13.エルフィン
だいぶ先まで進めるようになってきた。
すでに数え切れないほどのクローンたちが犠牲になってきた。
その多くは敵の女と同じになり、男を襲う淫乱な女の怪物と化している。また、ごく一部、精神的に壊れてしまった怪物は、その身体エネルギーを吸い尽くされ、研究所の維持管理に使用されているようだ。
それにもせよ、知識を駆使しながらレベルを上げ、高い精力を頼りに、だいぶ先まで進めるようになってきた。
だが、油断すれば、精力が高いだけの男子などひとたまりもないほどの強豪がいることも、これまでのクローンの経験から分かっている。
そんな相手に出会ったら、すかさず逃げる。さらにレベルを上げて、再び挑んで、勝つ。それをくり返すんだ。
失敗しながらも、次のクローンに引き継いで、これを修正していく。
まだやれるはずだ。あきらめるわけにはいかない。
もういちど……うちひしがれても、もう一度!
生きている間は、必ずチャンスはある。若かろうが、老いていようが、関係ない。もう一度、立ち上がろう。どんな状態になったとしても、まだ自分には、やれることがあるはずだ。負けるものか……もう一度だ。
不屈の精神が、クローンたちの中に蓄積されていって、今の僕がいる。比較的短時間で、先に進むことができたのも、そのおかげだろう。
初めての敵だ。
肩幅が広く、長身、とてもグラマーで、胸とお尻が大きく、足も太めだ。しかし、一方でふくらはぎはとても細く、腰も細い。とてもスタイルのいい相手だ。
白い肌、尖った耳、そして、メインコンピュータから指令を受け取り続けるヘッドホンマイク。こいつは……異世界の妖婦、エルフィンだ。
エルフというのは、妖精の中でも相当に強く、ピクシー族の比ではないと聞く。異界の森に棲み、人間を嫌ってひっそりと生きている、というよりは、人間界への関係を一切断とうと考えている種族だ。
それだけに、エルフィンを洗脳して従わせるのは、並大抵のことではないらしい。たえず怪電波に毒し、脳に直結した指令信号を送り続けて、初めてエルフや魔族を意のままに操ることができるんだ。
おかげで、今や彼女はセックスの奴隷になりはてている。そこまでして呼び寄せるほどの価値が、この女にあるのかどうか、確かめてやろうか。
「なっ! なんだこりゃっ!!」
思わず声を上げてしまう!
正常位でハメ込んだとたん、今まで味わったこともない快楽がペニスに襲いかかった。
エルフのオンナの具合は、あまりにも甘美で、まさに天にも昇る心地だった。
どこまでも締め上げていながら、もぎゅもぎゅと勝手に動き、やわらかな包茎ペニスの芯までまんべんなく心地よい刺激に包んでくれる。真綿で包み込むようでいて、徹底的に絞るような肉厚に押しつぶされそうな心地よさを感じる。
振動するでもなく、彼女の息づかいにあわせて小刻みにゆっくりと蠢くだけなのに、その小さな動きだけで、ペニスがやわらかく揉みしだかれ、特に先端の敏感なところ裏筋が、ぎゅっと密集するヒダによって凄艶な快楽を身に受けてしまっている。
これまでの戦闘でも、これほどの名器は初めてだ。
ぐにゅぐにゅとどこまでもやわらかく潰れるオンナの中は、とても温かく心地よく、そのまま胎児にでも返ってしまいたいという思いさえ想起されてしまうほどだ。
「ふん……」
エルフは表情も変えずに、さらにペニスをそのまま射精させようとぎゅうっとオンナを締め上げた!
基本的にエルフィンの方は動かない。マグロというヤツだ。
僕の方も、ほとんど身動きがとれなかった。
あまりに気持ちよすぎて、激しく腰を動かすなどの攻撃がまったくできないでいる。強い快感のため、筋肉が引きつり、どうしても上半身をのけぞらせてしまう。
もしヘタに反撃に動こうものなら、その膣の蠢く快感によって、あっさり射精してしまうかも知れない。
エルフのオンナはそれほどまでに極上だった。声も出せず、じっとしているしかできない。それでも、じわじわと射精感ばかり高まり、すでに多幸感が始まってしまっている。
入れただけで、これほどの気持ちよさを持つ性器、動いてしまったら、一体どうなってしまうのか分からない。
高い精力を誇っているおかげで、瞬殺にはならなかったものの、普通の男性であればひとたまりもないだろう。入れたその瞬間に、止めどなく射精してしまったに違いない。まして男子中学生では、まったく歯が立たない相手だ。
「うゎああ……」
じっと我慢しているだけなのに、ぐんぐん精力が激減していく!
