くのいち1−2
ここは戦略的撤退だ。
一度この体勢から逃れ、仕切り直しをして、反撃のチャンスを掴むんだ。
そのために、このアクロバット体位攻撃から、とにもかくにも脱出しなければ。
僕は挿入戦から脱出するために、自分の腰を引く代わりに、むらさきしのめの腰を腕の力で押して、オンナを引き抜き始めた。
ぬぽっ
思った以上にあっさりと、ペニスはオンナから引き抜かれた。もっと抵抗してぎゅっと腰を押し付けてくるものだとばかり思っていたので、やや拍子抜けだったが、いずれにせよチャンスだ。この隙に逃げる!
僕は背後の大木を逃れ、庭の中を走り始める。
なにか……反撃のチャンスになりそうなものはないか……? 庭石、庭園、家屋……池……なにか利用できるスポットはないか探す。走りながら、反撃の道具になりそうなものはないか、辺りを見回した。
しゅっ!
「ああっ!!」
走っている僕の真上から、むらさきしのめが降ってきた!
直進する僕の行く手を阻むよう、降りる場所を正確に計算した少女は、僕を足止めしながら、不敵な笑みで見上げてくる。
ぎゅっ!
「ああっ、やめ……」
少女のピチピチした太ももが、彼女が降りると同時にペニスを挟み込む! ペニスを立たせながら走る僕をほくそ笑むようにして、自分の降り立つ位置がちょうどスマタになるよう、彼女は立ち居地を調整していたのだった。
高校生くらいの太い生足が、容赦なくペニスを包む! むらさきしのめは、小刻みに腰と左右の足を前後させて、すりすりとペニスをいたぶってきた。
すばやい動きであっさり追いつかれた僕は、またもや一方的に刺激され、少女の心地よい肌触りに精力を消費してしまう。
「だめっ!」
僕は再び腰を引いて、くのいちから離れる。彼女の吸い付くようなみずみずしい全身が、べりっと引き剥がされるようにして僕から離れた。そんな吸い付きのよいきめの細かさを具える太ももでペニスを挟まれっぱなしでは、すぐにでも股間から律動欲がこみ上げてきてしまうではないか。
僕はさらに反撃の隙をうかがうべく、走り始めた。
「あははっ、この庭園は、私の庭。隅々までその特性も熟知してますっ!」
逃げる僕の目の前にさらに追いつく少女。脚力では絶対に敵わない。若い分だけ体力もあるし、鍛えられてもいた。
むらさきしのめは僕をやさしく転ばせた。転んだ先は、やわらかな草原のような場所だった。決して強制ではなく、逃げようと思えばいつでも逃げられるようにして、それでいて、逃げればすぐに追いついて捕まえる。彼女は、わざと隙を作って僕を逃げさせるようにしていながら、実はいつまでもどこまでもしつっこく追いかけて捕まえ、最後には射精させてしまおうともくろんでいるのだった。
そして、そういうことができるくらいに、彼女は自分のステージのことを熟知していた。どこに僕が逃げれば、その先にどんな快感のわなを仕掛けられるか、全部計算された動きなのだ。
僕は闇雲に逃げているが、相手はその場所がどんなところで、いかなる快感攻撃が最適かを分かりきっている。戦略的撤退は、絶対的な不利に作用する。
反撃の隙もない。
転んだ僕の腰に、少女の大きなヒップがむにっと迫る。瞬時にしてペニスは、背側位で挿入に晒された!
くのいちは腰をゆっくり前後させながら、じっくりと精を搾り取ろうとオンナを蠢かせた。
僕は強く腰を引いて挿入攻撃に抗い、ペニスを引き抜いた。
「あははは、逃げられないですよー!」
立ち上がろうとするところへ、すかさずしのめちゃんがしがみついてくる。四つんばいの体勢で立ち上がる最中だった僕は、そのまま無理やり正常位で結合してしまい、しなやかに体重をかけてくる重力に負けて、つい彼女の上にのしかかってしまう。そしてくのいちは、ぐにぐにと自分から腰を上下させ、正常位なのに相手主導のセックスをしつこく続けるのだった。
それでも、僕が抵抗を示せば、すぐさま彼女は拘束を解いてくれた。しかしそれは、あくまで、僕がどこに逃げても捕まえられる自信があるためだった。
現に、僕がダッシュで走り出しても、しのめはすぐさま追いついて、サッとこちらの隙を突いてはペニスを素足に挟みこんでくる。内股の肉をめり込ませ、すりすりすべすべと女の足の感触をこれでもかと味わわせる。さらに隙あらば、僕を寝転ばせて側位や正常位に持ち込み、なまの性器の感触を刻み付けて刺激、とことんまで精力を消耗させてくるのだ。
どこへ逃げても、その場その場で彼女のほうが一歩先回りする格好で、僕は追いつかれて捕まってしまい、女股の攻撃を受け続けてしまう。
応戦できるほどの余力はない。
地の利があるだけ、どうしても相手のほうが有利に働いてしまう。絶体絶命だった。
ついに立てなくなったころあいを見計らい、むらさきしのめは、僕を仰向けにして、すぐさま騎乗位で責め始めた!
