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姉7


 べっ、別に姉の誘惑に屈したわけではない!

 姉さんのやわらかな女手でじかに握られ触られ、そのあこがれだった生足がこすれただけで、昔からのドキドキがぶり返し、その肢体の魅力にとことん興奮させられている。しかし、それだからこそ、彼女の肉体の誘惑に屈してはいけない。そうなれば僕の敗北は確実なんだ。

 彼女の攻撃力は、たしかに極端に強化されている。もちろんその他も。だがしかし、深刻な難所はまだふたつある! ひとつめは……彼女の性的な魅力は、僕の精神的な弱体化を確実なものにしていることだ。

 その実力もさることながら、あの姉さんをじかに触れることができ、しかも性欲を満たしても良い、許されている、その感覚そのものが、経験を積んできた僕を弱くする。姉さんだからこそ、その肌の魅力は、触れ合えばどこまでも心地よく、甘美なものになる。

 まだまだ幼い頃から、僕が性欲に目覚めたその瞬間から、姉はいつも、姉であると同時に魅惑的な異性として、僕の心の中に存在し続けた。そして、姉自身の身体も成長しながら、その発達していく女体のパーツを、大事な部分は隠しながらもしっかり見せつけ続け、僕に姉の肌の、各パーツの膨らみや滑らかな質感を、心の奥底に刻み込み続けてきた。

 その姉さんがいよいよ、僕と直接触れ合い、性的な営みをなんでもできる状態になったことで、ずっとあこがれていた理想の肌を、いつでも抱きしめることができる。長年の願いが叶えられることの快楽と悦びが、僕の心のガードをどこまでも溶かしきってしまう。

 それはまさに、オナニーを覚え始めた年代からの願望であり、それがいよいよ満たされることで、僕は姉さんに、子供時代からの僕もひっくるめて、”いま同時に全年代の僕を犯すことができる”心の状態を許してしまっているのだ!

 現在の僕が姉さんと交われば、姉さんは同時に、過去の僕をも犯せる。小学時代の僕も中学時代の僕も高校時代の僕も、同時に快楽一色に染め上げることができる。僕の強い記憶がそうさせるッ!

 何重にも締め上げられた快感の連鎖が僕の脳に強く巻きついて、それが大ダメージとなって僕を何倍にも気持ちよくさせる。そんなことができるのは姉さんだけだ。それは昔から僕を性的に虜にしてきた姉だけが、発揮することのできる弱体化攻撃なのである。

 どんなに百戦錬磨でも、子供時代の僕の願望が同時に満たされてしまう以上、弱かった頃の僕自身が快楽に染め上げられるので、僕はたまらず精をこぼしてしまうのかも知れない。それだけ危険な相手だ、ってことである。

 あれほど姉さんの生足を自分の脚でこすりたいと思い続けてきた。それがいっぺんに満たされることで、姉の太ももは、他のどんな女の素足よりも、飛び抜けて高いダメージを僕に与えることができる。

 あれほど姉さんにじかに触られたいと思ってオナニーしてきたし、姉さんの肉体のあっちこっちに触りたい、抱きしめたい、その肌のどこででもこすられたい、そんな願望をいつも抱いていた。

 ひそかに……決して見せてくれることのなかった、おっぱい部分とオンナ部分。そこをひそかに、見たいと熱望し続けた。さすがに現実世界では、その部分を見せてくることはなかったけれども、それ以外はきわどいところまで、脳裏に焼き付くほどにくり返し見続けてきたので、大体は想像することができた。

 そして……そこを揉んだり触ったり、はては挿れてしまってあえなく快楽に射精してしまうことを願望し、ペニスを慰めたこともあったんだ。

 だから、しごかれようと舐められようと、抱き合っても、どこを触っても、どのパーツで触られても、なにをされても……姉さんの肉体から繰り出された快感攻撃は、僕にそれだけで射精させられるほどのパワーを持っている。より正確には、僕自身が、姉のどんな攻撃でも高められて追い詰められる可能性が十分高いほどに、精神的に弱くなってしまっているということなのである。

 そんな姉さんの身体が……あられもない女性器まで露出して……僕のすぐ目の前にいる。あとほんのちょっとだけ、僕が前に進みさえすれば、姉の肌にペニス先端が触れてしまう。彼女は待っている。僕が我を忘れて自分に抱きついてくる瞬間を。

 ほんのり彼女の体温が伝わってくる気さえする。もしここで僕が身を引けば、姉さんはすかさず生足か手の攻撃を出してきて、僕の心をさらに深く、幼少時代へと嵌め込もうとするだろう。誘惑は強まるばかりだ。

 だからこそ、僕は前へ進むんだ。

 あえて彼女に抱きつき、そのまま彼女の目論見どおりに横になって、とことん彼女の身体をスリスリしまくってやるんだ。そのうえで! そう、そのうえで、彼女の肢体の魅力を克服して、逆に彼女に僕の持てるテクニックをぶち込んで、イかせ倒すッ! それが……僕の採った最良の作戦なんだ!

 なぁんだ……触ってみりゃあ、他の女敵たちと同じじゃないか……気にすんなよ……そう……他のオンナと変わらない……僕の思い込みだけじゃあないか……

 そう思うことができさえすればッ。その瞬間僕の勝ちだ!

 すりっ……

 ぐぐぐ……

 ほんのわずかの距離と時間だった。僕はたしかに、”自分から”彼女にあとわずか近づいて、そのあこがれの肌に吸いついたと思った瞬間だった。

 一瞬近づいただけで、僕は姉さんの肌と強く密着してしまうのを感じた。そして……他の女と変わらないはずという期待は、見事に打ち砕かれてしまう。

 自分から抱き寄せたはずなのに、完全に僕の方が”吸い寄せられた”ようになっている! ほんのわずか近づいたかと思ったら、今度は自分が止められなくなって、その滑らかで吸いつく肌に吸引されるように、ぎゅうっと強く彼女に抱きついてしまう!

