姉1
僕は階段を上った。
いよいよだ。
この五重塔の、最大の立役者に、僕は対峙しようとしている。
とても長い長い闘いだった。このステージは特別な造りになっていて、攻略の仕方もだいぶ変わっていた。広いフロアではなく、狭くて高いフロアに五重塔が建てられている。その塔の中の5階には、姉さんが待ち構えている。この姉が、レオターやくのいちたちの統括者であり、最大の敵となる。いよいよ、その姉と対決するところまで来たのだ。
最も大きな違い、最大の苦労は、なんといっても「回復できない」ということだった。これまでは、こまめな回復を行うことで、ピンチに陥っても射精させられずに済んでいた。ギリギリのところで踏ん張りきって、敵の女をイかせて倒し、回復して先に進むことができた。だが、この五重塔では、その回復がままならない。ときおり回復剤が置いてあることもあったが、そこにもトラップがしかけられているなど、一筋縄ではいかなかった。
回復ができないということは、消費した精力のまま、次の相手と闘わなければならないことを意味する。これは、「かろうじて勝った」というだけでは、次のセックスまで持たないということだ。余裕勝ちができなければ、次の敵に簡単に射精させられてしまう。そこまで計算して、精力温存を図りながら、厳しい選択を迫られてきた。これまでにない強い相手だったのに、それにも増して、この選択の厳しさに苦戦を強いられてきたのである。
そのことがいま、こんなにも僕を苦しめている。くのいちたちとの闘いの末、なんとか勝利を収めることに成功しはしたものの、文字どおり”かろうじて勝った”に過ぎなかった。次まで持つほどの精力は、全く残っていない。
僕はその「厳しい選択」に失敗してしまっている。すぐにでも射精してしまいそうなくらい、僕は高められてしまっていた。その状況で、よりによってあの姉さんを相手にすることになるなんて……。
そして、どうやらこの五重塔だけが、射精したあとの夢の快楽天国を、しばらく記述されることになるようだ。他のステージでは、敗北するまでが潜在意識に残り、魂に刻み込まれる。その先は完全に魔に堕してしまって、意識は残りながらも、ぷっつりと記述が途切れる。イッたあとに飛ばされる快楽状況は、どこにも残らないんだ。しかしこの五重塔だけは違ったようである。
一体、どのくらいの、パラレルな自分が、レオタード女性、しおり、しのめ、その他のかわいい女の子たちに、セックスに負けてイッてしまったことだろう。そして、その敗北した僕の数だけ、さまざまな異世界があてがわれ、永久の快感とともに魔族に精を提供し続けていったのか。選択を誤った、別の分岐世界の僕が、どれほど多く、この性欲だけの異世界にとらわれていったことだろう。
そんな中で、いまの僕だけが、厳しい選択肢を勝ち抜き、連戦に次ぐ連戦の中を、まさに命をかけた快感闘争の中を、どうにかこうにかくぐり抜けてきたのである。
しかしそれも、どうやらここまでのようだ。僕ももうすぐ、そんなパラレル敗北者のひとりに仲間入りすることになる。確実に勝てないことは分かりきっているんだ。絶望的だ。
にもかかわらず、五重塔の最上階、その扉の前に、僕は立っている。これを開けば、姉さんに会ってしまうんだ。最後の闘い、というわけでさえもない。この階も2部屋ある。姉がいて、その隣の部屋に「少女遊戯」の部屋があるんだ。
ドアは自動で開いた。
そして……
「ついにここまで来ちゃったねえ。」
「姉さん」
「久しぶりだね。クスクス……本当に、若い自分に戻れて、可愛かった弟の成長した姿に逢えるなんて、まったくいい夢だね。」
「色々思い出すな・・・いい思い出は少ないよ。」
「へぇ。あのころ私の若い身体をいっぱい見て、あんだけいい思いしたのに。今更そんなことを言う? ハズカシイ弟クンの過去をもっと思い出させてやろかぁ!?」
「ううぅ……。」
久しぶりに見た可愛い姉。ほんの少しの会話だけでも、完全に圧倒されてしまっている。イキたくてたまらないペニスが、ヒククンと強く反応し、くすぐったい疼きがお尻の奥から突き上げてくる。
姉さん……相変わらずの姉さんだ。
紛れもなく、そこにいたのは、服を脱ぎ終わって待機している、声のかわいい姉の姿であった。
姉さんとはそこそこ年齢が離れている。そのために上下関係がはっきりしてしまっていた。こちらが性的なことに興味を覚えたり、股間に快感を覚えるように成長するころあいには、彼女はすっかり性的に成熟し、精神的な差も開いてしまっていた。結果、ソコソコひどい目にも遭っている。
とはいってももちろん、禁断の関係を築いたことはなかった。むしろこちらが一方的に、性的な点でからかわれることばっかりであった。家の中であられもない姿で歩き回っては僕の反応を楽しんだり、言葉のセクハラで僕をひそかに興奮させ、クスクス笑って一方的に上に立つ姉だった。
そして、その結末は、僕が姉の肉体のパーツを思い出してオナニーするという、徹底的な敗北で終わっている。姉もどうやら、それを知ったうえでからかい続けたのだろう。
姉が風呂上がりでパンティとキャミソール姿でいるのを僕に目撃させ、嫌がったり見るなと言ったりして身体をくねらせる。それでいながら、ひそかに僕が姉の脇の下や生足をチラ見し、それを夜な夜な思い出してオナニーしているのを、彼女は把握しながらそれを楽しんでいた。
他にも、それに類するさまざまな性的な言動で、僕はさんざん悩まされてきた。そして、僕が自慰行為に陥れば、姉は自分がオカズにされたことで勝ったと思い、満足して、そうやって翌日また、いやらしい攻撃を間接的に行ってくる。それが彼女の楽しみのひとつでもあった。
