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姉1


 僕は階段を上った。

 いよいよだ。

 この五重塔の、最大の立役者に、僕は対峙しようとしている。

 とても長い長い闘いだった。このステージは特別な造りになっていて、攻略の仕方もだいぶ変わっていた。本来なら、ひとつのフロアが広く迷路のようになっており、そこで通常「一種類の敵」を相手に、セックスで闘うという仕組みである。相手は1人か3人の女性であり、彼女たちに性的な攻撃を受け、射精してしまったら敗北となる。イクことなく、敵をイかせて倒せば、先に進めるんだ。

 しかし、この五重塔は別の仕組みになっており、広いフロアではなく、狭くて高いフロアになっていた。ちいさな塔がフロア内に建てられていて、その内部は1階につき2部屋だけ。そこで「数種類の敵」と闘う仕組みだった。

 1つ目の部屋はひとり、しかし、その隣にある2つ目の部屋には、その敵3人分の相手と勝負する。レオタード娘、ダンサー、風俗嬢、くのいちと、出てくる敵は人間の女性ではあるが、さまざまな仕掛けやトラップ、設定があって、相当に時間がかかり、苦戦し続けた。

 ちいさな塔の中の5階には、この五重塔のプチボスである、姉さんが待ち構えている。この姉が、レオターやくのいちたちの統括者であり、最大の敵となる。いよいよ、その姉と対決するところまで来たのだ。

 最も大きな違い、最大の苦労は、なんといっても「回復できない」ということだった。これまでは、こまめな回復を行うことで、ピンチに陥っても射精させられずに済んでいた。ギリギリのところで踏ん張りきって、敵の女をイかせて倒し、回復して先に進むことができた。だが、この五重塔では、その回復がままならない。ときおり回復剤が置いてあることもあったが、そこにもトラップがしかけられているなど、一筋縄ではいかなかった。

 回復ができないということは、消費した精力のまま、次の相手と闘わなければならないことを意味する。これは、「かろうじて勝った」というだけでは、次のセックスまで持たないということだ。余裕勝ちができなければ、次の敵に簡単に射精させられてしまう。そこまで計算して、精力温存を図りながら、厳しい選択を迫られてきた。これまでにない強い相手だったのに、それにも増して、この選択の厳しさに苦戦を強いられてきたのである。

 他のステージのように、戦闘後にオナニーし、そのエッチな闘いを思い出しながら自分で精液を出して回復を図る、なんてことも許されなかった。他のステージでは、これがかなり役に立ってくれたんだ。自分で抜いてしまえば、しばらくは性的な興奮も静まり、セックスにも疲れが出て、次の戦闘では割合ラクに勝ち進むこともできた。回復に強化が加わるので、ずいぶん助かったものだ。といっても、もちろん慎重に選択しなければ、射精したばかりのペニスまでもが脈打つ憂き目に遭いかねないほど、相手の女たちは強くて魅惑的ではある。

 しかし、この五重塔では、「歩き回ってランダムにエンカウントする」システムではなく、隣の部屋に行ったり階段を上ったりすれば、すぐに次の戦いが始まるんだ。時間を空けずに連戦を強いられる。もたついていれば、すぐに痺れを切らした娘がやってくるので、休息もできない。

 回復も休息もできない中で、自分で射精しようとすれば、イク瞬間に次の相手が割り込んできて、手でも脚でもオンナででもペニスの律動の最後の一押しをしてくるだろう。その瞬間、「相手の女に射精させられた」ことになるので、僕の敗北が確定してしまう。オナニー回復もできない仕組みだ。

 また、どうやらこの五重塔だけが、射精したあとの夢の快楽天国を、しばらく記述されることになるようだ。他のステージでは、敗北するまでが潜在意識に残り、魂に刻み込まれる。その先は完全に魔に堕してしまって、意識は残りながらも、ぷっつりと記述が途切れる。イッたあとに飛ばされる快楽状況は、どこにも残らないんだ。しかしこの五重塔だけは違ったようである。

 一体、どのくらいの、パラレルな自分が、レオタード女性、しおり、しのめ、その他のかわいい女の子たちに、セックスに負けてイッてしまったことだろう。そして、その敗北した僕の数だけ、さまざまな異世界があてがわれ、永久の快感とともに魔族に精を提供し続けていったのか。選択を誤った、別の分岐世界の僕が、どれほど多く、この性欲だけの異世界にとらわれていったことだろう。