 姉弟というカキネが取り払われた瞬間、ふたりは磁石のように吸い寄せられ、強くぎゅみっと密着して離れなくなる。

 その瞬間、姉が上半身を引いた。これは……僕が予想していたとおりの展開。だが、計算どおりというわけではなく、分かっていたけどこうなった、という展開の方が正確な表現だ。

 僕たちの体は滑るようにゆっくりと、しかし絶対に逆らえないような力で引っ張られるように、スムーズに横たわった。僕が姉の上に半ば乗っかっている格好だ。

 むぎゅっと下から姉さんの体が押し返してくる。そのやわらかすぎる弾力は、はっきりと姉の体温と、肉のポヨンとした若々しい感触を、しっかりと跳ね返している。

 うああ……なんて……いい気もちっ……

 これが、あこがれていた姉さんの全身の感触なんだ!

 もちろん僕は全体重を彼女に預けなどしていないけれども、胸やお腹をせり上げるようにして持ち上げてくる姉さんの身体は、はっきりと肉厚な弾力を跳ね返してきていて、それは僕が十分に姉さんに体を預けている証であった。

 密着の度合いが高まり、苦しくはないものの、いつそうなっても不思議ではないほど、僕は上から姉さんにしがみついているんだ。

 それだけムギギッと、女性的な肌触り、やわらかい身体の感覚が、僕に強く押しつけられてくる。上からのしかかる勢いのまま、彼女は下から女体の感触を存分に刻み込んでくる。

 横になったのは、こうして密着の度合いを高めつつ、姉と僕との身長の差をほとんど感じさせないようにするためだ。げんに彼女の頭部は僕の目の前に来ている。時に僕の首の下、そして僕の頭の上へと、彼女の頭部は移動する。それは、僕自身がほぼ無意識のうちに、彼女の上で全身を前後させ、彼女の上を全身で滑り続けているためだった。

 その動きはあくまでスローだ。ずりゅっ……ずりゅっと僕は全身を使って彼女の全身をこすりあげ、弟の体で、ちいさな姉の全身をマッサージするように、むにむににっと女体をこすっていくのだ。

 ほとんど自動的な動きだった。僕は意図せずに、ゆっくりと体を前後に揺すり、2,30センチくらいの幅で姉さんに全身ズリをする。こうすることで、僕の胸板、腕、お腹、脚、そしてペニスが、彼女の全身をズリュズリュと滑っていって、姉の前半分全体を、まんべんなくむぎゅむぎゅこすることができる。

 止めようと思っても容易には止まらず、勝手に動いていく感じだ。僕の心の奥底が、これを願ってやまず、自分の意志だけでは止まらないほど、魂の奥底に刻み込まれていた願望なんだ。姉さんの体にのしかかって、全身でズリズリしたいと、とくにその脚をこすり合いたいと、幼いときから想い続けていた結果なんだ。

 姉にとってみれば、自分の誘惑してきた相手が、禁断の弟の肉体が、じかに自分の前半分をズリズリとこすって必死になっている構図だ。タブーを破って秘密の性行為を行っているんだ。

 破ってしまった後ろめたい快楽は、姉の精神の奥から、”やってしまった”という甘い罠となって女体に襲いかかる。彼女にとって、僕の胸板も、お腹も足も……自分のおっぱいやお腹や腰にこすれていくたびに、どうしようもなく感じさせられるパーツとして刻み込まれていく。

 とくに、自分にはない男性器が、オンナ表面から腹部にかけて硬くこすれていく感触は、コチョコチョと滑っていく突起であり、ペニス先端が自分の肉体のどこを滑っても、そこには快感が集中して襲いかかっている。姉さんにとっても、性的に支配していた弟がじかに自分の肉体をこすっている気持ちよさは、大きなダメージとなるはずだ。

 しかしそれは、僕の快感でもある。

 控えめな乳房。それでもこの世界に転移してきたときに、少しばかり大きくさせたようだ。もともとの姉さんはもっと平べったかったはず……い、いや……それは、キャミソール越しだったり、ノーブラTシャツ(ポッチが浮く)越しに見てきた、隠された乳房ッ! ほ、ほんとうは……するーんとしたおっぱいであるように見せかけて、じっさいに脱いでみせると思ったよりも大きかったという”仕掛け”だったのか!!

 いずれにしても、大きくはない、なまのオッパイは、じかに僕の胸板で潰れながら、ムニッムニッと僕に弾力をやわらかく押しつけている。

 僕が前後するたびに、オッパイの肉は引っ張られるように僕の胸板にシツコク引っ付いている。そのめり込んでいく感触は、あの姉の乳房だという思いとともに、しっかりと男の胸板を快楽にさらしてくる。

 そして、引き締まってはいないけれどもちゃんと女性的な細さを持ち、それでいて肉付きは十分心地よい脂肪感たっぷりのお腹。たいらな上半身ながら、揉めばしっかりと肉のやわらかな潰れる感触が跳ね返ってくる。

 そんなお腹が僕の腹部にこすれあっていて、オッパイ同様にやわらかに引っ付いてくる。僕が前後すれば、それに合わせて姉のお腹の肉も、むにむにと僕の動きについてくる。

 そして、姉さんはゆったりと両脚を上下させ、シコシコスベスベの感触を、僕の両脚に着実に刻みつけ続けていた。これだ……この生足の感触こそ、幼少時代からあこがれていた姉さんの素足の感触なんだ。きめ細かく透きとおるような、みずみずしく吸いついてくる内股。しきりに僕の両脚にこすれ、スリッスリッと悩ましい肌の音を一番出している部分だった。

 何度も何度も、僕はこの姉さんの生足を思い描いてオナニーした。現実では触ることは許されなかったが、その質感は、毎日のように間近で見せつけられて、本当に身近な存在となっていた。

 想像したとおり、いやそれ以上の触られ心地の良さだった。空想していた太ももが、まさにじっさいに僕の両脚をこすってくれている。中学生の姉の生足、高校生の生足、おとなになってからの生足……日に日に女性的に成長していく有様を、毎日僕は目の当たりにし続けた。そのことをアリアリと思い起こさせられる。

 性に目覚めたころにはもう、姉さんの中学太ももは、吸いつくような白い悪魔に成熟していた。が、まだ細っこさもあって、とくにふくらはぎ当たりは、まだまだコドモっぽさを存分に残していた。

 しかし高校くらいになると、肉付きがはっきりとよくなっていて、完全に女の脚になっている。以前の脚と比べながらオナニーする。そうしているうちに、高校を卒業した姉さんのふくらはぎは日に日に細く引き締まっていき、おとなのシュッとした脚に変化していく。にもかかわらず、内股太ももの肉付きと触り心地良さそうな肌の質感は、まるで衰えを見せない。