それらは、姉ならではの性的な趣味嗜好でもあった。直接手を出したり出されたりという禁断の関係には決して発展させなかったが、僕が姉の肉体的魅力に負け、姉で抜いてしまうことで、僕は弟としての領分に反し、敗北していたのだ。姉もまた、そうやって身近な男性を自分の魅力で射精させることに、大きな満足と心地よさ、勝利の感覚を味わっていた。
一見清純に見える風貌な姉も、交友関係は相当乱れていた。彼女の趣味嗜好は、男を痛めつけたり組み伏せたりするような乱暴なものでは決してなかったが、自分が性的な点では優位に立ち、自分こそが相手の性欲を直接にも間接にも満たせるのだという自尊心こそが、彼女を満足させるものだった。それを数多く満たすために、異性交友関係は広く深いものだったようだ。
経験はかなりある。そして……男性に対する欲望も人一倍強かった。支配しようとしてくる男に対しては、肉欲の上で姉の方が完全に上であることを、カラダで叩き込んだ。男たちは、彼女の性的な魅力に負け、ねじ伏せられることなく従うのだった。若い時分から、そんなことをくり返していたようだ。
その姉が、僕の前で裸になっている。かつて性的な魅了攻撃をしたとしても、パンツまでだった姉が、いまやすっかり何もかも脱ぎ捨て、オンナ表面までしっかりと見せつけていた。こっちの世界では、女性は首から下に毛が生えないのだろう。
「……。」
姉さんは、昔の姉さんだった。
子供まで産んだはずの姉の姿ではない。僕がまだまだ未熟だった頃の、若い姉だ。たしかこっちの世界で、姉さんは21歳まで若返っているはず。男を泣かせ続けた最も溌剌とした時期の彼女だ。年齢的には、僕の方が上になってしまっている。ただし、彼女の精神や経験値は、肉体年齢の姉より10年は違う。
「私のカラダ、前はもっとおずおずと見てたのに、もう平気なんだね。」
「も、もう、昔の弟では……ない……っ!」
「ふぅん。私のことを思い出しながら自分の部屋で抜いたことがいっぱいあったくせに。ねえちゃん、知ってたんだからね。」
「う……うぅ……。」
「ふふっ、この五重塔に入る前のアンタより、格段に成長しているみたいだね。そんな弟を、姉の魅惑の身体で再び堕とさせることができるなんて、考えただけでもゾクゾクしちゃう!」
「くそっ……くそっ……。」
昔のことを思い出し、さらに強く強く、性的衝動が高まってしまっている。こちらの精力は1かほぼ0だ。このまま戦闘に入っても、まるで勝ち目はない。性的な力の差が歴然としている上、僕の方がほぼ瀕死の状態にあるからだ。
姉さんは小柄だ。全体的に華奢な感じを持つ。しかし、目の前の姉は、かつての悪姉の側面が、すべてぶり返してしまっているようだった。あるいは、結婚して抑え込んだ魂の底からの強欲が、こっちの世界で爆発し直したというべきか。肉体の若返りとともに、彼女のとくに淫らな側面が、完全に復活している。
肩くらいまで伸ばした、やや茶色の髪を、首のところで束ねただけのシンプルな髪型。幼い顔立ちだが、三白眼の冷めた雰囲気が残っている。すらりと細い体型だが、乳房はそこそこ人並みには膨らんでいる。丁度いいBカップくらいだ。
いや……もともと、姉はそこまでおっぱい大きくなかったな。この世界にワープしたときに、乳房をちょっと盛ったのかな。そして、まるっこい大きめのメガネが、彼女のトレードマークだった。
外見の地味さは、こっちの世界でも残っている。だが、そのシンプルな外見に騙されて、現実でも大勢の男たちが手玉に取られたことを忘れてはいけない。それに加えて、このセックスだけが物を言う世界では、姉さんもかなり強化されているはずである。肌も21歳に若返っただけでなく、本物の彼女よりもきめ細かくもっちもちに仕立て上げられていて、性行為のテクニックも、オンナの具合も、むらさきしのめ以上に高められている。
長年一緒に暮らしてきて、僕を性的にいじめてきた彼女だけに、僕が感じやすいところや興奮するポイントも的確に掴んでいる。その知見さえも強化されているはずだ。簡単に勝てる相手ではない。
外見は地味で目立たないけれども、中身は悪女そのもの。わるい姉は僕が退治する……その意気込みさえ、ほとんど消え去ってしまっていた。圧倒的に不利すぎて、どうにもならないことを悟りきっているためである。
「さて。ソロソロ始めようか? ん?」
姉さんは身構えた。胸板を寄せるように強調する姉。脚を開いて、僕を待ち構えている。僕より背がずいぶん低いが、性的な魅力の点では、姉さんは相変わらず強気である。いや、それこそが、彼女の強みなんだ。僕がこのまま彼女に抱きつけば、即座に戦闘が始まってしまう。戦闘というよりも、一方的な処刑に近いだろう。
「ね、私のキャミソール姿、思い出して? パンツは白かったでしょ。」
「……。」
「チラッチラッとガン見したり、私や友達の写真を部屋に持ち込んだりして、パンツや腕や素足を思い出しながらオナニーしてたんでしょ、そのナカミが、いま……ぜんぶ見えてるんだよ?」
「……まけない」
そう言いつつも、あらためて見る姉のすらりとしたきれいな裸体は、たしかに僕を興奮させる要素に満ちあふれている。あのころ、さんざん空想力を働かせて、見ることのできなかった部分を予想しながら、夜な夜な抜いていたことを思い出してしまう。パンティやブルマに浮かび上がっていたタテスジが、いまや生地なしに、まるごとじかに見せつけられているんだ。
以前は、見るだけで興奮してしまい、脳裏に焼き付けてしまった彼女の肢体。胸も、腕も、お腹も、お尻も、背中も、生足さえも、いくらでも思い出してしまう。それどころか、今はすぐにでも、見るだけでなく、じかに触りあうことができるんだ。
実の姉であるという禁断の関係も、こっちの世界では意味をなさない。むしろ禁断こそが、快感を高める効果ばかりを持つ。挿入することも、なんの躊躇もなくできる状態にある。
