Tweet


姉9


 毒を喰らわば……ってやつだ。

 僕は自分にとって、もっとも厄介な体勢に、自分から陥っていく。しかし、それはあくまで、姉の趣味嗜好、彼女が精神的に絶頂しやすいシチュエーションに、女敵を置くための作戦である。

 僕が選んだのは、高校時代の妄想の方だった。すなわち、背後からではなく、下から、姉と抱き合ってしまいたいという願望を、自分から満たそうとする体勢である。あのころはこれによって、姉のなすがままに身を任せ、姉さんが一方的に僕を感じさせてくれて、イクまで徹底的にかわいがってくれる……そんなことを妄想しながら、オナニーしたものだった。

 姉さんもまた、僕のそんな性癖を知ったうえで、僕が仰向けになってオナニーしている様子を見てでもいたのだろう。姉さんが僕の上にしっかりのしかかり、適度に体重をかけて、ペニスをどんな順番で高めていくのか、自慢の生足をどう駆使して僕を射精まで導くのか、そして……。

 ついには、姉弟の壁を破って、禁断の騎乗位に持ち込んでは瞬時にして精を吹き上げさせる。

 そんな僕の空想を知り尽くしている姉は、確実に、高校生時代の僕の願望どおりに動いてくることだろう。それが一番、僕を手っ取り早くイかせる方法だからであり、そして、姉自身が一番、性的に興奮し満足する展開だからである。

 中学時代はまだ、セックスの具体的な動きをそれほど深く知っていたわけではなかった。ただ虚ろに、ペニスをオンナに挿入すると射精が始まる、その結果として着床が起こり細胞分裂が始まるという、学校の性教育で習った程度の簡単な知識でしかなかった。

 だから当時は、相手の女性器がどのようになっているのか、それに直接触れるとどうなるのか、そっちの方に興味がシンシンであった。陰毛が生えているとさえ思わなかったし、男性よりも早く生え始めるという知識さえもなかった。

 だからこそ、性器という”神秘”を覗く方に強い興味を抱いていたし、やはり生足の感触そのものへの関心が確実に優っていた。挿入して果てるという願望以上に、彼女の後ろから抱きついて、自分の両手で姉の性器と内股を触れるということの方に、妄想の重点が置かれた。

 高校くらいになれば、さすがに直接挿入の快楽ということへの興味が強まった。だから、姉をオカズにしていたときの、想像上の体勢も変わっていたんだ。後ろからではなく、下から、と。

 そして、さんざん年上の姉さんに全身でかわいがられ、太ももで射精させられた挙句、その直後に挿入させられてしまって、すぐさま精をオンナに直接連続で絞られたら、さぞかし気持ちいいだろうと、姉をオカズにするときには、そんな妄想ばかりをしていた。

 姉弟でナマでセックスをしてしまうこと、そしてその結果妊娠などという事態に発展した場合に、どんな”悲惨”が待ち受けているかなど、全く意に介さなかった。精神的に幼かったということでもある。が、なまなましい現実を知る機会そのものが、性教育から奪われていたのも事実である。健全な青少年であれば、そういった類の悲惨を知ったうえで、目先の快楽に溺れるような愚を避けるよう指導されるべきである。しかしながら、その悲惨をわざと隠したクリーンな教育のおかげで、健全な青少年どもは、性的な行為の快感部分にばかり、目が行くようになっているのである。

 しかしながら、こっちの精神世界、現実とは完全に一線を画し、そのタブーをすべて取り払われてしまっているこの世界では、快楽そのものが全てとなってしまっている。

 姉さんは嬉々として、悲惨な事態が起こりえないことを分かりきった上で、快感だけを愉しもうとするだろう。それと引き換えに、弟は永久の天国へと閉じ込められてしまう。むしろそのこともまた、姉の性欲を満たす手段に成り下がっている。

 そこを逆転するのが、僕の作戦なんだ。

 あえて姉が興奮するシチュに身を置くことで、彼女の精神のタガを外し、タイミングを見計らって反撃をする。一気呵成に敵精力を削り、あれよあれよという間にアクメ天国を見せてやる。そして僕が勝つ。

 僕が仰向けになると、しがみついていた姉さんもそれにしっかりついてくる。一瞬たりとも密着を離れることがないよう、正確な動きだ。姉さんは僕の真上に来た。

 すると姉は脚を開いて僕に跨がる格好のまま、膝をついて自分の体重を支えた。小柄な姉といえども、僕に完全にのしかかってしまえば、その重みで僕が息苦しくなってしまうし、自分が重たいということを相手に強く印象づけることは、多くの女性の嫌うところでもある。これも僕の計算どおりの動きではあった。

 彼女は脚を引き締めるようにして、僕の腰回りに内股を強く密着させた。そして、重みを感じさせない程度ではあるが、それでも僕が左右に逃れることは絶対的に阻止できるくらいの力で、上からぎゅみいっと強くのしかかってくる。

 姉の腕は僕の脇に入り、僕の背後に伸びて僕の首を抱きしめる。脇腹と脇の下に、姉さんの腕が密着している。控えめな胸はそれでも、上から垂れ下がるように張り出しつつ、その出っ張りのすべてを押しつぶすようにして、僕の胸板に密着した。

 腕と胸で僕の上半身をがっしりと抱え込んだ体勢の姉は、ぎゅうっと密着して、若い肌触りを存分に押しつけてくる!

 うああ……これだ……

 これが……高校時代に空想していた、思ったとおりの心地よすぎる姉さんの感触なんだ。

 幾度となく、こうやって上半身を固められて、上から愛されたいと心より願い続け、自分のペニスを慰めていた若き日々が、いま本当に実現してしまっている!