 そんな中で、いまの僕だけが、厳しい選択肢を勝ち抜き、連戦に次ぐ連戦の中を、まさに命をかけた快感闘争の中をくぐり抜けてきたのである。

 そうして、五重塔の最上階、その扉の前に、僕は立っている。これを開けば、姉さんに会ってしまうんだ。最後の闘い、というわけではないことは、注意しておこう。この階も2部屋ある。姉がいて、その隣の部屋に「少女遊戯」の部屋がある。

 姉に勝ったあとに少女遊戯の部屋に行き、そこに出てくる女たちを倒すまでが、この五重塔の攻略である。つまり、姉が強力なのは百も承知だが、そこで負けてしまうのはもちろんのこと、ギリギリで打ち勝っても、次はないという意味である。まだ気は抜けないんだ。

 ドアは自動で開いた。

 そして……

「ついにここまで来ちゃったねえ。」
「姉さん」
「久しぶりだね。クスクス……本当に、若い自分に戻れて、可愛かった弟の成長した姿に逢えるなんて、まったくいい夢だね。」
「色々思い出すな・・・いい思い出は少ないよ。」
「へぇ。あのころ私の若い身体をいっぱい見て、あんだけいい思いしたのに。今更そんなことを言う? ハズカシイ弟クンの過去をもっと思い出させてやろかぁ!?」
「ミートドリアにタバスコをかけて食うのはやめてくれないか。」
「う゛っ……そ、それは直した。直したよっ!」
「チョコベビーをひとつぶひとつぶ食べるのはやめてくれないか。」
「っさいなぁ! 自分だってシロノワールにかけるはずのシロップを間違って甘いコーヒーに投入して飲めなくしたくせにっ」
「う……それは一回だけだろ! 姉さんだって、うまい棒を口の中に含んで、吸引し中の空気を抜いてから飲み込むのはやめてくれないかマジで。」
「……反省してます」
「あと口に食べ物が入っててまだ噛んでいるのに、次に食べるものを箸でつまんで持ち上げ、そのまま空中で待たせているのはやめてくれないか。ついでにヒジキとナスを残すな。」
「ぶちころすぞ!!!」

 姉さん。相変わらずの姉さんだ。

 紛れもなく、そこにいたのは、服を脱ぎ終わって待機している、声のかわいい姉の姿であった。

 姉さんとはそこそこ年齢が離れている。そのために上下関係がはっきりしてしまっていた。こちらが性的なことに興味を覚えたり、股間に快感を覚えるように成長するころあいには、彼女はすっかり性的に成熟し、精神的な差も開いてしまっていた。結果、ソコソコひどい目にも遭っている。

 とはいってももちろん、禁断の関係を築いたことはなかった。むしろこちらが一方的に、性的な点でからかわれることばっかりであった。家の中であられもない姿で歩き回っては僕の反応を楽しんだり、言葉のセクハラで僕をひそかに興奮させ、クスクス笑って一方的に上に立つ姉だった。

 そして、その結末は、僕が姉の肉体のパーツを思い出してオナニーするという、徹底的な敗北で終わっている。姉もどうやら、それを知ったうえでからかい続けたのだろう。

 小学校高学年ごろから、高校生くらいまで、僕は家で姉の性的な悪戯攻撃に悩まされた。僕の、男としての反応が面白おかしかったのだろう。そして、組み伏せたりねじ伏せたり傷つけたり、まして肉体的な暴力を加えるなどということはなかったけれども、性欲という点で完全敗北していたので、そもそもその必要がなかったというべきだ。

 姉が風呂上がりでパンティとキャミソール姿でいるのを僕に目撃させ、嫌がったり見るなと言ったりして身体をくねらせる。それでいながら、ひそかに僕が姉の脇の下や生足をチラ見し、それを夜な夜な思い出してオナニーしているのを、彼女は把握しながらそれを楽しんでいた。

 他にも、それに類するさまざまな性的な言動で、僕はさんざん悩まされてきた。そして、僕が自慰行為に陥れば、姉は自分がオカズにされたことで勝ったと思い、満足して、そうやって翌日また、いやらしい攻撃を間接的に行ってくる。それが彼女の楽しみのひとつでもあった。