「ふふっ、ずっと、おねえちゃんのカラダ、触りたかったんでしょ。分かってるんだから。アンタが中学生くらいの時から、私のカラダ、後ろから触りたかったんだよね?」
「うぅ……」
そこまで詳細に知られてしまっているのはなぜなんだ。この異世界に転送されたせいで、余分な知識が与えられたのか。
「もう、隠さないでもいいよ? 床に座った私を後ろから抱きしめて、おま●こを指先でじっくりいじりたかったんだよね。あと、おねえちゃんにぎゅ~ってされて、上からかわいがられたいって思ったこともあったでしょ。」
「も、もう……だめかも……」
まずい……あのころの性的な欲情が、詳細な妄想が、いまの姉に筒抜けになっている。しかも、姉に対するその欲動が、いまもぶり返してしまっている。その頃の妄想と興奮が、はっきりとフラッシュバックする。それでオナニーしたときの快感が、脳裏によみがえってしまう。
もう、想像ではないんだ。じっさいに、彼女に触れ合い、その生足を撫でさすったり、自分の足でこすり合わせたりすることもできるし、お姉ちゃんの言うとおり、中学生の頃に想像した「後ろから触りたい」という願望も、高校生の頃に想像した「上からじっくり抱きしめられたい」という願望も、これから望みさえすれば、すぐにでも叶えられるんだ。
性的な側面では、何もかも姉の方が上になっている。僕が頼れるのは、これまでの経験とレベルだけだった。しかしそれも、残り精力が尽きようとしている以上、なんの役にも立たないだろう。間違いなく、僕は姉の身体に勝つことができずに、肉体の上でも精神の上でも、完全に屈服させられてしまう。その代わりに、極上の快楽が姉によって与えられ、そのあとはめくるめく天国が、永遠に僕を支配してくれるんだ。
僕は固まって動けない。何をどう選択したらいいかさえも、まるで思い浮かばなかった。選択肢を設けられるほどの余裕さえないのか……なんということだ。
姉がどんどん近づいてくる。抱き合っただけでも爆発してしまいそうだ。あの肌にペニスが触れてしまった瞬間に脈打ってしまうかも知れない。なんとか……なんとかして、そういう瞬殺状態だけは、回避しなくては。そのことだけで頭がいっぱいだった。
シュッ!
「!!!!」
強化された姉は素早い。僕が、あと一歩で射精してしまいそうなギリギリのところを抑え込んでいるのに集中しすぎて、相手の動きを追う余裕さえもなかった。そのため、僕は一瞬、姉を見失った。ああ、こんな狭い部屋だというのに!
「ここだよ?」
後ろから声がする。小柄な姉は、猛スピードで僕の背後に回ってしまっていた。いや……本来なら、いくら強化されていたとしても、姉の動きを察知するくらいのレベルにはあった。それを見過ごしてしまうほどに、僕の方がガタガタなんだ。
姉さんは僕の背後を取ると、後ろから両手でペニスを握りしめてきた!
きゅっとちいさな手がペニスを掴んでいる。やわらかくって、スベスベしなやかで、指の細い姉の女手だ。
「うぐあ……」
「あれえ? もう出しちゃうの? アコガレのおねえちゃんに、じかに握られて、カンゲキしちゃったかな?」
そ……それだけは……なんとしても避けなければ! 僕は必死で射精感をこらえ、律動が始まってしまうのを無理矢理抑え込んだ。
姉にペニスを本当に触られたい……そんな昔の願望が、じっさいに叶ってしまった。そのことは、他の女に握られるより、はるかに大きな欲動を引き起こすものだった。オナニーのオカズとして、姉さんに一方的にペニスをいじられてしまう願望を、何度も何度も想定して射精してきた身だからだ。
すんでのところで、イクことだけは避けることができたが、限界を突破できたわけではない。僕の背後にぴったり密着する姉さんの若い肌は、どこまでもやわらかでみずみずしい。その感触を味わいながら、かわいらしい手がなまでペニスを握りしめている。ほどよい力加減で、両手でペニスを握ってくれていた。
彼女の左手が根元から真ん中までを、そして右手が先端部分を、しっかり離さないように握りしめていた。その締まるやわらかい感触だけで、いつ射精が始まってもおかしくない状態だった。
「ほれほれ。瞬殺してあげるよ。イッちゃえイッちゃえ!」
姉は両手を前後させて、くっちゅくっちゅとペニスを優しくしごき上げてくる! そのこなれた手つきは、弟のペニスの感じるところをいちいち確実に捕らえ、少しも休まずに快楽刺激を送り込んでくる。
握られただけで出してしまいそうだったペニスは、さらに窮地に立たされてしまった。ちいさな胸が、僕の背中の下方でぐにぐに潰れている。
「いい気持ちだよねー? おねえちゃん、なぁんでも知ってるんだから。ちいさい頃はチンチンの先っぽの皮をモミモミちょみちょみして、先端ばっかり刺激してイッてたでしょ。大きくなると、しごく快感も覚えたんだよね? こうやって……」
「うぁぁぁ! やめ……」
姉さんの手の動きが的確に僕を追い詰めているのは、僕がかつてオナニーしていたときに一番気持ちいい刺激になる手つきを、姉がきちんと覚えていたからだった。
覗いていたのか、ここに転送されているときに知ったのかは分からないが、おそらく両方ではないか。僕が絶頂する時の自分の手の動きを、姉は知り尽くしている。そしてそれと同じ動きで、今度はやわらかい女手で、ペニスを刺激しているんだ。
ときおり左手を離して、彼女は右手でペニスをしごきながら、亀頭先端を左手指先でいじり回した。この刺激は、高学年から中学生くらいの僕が、オナニーで先端を刺激して果てていた快感を再現したものだった。先っぽが一番感じるということも、姉はしっかり理解し、的確にピンポイントで、先端や裏スジの一番気持ちいい場所だけをコチョコチョくすぐってくる!