 その興奮が、どうしても僕を精神的に弱体化させてしまう。

 あこがれの姉さんの上半身が、むにむにと僕の身体でやわらかく潰れ、この上ないみずみずしさで、みっちり密着して離れない。彼女はゆっくりと全身を前後に揺すり、スリスリとこすれる肌の感触を、存分に刻みつけてくる!

 僕が胸を押し上げて、上半身に意気を込めてみたが、それはますます姉さんとの肉体の密着度合いを高めるだけで、それ以上のことはできなかった。自分の腕も、脇部分からがっしり抱え込まれているので、自由に動かすことができない。肘から下を辛うじて動かせるが、それだけでは姉のお尻にも下腹部にも届かず、反撃できない。

 そして、姉は僕の上半身を抱きしめたまま、ぐにぐに蠢いてその柔肌を押しつけ小刻みにこすりつけ、その体勢を確実に維持している。これが……あの有名な”お姉ちゃん固め”なのかッ!

 まずい……反撃を……このままでは……

 僕は腰を上下に振って、なんとかペニスをオンナ表面に届かせようとした。しかし、彼女は脚を開いて僕の両側に膝をつき、自分の体重を支えている。この体勢では、身長差がもろに出てしまう! と、届かないッ! いくら腰を上下させても、僕の股間は空中でカクカクするばかりで、姉の身体にかすりもしない!

 小柄な姉は、それが分かった上で、お姉ちゃん固め攻撃をしてきている! うっかりしていた……上半身の高さが同じということは、腰の高さがまったく違うということ。ちいさな身体で、ぎゅうっと抱きしめてきたために、僕の腰から下は完全に誰からも触れられていない体勢になっている。

 ちゅっ……くちゅ……

「うぅっ……」

 姉さんは容赦なく、僕の首筋に深いキスマークをつけるべく、くすぐったく吸いついてくる。さらに、耳の裏をやわらかな唇で吸い、耳の中までしっとりと舐めあげてくる。ぞわっぞわっと心地よい感覚が、僕の頭部からジンジンと身体全体に拡がっていく。

 身体の力が、抜けていった。り、リラックス……させられている! 闘いだというのに、姉さんの耳ナメと執拗なキス、頬ずり攻撃だけで、こちらの緊張した感覚がどんどんとろけさせられてしまっている。マズイ!

 こんな状態になるとは、想定外だった。高校時代は、姉さんは大きく全身ズリをしてきて、いきなりペニスをお腹やオンナ表面や生足でこすりあげながら、身長差をものともせぬ大きな前後運動をくり返して、僕を気持ちよくしてくるという妄想をしていた。

 姉さんもそれを知っているはず。しかし彼女は、あえてそれをしてこない! 僕が……姉のそういう動きに対して、手やペニスによる反撃をしようと企んでいることを、姉は……逆に動かないことによって! 反撃させないようにしてきたというのかああ!

 うっく……心の弱体化が進んでいく! このまま姉に身を投げ出して、なんでもしてもらいたいとさえ願うようになってしまう。これは魔法の力ではなく、幼少の頃から姉をオカズに抜いてきた自分自身の魂からの願望によるものである。姉と密着することによって、僕は過去の未熟な自分自身までもを、同時に犯されてしまっているんだ。

 ちゅうちゅうとあちこちを吸いながら、姉はさらに僕の脱力を誘う。胸板を持ち上げても、姉は再び僕を床に押さえつけるよう重みをかけてくる。そして控えめな乳房を僕の胸板に滑らせて、自分の上半身の心地よさを徹底的にねじ込んできた。右にも左にも行かれない。文字どおり、完全に固められた体勢だ。

「ふふふ……アンタはそうやって、私に密着されて、上からいろんなコトをしてもらいたいって思いながら射精してたんだよねー……でも……こんなコトは、きっと想像してなかったんじゃあないかな? ほら……」

 すりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすり!!!
「あひっ! うああ! こ、これはああ!!」

 姉の体勢は変わらない。相変わらず上半身は僕にしがみついて圧迫し、ヒザを支点にして体重を支えている。

 だが姉さんは、その体勢のまま膝から下を持ち上げ、膝の角度を変えることで器用にふくらはぎから下を曲げて、その足先にペニスをとらえた。脱力とは裏腹に、お姉ちゃん固めと耳舐めで興奮しきったペニスを、反撃させない状態のまま、彼女はじかにこすりあげ始めた。

 足……それも、太ももや内股ではない! 足の、甲の部分だッ!

 高校時代には、とてもこんな部位でのペニス扱きは想像もつかなかった!

 足の甲は、見た目以上にスベスベでふっくらしている! 細ッこくちいさな足なのに、足の甲は決して骨張っておらず、むしろ女性的なスベスベの肌触りとやわらかさを、手のひらのように保持していた! こんな部分でさえもが、武器になるなんて!

 姉さんの足の甲は、ペニスにしっかり密着し、両側から圧迫を加えながら、上手に素早く上下し続ける! すべすべすりすりと、しなやかな感触で根元から先端までを、彼女の足はペニスを上下し、その肌の質感だけで快感を押しつけている!

 こ、こんな……こんな攻撃で、精力を消費している、だとお!?!?

 足の甲は、両側からギュッと押さえつける要領で、正確に反対側からペニスを支えるので、いくら素早くしごいても、ペニスが足の甲からぴょこんと跳ね外れることがなかった。捕らえられたまま、やわらかな足の感触だけを刻みつけ、しゅっこしゅっことリズミカルにこすりあげていく!