 姉さんは意図的に、下着キャミ姿になって家を歩くなど、あられもない格好で僕の前に登場した。時には目の前に大きく内股を見せつけるときもあった……ラッキースケベを狙って。

 わざと脇の下も腕もお腹も、背中もパンツ越しのお尻も見せつけ、とくに生足を脳裏に焼き付いて離れないほど存分に見せてきた。僕の目が、どうしても彼女の脚部に集中して視線を注ぐことを、彼女自身分かった上で攻撃していたんだ。

 そんな生足が、いまほんとうに僕の両脚をこすってくれている。さんざん女の脚は味わってきたのに、姉さんだから、まるで子供時代の未経験な僕が姉さんにこすられているみたいに錯覚してしまい、どこまでも深くその感触にゾワゾワと、ときめいてしまうんだ。

 僕が意図せずにズリズリして姉さんを興奮させる以上に、僕の方が彼女の肢体の弾力にまいってしまっている。前後運動を止めることはできずに、ペニスは相変わらずツルツルのオンナ表面からお腹あたりをこすれている。

 つまり、姉さんの下腹部の肌触りやオンナ表面のやわらかな質感が、たえずペニスをこすり続けていることになる。先っぽが敏感で、オンナ表面の突起や肌との境目などをしっかり嗅ぎ分けることができており、それぞれの部分の心地よさを別個に心地よく感じることができた。

 僕は姉さんに頬ずりしながら、あこがれていた、触りたかった女体を存分に味わっていた。そのダメージは重たく、僕は両脚を動かして姉さんの滑る素足をさらに激しくこすりながら、キスや頬ずりをくり返す。そのつどそのつど、僕は興奮を蓄積させ、下から引っ付いてくる滑らかな肉の感触に揉まれるように、全身を快楽一色に染めていく。

 もしこのまま、「一線を越えた」興奮が姉弟を高めあい、禁断の快楽を共有し続けるだけであれば、僕は絶対に姉さんには敵わない。彼女はギリギリのところで、絶頂に達しないだろう。

 それは彼女が、僕の射精を見届けてからイク、と決め込んでいるからだ。この世界で勝負に勝つというより、姉さん自身の性癖がそうさせている。彼女は、相手の男が自分の肉体で射精してしまうことに、一番興奮するタチなんだ。

 だから、僕がイッてしまったときに、初めて彼女は性的に満足し、その自信が自分をアクメに追いやる。僕が脈打った直後に彼女がイクだろう。じっさいに姉弟でこんなことをしてしまえば、確実に姉さんより僕の方が先に果ててしまう。そしてそれは姉をどこまでも淫らに興奮させるだろう。先は読めている……ッ!

 だけど……コノママでは終わらせない! 僕は自分の幼少時からの渇望に負け、半自動的に全身を揺り動かし、生足をこすりあわせ続けているけれども、そのまま続ければ確実に先に射精させられてしまうこと”は”分かっているッ!

 ”そして・・・先が分かっているなら、敗北する事態を避ける!”これが、ただ快感を共有するだけの姉弟とは違う一点だ!

 ここは現実世界ではない。だからこそ、そういう一線も越えられる。しかし、現実世界ではないからこそ、僕は長い間この異世界に閉じ込められ、数多くの死闘を繰り広げてきたんだ。気持ちよくなって、精子を相手に吐き出してしまえば、文字どおり死んでしまう。

 ただし、魂は永久にこの世界に閉じ込められ、永遠の快楽と肉欲だけの時間を過ごし続けてしまうので、厳密には死とは違う。それでも、現実に戻れない以上は、僕にとって死と変わらないってコトだ。

 それを避けて勝ち残るために、いっぱい女性をイかせ倒してきた。その一点こそが、現実で快感を共有する場合の姉弟とは違う点だ!

 僕は全身をゆったり前後させて姉にズリズリしながら、同時に左側に重心を傾ける。そして左手の肘で自分の体重を支えるようにして、少しだけ体を持ち上げる。べりりっと音を立てて、少しばかり姉の肌が僕から離れた。密着の度合いを減少させて性感ダメージの軽減を図る。そして……

 右手をオンナに伸ばし、性感帯を瞬時に探り当てて、ソコをくっちょくっちょと指で高速愛撫する! 挿れた人差し指は中指薬指と交代させていって、激しく前後させ出し入れしながら、他の指で周辺の感じやすいところや突起を激しくくすぐる。左に重心を寄せて身体を浮かせたのは、手をオンナに潜り込ませるためでもある。

「んあ!? なにこれっ……はあっ……はああっ……!!」
「これが”たったひとつの違い”だよ姉さん! ココを、とことん追い詰めるッ!」
「あふ! あぐ! ぅぐぐ〜!!!」

 当たりだ。姉さんは弟の全身が自分にはりついてズリュズリュ愛撫されていることに感極まっていて、精力を大きく削られ続けている。そして僕の手マン攻撃は、コレだけで女たちを絶頂させてきた魔性の動き! 姉さんでも、やっぱり深手を負う攻撃だ。

 姉が僕の想い出をくすぐり弱体化できるなら、僕は姉の知らない「この異世界での経験」を武器に反撃するんだ。それで……逆転を図れる!

 姉さんは、自分が想定していなかった快楽に身もだえした。それは、スリュシュリュとこすれ回っていた太ももの動きがピタリと止まってしまったことからも明らかだ。

 一方的に男にイかされてしまう……そんな経験を姉も持ってはいるだろうけれども、現実世界では姉は満足しなかった。あくまで、自分が射精に持ち込むことが悦びだ。

 しかし、こっちの世界では、イクことは敗北なんだ。どんな手段であっても、どちらかが絶頂すれば勝負がつく。それがこの世界の厳然たるルールなんだよ!

 よし、このまま……さいごまで追い詰めてしまおう。手は抜かず、指は抜かず、この状態のままで、姉を倒してやる! あと一息……

 ぎゅうう! すりすりすりすりっ!!!

「!!!」

 背中と腕に電撃のような心地よい脱力感が走った。

 姉さんはやわらかく滑りの良い手のひらで、僕の背中や腕を素早く撫で回し始めたんだ! うぁ……気持ちい……力が抜け……ッ!!