そこまで知られてしまっているということは……。
「ハヤイけど、もう終わりにしちゃおっか。アンタ、自分でスルときも、こんなコトをしてたよね~? ほらほらっ!」
コショコショコショコショコショコショ!!!
「うゎああ!!」
姉さんは今度は左手で、ペニスの先端部分を素早くしごき上げながら、右手で玉袋をくすぐり始めた! 快感刺激が何倍にも膨れ上がる! たしかにオナニーしながら、時々玉袋を自分の指先でくすぐって、絶頂までの時間を短くしていた。姉はやはり、そのことまで知っているんだッ!
精力が尽きかけている僕にとって、この攻撃は完全に致命的だった。
びゅく! どばあっ! びくびくびくびくん!!!
大量の精子が、ペニス先端からほとばしっていく!
快感は数分続き、脈打ち速度も格段に速い。こっちの世界で女性にイかされるとこんなに気持ちよかったのか。僕が精液を噴き出している間じゅう、姉は手コキと玉袋くすぐりを続けてくれた。長い間ガマンして溜め込まれていた体液が、いきなり姉の手で一気に全部絞り出されてしまったんだ。
律動が収まっていくにつれて、姉の手もゆっくりになり、ペニスを優しく両手で撫でさするような動きに変わっていった。そして、最後の律動が終わるまで、スリスリと手のひらや指でペニスをかわいがり続けた。これ以上撫でても脈打たないことが分かって、初めて姉さんは手を離してくれたのだった。
「ふふっ。やっぱりアンタは、ねえちゃんには絶対的に敵わなかったねっ。それがとってもうれしいっ!」
姉は絶頂しなかったが、非常に興奮していた。男を性的快感で打ち負かすことが、彼女にとって至上の悦びとなる。それが彼女の性欲を極端に高めているんだ。
だけど、こちらからは全く攻撃できなかったので、姉がイクところまでは達しなかったのである。そのことは、全く僕が彼女に太刀打ちできなかったことを意味する。完膚なきまでの敗北だ。
目の前の風景が変化していく。この塔の世界で射精敗北すれば、僕はこの異世界から永久に抜け出せなくなる。肉体改造も行われ、ひたすら精を奪われ続ける存在へと堕していくのだ。
姉の姿も消え、僕はアパートとおぼしきワンルームの中で突っ立っていた。殺風景な部屋だ。そこに寝ているのは、見たこともないひとりの若い男性だった。
僕は一瞬で、何が起こったのか、これからどうなるのかを理解した。
これは、例えて言うなら「映画」だ。
ただの映画とは違う。360度、完全にその映画の世界の中に溶け込み、入り込んでいる。もちろん、その映画の登場人物たちは、僕のことを認識しない。
姉さんがマスターベーションをするときに、頭の中に思い描いている世界が、なまなましく映画のように再現されているんだ。他の女性もそうであるように、姉さんも、「ストーリーを頭に思い浮かべてその進行に合わせて女体を高めていく」手法をとる。
ただし、姉さんの性癖はあくまで、男を性的に打ち負かせることそのものが快楽となる、ということを忘れてはならない。
僕は姉の妄想に付き合わされ、それを映画のように強制的に見せつけられている。だからこそ、これから何が起こるのか、結末まで、全部瞬時にして把握してしまえるんだ。
肉体改造が終わり、僕は四六時中、一瞬たりとも途切れることなく、「イク直前の多幸感」を味わい続けることになる。そのまま放っておいても1,2秒で射精が始まるという、あの最高に気持ちいい感覚が股間をひっきりなしに支配している。
当然、次の瞬間には勝手に射精が始まってしまう。やはり異世界なので、射精は数分も続き、速度も速い。快楽は強まる。それなのに、イキ終わった途端に、急激に性欲が高まり、精子が玉袋にパンパンに溜め込まれてしまう。何ヶ月も抜いていないのと同じくらいの衝動的な性欲の疼きだ。そこへ、ずっと続く多幸感が相変わらず押し寄せるので、また射精が始まるという仕組みだ。
エアコンがついていて、部屋の温度は高めに設定されている。冬であることはすぐに分かった。部屋にはストーブも出してあった。電気がついているので、この部屋の男性は床についたばかりということも分かる。その”出来事”は、彼が明かりを消す直前にやってきた。
「こんばんは~♪」
「!!」
青年は飛び起きた。呼び鈴も鳴らさず、勝手にアパートのドアが開けられたのだ。鍵をかけて眠らないのは不用心だが、彼は鍵もチェーンもつけていなかった。これは姉さんの想定どおりというわけだ。
ワンルームに入ってきたのは、3人の少女たちだった。赤いとんがり帽子を被り、サンタ服を着ている。どうやら、クリスマスという設定のようだ。だが、彼女たちの身につけているサンタ服は、本来のものとはまるで違うシロモノだった。
乳房部分だけを軽く覆う、もこもこした赤い上着。そして、歩いただけでショーツが見えてしまうくらいに短すぎる赤いスカート。靴下さえも穿いていなかった。現代では煙突がないので、サンタ娘たちは正面ドアから堂々と入ってくるようだった。つまり、肩も腕も脇の下もお腹も、もちろん太めのやわらかそうな生足も、完全に露出されたサンタ服なのだ。
「なっ、なんだお前ら!」
男性は少女たちのことを知らないようだった。何者かも分からない、10代後半くらいの女の子たちが突然押しかけてくれば、誰だって訝しむ。彼は、この突然現れた3人のミニスカサンタ娘を怪しみ、完全にひるんでいた。
「毎度おなじみ、サンタ娘だよ~♪」
「毎度おなじみであってたまるかっ!」
正論だ。正論だけど、正しければ通用するというわけではない。そんな簡単なことも理解できないのは若い証拠か。サンタ娘たちは勝手に部屋に上がり込み、彼の横たわるベッドに近づいていく。
青年はそばにあった携帯を手に取った。相手が少女たちであっても、知らない人間が勝手に入ってくれば、誰だってそうするだろう。
「そうはさせないよ! え~い♪ サンタパワー!」
「さ、さんたぱわー!?!?」
「サンタパワーです!」
「来てます来てます!」
ブゥン!