 これまでの戦闘で足コキされたことはあるが、すべて足裏によるものだったし、僕自身、足裏の硬くなった部分や足の指でコチョコチョされただけで、極端に感じまくる性癖ではなかった。人によっては足の裏で撫でさすられるという、”屈辱そのものが快楽に変換される”性癖によって、その攻撃で射精の憂き目に遭う場合だってあり得る。

 だが、僕にはあいにく、その性癖はない。体勢的にも隙だらけとなるので、足コキ攻撃をしてきた女敵たちに対しては、すぐさま脱出の上あっさりと反撃、快勝してきた身である。

 それなのに、姉の足、足裏ではなく甲を使って、こんなに気持ちよくさせられてしまうのは不覚だった!

 もし彼女が足の裏を使っていれば、僕はここまでダメージを負わなかっただろう。しかし、僕の性癖を分かりきっている姉は、足裏を使う愚を犯さない。だがその代わりに、僕が気づきもしなかった部位、足の甲という新たな武器を、僕に教え込むことで、性的攻撃の主導権を握ってしまったのだ。

 くっそ……こんな……女の足の甲で射精させられてしまったなど、それでこの世界から出られなくなったなど、この上もない恥辱ッ! こんな負け方など、絶対にできるものか!

 しかし姉は、僕が脱出できないことをいいことに、執拗に足の甲でシュコシュコとペニスをしごき立て続ける! ペニスの左右を挟んだり前後を挟んだりしながら、感じやすいところを的確にこすりあげ続けている。ああっ……やわらかくて、いい気持ちだ!

 なんとか……なんとか脱出しなければ! やわらかでふにっとした足の甲の女性的な弾力から脱出しなければ。

 僕は腰を大きくひねった。これによって、彼女の足の甲は片側だけ、ペニスに届かなくなる。僕は摩訶不思議な足の甲攻撃から脱出できた。僕はさらに腕を突っ張らせ、腰をひねった勢いで全身をヒネリ続ける。腰から上も浮き上がってくる。

 僕は力づくで、お姉ちゃん固めから脱出し、辛うじて上から押さえつけられる体勢から逃れた。身を引いて、彼女の横に体をずらす。密着地獄からも解放された。

 くっそ……大変なのはここからだ。

 姉さんはさらにしつこくしがみついてくる。僕は尻餅をついた体勢で足を投げ出し、上半身を起こした。それを姉は再び仰向けにしようとして、がっしりと僕の肩を掴んでくるんだ。またのしかかろうとして、体重をかけてくる!

 だが……ここは……戦歴の差、とでもいえばいいのかな・・・。

 同じようにしがみつかれた闘いは過去にいくらでもあった。上半身を起こしただけで、さらに寝かせようとしつこくしがみついてくる女に対して、上半身の力で抵抗し、起き上がり続けようとするのは愚かだ。根負けすれば、すぐにでも仰向けに倒されてしまう。

 それが分かっているから……僕は違う動きをするッ!

 尻餅をついている以上、身体の根幹は安定している。だから、上半身だけを力ませるような抵抗ではダメなんだ。全身で突っ張り、執拗なしがみつき攻撃から脱出する方法があるんだ。

 それは……腕を立ててすっとお尻を浮かせ、腕の力で素早く! 後ろに身を引くことだ!

「あう!」

 姉さんは僕の膝の上に倒れ込んだ。僕の上半身を倒すことに気持ちを集中させていたので、身体のバランスを崩したのは彼女の方だ。根幹が安定していないのは姉の方だった。

 僕が身を引いたので、姉はズデデっと倒れ込み、僕の膝に突っ伏してしまった。そう……戦歴の差だよ。過去にも同じように、身を引いて女敵を倒れさせ、一気に反撃して、体位を変えてイかせ倒したことがいっぱいあるんだよ。姉さん、その辺の経験の差は、どうやら僕の勝ちだったようだ。

「くぉのっ! 弟のくせにィィィィ!!!」

 姉さんはさらに起き上がって、執拗に僕にしがみついてくる。ばかめ。何度やっても同じ事だ。そのつど僕は身を引いて、姉の安定感を崩し、倒れ込ませる。強化されたわるい姉もここまでのようだ。

 このまま、バランスを崩した姉にマウントポジションを取って反撃、一気呵成に絶頂まで持ち込んでやるッ! 今だ! 姉さんに覆い被さって上からのシックスナインで反撃してやろうか。

 ガッ!

 !?!?

 背中が急に、冷たく硬いものに当たる! こ、これは……壁だ! 背中が壁に激突したあああ!

 顔を上げた姉さんの可愛らしい眼鏡がキラリと光る。

「し、しまっ……」

 体をひねろうとしたがもう遅かった。姉さんの上半身は、これ以上僕の肩にしがみついてはこない。その代わりに、僕の腰部分にびったりとはりつき、ペニスをそのやわらかな胸板で圧迫し始めたのだ。

 ぐにぐにぐに……

「ふふふ……」

 ちゅぱっ! ちゅぱっ! ちゅっぱっ!!