 それらは、姉ならではの性的な趣味嗜好でもあった。直接手を出したり出されたりという禁断の関係には決して発展させなかったが、僕が姉の肉体的魅力に負け、姉で抜いてしまうことで、僕は弟としての領分に反し、敗北していたのだ。姉もまた、そうやって身近な男性を自分の魅力で射精させることに、大きな満足と心地よさ、勝利の感覚を味わっていた。

 一見清純に見える風貌な姉も、交友関係は相当乱れていた。彼女の趣味嗜好は、男を痛めつけたり組み伏せたりするような乱暴なものでは決してなかったが、自分が性的な点では優位に立ち、自分こそが相手の性欲を直接にも間接にも満たせるのだという自尊心こそが、彼女を満足させるものだった。それを数多く満たすために、異性交友関係は広く深いものだったようだ。

 経験はかなりある。そして……男性に対する欲望も人一倍強かった。支配しようとしてくる男に対しては、肉欲の上で姉の方が完全に上であることを、カラダで叩き込んだ。男たちは、彼女の性的な魅力に負け、ねじ伏せられることなく従うのだった。若い時分から、そんなことをくり返していたようだ。

 今は30を超え、結婚も済ませ、子供までいる。僕がこの夢の世界に入る前、彼女はずいぶん大人しくなり、身を固め母としてまっとうになったと思っていた。ただし、結婚時には他に男がいて、その男をこっぴどく振って、安定した男性と結婚したといういわくがついている。これほど恨まれて、幸せな家庭が築けるのが夫婦の世界というものだろうか。そこだけは引っかかっていたが、口には出さなかった。

 そんな姉とも交流が薄れ、しばらく思い出しもしなかった。姉は姉で家庭があるから仕方ない、くらいにしか考えず、昔のことを思い出す機会も減っていた矢先だった。

 その姉が、僕の前で裸になっている。かつて性的な魅了攻撃をしたとしても、パンツまでだった姉が、いまやすっかり何もかも脱ぎ捨て、オンナ表面までしっかりと見せつけていた。こっちの世界では、女性は首から下に毛が生えないのだろう。

「……。」

 もちろん、僕はもう、コドモではない。姉の裸を見たからといって、それだけでドギマギし、あとで思い出してオナニーしようという未熟な屈服は、今の僕には残っていなかった。

 それは、これまでこっちの世界で、数多くの裸を見、じっさいに全身で触れ合い、快感を与え合う勝負をしながら、射精を堪えきって勝ち進んできた、レベルを上げてきた自分自身の自負でもあった。もう僕は昔の僕じゃない。

 だが。

 姉さんは、昔の姉さんだった。

 子供まで産んだはずの姉の姿ではない。僕がまだまだ未熟だった頃の、若い姉だ。たしかこっちの世界で、姉さんは21歳まで若返っているはず。男を泣かせ続けた最も溌剌とした時期の彼女だ。年齢的には、僕の方が上になってしまっている。ただし、彼女の精神や経験値は、肉体年齢の姉より10年は違う。

「私のカラダ、前はもっとおずおずと見てたのに、もう平気なんだね。」
「もう、昔の弟ではないのさ。」
「ふぅん。私のことを思い出しながら自分の部屋で抜いたことがいっぱいあったくせに。ねえちゃん、知ってたんだからね。」
「嫌なことを思い出させるぜ。」
「ふふっ、この五重塔に入る前のアンタより、格段に成長しているみたいだね。そんな弟を、姉の魅惑の身体で再び堕とさせることができるなんて、考えただけでもゾクゾクしちゃう!」
「そう、おかげさんでね……この塔に入る前よりも、ずいぶん強くなれたよ。」

 事実、この五重塔に入る前の僕は、今の僕よりもはるかに弱かったと思う。かなり。回復しながら勝ち進めることができない中で、ギリギリの選択肢をくぐり抜けてきたからこそ、とりわけ精神的な面で、僕は成長できたのだった。

 彼女の精神年齢や経験値が10年違うとしても、こっちはこっちで、経験値は決して負けてはいない。もう姉さんには屈しない。思い出とともに、弱かった僕の記憶を、この勝負ですべて葬り去ってやる。