男性は、ナゾのサンタパワーで、自分のアパートから別の場所にワープさせられてしまった。
ワープさせられた場所は、ちょうどトイレの個室くらいの、とても狭い部屋だった。部屋というより、周囲を壁に囲まれた閉じ込め室のような場所だ。出入り口もない。そんな狭い個室の真ん中に、彼はパジャマ姿で移動させられていたのだった。そしてその周囲には、3人のサンタ娘たちが取り囲んでいる。
「おにーさん、ことしはいい子にしていたから、サンタ娘たちからプレゼントだよ~♪」
「ぷ、プレゼントだと!?」
「そう。おにーさんをこれからいっぱいイイ気持ちにさせるんだ♥ それがプレゼント!」
「な、なんなんだ!?」
彼はまだ、自分の身に起こっている不可思議な現象に、思考が全く追いつかないでいる。思考というものは、言葉を介して行われるものだ。空腹なら頭の中で「お腹がすいた」という言葉を発する、それと同じだ。しかし、あまりに突然の出来事に、彼は頭の中に、なにひとつ言葉そのものが思い浮かばないのである。
「それ~っ♥」
「やっちゃえー♪」
「ほらほらー!」
むぎゅううう!
3人は男に、しっかりと抱きついてくる。少女たちの髪の香りが、直接彼の鼻をくすぐった。彼の方が頭ひとつ分くらい背が高いために、少女たちに抱きつかれると、その真ん中に彼の頭部だけが突出したような格好になる。
むにににっ……
女の子たちの若くてやわらかな肉の弾力が、パジャマ越しに彼の全身に伝わる。生地越しなので直接その肌の感触を味わってはいないものの、可愛い若娘サンタ3人のやわらかい胸、お腹、太ももの感触はしっかり感じ取ることができた。
「や、やめろっ! 離れっ、はなれろー!」
状況を把握できない男は、性的に襲われていることさえ理解し切れていない。そこまで思考が追いついていなかった。射精しているのは僕だけだ。
「ねえおにーさん、ここはね、えっちなサンタのプレゼント部屋なんだよ?」
「ほら。右上を見て。何か見えるでしょう?」
「……!!」
ホログラムのように、彼の上方右側、天井付近に、何らかのゲージが3つ浮かび出ている。棒グラフになっていて、3種類が並んで表示されている。
むにむにとやわらかな弾力を押しつけながら、娘たちはゲージの内容を説明し始める。
「あのね。一番右端のゲージがぁ、”性欲ゲージ”だよ。」
「せいよくげーじ?」
「そう。おにーさんの性欲が溜まっていくと、それがメーターとなってゲージが上がっていくんだ♪」
「おにーさん、驚いちゃって、性欲ゲージゼロのままだね。」
「ううっ……なんだと……」
女の子たちはひたすら、張り出したおっぱいの肉厚を男性の胸板に押しつけ、やわらかく潰してきている。そして生足で彼のパジャマ越しの脚をこすり、太もも・内股の弾力をも感じさせてくる。
少しだけ状況を理解した彼が覚えたのは、性欲ではなく恐怖だった。あるいは……夢か何かを見ているのだろうか。彼はやっと、そう思うだけで手一杯になっていた。
「ほらほら。私たちのカラダ、どこを触ってもいいんだよ~?」
「ね。おにーさん。私の素足、触ってみない?」
「ミニスカートのお尻を揉んじゃってもイイよー♪」
「くっそ……絶対触るものか!」
相手が何者なのかも分からず、相手の言うことなど信用できない彼は、何が起こっているのか、これからどうなってしまうのか、恐怖と不安で、性的な撫でさすりなど思いもよらないことだった。
「あっそう。別にいいよ?」
「プレゼントは拒否できるからねー。」
「このまま性欲ゲージが上がらないなら、元の世界に戻してあげる。」
サンタ娘たちはしがみついたまま離さず、相変わらず女体の柔らかさばかりを押しつけてくる。
時間が経つにつれて、若い男性は、ようやく、少女たちに対して性的な魅力を感じ始めるのだった。恐怖や不安が残っていながら、欲動の方も上がり始めている。
若くてハリのある生足が、パジャマの両脚を滑り回っている。むにっと潰れていく内股の感覚が、ようやく彼の脚に性的衝動として伝わり始めた。同時に、オッパイの肉の感覚も、彼は3人分、自分の上半身に感じることができ始めた。
恐怖と不安が残っているために、彼はまだ理性を働かせている。そのために、彼の方から積極的に、サンタ娘たちの露出された肌を触ろうとはしなかった。しかしそれでも、女の子たちのふにふにした身体的な特徴は、野郎の硬い体とは比べものにならないことをはっきりと感じ取っていた。
「性欲ゲージ」がじわじわ上がっていく。彼は自分で、みずからの性欲をグラフとして認識することができた。
(まずい)
と思って気を引き締める青年。しかし、どうしても娘たちの3方向からのムニムニ攻撃に、性欲ゲージを下げられないでいる。
可愛らしい少女たちの、肉付き良い肢体が、布ごしにだが感じられる。もし、ほんとうに彼女たちを抱くことが許されるとするなら、その快楽はいかほどだろう。彼の脳裏には、急激な欲情がぐんぐん膨らんでいくばかりだ。
性欲ゲージが90%にまで跳ね上がってしまった。彼は、理性を保っているにもかかわらず、サンタ娘たちに”異性”性を感じ取ってしまったのだ。その魅力に負け、彼女たちへの性的な強い興味が、彼の心に強く芽生えてしまったのである。
こういうところも姉さんの趣味にぴったり合致する。ソノ気がない男性を、女の魅力で誘惑して、性欲ゲージを高めて心理的に敗北させるところから、姉さんの悦びが始まっていくんだ。
しゅるっ!