 同時に姉は下から僕をギュッと抱きしめ、硬く絞るように下方へと僕の上半身を抱き下げてくる。力強いわけではないけれども、僕の肩や脇腹、腕を滑っていく、姉さんの滑らかな腕の感触が、そして、背中を下へと押し込むように撫でさするしなやかな女手の動きが、僕をゾワッゾワッと感じさせ、脱力させていく。

 ぎゅみっぎゅみっぎゅみ!

「ほらあっ、これイイでしょ、こっちでは毛根から毛が生えないから、私の股、もっちもちだよね〜!」

 姉は下腹部を小刻みに持ち上げながら、ペニスの密着している部分をぎゅうぎゅうと圧迫する! オンナ表面も、お腹周りも、しっとりペニスにはりついた体勢で、僕は前後にズリュズリュしている。姉が腰を持ち上げ続ければ、ペニスは揉まれるようにして、さらに密着を高める。そこでペニスをこする前後運動は、つまりより強く姉さんの肌と肉でペニスがこすられているということ!

「ね、挿れちゃいたい? ふふっ、ちょっとだけ……挿れちゃおっか……そんな風に考えてるでしょ。」
「うっくそ!」

 図星だ。

 姉に対する性的な強欲が僕を支配している。このまま、ペニスをグッと突き立てて、オンナの中に入れてしまいたい! そんな衝動を抑えるのに必死だった。ここで挿入してしまえば、確実に精液が噴き出してしまう。それだけは……避けなくては。

「ねえちゃんの膣、どぉんな感じなんだろうねぇ。いままでの男たちは、キツくって狭くって、すんごい感じるって言ってくれるよ〜?」

 あああ……甘い誘惑が脳の奥に響く。だ、だめだ! ここで負けたら、僕はオシマイなんだ。挿れるもんか、絶対に!

「おねえちゃんのお腹で精子出してくれたら、そのあとじっくり、挿れてもいいよ……ね……」

 ぅあ……姉さんの囁きと愛撫が、そしてもぎゅもぎゅとペニスを揉んでくれる下腹部の動きが、僕をとろけさせていく。

 そう、だ……

 忘れていた。もうひとつの、難所!

 それは……姉さんは確実に、僕の弱い部分を知り尽くしているってことだ! 僕が生足に弱いことも、背中や腕を撫でさすられるとゾクゾク感じることも、そして・・・

 こちょこちょこちょ

「くうう!」

 姉は手を伸ばして一瞬、指先で玉袋をくすぐっていった! そう、玉袋をくすぐられるのも、ペニス先端裏スジを責められるのも弱い。裏スジにはオンナ表面やお腹部分がしっかり張り付き、強く圧迫し続けている。

 姉は次から次へと、僕の弱点を責めてきた。ガードされないよう、予想されないように、次々と弱い部位を変えての攻撃だ。玉袋、先端、背中……わき……そして再び太ももスリスリ攻撃が始まった。弱点を的確に攻撃され、とことん追い詰められたのは僕の方だった!

 どうやって知ったのかは、いわずとも分かる。彼女は昔から、自分の身体を見せつけ、僕がそれをオカズにオナニーして射精すれば自分の勝ちだと思っている。つまり、僕がどうすればイキやすいかを、姉は僕の自慰行為を通して知り尽くしているんだ。

 実戦において、そこを重点的に責め抜くだけの強化は当然されている。オンナ表面や下腹部を使用してペニスの感じやすいところを正確に攻撃しているし、彼女の両腕や指先は次々と、僕の感じるポイントを矢継ぎ早に愛撫してくる。

 姉さんがこれだけ素早い動きが取れるのは、僕が少し身体を持ち上げて隙を作ったからでもある。姉の攻撃を防ぐには、再びもっちり密着の度合いを強めて、全身ズリの攻防に専念するしかない!

 僕は再び強く姉にのしかかり、むぎゅっと女体に重心を戻して、必死で全身を前後に揺すり続けた。こっちの全身で姉の女体をむにむにとなすりつけて、その快感だけで勝負をかけるしかない。

 でも、この体勢は……僕にとっては姉による全身コキでもある。姉のキモチイイ肌と肉質が、ぎゅみっぎゅみっと再び強く僕の前半身にこすれていく。

 さらに、ペニスは強くオンナ表面と腰回りを滑っていき、そのやわらかで吸いつく感触を強く味わわされていた。姉は再び、手マンほどではないが確実に絶頂しかける快楽にさらされた。だが、それ以上に、僕の方のダメージが大きく響いている。

 姉さんの両手は僕の背中を優しく撫でさするだけで、それ以上の暴挙には出てこなくなった。だが、ペニスはすでに姉さんの表面や腹部の肌で激しくしごかれ、こちらも絶頂しかかっている。

 それが分かっているからこそ、姉はそれ以上の手の攻撃に移らないんだ。あとはそうやって生足をすりすり大きく僕の脚にこすり続けてさえいれば、弟のペニスは確実に射精に至る。彼女にはその自信があった。

 全身が大きく強く激しくこすれあう。僕は元より前後運動から脱出できず、ますます激しく、上からのしかかった体勢で姉さんの全身をこすりあげ続けた。きゅんきゅんっ……多幸感が押し寄せる。あと数秒でペニスが精液を放出してしまう。

 なんとか止めなくては……少なくとも、こちらがイク前に、姉さんがイッてくれさえすれば! 僕は必死で快感を我慢しながら、ズニュズニュと全身コキ密着を続けた。

 ああ……姉さんの太もも、凄く気持ちいい……うぐっ!

 ごぼっ……どばっ! びゅくびくびゅくん!

