17.仲間が減る乱交3
「うああ! なんで……こんな……」
彼はまったく信じられない風で、自分の置かれた状況を理解しがたく思っていた。
彼の端末には、たしかに、そう、たしかに、”救助信号”が発せられていたし、それは紛れもなく、仲間の研究員からのものであることに、間違いはなかったのだ。そう思って、この研究員は、この場所に大急ぎで駆けつけたのである。
しかし……彼を待っていたのは、仲間の研究員たちではなかった。
なぜかは分からない。
そこにいたのは、数人の女モンスターたちであり、それもまさに、性的な戦闘が行われているシチュエーションまっただ中という状態なのであった。ただ……戦闘しているはずの、研究員男性の姿はまったく見当たらない、という点だけ特異だった。
男性がいない、あるいはさっきまで男がいて闘っていた直後であるかのように見えた。彼らはどこに行ったのか? 皆目見当もつかなかった。
わけも分からないまま、彼はすぐさま、大勢の美少女たちに組み伏せられ、下腹部丸出しの怪物たちによって、仰向けのペニスは間髪入れず食い物にされてしまう。そうなってしまった状況も飲み込めないし、もちろん、なぜそんなことになったのかも、まったく理解できないでいた。
どこを見回しても、見目麗しいモン娘たちの太もも、可愛らしいお尻、きれいなオンナのスジばかりである。
ひょっとして、自分がたどり着く前に、この女たちに研究員は吸い尽くされてしまったのだろうか?
……いや!
端末はたしかに! そう、彼が犯されてからもずっと、“男性研究員の信号”がこの場所から送りつけられ続けている。
男性を示す信号が4点。敵女を示す信号が1点。位置関係からして、制服女学生がその敵らしかった。
にもかかわらず、彼を取り巻いているのは、5人の女モンスターたちなのだ。
本来の敵であるはずの美少女女子高生以外は、やはりすべて男性信号を発している!
魔法少女、ヴァルキリー、モレステーションエンジェル、そして彼のペニスをむさぼっているバイブレディーは、その位置から、確実に男性情報を発しているのである。端末は、細かな位置情報を正確に研究員に伝え続けている。それなのに、彼が置かれた状況は、端末の情報とまるで食い違っているのだった。
「うあああ! だめえ! きもちいっ……やめ……」
研究員は身体をひねり、この快感地獄から、とにもかくにも抜け出そうとし始めた。何が起こっているのかはまったく分からないけれども、このままでは、ごく短い時間で、精液を抜き取られてしまうのは確実だった。
ぷりぷりしたちいさなお尻を振りながら、マジカルガールが、研究員の騎乗位の様子をじっと見ている。ただ傍観しているのではなく、もごもごと軽微な詠唱をくり返すことによって、彼の防御力をさらに奪い続けているのである。性的な快感に敏感になっていって、何週間もオナニーしていないのと同じような、玉袋への精子の溜め込みを進めている。放っておけば、どんどん敏感になり、性欲の虜になっていって、極上の怪女のオンナに絞り取られてしまう。
スベスベの若い肌を誇る女学生は、研究員の太ももに跨がり、遠慮なく太い生足とオンナ表面を、彼の足に押しつけこすりつけ続けている。まだ10代のきめ細かい肌触りは、まさに駅などで見かけるミニスカートの太い生足そのまま、しっとりと食い込むようなみずみずしさで、すべすべとこすって刺激している。
そして……
ヴヴヴヴヴヴ……
「あひいい!」
騎乗位で腰を振り、自分の乳房をまさぐってセックスを楽しみながらも、ヴァイブレディーは責める手をゆるめない。ペニスは容赦なく、彼女の快感攻撃に刺激され続けている!
