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ダンサー1−1


 レオター3人娘を倒した僕は、小さな塔の階段を上り、次のステージに赴く。

 「ようこそ2階へ。」スピーカーから姉さんの声が飛び出してくる。

 「レオターの次はダンサーだよ。覚悟するのね。」

 「へえ。姉さんにしては珍しいな。次の敵がどんな奴なのか教えてくれるなんてね。」

 「いずれ分かることだからね。」

 なるほど。レオターの次はダンサーか。ダンサーというだけあって、長身で、グラマーで、体が引き締まっていて、ダンスで鍛えたしなやかな体術を得意とする、大人の色気に満ちあふれた美女たちが相手というわけか。

 さっきの長身レオターのような感じかな。

 とするなら、そういう大人の女性タイプに対処する方法も絞られてくるな。

 ダンサーというからには、なまめかしい腰使いや色っぽい仕草に惑わされることなく、こっちの体術が相手を上回れば勝てるはずである。だとすると、まずは相手の油断を誘う作戦に出てから、一気にカタをつけるやり方が良いか。

 あるいは、レオターと同じ体育会系という感じなら、先に敵の動きを封じてじっくりいたぶるのも手だろう。

 レオターより強力な相手だから油断はできないけれども、回復ができない戦いを一度制している以上、そのやり方は大体身体が覚えた。こらえる方法も、敵の激しい運動に翻弄されないコツも身につけている。レベルがすぐに上がらないといっても、経験はそのまま、自分のテクニックを強化させるんだ。

 攻撃力や防御力が上がった相手でも、こういうコツを掴んでいる僕なら、勝てない相手ではないはずだ。

 とにかく、そのダンサーとやらに会ってみてから、作戦を確定させよう。ボインでセクシーな大柄女め、一人だろうが何人だろうが、精力を温存させつつ返り討ちにしてくれる。

 「あ、ところでさ、この階だけインピオだから。よろしく。」

 「えっ!?」

 ぷつり。スピーカーの電源が切れた。

 なんだ?

 今インピオとか言っていたけど、どういうことだ?

 「くすくす…」「!!」

 部屋の奥の方で、女の子のクスクス笑いが聞こえた。隅にいて立っていた子が、今度の相手というわけか。

 とっさに僕は身構える。来るなら来いッ!

 ぷしゅうううう!

 「うわあ!」

 突然大量の煙が、スプレーのように僕の全身に振りかけられた。天井から噴射された特殊な煙が、僕の体を包み込む!

 どくん!

 突然、体が電気に当てられたようにビクンと震えた! 内側からなにかの衝撃が駆けめぐっている。

 「うっく…」その場に倒れ込み、身体に感じる異様な感覚に悶絶して、床を転げ回った。

 「なっ…いったい…なにをした…!?」

 「大丈夫だよ。すぐに収まるから。くすくす…」

 その女の言う通り、身体の異常な感覚はすぐに消えた。楽になって、僕はもう一度立ち上がった。

 「ようこそ。自己紹介するね。私がダンサー。よろしくッ!」

 決めポーズをする美女。…いや、美少女!?

 華奢な体、細い足、腕。ぺったんこな胸。パンティ一枚というあられもない姿は、ダンサーというより、ただの小●生にしか見えない。

 6年生くらいだろうか。足を交差させるように立っている女の子は、どう見ても女の子、女の…子供であった。

 「えっ…」僕は絶句してしまう。

 いや…だって…ダンサー…だよね?

 ボインでセクシーな美女タイプだよね? ね?

 「何その顔。ハトマメじゃん。」小生意気な少女は僕を見下ろして笑う。

 そのいたずらっぽい、どこか僕よりも上に立っているような不敵な笑いは、僕の怒りを誘うに十分だった。

 拍子抜けしたのと、ちょっとがっかり感と、そして、相手が年端も行かぬ少女なら、大人の魅力であっさりと打ち倒せそうだという期待感が、一気に僕の中にふくらんでいくのだ。

 「あいにく…僕にはそっちの趣味はないのでね。」ロリコンではない僕にとって、こんな小娘、相手になりもしない。性的な興奮も、興味関心もない。これなら、ちょっとしたテクニックで、あっさり勝つことができるだろう。

 しくじったようだな姉さん。僕にそういう趣味があると見て2階にあえてロリ少女を配置したといったところだろうけど、完全に裏目のようだぜ。趣味でもない相手で、テクニシャンな僕が、小娘相手にダメージを受ける道理はない。

 僕はにやにやと笑いながら、小娘に近づいていく。近づくにつれ、彼女の姿がだんだん大きくなる。彼女の目の前に来たとき、僕は彼女をやや見上げるくらいのところまで、距離を近づけることとなった。

 …あれ?

 …何かがおかしい?