 姉さんは小柄だ。全体的に華奢な感じを持つ。中身は相変わらずのだめ女ぶりで、外見とのギャップが著しい。彼女は若い頃に、そのギャップで男たちを手玉に取ってきた歴史がある。ただし、結婚してずいぶん変わったはずだ。ダメな部分はかなり直したようである。特に性的な面では、キッチリ始末をつけたのである。

 しかしながら、目の前の姉は、マジメになったはずの彼女とはまったく違う。かつての悪姉の側面が、すべてぶり返してしまっているようだった。あるいは、結婚して抑え込んだ魂の底からの強欲が、こっちの世界で爆発し直したというべきか。肉体の若返りとともに、彼女のとくに淫らな側面が、完全に復活している。

 肩くらいまで伸ばした、やや茶色の髪を、首のところで束ねただけのシンプルな髪型。幼い顔立ちだが、三白眼の冷めた雰囲気が残っている。すらりと細い体型だが、乳房はそこそこ人並みには膨らんでいる。丁度いいBカップくらいだ。

 いや……もともと、姉はそこまでおっぱい大きくなかったな。この世界にワープしたときに、乳房をちょっと盛ったのかな。そして、まるっこい大きめのメガネが、彼女のトレードマークだった。

 外見の地味さは、こっちの世界でも残っている。だが、そのシンプルな外見に騙されて、現実でも大勢の男たちが手玉に取られたことを忘れてはいけない。姿勢と食べ物の癖が悪く、酒好きのエンジニア(結婚で退職)。外見と中身にこれほど違いがあると分かっているのは、僕が弟だからなのか。

 それに加えて、このセックスだけが物を言う世界では、姉さんもかなり強化されているはずである。肌も21歳に若返っただけでなく、本物の彼女よりもきめ細かくもっちもちに仕立て上げられていて、性行為のテクニックも、オンナの具合も、むらさきしのめ以上に高められている。

 長年一緒に暮らしてきて、僕を性的にいじめてきた彼女だけに、僕が感じやすいところや興奮するポイントも的確に掴んでいる。その知見さえも強化されているはずだ。簡単に勝てる相手ではない。

 そして、姉さんに勝ったとしても、隣の部屋では、少女遊戯が待っている。これがどんなものかはあまり考えたくもないが、いずれにしても、この姉にも精力温存のうえ勝利しなければならないのはハッキリしている。

 外見は地味で目立たないけれども、中身は悪女そのもの。わるい姉は僕が退治するんだ。僕自身の幼く弱かった想い出とともに、この世界から姉さんを駆除する。そして僕は先に進むんだ。

「さて。ソロソロ始めようか? ん?」

 姉さんは身構えた。僕がこのまま彼女に抱きつけば、即座に戦闘が始まる。シンプルだ。姉さんが僕の攻撃でイッてしまえば僕の勝ち。そして僕がイッてしまえば姉さんの勝ち。ただし、こっちは先の連戦が待っているので、それを込みで慎重に選択しなければならない。

 胸板を寄せるように強調する姉。脚を開いて、僕を待ち構えている。僕より背がずいぶん低いが、性的な魅力の点では、姉さんは相変わらず強気である。いや、それこそが、彼女の強みなんだ。

「ね、私のキャミソール姿、思い出して? パンツは白かったでしょ。」
「……。」
「チラッチラッとガン見したり、私や友達の写真を部屋に持ち込んだりして、パンツや腕や素足を思い出しながらオナニーしてたんでしょ、そのナカミが、いま……ぜんぶ見えてるんだよ?」
「……まけない」

 そう言いつつも、あらためて見る姉のすらりとしたきれいな裸体は、たしかに僕を興奮させる要素に満ちあふれている。あのころ、さんざん空想力を働かせて、見ることのできなかった部分を予想しながら、夜な夜な抜いていたことを思い出してしまう。パンティやブルマに浮かび上がっていたタテスジが、いまや生地なしに、まるごとじかに見せつけられているんだ。

 こっちの精力はそれなりに多く残っているけれども、気を抜けば、彼女にまつわる想い出とともに、快楽の汁をすぐにでも吐き出してしまいそうだ。

 以前は、見るだけで興奮してしまい、脳裏に焼き付けてしまった彼女の肢体。胸も、腕も、お腹も、お尻も、背中も、生足さえも、いくらでも思い出してしまう。それどころか、今はすぐにでも、見るだけでなく、じかに触りあうことができるんだ。