 ペニスは姉のオンナ表面のこすれる感触に耐えきれず、快感の汁を吐き出し始める! 脈打ちが始まってしまえば、もう止める手立てはなかった。

「うあああ!」

 僕は大量の体液を吐き出しながら、止まらない全身ズリによる姉の肌と肉の感触に我を忘れた。そして律動が終わるまで、姉さんの肢体に夢中になり、その若い肌触りを全身でこすって味わっていく。

 濃い精液は、姉の腹部に遠慮なく吐き出されていく。ペニスをこすりつけながら、僕は射精し続けた。激しく前後するたびに、姉の頬が僕の頬に強くこすれて心地よかった。

「んあ……」

 強い脱力感。僕は姉さんの真横に身体をずらし、半ば気絶するように倒れ込んだ。

「ぁは! ねえちゃんの勝ちだねっ!!! アア! いいよっ! 私でイッたんだねっ! うぐ!」

 立て続けに姉が絶頂する。僕を悦ばせ終わったことに満足したので、姉さんも、僕が射精した直後にイクことができた。僅差で僕の負け……いや、僕が絶頂することで姉が満足するのは性癖であり、もはや僅差ではなく、そういうシナリオだったんだ。……完全に、僕の負けなんだ……

「約束どおり……ね?」

 目の前がぼやける。肉体改造が始まり、僕は永遠に、この異世界の囚われの身となる。その先に待っているのは、快感だけの絶頂天国だ。

 次の瞬間、舞台は一変する。もう五重塔の狭い部屋ではなかった。

 体が……動かない! 声も出せない。だが、確実に性的な衝動が始まっているのは分かる。肉体改造が進み、僕は一秒も休むことなく、このこみ上げる多幸感を味わい続けるんだ。

 何億年経っても、射精が終わった次の瞬間には回復し、激しい性衝動の中で、自動的に”イク直前の快感”がほとばしる状態になって、そのまま矢継ぎ早に次の絶頂が訪れ続ける……そんな異界に完全に囚われてしまった。もう脱出できない。

 僕は空中に大の字で立たされたまま、四肢を固定され、身動きがいっさい取れなかった。声もまったく出すことができない。ただ、ひたすら、誰にも触れられていないペニスから勝手に精液が飛び出していく。

 そこは、薄暗い森の中にひっそりとたたずむ、古ぼけた神社のような場所だった。カサカサと木の揺れる音ばかりがする。小さな立て看板には、「男子禁制」とだけ書かれていた。これは……まるで映画、いや、映画の中の世界そのままだ!

 見たことのある映画ではない。それは、姉が想像した世界が忠実に再現され、映画のような仕立てになっている世界にほかならない。

 僕は動けないまま、強制的に、姉の映画を見せられている。360度に拡がる、壮大な実写風の映画だった。それが映画の仕立てになっていることは、自動的にストーリーがわかり、設定を瞬時に理解できることからも明らかだった。

 そして、姉の映画というのは、姉がオナニーするときにオカズにしているストーリーのうちのひとつであることも理解した。僕はこれから、姉の妄想に付き合わされ、姉が興奮する物語を強制的に見せられながら、それで精液を吐き続けることになる。

 姉の性癖からいって、男が女体で無理矢理にでも射精させられ、それを性的な敗北として印象づける内容なのは分かりきっている。姉さんはそんなことを思い浮かべながら、マスターベーションして果てていたんだ。

 枯れ葉を踏み鳴らしながら入ってくる若い男。僕は彼の素性も顔も知らない。しかし、彼がどんな目に遭わされるのかは分かっている。

 男子禁制と書かれた神社に、ひとりで入っていく男。彼はこの神社が、どうして男性を拒むのかを理解していない。いや……男性が踏み入れてはいけないとされた本当の理由を知らない。ウワサを聞いて、こんな古くさい伝統や男子禁制なんぞ自分が破ってみせるといった意気込みで、ズカズカと神社に入り込んでいるんだ。やめろと言いたくても、声も出せないし指一本動きはしない。

 さわさわさわ……

「!!」

 若い男の服が……どんどん消えていく。風に乗って吹き飛ぶように、細かい粒子になって消し飛んでいく。消えるのは服だけで、男は消えない。つまり彼は、ものの数秒で全裸にされたんだ。

「やべぇ!」

 ただ事ではないとつぜんの出来事に、彼は戸惑い、身震いした。心底沸き起こる恐怖だけが、彼を支配している。とっさに反射的に股間を両手で隠して、元の道へ引き返そうとする。本当に霊的な現象や怪異が起こるということは、まったく予想していなかったようだ。急に服がなくなれば、誰だってうろたえる。

 だが、いくら引き返しても、もう元の出口にはたどり着けはしない。彼はますます道が分からなくなり、周囲には紫や桃色の霧が立ちこめてくる。そのうちに、男は地面を歩いているかどうかさえ怪しくなってくる。森ではなくなり、男は空中をふわふわと歩くばかりだ。

 そして、桃色のモヤの中から、裸の女が現れる。それは人間ではない。若くて美しい、しかしキツネのしっぽが生えている妖怪娘たちだった。あちこちの濃い靄の中から、女たちは現れてくる。そして次々と、若い男を取り囲んでいく。

「……!!!」

 彼は何がどうなっているのか理解できない。しかし、女たちの艶っぽい裸体を見ても、性的に興奮する余裕などありはしなかった。ただ恐怖し、驚き戸惑うばかりである。射精してしまっているのは、これを見せつけられ女たちの裸を見続けている僕だけである。

「くすくすくす……」

 さざめくような笑い声とともに、女妖怪たちは男に取り憑き、纏わり付いてくる。そのやわらかでスベスベの肌触りが、ぎゅうぎゅうと男の全身に密着して絡みついた。

 彼女たちは何かを囁いているが、男にも僕にも理解できない言語だった。

 複数の生足が密着し、男の両脚をなまめかしくこすっていく。大小さまざまな乳房が、彼の上半身を次々と覆っていった。むぎゅっとこすれながら、妖怪たちは男の全身にはりつき、すべすべこすれていって、ひたすら欲情を誘っている。

 生命の危機がすぐに訪れないことを理解した男は、少しばかり安心したようだ。だが、その安心感は命取りだった。心の隙には、性的な劣情が入り込む。彼のペニスは、女たちに無理やり触られたりしごかれたりしなくても、勝手に勃起していく。

 彼はそう思っているようだが、僕には分かった。彼女たちは、この男を複数がかりで、まずは男性器の勃起を誘っているんだ。纏わりつき、大勢でよってたかって生足も全身も押しつけこすりつけることで、ペニスを反応させようとしている。反応したら彼の負けだ。

 女の柔肌の感触をじかに味わわされ、男はわけが分からずペニスを隆起させていく。もし誘惑に勝って、勃起せずに強い意志で振り切れば、この神社の妖怪には取り憑かれなくて済む。だが、彼はそのことを理解していなかった。