 相手はどう見ても子供。幼い顔立ちも洗濯板な胸も健在だ。が、その彼女を僕が見上げている…だと?

 「なっ!」

 僕の体が縮んでしまっている!

 僕の方も、子供の姿になっているのだ!

 10歳くらいだろうか。ちんちんも毛がなくなり、肌色のこぢんまりした包茎ペニスが股間に小さくぶら下がっているばかりであった。剥こうと思えば剥けるだろうけれども、それでも、攻撃力は地に落ちてしまっている。

 「ま、まずい!」僕はとっさに後ろに飛び退いた。

 「くすくす…この階に来た男女は、特殊な煙の力で、みいんなコドモに戻るんだよ?」「なんだって…」

 だとすると、僕が10歳、相手が12歳くらいの状態で、戦わなければならないということか。通常この年代なら、男子より女子の方が成長が早く、女の子の方が進んでいるし、背が高いことも多い。

 とっさに飛び退いて正解だった。相手がガキだと思って油断した状態で、こっちもガキになり下がっていることに気づかないまま瞬殺してやろうと飛びかかっていたら、あるいは逆に、飛びかかられていたら、僕はあっさりと気持ちよくさせられ、子供に戻っていることに気づかないうちに射精させられてしまっていたかも知れない。危ないところだった。

 とにかく、この階にだけ特殊な仕掛けがしてあって、男女問わず、10〜12歳くらいの年齢に戻ってしまう仕掛けが施してあるのだ。

 「くすくす…この五重塔はね。二つのコンセプトがあるんだよ。一つは、回復できない状態で連戦して、キミの精力を奪うということ。だからこそ、ヒューマンタイプの中でも手練れが集められている。そしてもう一つのコンセプトが、“思い出”なんだよ。ねえ、知ってる? この五重塔でキミが敗北すると、五重塔の周辺はキミの知っている女の人で満たされるんだよ?」

 「なんだって?」

 「クラスメイト、幼なじみ、近所のお姉さん、テレビに出ている人、通学中すれ違う人等々…キミの知っている、あるいはキミを知っている、もしくはお姉ちゃんが知っている娘が、いっぱいここに来て、キミといつまでもセックスを楽しむことになる。私やお姉ちゃんと同じように、現実世界から連れて来られ、細部まで複製され強化された状態で、ね。」「くっそ…」

 「だから、お姉ちゃん自身がゆくゆくは相手になるし、キミも思い出の中で性的にドキドキしたことなんかを思い出してもらいながら、気持ちよくなって射精してもらうんだ。だから、ウブな子供の頃にも戻ることになる。あ、安心して。若返るのはこの階だけだから。その上もそのまた上も、元の大人のキミに戻れるよ。…行かれればの話だけどね。」

 「なるほど…単に僕を弱体化させるってだけじゃあなさそうだな。」

 「百戦錬磨のキミのことだから、ただ弱体化させただけじゃあ、すぐに克服してしまうだろうってお姉ちゃんが言ってたからね。だからあえて、最上階前まで勝負する敵は、お姉ちゃんが知っていてキミが知らない女に限定されたの。クラスメイトとか、好きだった子や初恋の相手でも良かったんだけど、そんな弱点もきっと克服してくるし、キミは一度克服したらそれを強みに相当強くなってしまって、次の階で幼なじみを出したってあっさり勝たれてしまうからね。げんに、下の階で回復できない状態で戦うのに慣れてしまったキミは、もう下の階ほどに精力に気を遣わなくたって勝てる状態になっているはず。」

 「たしかに、な…」

 「この階で味わって欲しいことは二つ。ひとつは、キミの子供時代、女の子に興味を持ったその対象と快楽を今じっくり味わって欲しいってこと。そしてもう一つは、小●生ダンサーとしての腰使いを存分に楽しんで、いっぱい射精して欲しいってこと。」

 「ふん。そうはいくか。」僕はあらためて身構えながら、自分のステータスを確認する。

 「女の子の体のこと、興味を持ち始めて、いっぱいオナニーしてた頃のキミに戻ってるんだよ? そこで想像したこと、全部実現させてあげる。ううん、もっともっと、その当時のキミが想像だにしてなかったことだっていっぱいしてあげるんだから。」

 たしかにな。あの頃の僕は、セックスのセの字も知らず、ただおちんちんをいじると気持ちいい、揉むとくすぐったい、そんな感じでしかなかった。クラスの女子のふとももや顔、はみ出したパンツ、お尻、そして股間に時折浮き出るスジを思い出しては興奮し、それだけで、具体的にどんな行為をするかさえ分からずに、亀頭オナニーをくり返していたっけ。

 しごくことを覚えたのは中学に行ってからで、それまでは皮の先端を指先でつまんで揉みしだくことで快感を得ていた。本番行為はもちろん、パイズリもフェラチオも素股も知らない頃だった。