 実の姉であるという禁断の関係も、こっちの世界では意味をなさない。むしろ禁断こそが、快感を高める効果ばかりを持つ。挿入することも、なんの躊躇もなくできる状態にある。

「ふふっ、ずっと、おねえちゃんのカラダ、触りたかったんでしょ。分かってるんだから。アンタが中学生くらいの時から、私のカラダ、後ろから触りたかったんだよね?」
「くっそ……」

 そこまで詳細に知られてしまっているのはなぜなんだ。この異世界に転送されたせいで、余分な知識が与えられたのか。

「もう、隠さないでもいいよ? 床に座った私を後ろから抱きしめて、おま●こを指先でじっくりいじりたかったんだよね。あと、おねえちゃんにぎゅ〜ってされて、上からかわいがられたいって思ったこともあったでしょ。」
「うぅ……」

 まずい……あのころの性的な欲情が、詳細な妄想が、いまの姉に筒抜けになっている。しかも、姉に対するその欲動が、いまもぶり返してしまっている。その頃の妄想と興奮が、はっきりとフラッシュバックする。それでオナニーしたときの快感が、脳裏によみがえってしまう。

 もう、想像ではないんだ。じっさいに、彼女に触れ合い、その生足を撫でさすったり、自分の足でこすり合わせたりすることもできるし、お姉ちゃんの言うとおり、中学生の頃に想像した「後ろから触りたい」という願望も、高校生の頃に想像した「上からじっくり抱きしめられたい」という願望も、これから望みさえすれば、すぐにでも叶えられるんだ。

 性的な側面では、何もかも姉の方が上になっている。僕が頼れるのは、これまでの経験とレベルだけだ。彼女がその上を行った場合、僕は姉の身体に勝つことができずに、肉体の上でも精神の上でも、完全に屈服させられてしまう。その代わりに、極上の快楽が姉によって与えられ、そのあとはめくるめく天国が、永遠に僕を支配してくれるんだ。

 ダメ、だめだだめだ!

 ここで敗北すれば、今までの苦労が水の泡だ。こんなわるい姉にさえ負けてしまっては、なんにも救いがなくなってしまう。こいつをここで倒しておくことが、何よりも肝要なのである。快楽の誘惑に屈することなく、姉さんを蹴散らして、先のステージに進むのが使命である。これを忘れてはいけない!

 よしんば彼女の言うとおりにしたとしても、それは彼女の自尊心をくすぐって、性的な満足に結びつける作戦としてである。姉をイかせるという目的は、どうあっても外すことはできない。

 このままでは、姉さんにいいように弄ばれて、射精させられてしまうかも知れない。ここは一気呵成に、責めの姿勢に転じて、ガンガン攻撃して絶頂まで追い詰めるのがいいかもしれない。

 ただし、強い姉さんの反撃に負けてしまうリスクはどうしてもある。責めの姿勢は、守りを弱めがちであり、そこで彼女が僕の弱みに付け込んで、強化された肢体を駆使して攻撃してきたら、ひとたまりもなくこっちがイッてしまう可能性がある。

 責めすぎればリスクが高いので、じっくり応戦するという手段もある。弱点を突かれないように気をつけながら、守りを固めていくんだ。ただし、どうしても時間をかける戦いになるはずであり、消耗戦の様相を呈してしまう可能性がある。次の少女遊戯へと連戦することを忘れてはならない。

 逆に、姉さんの言うとおりに動き、従うように見せかけながら、逆転勝利を狙うという手もアリかも知れない。面従腹背。姉さんは自分の身体で男が射精させられてしまうというシチュが大好きなダメッぷりだ。それを満足させてやることで、彼女に隙ができれば、そこに勝機が見える。

 もっとも、言うとおりに動くことは、僕の弱いところを突かれるという意味でもある。そのまま一方的に抜かれてしまう可能性も十分にあるので、気をつけたいところだ。

 姉は目と鼻の先にいる。じっくり考えている余裕もなさそうだ。



−選択肢−

姉2 積極的に責めるスタンス

姉3 じっくり応戦する

姉4 言うとおりにする





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