人間の女性では出せない締まりと名器が、猛スピードで上下し続ける。並の男性なら数コスリで昇天してしまう攻撃力だ。研究員は、射精すれば自分が自分でなくなってしまうことを知っているので、快感に負けまいと、死にたくない一心で抵抗しているために、どうにかこうにか耐えきっているに過ぎない。
しかし、それを情けを持たずに打ち破る性力を、このバニーモンスターは誇っている。
彼女の膣は、絶妙なタイミングで振動し続け、それがペニスの先端、奥、さらに前立腺までも、電気的に震わせ、男の下腹部のすべての性感神経を、奥底までくすぐったい刺激に晒し続けているのである。
自分のオンナがバイブしてしまえば、当然彼女自身も強い快感に晒され続けることになるが、鉄壁の防御力と、人間離れしたたっぷりの精力があるので、自分の女筒のバイブ如きは、まったく意にも介さないレベルなのだ。ただひたすら、男ばかりが快楽一辺倒に晒され続ける。
「あははっ、どおお!? あたしのココ、ぶるぶるバイブして、気っ持ちイイでしょお? アハッ、出しちゃえ出しちゃえ! 我慢しないでよぉ!!」
ブンブン細かく振動したかと思うと、とつぜんブルルッと大きな振動になる。細かく振幅の早い振動と、ゆっくりだが大きな振動を使い分け、ここぞのタイミングで切り替えては、ペニス全体を極上のバイブ攻撃にさらす。
その上で、彼女自身が激しく上下し、よく締まるオンナで未熟なペニスをしっかり出し入れし続ける。
研究員は普通の男性。レベルが高いわけでもなければ、何か鍛錬したわけでもない。普通なら、とっくに出してしまっても不思議ではない。彼の渾身の抵抗と、なんとか逃げ出そうという必死の思いだけで、やっと持ちこたえているに過ぎない。それでも、数分が限度だろう。
「にゃはは、おにいちゃんもがんばるんだね。……私たち、そういう男の人をいっぱい気持ちよくして、いっぱい精子出してもらうのが、一番のヨロコビなんだ。がんばってる男の人を快感で押し切っちゃうの☆ これって、自分がイクより、ずっと”たっのしー!”なんだからぁ……ごにょごにょ……もっといっぱい気持ちよくなってね~♪」
マジカルガールが何か特別な呪文を唱えたらしい。
そのとたんに、研究院の全身の肌細胞に潜むすべての性感神経が、さらにくすぐったく疼き始めた!
ふわふわと天にも昇るような心地よさ。その安心感と脱力感が、一気に性的な快感となって彼の全身に襲いかかる!
「ふわああ!」
その気持ちよさは、次の瞬間にはすべてペニスに集中し、そこにバイブレディーの容赦ない腰振りと振動が襲いかかって、彼は一気に絶頂直前まで追いやられてしまう!
「うがああ! いやだあ! しにたくない、しにたくないよお!!!」
必死の抵抗で、魔法少女のいたずらな魔法で射精することは、どうにかこうにか押しとどめることができた。
逃げなきゃ……逃げなきゃ……
研究員の思いは、その一点であった。
しかしもはや、彼の下腹部には力が入らない。
バイブレディーに騎乗位で犯され続け、さらに若娘の元気なステップで彼の生足が太もも攻撃されているので、研究員は上半身だけひねって逃れようとするが、どうしても美女と少女にのしかかられた下半身を、脱出させることができないでいる。
一刻も早く脱出しなければ、このままこのオンナの中で精液を出し果ててしまい、快楽の虜となって、……そのあとは……自分もまた、女の怪物に変えられてしまうんだ。
「あ……ああっ!!」
その瞬間、彼は一つの事実に突き当たった。
端末が、男性信号を発している。
それは……もともと彼女たちが、男性であったことを示しているんだ。
つまり……このモンスターたちは、もともと研究員たちだったんだ!
なんてことだ!
DNAの根底から変えられ、完全に別人となった女たちは、快楽の果てに精液を吸い取られ、肉体改造された研究員たちの“なれの果て”だったんだ。
いちど研究所の女に射精してしまえば、それだけでアウトだ。肉体は細胞の奥底まですべて根底から改造され、もとの情報をすべて失う。
敵によっては記憶も残っているかも知れないが、ほぼ絶望的だろう。絶頂した精神の隙を突いて、洗脳電波が押し寄せ、男たちはすべてを失い、ハードコアによって与えられた“新しい目的”に夢中になってしまうんだ。
心も体も、何もかもが、女モンスターにすり替わってしまう。
早く脱出しないと! 彼女たちは、未来の自分の姿なんだ!
「……見て、みてえ?」
「ああああ!」
彼の奮闘はむなしかった。
研究員が脱出しようとした矢先には、モレステーションエンジェルがどっかりと尻餅をついて、待ち構えている!