 そんな自分が、少し年上のお姉ちゃんを相手に抱き合って、知らなかったような激しいセックスを子供どうしでしてしまったら、一体どんなことになってしまうか、容易に想像がつく。

 精力自体は、元のままのようだったが、攻撃力が半減し、防御力が地に落ちている。また、性的な興奮を覚えやすく、異性の体に対する興奮度が最高潮に達しやすくなっている。つまりすぐにドキドキしてしまうのだ。刺激にも弱く、子供用の小さなちんちんは萎みきったつぼみのように垂れ下がっている。勃起してもたかが知れているし、亀頭が剥けもしないのだ。

 ただそれでも、本番行為そのものはできそうだ。引っ張ればちゃんと亀頭が飛び出す。元に戻すのも簡単だった。が、亀頭が飛び出したとたんに、さらに快感刺激に弱くなってしまうことも分かった。

 ペニスの攻撃力自体がかなり弱くなったとしても、僕には百戦錬磨の知識と経験があり、それに裏打ちされたテクニックも健在だ。腰の振り方や体位の技術も覚えている。子供に戻ったくらいであれば、なんとでも挽回がきく状態になっている。

 相手も子供である以上は、やはり快感刺激に不慣れであり、防御面ではかなり弱いはずである。それだけを取ってみれば圧倒的にこちらが有利と言える。たしかにこれで小学校の同級生を敵に据えれば、僕が勝ってしまうは道理であった。

 だが油断は禁物。ないと・めあの力で、肌の攻撃力、性器の攻撃力、そしてテクニックの方も、相当に高められている相手だ。まして、ダンサーというくらいだから、ダンスで鍛えたリズミカルで激しい腰ふりを得意としているのだろう。敵の弱いところは十分に補強されていると見て間違いない。僕が子供に戻っていなかったとしても、油断していては勝てない相手だ。

 「くすくす…さっきから、私を見るだけじゃあ、全然立たないのね。」「悪いが僕はロリコンじゃあないのでね。」「くすくす…じゃあ、開発してあげる。」「ふん。」

 女の子が近づいてくる。逃げていても始まらない。ぺったんこな胸を見ても何とも思わないが、彼女の肌ざわりは危険な感じがする。それでも立ち向かうしかないか。

 ぎゅっ!

 むちゅっ!

 お姉ちゃんは僕に抱きつき、上からキスをしてくる。やわらかい唇が僕の口を塞いだ。

 吸いつくような感触の女の子の肌が僕にぴったり密着する。とくにその生足は、僕の足に吸いつき、そのきめ細かな肌ざわりで密着すると、心地よい感触が全身に広がっていくようだった。

 ペニスはパンティの生地に密着するが、その薄い生地越しにも、女の子の特有の柔らかさと圧迫をじかに感じることができた。

 ペニスがくすぐったく反応していく。やはりここは弱体化されているようで、女体による刺激に敏感になってしまっているようだ。

 生足がこすれるだけで、ペニスはどんどん膨張していく。しかし、皮はずっと亀頭を覆ったままだ。

 大人の黒ずみがない、肌色のままの綺麗なペニスが、元の僕の小指ほどの大きさにしかならない状態で、マックスの勃起となった。

 子供ながらも、そのふともものスベスベむっちりした女らしさは健在で、シコシコした肌ざわりが僕の内股を滑って行くたびに、ゾクゾクとした快感が電流のように駆けめぐり、妙な安心感を覚えてしまう。上半身も、女性らしいふくらみがない代わりに、きめの細かい吸いつく肌が、僕の上半身を名残惜しそうに離れてはまたぺったんとくっついてきて心地よい。

 たしかにこれは、極上の肌をしている。白くて綺麗な妖精さながら、この娘を抱き続ければ、間違いなく射精に至ってしまうほどの攻撃力を具えていた。

 「くすくす…こうやってオナニーしてたんだよね?」女の子はそのやわらかい指先で僕の亀頭をつまみ、親指と人差し指でくりくりと先端の皮をこねくり回してきた!