 この神社は、大昔から、あまたの女たちのさまざまな”念”を閉じ込めていた。恨みも悲しみも欲望も、何もかもがごたまぜになっている。そしてそれがいつしか、女の妖怪たちを住まわせるようになった。

 女の怪物たちは男を欲情させ、その精気を吸い取る。死ぬまで取り憑かれるので、いつしかそこは男子禁制となったのだ。詳細な伝説は失われ、ウワサだけが残ったために、彼のような男が、興味本位で迷い込んでしまったのである。

 男の精気を抜き取るための最良の方法は、ペニスから精を吸っていくことである。それも、強制ではなく、先に勃起をさせておいて、欲情したのは男の方、という大義名分を手に入れる。女性らしいやり口だ。まだ幼年と思えるほどちいさな裸体の妖怪もいれば、熟達してハリのある妙齢の女性妖怪もいる。数十人は彼を取り巻いているのが分かった。

 群がる大勢の女性たちにスリスリ全身をこすられ、生足が密着し続け、乳房が上半身を這い回る。

 それでも、彼女たちはペニスに手を伸ばそうとしない。

 あくまで、全身に女体をこすりあわせ、裸体を見せつけるに留まっている。そうしないと、男の側に霊的な優位性を与えてしまう。女の怨念を具現化させるためには、誘惑に負けて欲情した男の方が悪い、という条件が入っていないといけないんだ。

 僕はその様子を見せつけられながら、矢継ぎ早に絶頂していく。誰にも触れられていない、身動きの取れない状態のまま、ペニスだけが激しく反応して、勝手に射精が始まってしまう。天にものぼる快楽が持続する。

 やがてすぐに、男はペニスを完全に隆起させた。それを見届けた妖怪たちは、立ったままの男を立位で犯そうとする。

 ぐにゅにゅにゅ……

 はうあぁあ!!

「うおおおっ!!」

 ペニスの脈打ち速度が急激に速まった。同時に、僕のペニスが何かに強く圧迫され、やわらかく締め付けられているのが分かった。

 何も見えない。完全に透明だ。だが、ペニスはきゅっと引き締まり、軽く潰れてしまっているのが分かる。この感触は……間違いない、オンナの強い締まる感覚と同じだ!

 妖怪たちは、男に纏わり付いて背後からも横からも全身をスリスリこすりつけながら、クスクス笑っている。ひとりの若くて可愛らしい妖怪娘が、彼のペニスを立位で膣内に収めるのが見えた。

 きゅうん……きゅうん……

「うあ……はぁっ!!」

 彼は息を荒くして、自分の身に起こっている快楽があまりに不可思議であることにいぶかしい思いを募らせる。しかし、それを超えるような心地よさが、急激に彼を支配した。

 男は立位のまま、腰を動かすこともできないでいる。結合している女妖怪も動かない。動いているのは、周囲の妖怪女性たちと、律動する僕のペニスだけだった。

 設定が瞬時に理解できる。彼の身に何が起こっているのかも、僕には分かった。そしてそれが、あまりにいやらしい快感の蓄積であることを。理解した途端に、強い欲情が僕を支配し、同時に透明の膣にペニスを飲み込まれ、絶頂の快感が急激に跳ね上がったんだ。

 姉さんは言っていた。僕が射精したら、自分の膣の感触を教えるって。つまり……いま僕のペニスを飲み込んでいるのは、間違いなく姉さんのオンナだということである。狭くてきつくて、僕の感じる部分を丸ごと逃さずに同時に心地よい刺激にさらし、ぎゅううっと強く強く圧迫してくる。

 姉さんのオンナは動かなかったし、僕も動けなかった。しかし、僕の方はそれで十分だった。肉体改造によって、いつでもイクことしかできない身体になったのだから。姉さんの締まる感触の心地よさだけで、律動スピードは跳ね上がり、数分かけて精液を放出し続ける。

 そして終わった直後、また瞬時にして復活し玉袋に精がパンパンに溜め込まれる。そして、あの直前のくすぐったい多幸感が押し寄せ、ペニスはイキ始める。そこへ姉さんの膣がじかにペニスを飲み込んでいるんだ。激しく動かなくても、締め付ける攻撃だけでいくらでも僕を吐き出させ続けられる。

 神社の妖怪に取り込まれた男も、事情は似ているようだった。ただし、彼の場合は、妖怪女子が腰を振らなくても、十分事足りる理由がある。それは文字どおり、「快感が蓄積する」ものだった。

 きゅうん……きゅうん……

 ペニスが妖怪のオンナでしごかれなくても、締め付け圧迫する感触だけで、彼の下半身はすべて、心地よい刺激にさらされている。それは、ペニスに加えられた快感刺激が、一瞬ではなく永続的に、蓄積されていくんだ。

 時間が経てば経つほど、彼のペニスはどんどん気持ちよくなっていき、きゅんと疼くくすぐったさが股間全体へと拡がっていく。まるで幼い少年が、股間を何かで圧迫するだけで、得体の知れないくすぐったさに我を忘れるようだ。そのくすぐったい快感が、どんどん蓄積されていって、消えたり収まったりしない。

 一度刺激された性感神経は、ずっとその刺激が残る形だ。それがこの女たちの妖しい魅力なんだ。オンナの締まる感触をジワジワ与え続けるだけで、ペニスはどんどん追い詰められていく。しごき立てる必要がない。

 したがって男も動けず、女も腰を振らない。挿入した体勢のまま、じっとしているだけである。周囲の娘たちは、生足やオッパイ、全身ありとあらゆる部位を男にこすりつけて、男の興奮を持続させる役割のようだ。

「うぐっ……いくっ……」

 彼はじっと動かない体勢のまま、妖怪の膣内でペニスから精を抜き取られた。妖怪は、まったく動いていないで、オンナの感触だけで、ペニスを絶頂まで追いやったんだ。

 お尻の穴の奥まできゅんきゅんくすぐったい疼きにさらされ、激しいしごきがないので一気に精力を消耗するのではなく、じわりじわりとくすぐったい快感をペニスに与え続けて、やがて自然と射精が始まるのを待つ。その間じゅう、ペニスは妖怪の人間離れした心地よいオンナに包まれ、絞り上げられたままとなる。

 すぐ隣にいた別の美しい妖怪が、ペニスを膣に飲み込んだ。彼女もじっと動かない。

「うあ……はうあっ!」

 男は心地よいうなり声を上げている。イッたばかりのペニスは、たちまち急激に衰えるはずであるが、彼にそれは許されなかった。周囲の娘たちのやわらかでスベスベの肌が、たえず男を欲情させる。そして、絶頂した後でも「気持ちよさ」は蓄積され続ける!