 うああ……お尻の奥までキュウンと突き抜ける強い快楽! 姉はそのちいさい胸でペニスを挟み込み、さらに先端から真ん中付近までを、ふにふにっとした口の中に含んで、執拗に舐め始めたのだ。

 この異世界に転送されたときに少し盛ったのか、現実以上に膨らみのあるおっぱいが、ペニスの根元から真ん中あたりをしっかり包み込んでいる! そして姉は両手で胸を寄せ上げ、肉厚を作りながら、ぐにぐにふにふにとペニスの半分以上を、柔らかすぎる乳房の吸いつく肌触りでしごき立て続けた。

 そして、ちっぱいずりでは覆いきれないペニスの、とくに亀頭先端部分は、姉の口腔が担当した。亀頭から少し奥部分までを集中して狙い、ぷるんとした女性特有の唇で、ぢゅっぽぢゅっぽと執拗にスピーディに先端部分をこすり立てる!

 同時に、裏スジの敏感な部分には姉さんの舌がべっとりつきまとい、グニグニと蠢いては心地よい性感神経だけを刺激するように舐め尽くしている!

 ちっパイズリと亀頭フェラの同時攻撃! こ、これは……やばい……うああ!

 僕の精力が残り少なくなっている。さっきの足の甲で削られ、さらに大ダメージの連続でこのマウントポジションで高められ続けてしまっている。

「んああ……だめっ……姉さん、それダメッ……やめ……」
「嘘ばっかり。もっとシて欲しいんでしょ。ねえちゃんの口とちいぱいずりで、この舌先にいっぱい精液を吐き出したいんでしょお?」

 姉さんは裏スジに頬ずりをしながら、その部分が一番気持ちよく感じるのを知り尽くしているという目で、じっと三白眼のまま見上げてきた。にやりと笑った口元が、さらに性的な攻撃の準備に入る。

 そしてまた、ペニスの根元を乳房の貧しい肉で素早くしごき上げながら、残りの亀頭先端部分を中心に、姉さんはフェラチオ攻撃に戻った。さっきよりも強く、やわらかな舌が裏スジにはりついて暴れ回る!

 なんということだ……姉は、激高してしつこく僕にしがみついてきたんじゃあない! 僕が身を引けば自分の体勢が崩れることなんて、百も承知だったんだ。それでもしがみついてきたのは、僕を押し倒すためじゃなくて……”僕を壁際に追い詰める”ためだったんだああ!!!

 僕が戦歴の差を見せつけ、マウントポジションを取って反撃してくることは、姉にはすでに見通しだった。彼女は、この五重塔の部屋の構造を知り、僕が壁際に追いやられて動けなくするために、心理的なトリックで僕を追い詰めた。まんまと嵌まってしまったのは僕の方だった!

 な、なんとか……脱出しないと! この状態は、一方的に攻撃されてしまう態勢だ。なんとか、なんとかしないと!

 がばっ!

 姉は突然、フェラパイズリ攻撃をやめて起き上がった。しかし、冷徹ながら妖しい、小さな瞳と不敵な笑みは健在だった。めがね姉の勝利への確信は、まだまだ揺るぎないものだった。

 彼女はくるりと後ろを向いて、ちいさなお尻を僕の腰に押しつけてくる。ま、まずい……最後は挿入でトドメを刺す気だ!

 いや・・・

 ここが……さいごの……反撃のチャンスッ!

 挿入に持ち込まれてしまえば、そのオンナの感触だけで、僕は射精してしまう可能性が高い。挿れてすぐに爆発という、完全敗北の形をとるつもりなんだ。

 だが、座位に持ち込んでこようとすれば、その上半身は僕に預けざるを得ない。なんとかして挿入を避け、そのひらたい胸とオンナ表面への愛撫攻撃で、見事に反撃をぶちかませば、まだ僕に勝機があるじゃあないか!

 僕は反射的に腰を引き、壁際にさらにお尻を押しつける格好で、姉の座位をかわすことに成功した。ペニスは、オンナ表面の前でイキそうにヒクついている。すべすべとした姉のお尻の弾力が、ポヨンと僕の腰に潰れた。

 よ、よし、ここで背後から姉の胸を……

「アンタが私に対し……こういう風にするだろうということを……予想しなかったと思う?」
「!?」

 姉は……僕に背中を……預けないッ!!!

 むしろ前屈みになり、僕との密着点はお尻だけとなる。

 ま……まさか……はじめから……”座位を目論んでいなかった”……のか!!

 姉の目的は……はじめから……しまったああ!

 ぎゅうう!

 「うあああ!」

 ちょみちょみちょみちょみちょみちょみ!

 姉さんは太ももをきつく閉じた。そしてペニスをそのあこがれの生足、内股のやわらかな肉に、ぎゅうっと強く包み込んだ。

 お尻を落としている体勢のために、そしてさらに前屈みになることによって、ペニスの亀頭先端部分だけが、彼女の生足から飛び出してしまう。

 そしてそこへ、両手の指先だけを使って、ちょみちょみとあちこちをくすぐるように素早く、乱暴に、まんべんなく撫でさする! 女性的な可愛い指の腹が、執拗に亀頭先端ばかりを狙って、あちこちをかわいがり続けた。怒濤の素早さだ!

 根元からほとんどを内股のシコシコしたやわらかい肉に包み込んで圧迫、きつく締め上げられながら、先端の敏感な部分は、姉の10本の指先だけでラッシュの如く愛撫される! 指先が撫で、弾き、こすり、揉みしだいていく!

「わあああ! うわあああっ!」

 イク直前だったペニスに、あこがれの姉の生足がじかにはりつき圧迫しながら、同時に指先でつつき回され、強い多幸感が下腹部全体を支配した。

 ああっ……姉ははじめから、座位挿入ではなく、スマタと亀頭いじりの併用で、僕にトドメを刺すつもりだったんだ!

 びゅ! びゅびゅー! どびゅびゅびゅーーー!!!!