「なっ……!?」
突然、彼のパジャマが消えてなくなってしまった。
「へへへー。性欲ゲージが9割以上になったね。」
「性欲ゲージが溜まると、どんどんおにーさんの服が消えてなくなっちゃうんだよ? ほら、もうトランクス姿だけになっちゃった。」
「これでほとんどジカに私たちの肌を感じられるね♪」
パジャマ越しだったために、肉体の弾力を感じ取れても、なまの肌の感触までは味わえなかった。また、彼には理性が働いており、彼の方から積極的にサンタ娘たちに触ろうとはしなかった。
しかし、パジャマが消え、下着だけになってしまうと、サンタ娘たちの腕、肩、お腹、そして太ももの感触が、直接彼の肉体に密着してしまう! 少女たちはサンタ姿のままだが、露出度が高いために、吸いつく若い肌触りは十分に、青年の体のあちこちに押しつけこすりつけることができた。
とりわけ、その生足が、彼の両脚を3人がかりでスリスリスベスベ、執拗にこすりあげ、挟み込み、内股のやわらかさとシコシコした肌触りをじかに味わわせてくる。
急激に、性欲ゲージの隣のゲージが上がっていった。
「真ん中のゲージはねー、”勃起ゲージ”だよ。」
「勃起ゲージが上がると、じゃじゃーん♪ なんと! 私たちのサンタ服の方が消えていくのです!」
「あっ、性欲ゲージが100%になったよ!? これでおにーさんのトランクスも消えちゃったねー♪」
サンタ娘たちの言うとおり、青年はもう全裸になってしまっていた。そこへサンタ娘たちの綺麗な肌がしつこくこすれていく。胸だけを隠し、ミニスカートもほとんどパンツが見える状態では、少女たちはその肌の大部分を、彼にこすりつけることができるようになっていた。若い男性は、いっそうサンタ娘たちの生足の感触に晒され、ガマンしきれずに「勃起ゲージ」を上げていってしまう。
青年は、ゲージが上がれば上がるほどまずいことになることを、本能的に察知しているようだった。なんとか抵抗し、勃起しないように力んで欲情を抑え込もうとしたが、それは無駄な努力というものだった。
朝起きただけで勃起してしまう。ちょっと背伸びしただけでも勃ってしまう。そのくらい、若い男は性的な衝動に突然突き動かされてしまう存在だ。
それなのに、女の子3人がかりで、太ももで彼の両脚を執拗にこすり、乳房以外のすべての女体パーツで彼の上半身をかわいがり続けていれば、どうしたって勃起はぐんぐん進んでしまうのだ。
ついに勃起ゲージがマックスになってしまう。きっと、熟練した男性なら、どうにかこうにか勃起ゲージをコントロールすることもできるのだろう。だが、この若い男性にも、もちろん今の僕にも、そんなことは到底不可能な話だった。
その瞬間、サンタ娘たちの赤いもこもこした小さい服は全てなくなってしまった。勃起ゲージが溜まると、娘たちの服も消える。男性は、3人の裸の感触を、周囲全体からまんべんなく味わい続けることになる。隠されていた大きめの乳房も、じかに彼の胸板を滑るようになった。パイパンの滑らかな感触が、彼の脚や腰にはりついている。
勃起ゲージがマックスになっているということで、青年は完全にペニスを隆起させてしまっていた。
「はぁい。私たちの勝ちね♪」
「おにーさん、もうプレゼントされるしかなくなっちゃったね?」
「メリークリスマター!!!」
サンタ娘たちは密着したまま、20センチくらい浮き上がった。サンタは空からやってくる……舞空術くらい使えても不思議ではない。
そのうちのひとりが、内股の間にペニスを挟み込んだ。むににっと太ももの感触が刻みつけられると同時に、オンナ表面の悩ましい感触がじかに密着し圧迫している。
「ああっ……気持ちいっ……」
サンタ娘はクリスマタ攻撃で、腰部分を素早く前後させ、男性を抱きしめたままスリュスリュとペニスをしごき立てる! 生足とオンナ表面がこすれていく急激な感触に、若い男はなすすべもなく、引っ付いてくるような女の肉の心地よさにどんどん高められていく。
うああ!
僕の射精スピードも急激に跳ね上がった!