 つまり、別の娘に交代したところで、さっきまでの快感は消えないで溜まる一方なんだ。だから、彼はペニスを萎えさせることができず、イッたあとのクールダウンさえ押しのけるような、増える一方の股間の気持ちよさに息を荒げるしかないのだ。

 そうはいっても、僕のような状態ではないので、彼が次の射精に至るまでには時間がかかった。相変わらず周囲の女たちだけが蠢く。挿入した妖怪はじっと動かない。しかしペニスの快楽はじわじわと蓄積され続け、出したばかりで射精できないペニスと、イクほどの快楽が押し寄せっぱなしの状態とに引き裂かれている。

 気持ちいいのに出すことができない。そんな状態がしばらく続く。僕だけが、ペニスをたえず脈打たせていた。

 女たちは彼に密着し続け、滑らかな肌で彼の全身をこする。手、脚、胸、お尻、背中、腕……ありとあらゆる部位で、彼をくまなく撫でさすり続ける。それなのに、挿入している妖怪だけは身動きせず、ペニスが勝手にイクのをじっと待っている。

「うああ……また出るッ!!」

 男は満足しきった表情を浮かべた。イクほどの快感なのに射精できないという、中途半端な状態がやっと終わったことに安堵しているようだ。長い時間、その股間のきゅんきゅん疼きを味わい続けたようだ。

 しかしそれでも、彼に休む時間は与えられない。すかさず、別の妖怪が挿入してくる。こんどは年端も行かぬような幼い体つきの女の子だった。そんな子にも、キツネのしっぽは生えている。

 彼女も動かない。しかし、彼のペニスを二度射精させるほどの快感が、ペニスに留まり続けている。男は悶絶し、挿入されているときに身動きが取れないもどかしさを覚えた。

 いや……まてよ……!?

 なぜ、挿入する妖怪は動かず、周囲の女性たちは動くのだろう。動かずに快楽を蓄積させることができるのなら、ペニスだけではなく全身の性感神経にも、同じことができるはず。な、なにかカラクリがあるッ!!

 ようやく彼はそのことに気づいた。動けなかったのではなく、彼は”自分から”動かなかったんだ。動けないと思い込んでいただけなんだ。

 快感が蓄積されるのはペニスだけ、ってのはどう考えてもおかしい。矛盾している。そこに突破口が在るはずだ。さすがに戦慄し始めた彼は、なんとか脱出する方法を必死で考えている。

 このまま快感だけが蓄積されっぱなしになっていては、本当に精根尽きるほど吸い尽くされてしまうに違いない。生きようとする気力、脱出しようとする強い意志が、目先の性的な快楽に打ち勝った瞬間だった。

 この妖怪は、”先に男を勃起させてから”性交地獄に堕とし込んだ。ここに……

「ここに……答えがあるッ! 〜〜〜〜ッッッ!!!!!」

 彼は歯を食いしばり、ぎゅうっと目をつぶって、何かを必死で堪えた。連続で射精させられ続けるということが、彼を戦慄させ、生命の危機を感じさせた。そのために、彼は冷静になることができた。そして、僕と同じ”答え”にたどり着いた。それは……勃起をやめることだあああ!

 彼は何かに必死に耐えた。それは、彼を取り巻く女妖怪たちの、密着スリスリ攻撃を精神的に跳ね返すことだ! なぜ挿入している女は動かないのに、周囲の女性たちは必死で体をこすりつけるのか。それは、囚われた男が性的に興奮し、勃起し続ける”かぎりにおいて”快感が蓄積される仕組みだからだ。

 そのために、女たちは乳房や生足を男ひとりめがけて押しつけこすりあげる。勃起してしまえば、快感が蓄積されるので、挿入だけで果てさせることができる。

 逆に言えば、勃起をやめる、つまり周囲の肌攻撃の誘惑に打ち勝ちさえすれば、快感の蓄積という妖力を発揮できない。

 挿入され続けているから抜け出せないのではなく、”自分から勃起している”から”抜け出したくない”というのが、ほんとうのところなんだ。この妖怪たちは、様々な女の念の融合体である。その力を発揮できるのは、男が性的な敗北を認め、女のカラダでペニスを隆起させたときだけということ。

 急激に、彼の周囲の世界が変わった。彼は打ち勝ったんだ。

 服も元通りになっているし、神社の外に出られている。彼は吸い尽くされ行方不明になることを、自分の努力で防いだんだ! 女妖怪どものエッチな誘惑を克服したんだ。

 僕は……知っている。

 映画の行方を、知っている。

 あああ! 知っているんだアアアア!!!!!

 急激に舞台が暗転する。夜になったんだ。自分の部屋で眠りにつこうとする男。彼は、今日の神社での不思議な出来事を、意図的に思い返さないようにして床についた。しかし、横向きに眠った男は瞬時にして裸に変えられてしまう。そして……

 ぐにゅ。むにゅにゅ……

「うあああ!」

 彼の前後にキツネ妖怪たちが現れた。神社と同じように、彼は自分の布団の中で瞬時にして全裸になる。そして、スラッとしていながら、いずれも彼よりも背が低い女たちは、3人がかりでこの男を、なまの肌で包み込んでくる。

 男は身動きが取れない。金縛りを受けているのではなく、彼の前後と上部から、女の肉がぎゅみぎゅみっと密着し、どこにも逃げ場がなくなっているんだ。妖怪は適度な重さを持っていて、彼の全身を圧迫しながら、苦しくない程度の重みしかない。それがかえって、彼を固定したまま性衝動へのみ突き進ませる要因になっている。

 神社の時のように、女たちは彼を性的に興奮させ、勃起させてから絞るつもりだ。それはつまり……一度あの神社に迷い込んだ男は、一時的にその場を逃れることができたとしても、家まで確実に付け狙われ、夜な夜な延々と精を吸い取られ続けるってことを意味している。