彼女は恥も外聞もなく、大きく股と身体を拡げ、たいせつな部分を指で押し広げて、脱出しようとする研究員の真ん前で、いやらしい器官を大胆に見せつけている!
えっちないたずらが大好きという、小悪魔系キューピッドだ。年端も行かぬ少年や、多感な青年の性欲を逆手にとって、あられもない姿を見せつけ、その性欲を格段に高めることが専門のいたずら天使だ。
そのため、しっかりと発達した乳房を揉みしだいてその柔らかさを見せつけ、大人と少女の中間くらいの太ももを開いては、その内股の吸い付くようなきめ細かい肌を、惜しげもなく見せつけることで、研究員はなおさら、性的な興奮を無理矢理にでも高めさせ
られてしまうのだった。
モレステーションエンジェルの肉体を見れば見るほど、男性の性欲は幾何級数的に高まっていく。そんな神通力の持ち主だったのだ。
逃れようと必死になっている目の前で、彼女の痴態を目の当たりにしてしまう。もがけばもがくほど、脱出しようとしたその方向に、快感に浸っていようょという天使の囁きがどっかと陣取り、その脱出経路を、とりわけ精神的に封じてしまっているのだった。
「ふあっ!」
逃げようとすればするほど、研究員はモレステーションエンジェルの肉体を間近でじっくりと見続けなければならず、見てしまえばしまうほど、不思議な神通力のせいで脱出を押しとどめる精神パワーが働く。
その結果、無理にでも脱出しようとしても、どうしても彼は、その場で固まってしまい、バイブレディーの快感攻撃を一方的に受け続ける羽目に陥ってしまうのだった。
「……。」
女たちの先回りは完璧だ。
いたずら天使の甘い誘惑にさえ抗おうと、もし研究員が逆方向に逃れようとすれば、今度は、力技のエキスパート、ヴァルキリーが黙っていない。
力技で無理矢理騎乗位から脱出すれば、今度はこの女戦士が動く。男が力で対抗しようとすれば、その何倍ものパワーを誇るアマゾン神が、容赦なく研究員を無理矢理押し込めるだろう。
きれいな顔立ちで、どこか童顔めいたところを残しているくせに、凛とした表情が、どっしりと貫禄のある座りで、じっと研究員を見据えている。彼が妙な抵抗をし始めれば、ヴァルキリーは情け容赦なく動くだろう。一瞬でふたたび力づくで抑えつけて、3秒
後には彼の精液を女戦士の膣で受け止める用意ができていた。
もはや研究員には、逃げ場がなかった。
彼女たちは、どこかに男性だった時の経験や記憶が生かされているのかも知れない。が、その本当のところは誰にも分からない。
しかし確実に言えるのは、男の身体を知り尽くし、どうすればその肉体を快楽一辺倒に晒すことができるか、どうすればペニスを気持ちよくできるかを、彼女たちはまるで自分のことのように、徹底的に知り尽くしている、ということだ。
「うああ! だめ! だめえ!」
「ほらほら、いっちゃえいっちゃえ☆」
ヴァイブレディーが仕上げにかかる。
これに合わせて、マジカルガールが魔力を絞り、性感の魔法と弱体化の魔法に輪をかける。
もはや、少しでも動けば、玉袋にパンパンに溜め込まれた精子が噴き出してしまう、ギリギリのところにいた。だから彼は身動きが取れなくなった。その彼の視線の先には、神通力に満ちあふれたいたずら堕天使の魅惑的な肉体がある。女体への興味と興奮は最
高潮に達した。
もともと、外部の世界から引き込まれた女子学生は、必死に太ももとオンナ表面を研究員の足にこすりつけ、そのクネクネといやらしく動く腰の前後運動を、さらに元気に激しくしていく。
「……ふん。」
ヴァルキリーが表情を変えないまま、鼻で笑った。
それは、性に慣れきった彼女が、研究員の身体反応から、射精の脈打ちが始まった瞬間を見て取ったためであった。
ペニスは根元まで、ヴァイブレディーのいやらしい膣に飲み込まれている。しかし女戦士は、見えない器官の動きさえ察知し、彼がイキ始めたことをほぼ動物的な勘で感じ取ったのだった。
「あが!」
強い快楽が、律動とともに研究員を襲う。
通常の射精以上に脈打ち速度は速く、射精時間もずっと長い。
その間じゅう、彼は今までに感じたこともない絶頂の多幸感を存分に味わい、その気持ちよいという意識のまま、自己のアイデンティティが薄れていくのだった。彼は、最後の最後まで、射精の気持ちよさだけを感じ、そればっかりに意識を乗っ取られたまま消