「んあひぃ!!」

 ペニスから大量の白濁液が噴き出していく!

 胸板への愛撫攻撃に移ることをすでに察知していた姉は、前屈みになり、一気呵成に亀頭先端を責めることで、反撃させるヒマを与えずに、ペニスを射精まで持ち込んできたんだ。

 強すぎる快楽が、姉の脚を通過していく。彼女は自分の内股に、弟の脈打つ振動が伝わるのを感じた。それが彼女を強く悦ばせた。
「あふふっ……私の勝ちだねっ……ああ~いいゎ~っ!」

 姉も静かに絶頂を迎えた。僕を射精させたことに高揚し、性的に満足しきったのだった。

 射精時間も長く、異世界特有の強い快楽が伴った。ペニスは姉の太ももの感触に酔いしれながら、次から次へと精を吐き出していく。もう、どうにも止めることはできなかった。僕の……負けだ。生還を賭けた長い死闘の歴史は、ここで終わりを迎えるんだ。ああっ……気持ちいっ……

「ふう。」

 前屈みだった姉さんは、ようやく安心しきって、背中を僕にもたれかけた。スベスベした可愛らしい姉さんの背中が密着すると、この上もなく幸せな気分になる。

「ぼ……僕はこれから……どうなってしまうんだ……」

 不安というより、待ち受ける快楽天国が底知れないことから、僕は思わずつぶやいてしまった。

「さあね。でも少なくとも、安心なんてないところだよ。ただただ、射精と快感だけに満ちあふれた、そんな”私の世界”だからねっ……ふふふ」

 目の前が暗転していく。僕はこの異世界の中で、永遠に囚われの身となっていく。



















 気づいた瞬間、僕はまったく別の光景の中に放り出されていた。

 そこがどんな場所で、どんなシチュであるのか、一瞬で理解する。姉さんはとぼけて”さあね”などと言っていたが、初めから分かりきっていたことなんだ。そして、敗北した僕にはもう、ひとつしか選択肢がないことも明らかだった。

 肉体改造が始まっていく。性欲が急激に高まり、決して衰えることがなくなる。そして、「イク直前の多幸感覚」が、ひっきりなしに股間を覆い尽くしていく。その結果、溜まりに溜まった玉袋から、勝手に精液がほとばしっていく。律動もずっと早く、射精時間も何分にも及んだ。にもかかわらず、出し切った直後に回復、また性欲のトリコになる。その間じゅう、このきゅ~んとした多幸感は一秒も休まずに続く。

 僕は無機質な部屋で、その片隅で立たされたまま、身動きが取れないでいた。そして、その内部にいる者たちにはもちろん、僕の姿も声も届かない。

 それは、姉の妄想する「映画」のシーンだ。姉さんは、映画のように物語を想像し、それをオカズにマスターベーションに励んでいた。僕は、姉のその妄想に付き合わされる格好で、情けなくも射精し続けるだけになってしまっている。

 無機質の部屋の中に閉じ込められているのは、ひとりの若い男性だ。縛られているわけではないが、身ぐるみ剥がされてしまい、僕と同様に全裸になっている。彼のペニスは隆起していなかった。

「くっくくく……これからオマエにはいい気持ちになり続けてもらうでゲソ」
「なっ、何者だきさま。ここはどこだ! 俺をどうするつもりだ?」

 天井のスピーカーから少女の高飛車な声がし、それにうろたえる男。

「オマエは地球侵略のために、ずっとここで働き続けてもらうでゲソ。……私ひとりでは地球侵略できないけれども、”仲間”を量産すれば、それも可能になるでゲソ。研究の結果、海にいる妖怪仲間を集めるのは限界がある……数も3人しかいなかったでゲソ。しかし、その妖怪娘たちと”ある特殊な遺伝子を持った男”との間に生まれた人間、そうやって”造られた人間”なら、量産も可能であり、侵略も可能でゲソ。」

 僕には状況がよく分かっている。僕は姉の想像で製作された擬似的な映画を、360度視点で、強制的に見せられており、そのストーリーも顛末もすべて、瞬時にして自動的に理解させられてしまっている。

 この地球の世界を乗っ取り、支配しようとする海の妖怪。彼女ひとりががんばっても、せいぜい海の家の手伝いをするくらいしかできない。そして、彼女の仲間を集めようとしても、3人しか集まらない。これでは侵略は不可能だ。

 そこで研究した結果、この仲間3人を人間の男と交配させ、娘たちを増やしていけば、強靱で戦闘力の高い人造人間に成長できることを突き止めた。彼女たちを増やしていき、地球侵略できることが分かった。

 ただし、どんな男性でも最強の兵器を生み出せるわけではなく、特定の遺伝情報を持った男と、交配のみによって(人為的な生殖細胞の結合は無効)、そのような人造人間の増殖が可能ということも判明した。そして、その運のわるい男は、すぐさま見つけられ、巧みにこの無機質な部屋に閉じ込められてしまったというわけである。

 水色の髪の、頭髪の先が尖った妖怪娘たち3人が、部屋の中に入ってきた。彼女たちの頭には白い帽子のような物体がはりついていて、髪と頭部以外は、人間の少女とほとんど同じなのであった。ただし、脇にも脚にもオンナにも毛は生えていない。

 うあああ!