軽く蠢くだけのオンナは、そのゆったりとした動きだけでも、十分ペニスを追い詰めた。
あまりの天国に、僕は瞬間瞬間、思考が途切れてしまった。
こんなに強い攻撃力を誇る敵は初めてだ。しかも、彼女から積極的に責めるでもなく、ただマグロでじっとしているだけなのに、高い精力を誇る僕を寸前まであっさり追い詰めるなんて!
ああ……気持ちいいっ!
だめだ……このまま戦うことはできない。チェリーボムで逃げるしかない。もっとレベルを上げて、強くなってからでないと、天にも昇るエルフィンのオンナにはまったく太刀打ちできないっ!
もうあと数秒で射精してしまう! このままでは……死ぬ!
死にたくないという思いさえも打ち破り、じわりとこみ上げる名器の快楽がさらにペニスを射精へと追い詰める。
脱出しなければ! そのためにいったん、ペニスを引き抜くんだ。
「ふん。」
エルフィンがもう一度、冷たい溜息を漏らす。
「あぎっ!?」
どぼぼぼぼ! どくどくびくびゅくっ!!
うあああ!
強い快感が訪れたかと思うと、意志の力を介さずに、射精が始まってしまった!
我慢しようという意志も努力もむなしく、あまりの心地よさにきゅ~んとイク直前のくすぐったさが訪れ、そこから1秒も経たないうちに、精液が噴き出してしまったのだった。
何が起ったのか、瞬時には理解できなかった。
僕がペニスを引き抜こうと腰をわずかに引いただけで、ペニスはすでに限界を迎えたのだ。ほんのわずか、腰を引いた時に、ペニスがオンナをこすれた。その刺激だけでアウトだった。
しかもエルフィンは、僕が離脱するつもりであることを敏感に感じ取り、ほんの少しだけ、腰を揺らしてきたのだった。
引き抜いた時のペニスにこすれる膣の感触と、波打つ腰のひねりによって、僕は瞬時にして高められ、あっという間に射精に追い込まれてしまったのだった。
チェリーボムを使う前に瞬殺されたのだ。
もしピストンしていたら、ひとコスリで敗北している、そのくらい強すぎる相手だったのだ。
エルフィンの冷たいまなざしが、口ほどにもないガキめと物語っていた。反論できない。
肉体改造が始まる。エルフィンはなかなか感じてくれない上に、ほとんどの男が瞬殺されるような強豪。メインコンピュータが洗脳し続けてまで彼女を欲しがる理由が分かった。だが、もう遅すぎた。
彼女は大の人間嫌いである上に、快感の虜になりにくい種族だ。それでも人間の男たちをセックスでイかせ殺す道具にしようとするなら、相当強力な電波を直接脳に四六時中浴びせ続けるほかはないだろう。
それでもかろうじて、マグロで受け入れる程度のことしかさせられないのか。
いや……男がもっと強ければ、彼女も本気を出すだろう。嫌いな人間の男に感じさせられる屈辱には耐えきれないので、名器を駆使して積極的に腰を振り、手や胸や舌のテクニックを駆使して、何とか相手を射精させようとするだろう。
僕がまだ、その域に達しておらず、彼女の軽蔑の対象にすぎなかっただけのことだ。
快感が持続する。怪電波が流れ込んでくる。僕はエルフと違って、絶頂時の心の隙に怪電波を受け入れてしまうほど弱いんだ。
このままセックスの虜となり、新たなる男を捜して、研究所を彷徨うことになるんだ。
次のクローンは、エルフィンと戦う時には細心の注意を払って欲しい。まともに戦えるには、まだまだ力をつけなければダメだ。
僕は気持ちよさに負け、考える力を失った。
###こうしてまた一人、クローンが犠牲になった###
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