えていくようであった。
研究所内をひっきりなしに流れている洗脳電波は、普通の人間にはほぼ影響がない。が、ここまでセックスで満足しきってしまうと、脳の機能のほころびができる。その僅かな隙を突いて、洗脳電波は彼の意識をほとんど乗っ取る形で、快感のことだけを考え、
男を射精させることしか考えないモンスターへと、心身ともに改造してしまうのだ。
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研究所のあちこちで、こうした悲劇がくり返された。
地下から6階まで、大勢の研究員たちが、命令によって、女モンスターを操り、快楽が及ぼす人間の精神の隙について、洗脳電波について、遺伝子工学を含む肉体改造について、転送装置について、異世界や宇宙からの転送技術について、その他諸々、部門ごと
に研究を重ねていた。
ハードコアが暴走し、決して刃向かわないはずの怪物たちが、えっちな牙を、そばにいた男たちに向け始めた。
研究員たちはどんどん射精していき、結果、研究所は快楽の坩堝と化した。
すべては、完全に失敗したかに見えた。
だが……これより少し前に、快感によって人間を支配するという悪魔の研究に疑問を持った“裏切り者”がいた。この裏切り者はセックスで処刑されてしまったのだが、かれはモルモットルームに、ある仕掛けを施していた。
すべての研究員がいなくなったあとも、ハードコアが手を出せない領域で、日々クローンが生産され続けた。クローンたちのうちの誰か、ひとりでもいいから、この研究所から脱出できさえすれば、内部で行われていることを、外の世界に暴くことができる。
そうすれば、当局はこの違法な、人権を無視した、恐るべき狂った研究所を破壊し、悪魔の研究を封印して、永久に再発しないよう、対策が打たれるだろう。裏切り者はそれを願って、最期の手を打っていたのだった。
もはや……その最後の希望だけが、研究所へのアリの一穴となる。そこから……この悪魔の施設を崩壊させるための戦いが、研究員たちがいなくなってから始められる。これこそが、いよいよ本番、本当の戦いとなる。
「とらわれペンギン」
囚われの身となったクローンたちは、そのほとんどが失敗し、快楽の波に飲み込まれていく。しかし、たったひとり、この壁を乗り越えさえすれば、ハードコアの狂気も崩壊するのである。
研究員たちは、ただ精を吸われて終わったわけでもない。
いくつもの対策を施し、例外はあっても多くの場合“出現する女敵は1人だけ”に抑えるようにプログラムを変えることなどができている。研究員たちは大勢の女敵に吸い尽くされたが、クローンたちは、基本的に1体1の戦いで、不利な状況に追いやられるこ
とがない。
このほかにも、いくつか仕掛けを施し、研究の記録や、戦いの記録などを4階に保存することもできている。その4階も、ほとんど敵を出現させないようにすることさえできていた。
研究員たちも、最後のクローンに、心のどこかで賭けていたのかも知れない。
この魔性の牙城を、いつの日か、打ち崩してくれる存在が現れてくれることを。日々強化し、狂気を高めるハードコアをたおせる者があらわれることを。
ハードコアは、どこまでもクローンが強くなったことを想定して、そのクローンのレベルをそっくりコピーできるドッペルゲンガーまで開発しているらしい。どんなに強くなってもコピーされてしまえば、勝ち目はほとんどない。そうなる前に、なんとか……
最後の願いが、モルモットルームの装置に託された。
託した者たちは、研究所に残っている。ただし、もはや目的を忘れ、男を襲うモンスターの1人として、完全に女性として、元の姿も分からない存在として、残っている。それはもう、残っているとは言えない。
……結果、男は誰もいなくなった。研究員たちは、1人残らず、絶滅した。この研究所の黒幕、設立者や責任者どもでさえも……。
モルモットルームで、クローンが目覚めるその日までは、隠された希望だけが、静かに渦巻いているのだった。
###とらわれペンギンイヴ 完###