 どくんどくんどくん……

 際限なく、僕の射精が続いていく。僕は、少女たちの裸3人分を見ただけで、止めどなく何分も射精し続けてしまう。

 捕まえられた男の方は、警戒心が強く、直ちに欲情するなどということは考えなかった。男性は少女たちから後ずさり、できるだけ距離をとろうとする。

「ふふふ……ガマンしてもいいでゲソ。こっちからはムリヤリ襲わないでやる。オマエの方からこの仲間たちに交配を仕掛けるでゲソ。おっと、この娘たちから目を逸らしたり目をつぶったりした場合は、抱きしめてちんちんをいじるでゲソよ! しっかり見つめなイカ!」
「ううっ……」

 脅された男性は、彼女たち3人から目を逸らすことを許されなくなった。見続けなければ、性的に襲われ、無理にでも勃起させられ、そのまま交配へと持ち込まれてしまう。

「私では強い人造人間は産めない。けれども、この娘たちなら、たっくさん産めるでゲソ。さあ、この娘たちと交配していいんでゲソよ?」
「う、うるさいっ……だ、だれが、人類の敵となる人間を生み出す手伝いなんて……」
「我々の肉体は、人間の女で言うところの、14歳くらいで成長が止まり、その若い肉体のまま長い長い間生き続けるでゲソ。膨らみかけの胸、大きくなり始めた乳首、ツルツルで柔らかな肌。そして、しっかり肉付きの良いふにっふにの太もも! じっくり見ていいんでゲソよ? なんなら、どこでも触っていいし……性器は人間の女よりもはるかに狭くてキモチイイ造りにできている! 触ってみたら……クスクス!」

 男性はたじろいでいる。しかし、人間女性では味わえない快楽を備えた妖怪娘たちの、まだまだあどけなさを残す顔立ち、太いふくらはぎながら女性的な生足を誇っている下腹部、ぷりっぷりのお尻、まっすぐな上半身ながら、乳房はすでに第二次性徴を迎えて谷間がきちんと作れるくらいに成熟の膨らみを覚えている。そんな彼女たちのあられもない姿が、じりじりと男性に近づいてきている。

 彼は、その娘たちから目を逸らすことが許されない。目をつぶることもできない。あくまで、幼い全身なのに女性性を出し始めている姿、その異性的なパーツを、じっくり凝視し続けなければならない。

 もし視線を外したりごまかしたりすれば、少女たちはたちどころに男に飛び掛かってくる。ペニスを揉まれしごかれ、勃起させてムリにでも嵌め込んでくるだろう。

 挿れてしまえば終わりだということは、彼にも分かっていた。オンナは人間のそれよりもはるかに具合が良く、精を絞るのに適した構造になっている。

 とにかく、少女たちの姿を見続けても、勃起しないで突っぱねることができるかどうか、それがこの男性にとっての勝負どころであった。

 少女のひとりが、男性の目の前までグイッと近づいてきた。あわや触れてしまいそうになるくらいに近い。彼がその気になりさえすれば、すぐにでも若い肌が密着してしまいそうな距離だ。

 事実、あとほんの少しでも男性が前屈みになれば、イカ妖怪の唇を奪うことができた。彼は必死でその誘惑に抗った。

 大きなひとみでしっとり見上げる少女。顔立ちだけを見れば、まだまだ全くコドモのままだ。しかし、長い水色の髪が、紛れもなく少女を女性として認識させるに十分な根拠となっている。

 そのほっぺの肌はどこまでももっちりスベスベで、どうしても触りたくなってしまう。彼がその気になりさえすれば、少女はいつでもキスに応じる準備ができていた。

 だが、彼はすんでのところで思いとどまり、さらに後退した。背中にも気をつけ、壁際に追いやられないよう、気を配ってもいた。

 射精し続けているのは僕だけである。

 しかし、彼の目に飛び込んでくるのは、コドモの上半身なのにおっぱい部分だけが張り出していること、乳首もばらつきがありながら大きくなり始めていること(少女によってはまったく膨らんでいなかった)、ツルツルの脇の下、くびれていないお腹や腰回り、そして、真っ先に女性化して強力な武器となっている素足。ツルツルのオンナ表面のスジだった。

「ほれほれ~。勃っちゃっていいでゲソ~? さわっちゃえさわっちゃえ~♥」
「よ、寄るな……」
「14といえば人間の女で言えば中学生。その裸を見たり触ったり抱いたりしたら捕まるんじゃあなイカ? でも、相手が人外娘侵略者なら大丈夫! オマエだけが味わえるチャンス!」
「うう……」

 女の娘のカラダに、メスとしての器官の特徴が乗っかっている。そんなギャップが、ロリコンでもない彼の心を、甘く揺さぶり続けている。

 じわり、じわりと、男性のペニスが反応していく。理性を保とうと必死に堪えているけれども、それを”年をとらない”少女たちの滑らかな肢体が、視覚的に奪っていく。

 彼女たちは脚を開いて内股を見せつけたり、ちいさな乳房を寄せて女性的な魅力を強調したりしながら、近寄ったり離れたり、後ろを向いたり横を向いたりして、自分たちの肉体を、これでもかと男性に見せ続けた。

 吸いついてしまいそうなきめ細かい生足の肌は、もはやレディの太ももに相違なかった。

 ついにペニスは、空中に大きくそそり立ってしまった。

「ううっ……」

 彼は溜まらなくなり、誘惑に負け、手を伸ばして侵略娘の内股を撫でさすり始めた。シコシコした弾力が、即座に滑らかに彼の手に伝わってくる。

「うああ……やわらかいっ……」

 もう彼の手は止められなくなり、太もも、お尻、乳房へと手を伸ばしていく。3人の娘たちの身体のあちこちを撫でさすり、揉みながら、彼はさらに強く欲情していった。

 彼の手に伝わった感触は、同時に僕の手にも伝わってくる! 僕の方の射精の心地よさは、実際に娘たちに触れている感触によって、さらに高まっていく。

 うっ!!??