 先端に集中するくすぐったい快楽がペニスに襲いかかった。「く!」僕は思わず腰を引いて内股になってしまう。が、女の子もそれをお見通しで、グッと手を伸ばしてしつこく先端の皮をつまむと、容赦なくペニスを揉みしだいてくる! 「このまま揉み続けたらイッちゃうかもね。」「くっそ! だれが!」

 僕は女の子の手を払いのけた。記憶も使命も忘れた、本物の子供の僕なら、あまりの気持ち良さに我を忘れ、つい女の子の指先に身をまかせてしまったかも知れない。が、これは戦いだ。イクわけにはいかない。

 僕は彼女の股間に手を伸ばし、お返しとばかりに浮き上がった縦スジを指でなぞりながら、パンティをゆっくり降ろしていった。彼女もそれに合わせ、あっさり下着を脱ぎ捨ててしまう。

 毛の生えていない幼い性器があらわになる。僕は百戦錬磨のテクニックで、オンナ周辺から表面、クリ、内部へと手と指を進め、いきなり大人の快楽を味わわせてやる。ダンサーはいきなり大量の愛液を滴らせ、興奮を高めていった。

 「…やっぱりキミは強いね。私もこのまま手マンされ続けたらイッちゃうかもね。」「お互い様ってわけだな。」

 ダンサーはいきなり、ラジカセを取り出した。「いよいよ本当の勝負。どっちか選んで。」

 「?」

 ずいぶん古い型のラジカセだ。上部にCD、前面にはカセットテープを入れるところが2カ所ある。その横にラジオのチューニングのつまみがある。小さなスピーカーがついただけのラジカセだった。

 いまどきカセットテープかよと思ったが、僕の昔の時代を反映してのことなのだろう。

 …まあ、レコードでないだけマシだろう。

 とにかく、カセットテープは、2カ所両方にセットされている。どっちかのスイッチを押せとダンサーは言っているのだ。右側と左側、どっちかを押せば、そのカセットが音声を再生する。

 「…まさかと思うが、PCのデータをカセットに記録しているんじゃあないだろうな?」

 「?? なにそれ?」

 ああ良かった。そこまで古くはなさそうだ。

 「右側がカーニバル−ブレイクスタイル、か。激しい曲調でリズミカルなダンスというわけだな。左側が…ハワイアンと書いてあるな。」「そう。ゆったりリズムでしっぽりいやらしく!」「うーむ…」

 このラジカセの音楽に合わせて、ダンサーの戦法が変わるってことだな。当然、こっちの戦い方も変えなければならないし、しくじれば彼女の幼い体の魅力と、音楽に合わせた動きに翻弄されて敗北を喫してしまうことになるだろう。

 激しいリズムを選べば、当然相手も激しい動きになる。そのリズミカルで大胆な運動についていくのは大変だし、相当激しく彼女の腰が振られてしまって、一気に射精に至ってしまう危険性もある。

 が、その分、短期決戦に持ち込むこともできる。敵も性器への攻撃が弱い以上、これを逆手にとって逆転させることもできる。激しい動きは、敵の精力消耗も激しはずだからね。

 ゆったりとした動きを選べば、スローな運動となり、いきなり大ダメージを喰らうことはなさそうだが、そのかわりなまめかしくきめの細かい動きで、女体の魅力を時間をかけてたっぷり刻み込まれてしまう危険性もある。

 長期戦になりはするが、こちらのテクニックを叩き込むチャンスは生じやすくなるだろう。弱体化したペニスが長持ちするとはとても思えないが、そこをグッとこらえさえすれば勝ち目はある。

 「…なあ、どっちも選ばないと、どうなるの?」「…あれをやるよ。」

 ダンサーが指さした先に、短い竹の筒が二本あった。竹の先端にハンドがついていて、スイッチを入れると三拍子のリズムで上でかちっと鳴り下で床を2回鳴らす動きを自動で取る仕掛けになっている。

 「…バンブーダンスかよ。」

 「やってみる?」女の子がスイッチを入れると、バンブーが動き出した。

 かち! たんたん! かち! たんたん!

 「よっ! ほっ! はっ! …うまいもんだろう。」なんとかリズムをとって、僕は竹が床で鳴らされている時に竹の間に足首を入れ、上に来たときに器用にジャンプしてみせた。

 「うぐぐ…おのれ…私も! えいっ!」

 がきっ!

 「うぐっ!!!!」

 おもいっきり女の子のくるぶしを青竹が直撃する。

 「ううう…」足首を押さえてうずくまるダンサー。ぷるぷる震えている。

 「…だめじゃん。」「うっさい! バンブーだけは苦手なんだよ!」「…。」ダンサーは涙目だ。こいつ、実はダメ人間なのでは…

 「ダメ人間とかって思うなー!」「なんで分かるんだ。」「あーもー!」ダンサーは悔しがっている。

 「バンブーはなし! もしどっちも選ばなかったら、お姉ちゃんに頼んで最上階で子供のままにしてやるー!」

 うっわ…なんてコドモっぽい発想だ…って、相手は子供か。てかそれは困る。超困る。やっぱり、ラジカセからどっちかのカセットを選ぶしかないわけか。

 仕方ない。どちらかを選ぼう。右のカセットか、左のカセットか…


―選択肢―

 ダンサー1−2 右のカセット(激しい曲調)
 ダンサー1−3 左のカセット(ゆっくり曲調)


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