年は満面の笑みを浮かべた。
「勝手に居なくなるなよ、セナ」
判っているのかいないのか。ワンッと返事をする子犬は、親愛の情を込めて青年の頬を、唇を、ペロペロと舐める。
「くすぐったい。こら、止めろ……セナ、止めろって」
鳴き声と笑い声で安眠を妨害され、銀髪の青年が目を覚ます。
そして、子犬と戯れる青年を、無表情のままボンヤリと見上げた。
ペロペロと顔を舐められ、制止の言葉を上げながらも満更でもなさそうに笑う、金髪の青年。
その楽しそうな笑顔を、銀髪の青年じっと見つめる。
漸く視線に気づいた青年が、子犬を顔から無理やり離して、寝起きでも端麗な顔に笑顔を向けた。
「よう。良く寝てたな」
「その犬……お前のか?」
「いや。森の中に捨てられてたんだ。犬好きの魔物に遣ろうと思って、拾ってきた」
犬好きの魔物。そういえば、沢山の犬を家来として従える魔物が居ると、聞いたことがある。
戦ったことはないが、戦闘だけでなく、諜報や伝令としても使えるらしい。
銀髪の青年は、改めて子犬を見、不思議そうに首を傾げた。
「この犬、そんなに大きくはならないと思うが」
どうみても、小型犬だ。
だが、金髪の青年は再び顔を舐めようと暴れる子犬を苦笑しながら押さえつけて、言った。
「関係ないらしいぞ。適材適所で使うんだろう」
「……」
そういうものか。
納得した青年は、改めて犬と戯れる青年を眺める。
子犬の元気よさに翻弄される……魔王。
この様子だけ見て、この金髪の青年が魔王だと、誰が信じられようか。
だが、その腰に刺さっている黒い剣は、間違いなく魔王の剣だ。
尤も、信じられないといえば、この銀髪の青年……救世主が、魔王の城でこんなにも寛いでいることこそ、摩訶不思議だ。
「と、そろそろ行くぞ、セナ」
急に名前を呼ばれて、銀髪の青年は、思考を現実に戻される。
だが、名前を呼んだ当人は、子犬に視線を合わせて語りかけている。
「お前のご主人様が待ってるぞ」
「……名前……」
「ん?あぁ、セナ。いい名前だろ」
何処となく、お前に似てる気がするんだよなぁ。と呟く魔王に、銀髪の青年は子犬を見るが、その表情の豊かさといい、元気のよさといい、自分と似ているとはとても思えない。
何よりも、敵である自分と同じ名前を付ける彼の、神経の図太さというか、怖いもの知らずというか、何処かずれた感覚にはついていけそうもない、と銀髪の青年は溜息を漏らした。
「すぐ戻るから、此処にいろよ」
子犬を抱いて、金髪の青年は、銀髪の青年に言い残してその場を去っていく。
残された救世主は、特に背くこともなく、幹に背を預けたままボンヤリと空を見上げた。
子犬と戯れていた、青年の表情が脳裏によぎる。
楽しそうな……幸せそうな、笑顔。
「…………」
あの子犬が、あの青年に『幸せ』を与えた。そう思い至ると、何故か銀髪の青年の胸に痛みが走る。
笑わせたい。自分が、あの青年を。
自分に向けて、笑って欲しい。
それを何と呼べば良いのか、青年はしらない。
だが、モヤモヤした苛立ちにも似た感情は、彼の胸を徐々に支配して、締め付けてくるのだ。
「お待たせ……どうした?」
そうだ、この男が悪い。
銀髪の青年は、戻ってきた金髪の青年を睨み上げた。
「機嫌悪いな、どうしたんだ?」
心配そうに顔を近づけてくる青年から視線を逸らして、銀髪の青年は口の中で呟く。
「名前……」
「ん?」
「名前……犬のは呼ぶのに……俺のは、呼ばないのか」
口に出しながら、銀髪の青年は、胸の苛立ちが徐々に悲しみに変わるのを感じる。
赤い瞳は、胸の痛みに潤みだして、今にも涙を零しそうで。
「馬鹿だな、お前は」
それを嫉妬と気づいた金髪の青年は、苦笑いで銀糸に手櫛を通す。
さらさらとした手触りを楽しみながら、ゆっくりと顔を近づけ、その唇に口付けを落とす。
「犬とお前では、全然違うだろ?」
俺が大切なのは、お前だけだ。
吐息で囁かれて、青年は喜びに顔を緩めて、金髪に指を絡める。
その動きに導かれるように、再度重なる唇。
「セナ」
「……ん……」
「セナ……セナ……」
何度も何度も、徐々に深くなる口付けの合間、噛み締めるように名前を呼ばれ、ローブの下の華奢な体が熱くなる。
その熱に煽られ、魔王の体も熱く欲を帯びてくる。
「……んぁ……ふ……」
「部屋まで……我慢できるか?」
「ここで、いい」
「汚れるぞ?」
「いいから、魔王……」
早く、と強請る甘美な誘惑に、欲望に忠実な魔王は抵抗できるはずもなく。
太陽の下、緑に隠れながら、彼らは互いの体を思う存分貪ったのだった。