 急にペニスが、なにかやわらかなものに挟み込まれた! 目には見えないが、明らかに女性の肌の感触が、じかにペニスに強く押しつけられている。

 すぐに分かった。これは、ここにいる侵略娘たちの、内股の感触なんだ!

 射精のスピードがさらに跳ね上がり、快感も何倍にも膨らんでいった。僕は見えない14歳の太ももに包み込まれ、左右の足をスリスリ、モモズリ攻撃され続けているんだ。

 いくら脈打ち続け、精液を吐き出している最中でもお構いなしに、透明の生足はペニスをスベスベと包み、締め付け、こすりあげ続けている! ときおり当たるオンナ表面の感触も、はっきり感じ取ることができた。

 追い詰められた男性は、もう少女たちから手を離せない。それどころか、彼はさらに積極的になり、娘たちに次々抱きついては、自分の脚で、彼女たちの生足をスリスリとこすり、いきり立ったペニスを、少女たちの腹部に押しつけてしまっている。

 女の子たちもそれに応じて、深く素足で彼の両脚を包み込み、奥までスリッスリッとこすり続けていた。3人交代でキスもし続けた。

「さあ抱くでゲソ! 我々の娘たちを、オマエの精で産み出そうじゃなイカ!」

 彼はもう、自制が利かなくなっていた。少女のひとりを横たわらせ、その上にのしかかる。ペニスをオンナ表面に突き立てると、少女の方から積極的に腰を持ち上げて、ペニスをグニグニとオンナに飲み込んでいく。

「んああ!」

 んああ!

 彼は挿入と同時に射精してしまう。もちろん、その光景を間近に見せつけられている僕も、肉体改造と透明モモズリ攻撃によって、止めどなく射精し続けている。

 僕と違って、この男性の射精は至って普通だった。律動の速さも、射精時間も、標準的な男性のそれと変わらない。

 だが、よく締まる14の膣というだけでなく、海の妖怪ならではの特別な造りを持った女性的器官がペニスを包み込み、引きちぎるほどの良い締まりを見せながら、どこまでもやわらかに圧迫して、超高速で蠕動していたのだった。細かいヒダがペニス先端に纏わり付いて、コチョコチョ振動し続けてもいた。

 その急激な刺激に、ふつうの男性が耐えられるはずもなく、少女たちと触れ合ってすっかり興奮してしまった彼にとっては、まさに瞬殺の状態だった。挿入したその瞬間に、彼は精を爆発させてしまったのだった。

 受精を受けた娘は、そそくさと部屋から出て行ってしまうが、まだ2人残っている。すかさず2人は彼に抱きつき、ペニスが萎えることを許さなかった。彼の興奮も収まらない。禁断の女子中学生妖怪とセックスができるチャンスを前に、タガの外れた男性が自制できるはずもない。

 すぐさま別の娘に正常位で結合する。しかしそこに待っているオンナは、やはり高速蠕動し、先端の微細触手が振動し続ける、快感天国のキツくて狭いやわらかな肉の感触そのものだ。

 少女は下から腰を上下左右に揺り動かし、リズミカルにしごく要領で、さらにペニスを心地よく刺激すると、イッたばかりのペニスは、ものの数分で次の射精を余儀なくされた。

 3人目となると、さすがにキツくなってくる。それでも、男性を仰向けにした妖怪娘は、騎乗位でペニスを嵌め込み、萎える前に射精させてしまおうと、自慢のオンナでペニスを絞り、揉み、しごき上げ続けた。

 膨らみかけのおっぱいは、上半身の動きに逆行するようにタイミングを遅らせて、ゆっさゆっさと上下に震えている。ちいさいのに揺れる乳房の動きを見ながら、彼は十数分で3度目の精を吹き上げた。

 少女は上から男性に覆い被さる。どうしても3回連続で出してしまっては、精子は枯渇してしまう。性欲も萎えきり、疲れ果てる。

 ペニスは小さく縮み、もはや14歳の禁断の肉体がいくらこすれあおうとも、いっさい反応しなくなってしまう。反応して射精を続けているのは、これを見ている僕だけだった。

 長い長いキスが、少女と男性との間に交わされる。ごぼごぼごぼ……なにやら黒い液体が、彼の口へと流し込まれた。彼は一瞬ムセキこんだが、墨のような液体を結局飲み込んでしまった。

 この少女も部屋を出て行った。彼は仰向けに寝そべり、やりきった、疲れ果てた顔でぼんやりしていた。性欲はもちろん、すべて尽き果てていた。

 僕だけが、未だに、この娘たちの肉体の感触を受け続け、自動的にイキ続けている。

 彼が休息している間、僕のペニスは、太ももだけでなく、ちいさいおっぱいで懸命なパイズリ攻撃を受けたり、幼い口で舐め続けられたり、果ては妖怪的なオンナの感触でいたぶられたりした。

 そのせいで、僕は裸で寝そべる男性の姿しか見ていないのに、ペニスに伝わる透明少女たちの感触に酔いしれ、決して快楽を衰えさせることなく、絶頂が休まず続くのだった。

 映画の内容は分かっている。

 この男は決して解放されない。いまの墨は、4つの機能を持っている。瞬間的な休息。必要十分な栄養。これによって、彼は眠る必要がなくなり、食べる必要もなくなってしまった。眠気も空腹も決して訪れない。