見ているだけでも勝手に射精していくし、サンタ娘たちの裸体と痴態を目の当たりにするだけで十分興奮できるシチュエーションだ。かてて加えて、僕の全身に、彼が受けているのとほとんど同じ感覚が追加されたのだった。
3人の太ももが僕の両脚にもしっかり纏わり付いている。大きな乳房の潰れる弾力も、僕の胸板を滑っているのが分かる。あくまで感覚だけであり、周囲にはりついている娘たちの姿は見えないが、透明の少女たちに全身押しつぶされてスリスリされているのは分かった。
そして……僕のペニスにも、やわらかで心地よい刺激が加えられている。これが決定的に、僕の射精スピードを飛躍的に高めたのだ。
この感触がなんであるのか、すぐに分かった。女手だ。姉さんの手の感触と全く同じだ。さっきの闘いで瞬殺されてしまったときの、姉さんの手の動きそのものだった。片手で優しくしごき上げ、スピードを上げていくと同時に、亀頭先端や裏スジ、玉袋と、矢継ぎ早に指先でくすぐられていく。これで快感が急激に何倍にも高まり、娘たちの肌触りと相まって、精を魔族にどんどん吸い上げられていくのだ。
それでも僕の方は、精根尽き果てることなく、永久にこの快感が高まり続けることになる。
僕は、この男性がクリスマタで責められている有様を目の前でじっくり強制的に見せつけられながら、少女たちの肌と姉の手でイかされ続けている。彼女たちの痴態をオカズにして、姉が僕の代わりにオナニーしてくれているような倒錯した感覚を覚えた。
「ね、おにーさん。女の子の脚とアソコ表面にしごかれて、どんどんイキそうになってるね♪」
「一番左のゲージを見てっ! あれが”精力ゲージ”だよ。」
「精力ゲージは、他の二つとは逆に、100%から始まって、気持ちよくなるごとにどんどん減っていくの。このゲージがゼロになったら、おにーさんは射精できるよ?」
これで、上方に浮き上がっている3つのゲージの正体が分かった。右端が性欲ゲージ。これが高まると男の方の服が脱げる。中央が勃起ゲージで、これが高まると娘たちの方の服が脱げる。この両方のゲージがマックスになったとき、サンタ娘たちはいよいよ、性的なプレゼント攻撃を開始する仕組みなんだ。
彼の精力ゲージは急激に減少していった。素早くしごき立てる生足と表面のダブルパンチで、青年は快感を我慢できないでいる。なんとか踏ん張ろうとしても、若くて経験の少ない男性にはムリな話だった。
「はいっ! 精力ゲージゼロ!」
「んあ!」
びゅくん! ビルルっ……
サンタ娘の股の間から、濃い白濁液が飛び出していった。男性は立たされたまま、一方的に射精させられてしまったのだった。
だが、当然サンタ娘たちの快感攻撃は終わらない。
プレゼント攻撃は、キッカリ3人分あるんだ。
すぐ隣の子が、男性のペニスを生足でとらえる。今度はスリスリと左右の足を前後させ、モモズリでペニスをイかせにかかる気だ。
射精したばかりだというのに、性欲ゲージも勃起ゲージも下がらない。下がってしまう前に、ペニスは再び女の脚で揉まれしごかれ、気持ちいい刺激を続けられているためだ。
しかし、さすがに先ほどのように、急激に精力ゲージが下がっていくことはなかった。一回射精したために、彼の股間にも疲労が蓄積し、若娘の太もも攻撃が続けられても、簡単には精力消費しなくなっているんだ。
それでも、周囲の2人のサポートで、男性は全身スリスリムニムニされ、さらに彼の背中や腕に乳が激しく上下する。そして相変わらず彼女たちの滑らかすぎる脚が、男性の両脚を捕らえて離さない。
そんな中で、しつこくしつこく太ももがペニスをスベスベとこすり続けている。吸いつくような感触は文字どおり、ペニスに引っ付いてくる。彼女が左右の足を交互に前後させるたびに、ペニスに引っ付いた内股の肉はペリペリッと音を立てて剥がれていく。
剥がれた先には内股の別の部分が待ち構えていて、やはり吸いついてくる。そんな感触のまま、しつこくしつこく生足がペニスを責め続けるので、やはり精力ゲージは減っていくのだ。
「うっく!」
ゲージがゼロになる。さっきよりは薄目の体液が、少女の脚にだらりと流れ落ちた。彼は立て続けに二度イかされてしまったのだ。
二連続で射精してしまったためか、彼の性欲ゲージと勃起ゲージがいきなり大きく下がった。精力ゲージの方は100%のまま、これ以上消費しないようだ。
だが、ルールでは一度プレゼント攻撃が確定したら、キッチリ3人分は受け取らなければならなくなる。少女たちは離れてくれない。
「大丈夫だよ? おにーさん、私たちにはサンタパワーがあるんだから♪」
「えーい♥」
ピロロロロ……
不可思議なオーラが青年に纏わり付く。すると、とたんに性欲ゲージがマックスまで上がってしまった。プレゼントが終わるまでは、男女とも裸のままである。
「あはっ、すごいでしょお? サンタパワーで、プロラクチンをなくして、疲労も回復させちゃったよ?」
「うああ……そんな……」
「ほら~……勃起ゲージが上がっていくね。そうだよねー♪ 裸のサンタさん3人がかりで、おにーさんを包み込んじゃってるんだもん。勃たないワケないじゃないっ!」
プロラクチンは、射精直後に脳から分泌される成分だ。これによって急激に性欲がなくなり、これ以上性的な行為を望まないように、全身に指令を伝える役割をするものだ。射精したら異性への性的な興味を急激に失うのはこのためだ。精の枯渇や内部のダメージを防いで、また、性欲が暴走しすぎないように抑制する働きがある。いわゆる”賢者モード”と呼ばれる状態だ。
しかし、サンタパワーの効力で、このプロラクチンが分泌されなくなってしまった。疲労も回復したということは、性的欲求も回復してしまったことを意味する。当然、射精しすぎたことによる痛みなども起こらなくなる。