 もはや抜け出すことができないのを、彼自身も理解した。もっちもちの太ももが、彼の両脚を滑っていく。彼は勃起すまいと身体をこわばらせたが、やわらかな女性の肌の感触に、いつまでも我慢できるはずがない。

 彼女たちはあらゆる方向に蠢き、ふにふにした乳房をむにゅっと男に押しつけこすりつけ、なめらかに滑らせていく。

 少し女の肌が離れると、ブッブゴッと奇妙な音を立てる。これは吸いつく女の柔肌が男の身体から剥がれるときに、もっちり吸いついていたきめ細かい表皮細胞が、名残惜しそうに離れていくときに発する音だ。それだけ、性的な魅力には十分満ちあふれている女体の群なんだ。

 3点、神社の場合と違う。ひとつは、男の枕元に現れるのは3人と決まっていること。二つ目は、勃起を振り切ろうとしてももはや無駄であり、性欲までしっかりコントロールされているということ。

 そして最後に、神社に足を踏み入れた男は完全に呪われており、毎晩、どこに行ってもこうして3人にしがみつかれ、興奮するまでしつこくしつこく、女体をフル活用してはりつかれ続けるということである。

 だから、これ以上彼は脱出する術を持たない。3人と限定されている分、その妖力は遠隔でも極めて高いまま維持されているのだ。

 妖かしの者の魅力は底知れない。昼間精根尽きるほど精を抜かれたはずなのに、夜になると、その妖力で男の精液は急激に回復し、さらにセックスへの劣情を激しくかき立ててくる力がある。

 抱かれ包まれただけで、股間の奥からお尻の穴にかけ、きゅんと強いくすぐったさが突き抜け続けるんだ。そのうえで10代の引き締まった綺麗な全身が男に密着しこすれ続けることで、ペニスはすぐにでも、そして何度でもよみがえってしまう。

 姉は……姉さんは、そうやって若い男が性欲に負けて勃起してしまい、さらに精液を抜き取られてしまうことをイメージしながら、自分の指で慰めて絶頂していたんだ。これが彼女の世界間、彼女が最も興奮するようなシチュエーションである。

 抗う男を快感で敗北させ、ペニスをイかせることが、自分にとって至高の悦び。その詳細な想像力に引き込まれ、僕もひっきりなしにペニスを脈打たせてしまっている。

 隆起した男のペニスに、やわらかく太ももが迫ってくる。そしてすぐさま、そのふにっとした内股の内部で、妖女はスリスリと左右の足を交互に滑らせ、ペニスをこすりあげてくる。彼の部屋にまで押しかけてきた妖怪たちは、今度は動く! 自分から積極的に動いて、ごく短時間で精を抜き取りにかかる。

 神社から距離が離れると、「快感が蓄積する」能力は使えないのか。人数も限定される。しかし、それでも十分だった。

 ぴゅぐっ! びゅるっ!

 男の股間は激しく律動し、大量の白濁液が、妖怪娘の股の間から噴き出していく。彼は妖怪の生足にこすられ、その攻撃力に抗うことができずに射精してしまった。

 すぐに別の妖怪、真上にのしかかっていた女性が、側位でペニスを嵌め込んだ。そして自分から大きく激しく腰を振り続け、イッたばかりのペニスをさらに刺激し続ける! 絶頂し果てて枯れたはずの精液は、瞬時にして射精前と同じように、性欲に溢れたものに戻っていく。勃起を止め、萎えさせようとしても、今度は復活してしまう性欲に勝てない。

 姉さんは、そうやって性欲に勝てない男の姿を深く想像しながら、自分を悦ばせた。彼女がイクまで、この男は妖怪たちに、この想像の世界で精を吸われ続けてしまうことになる。

 そして、僕は……もう、姉の妄想世界から抜け出すことができないんだ。

 3人目がシックスナインの体勢でペニスを吸い続ける。プロラクチンは作動せず、精が枯れても復活してしまうペニスは、この3人のスリスリ攻撃と、股間への快感攻撃にいっさい耐性がない。すぐに高められ、また敗北してしまう。

 こうして、何度も何度も、彼は一晩で精気を吸われ続ける。強い快感が持続しながら、その男は生命エネルギーを、着実に妖女たちに抜き取られ続けた。

 この営みがしばらく続き、やっと妖怪たちは消えていった。男は気を失うように深い眠りに落ちてゆく。

 だが、その夢の中では、プールのような場所で大勢の全裸女性に包まれ、水の中では早く移動できずに、何人もの肢体にこすれあってしまうことになる。

 夢精はしないけれども、女体のスベスベの感触が水中でもじっくりと感じられ、そのやわらかな弾力に、また興奮させられてしまう。

 これによって、女性の身体の良さを存分に脳の奥まで刻み込み、絶対に妖女たちに飽きないようにしているんだ。次の夜も訪れるであろう3人の若い女たちに、抱かれた途端に欲情できるよう誘惑し続ける。

 彼は、明日も、その次も、毎晩毎晩、同じ時間に3人に包まれ、何回も抜かれて、精神的に疲れ果てた矢先で淫夢に犯され、次日の性欲をかき立てられてしまう。同じ3人ではなく、年齢も顔も身体のタイプもバラバラなので、翌日の妖女がどんな娘なのかを、楽しみにさえ思ってしまう。

 終えることも止めることもできない淫らな呪いの連鎖に、彼は後悔してももう遅かった。それは、僕が姉さんに敗北したことを悔いてももう遅いのと同じだった。

 毎晩の営みと、見せられるプールの夢ばかりが、僕の目の前にめまぐるしく過ぎていく。それ以外のシーンはもう、必要のないものだった。

 僕は責められる男の姿を見ながら、プールで泳ぎながら彼に全身押しつけこすりつける裸体の群を目の当たりにしながら、姉さんのオンナの感触で射精し続ける。快感は、終わりがなかった。

 僕は完全に夢中になって、明日はどんな子が彼を包み込んでくれるのかを見ながら、その痴態をエロビデオのように注視し続ける。

 さまざまな年代の、可愛らしく美しい妖怪たち3人に、僕も彼も絞られ続ける。ペニスに加えられる女性器の圧迫に悶えながら、僕はもう、何も考えられなくなっているのだった。



###ゲームオーバー###




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