 そして……3つめの機能は、急速な性欲の回復機能だ。1日かかる男性の性欲回復を、1時間弱で済ませてしまう。1時間後には、彼はすぐに、連続3回の射精ができるペニスに回復させられているだろう。

 最後に、4つめの機能として、彼は中学時代の想い出を強く思い出すようになり、そのときに同級生たちの肉体が女らしく膨らんでいくことにドキドキしていた甘酸っぱい記憶を、事細かにフラッシュバックさせていく。

 そして、その年代の異性、つまり14歳程度の女子に対して、激しい性欲を持つようになる。むしろ、その年代の女子にしか興味を持てない精神構造へと改造されていく。

 そうして、14から年をとることもなく、そこで成長を終える人外侵略娘たちにとって、最も都合の良い男性に仕立て上げるというわけである。

 墨を受ければ受けるほど、彼の性癖はピンポイントで、彼女たちだけを強く強く愛好するように変えさせられる。また、性欲回復の能力も、どんどん速くなっていく。

 男性が回復している間、精を受けた娘たちは、スピーカーで話していたリーダー侵略者の用意した「促進カプセル」に入り、特殊な液体に漬け込まれる。

 すると、少女たちはみるみるうちに子宮を膨らませ、細胞分裂が猛スピードで進み、30分程度で自動的に出産することができた。

 彼女たちが産み出すのは、かならずメスである。そしてそのメスたちは、成熟すれば、最強の侵略マシーンに育っていく。すべて計算どおりである。

 生まれた幼体は、引き続き促進カプセルに入ったままとなる。すると、彼女たちもまた、30分ほどで急速に成熟する。人間の女性でいえば14年で成体となるので、そこでカプセルを脱出する。

 彼女たちの出産は、人間女性よりもずっと早かった。また、14歳と同じ肉体になるまでのスピードも猛烈に速かった。しかし、促進カプセルは、そのスピードをさらに驚異的に高める装置なのである。

 カプセルでは、とくに幼体から成体になるまでの時間を飛躍的に短縮することができた。これは、「生まれさせる」までにある程度の慎重さが必要なのに対して、「生まれてから」はひたすらスピードを速めさえすれば良いためである。

 成熟した成体たちは、裸のまま、すぐに男性のいる部屋に向かっていく。その頃には1時間ほど経過しており、彼の性欲はすっかり回復している。

 そしてまた……同じ視覚誘惑の始まりである。彼は短時間で誘惑に負け、なんとか食い止めなければという理性の叫びもむなしく、ペニスを隆起させてしまう。そしてついつい彼女たちに触ってしまい、さらに欲情を強める。

 結局この男は、新しく生まれた3人の成体とも致してしまい、立て続けに3回射精させられてしまう。コトが済んだら、また黒い体液を口から流し込まれてしまう。

 体内に蓄積される墨の量が多くなれば、性欲の回復も早まる。そこで、もともとの侵略娘3人が、男性の相手をする。そのあいだ、3人の成体は、出産のために促進カプセルに入る。

 増えた成体は、3人から6人、9人、さらにどんどん増え続けていく。男性の性欲回復も格段に早くなり、さらにこの年代の肢体にしか欲情できないカラダになっていくので、部屋に入ってきた女の子たちを「自分から」孕ませ続けることになる。

 食べることも、眠ることも要らなくなった男性。そしてついには、性欲が枯れて休息する時間もほとんど必要なくなっていく。侵略可能な少女たちは、加速度的に、確実に増殖していった。

 そう……

 姉さんは、こういう想像をしながら、オナニーしていたんだ。姉さんの嗜好にぴったりだ。男性を性的に敗北させる。それが彼女を感じさせる。

 勃起しなければ許されると言われておきながら、どうしても欲情してしまう状況に追い込まれ、さらにダメだと分かっていながら、つい射精の憂き目に遭う……姉さんは、そういう男たちの、快楽を伴う強い敗北について考えたときに、絶頂するほどの満足感を覚えるのだった。

 それを目の当たりにしながら、弟もまた、若すぎる少女たちの肌に触れ続けている。目には見えない、透明の女体は、僕の射精を無限に促進し続ける。もう、この映画から抜け出すことは不可能だった。

 第二次性徴でも個人差がある。胸の膨らみ方の大小、生足や身体の細さ、お腹の膨らみ方……その微妙な差異を楽しみにしながら、顔立ちも幼いながらそれぞれ別の少女たちをじっくり見つめながら、僕は永遠の天国を愉しんでいた。

 捕らえられた男性は、必ず中出しだけを強要される。繁殖のためだ。しかし僕は、彼女たちの手でも口でも胸でも脇でも、お尻でも太ももでも、もちろんオンナでも、どこでイクことも許されていた。快楽の強さも、射精時の脈打ちの長さも、彼とは格段に違う。

 どこか心の奥で、優越感があった。それは、彼以上に永久に閉ざされた奥深い世界にいる僕の、ひとつの特権だ。

 彼は、姉が満足すればその想像もストップし、次のマスターベーションの機会のうちのひとつとなるまでは、登場しない。それと違って僕は、永久に休む時間なしに、この世界に存在し続けている。彼の呪縛は姉の想像の中だけだが、僕の呪縛は永遠だ。そこに差がある。

 その差があるうちは、僕はこの天国をただ何も考えずに味わい続けるだけ。彼以上の気持ちいい思いを、特権的に享受できる。

 それが悦びのすべてであった。



###ゲームオーバー###




メニューに戻る(ノーフレーム用)