こうしたプロラクチンや股間の痛みは、性行為の過剰を抑えてくれる大切な信号なのだが、その信号が機能しなくなってしまったということは、彼にとっては大きなピンチであることを意味する。
3人目の娘がペニスにはりつく。今度は生足で挟み込むのではなく、彼の首に手をかけて上体をのけぞらせ、オンナ表面だけをペニスにあてがって、ホットドッグ状態にしてから、立ちスマタで腰を振り始める攻撃だ。
半立ち状態、つまり勃起ゲージが十分にマックスになっていない中で、精力ゲージだけがどんどん減っていく。オンナ表面でズリズリ上下にしごかれたペニスは、そのなまのやわらかな器官の感触に、快楽しか見いだすことができない。勃ち切ってもいない中で、射精へのカウントダウンばかりが始まっていく。
回復してしまった以上、もはや精力ゲージの急激な減少は避けられなかった。可愛いサンタ娘のツルツルのオンナ表面は、激しく執拗にペニスをこすりあげ、どうあっても射精させようと、いつまでもいやらしく上下し続けている。
「あははっ! 出しそうだねっ! いいよ、おにーさん、このまま私のココのズリズリ攻撃でイッちゃえ~♪♪」
「精力ゲージゼロだよー!!」
「うぐぁぁ! もうやめ……やめてくださぃ……うっく!」
ほとんど透明な精液が、情けない速度でペニスから溢れていった。ゆっくりと、じわじわと、公園の水飲み機をちょっとひねった程度の……チョロチョロ吐き出すような射精だ。いくら疲労が回復し、性欲抑制ホルモンが停止されたとしても、もう玉袋にはほとんど生殖細胞は残っていないんだ。
しかしそれでも、絶頂時の快楽だけは衰えない。彼は3人目のスマタ攻撃にも、なすすべなく敗北してしまったのである。
……本来なら、ここで終了である。
サンタ娘たちは、精根尽き果てるまで男性をクリスマタでプレゼントし、至高の快楽を送り込んだ。それで彼女たちの役割は終わりである。彼は元の自分の部屋に戻され、深く深く眠り込んでしまうことだろう。姉さんはそういう想像をしながら、徹底的にこの男を性的に敗北させた悦びで、マスターベーションの絶頂を愉しんでいたのだ。
だが……「映画」は終わらない!
それは、僕が永遠無限の淫魔界に堕とされ、何億年経とうとも抜け出すことができない魂になってしまったためである。だから、サンタ娘たちの性感攻撃は、決して終了することがないんだ!
ピロロロロ……ピロロロロ……
サンタパワーがどっさり送り込まれる。さらにプロラクチンは抑制され、疲れも痛みもなくなってしまう。3人分出し尽くしたのに、彼は強制的に回復させられて、再び「性欲ゲージ+勃起ゲージ増やし」と「精力ゲージ減らし」のゲームが続けられることになってしまった。
しかも、今度は男性も裸だし、サンタ娘たちも裸のままだった。裸同士で押しつけられ、こすれあい、むにむにっ……すりすりっ……しつこくしがみつき攻撃が続いていく。
性欲ゲージはすぐに高められ、引き続き勃起ゲージが高まっていく。勃起が終わったら、射精3回するまで許されない。それが分かっていながら、もう彼にはどうすることもできなくなっていた。
精液は出し切ってしまっている。けれどもセックスはしたい。そんな欲動が彼を支配した。
それに呼応するように、勃起し終わったペニスを、サンタ娘たちはあの手この手で交代で責めていく。
少女たちの手、舌、乳房。さまざまな部位でしごかれ、舐め尽くされ続ける。その間じゅう、彼の周囲に滑らかな肢体が密着し滑り回っている。大きなおっぱいに包まれて激しく上下に揺さぶられると、ペニスはどうしようもなく高められ、ついに脈打ってしまう。
サンタパワーがひっきりなしに発動する。それによって、彼は強制的に回復させられてしまう。
ついには、サンタ娘たちの膣がまるごとペニスを飲み込み、激しくピストンを要求するようになる。青年は、他の少女たちに腰を押されて、無理矢理前後に振らされる。ペニスは若い直情的なオンナの感触に締め上げられながらズリズリしごかれ、大量の愛液を滴らせる蜜壺の感触に、悶えながら感極まってイッてしまう。
しかしもはや、彼の精子は完全に枯渇してしまっている。玉袋には何も残っていない。サンタパワーは、僕と違って、生殖細胞の再生までは行わないんだ。僕の場合は、瞬時に回復し、精液もいつまでも濃いまま吐き出し続けているが、彼の方はそうではなかった。
ペニスは脈打つ。しかし、ビクンビクンと情けなく律動するばかりで、汁は一滴も出てこない。脈打ちと快感だけが延々と続くんだ。まるで、精通が始まってもいない少年がイッたときと同じように、彼はただひたすら、オンナの中でヒクヒクとペニスを律動させている。
終わればまたしつこい密着攻撃で性欲ゲージを高められ、勃起させられ、フェラチオ、手コキ、パイズリ、スマタ、挿入と、次から次へと女体のさまざまな部位で責めまくって、何度でも精力ゲージをゼロにしていく。
回復してしまっているので、彼はまるで地獄を感じていない。しかし間違いなく、その肉体には重すぎる負担がかかっているはずだ。それでも倦怠感も痛みも消し去られ、可愛い3人に執拗にしがみつかれ、ペニスを撫でさすられ、生足で挟まれていく。何度でも蘇る性欲のたぎりに、彼はすっかり思考停止しているようだ。
僕ももうすぐ、思考をやめるだろう。思考には言葉が必要だ。だが、もう、快感しか残っていないこの異世界に、言葉そのものが全く必要ではなくなってしまった。つまり考えるということができなくなっていくのだ。
宴は終わらない。僕も彼も、サンタ娘たちの全身でイキ続ける。姉の手も休まりはしない。まとわりつく女体の群の感触に脱力しながら、僕はこれ以上何かを語るのをストップさせるのだった。
###ゲームオーバー###