「もう終わりですか? じゃあ、そろそろ出しちゃってくださいねー」
ぷつぷつ……ぎゅみ! ぎゅぎゅぎゅっ!
「えっ……あっ! ああぁっ!!」
「どうですかー? きもちいいでしょ〜! 私たちはコレで、ちんちんをみんな瞬殺できるんです。忍法筒枯らし……もうイッちゃっていいですからねー!」
オンナが締まる! それも、相当にきつい……こんな膣圧は初めてかもしれない! しかも、ただ強く締めるだけではない。先端の敏感な部位を特に強く圧迫し、心地よい刺激に浸しながら、その先端を包むオンナ内部ばかりがグニグニと蠢いて、しきりに揉みしだき続けてもいた。
少女は騎乗位で僕にのしかかったまま、あえて激しく上下運動しない。オンナを締め付けることに集中させ、その具合を極端までに高めることで、まるで初心者が始めてオンナに挿入した圧迫に感極まって、入れた瞬間に暴発してしまうような、それほどまでに心地よい膣の感触だった。
お尻の奥まできゅんきゅんとくすぐったくなってくる。射精直前の狂おしい気持ちよさが、僕の下半身を包み込んだ。
女の子は両足をすりすりと僕の足腰に滑らせながら、自身の性器に神経を集中させ、あまり動かないのに内部では激しくペニスを右往左往させる蠕動をくり返す。ペニスの敏感な先端や裏筋は、その快感攻撃に徹底的に絞られ続けてしまう。
うあ……! 出る! だめっ! もぅ……
びくうん! びゅくびゅくびゅく!
強い律動とともに、精液はたっぷりとくのいちの膣内に注がれていく!
これ以上に耐える選択肢はなかった。
オンナに促されるまま、ペニスは快感のしるしに、大量の体液をこぼしだすことで応える。一度脈打ちが始まってしまえば、もう僕にはどうすることもできなくなる。
「やりましたー! おにいさんの負けです……これからいっぱい、いつまでも精子を出し続けてくださいねー」
どくん!
脈打ちが終わらないうちに、強い鼓動が全身を打ちのめす。肉体の改造が始まり、性感なしにはいられない身体になっていく……
僕は追いかけっこの末、ほとんど弄ばれるように、筒枯らしで瞬殺負けをしてしまった。やはりしのめちゃん、17のハリのある肉体に勝てる道理はなかったのだった。
急激に目の前が転換する。
僕はこの異世界に囚われの身となり、永遠に脱出ができなくなった。
その代わりに、めくるめく快楽が続き、延々と場面が変わりながら、数え切れないほどのセックスに埋め尽くされ、快楽の虜となって我を忘れてしまうことになるんだ。
「わーご先祖様だー!」「ようこそ未来の国へ!」
「!!?」
病室のような、無機質な部屋。
しかし、僕はベッドに仰向けに寝かされたまま、理性を半分失いかけていた。
周囲には、しのめちゃんと同じくらいの少女たちの群れ。全員が裸だった。
「わあッ!」
ペニスが激しく律動する! 精液はとめどなく流れ出て、僕はイク快感にとらわれた。ペニスはすでに、誰かの膣内に埋まってしまっていた。しのめ戦の続きのように、騎乗位で犯されてしまっている。
肉体改造された僕は、常にイク直前の多幸感に晒され続ける。男性は、この状態から数秒もしないうちに、射精反応を始める。まさにその直前の、快感の強い状態が、24時間何万年でも、永遠に続くのである。
そこへ押し寄せる若娘たち。ペニスは常に快楽一辺倒に犯されて、射精の律動を早め続けるのだ。
「私たち、未来の世界の忍者なんですよー」「未来人は”サイバー”って呼んでます。昔のくのいちの伝統的体術と、未来科学の粋を集めたコラボ攻撃が得意です!」
実際、彼女たちの性器は科学的に改造されているようで、即座にペニスとの相性を探り、最適化された状態で締まりながら、ぶんぶんと振動して、さらに自動的に膣が上下し、ペニスをしごく仕様になっていた。
僕の子孫たち……つまり僕は将来、結婚して子供がいるってことか? いや……そうとは限らない。今の時間軸とは別の次元で引き起こされた未来において、生み出された”娘”たちかもしれない。そんな未来の娘たちが、僕一人めがけて、大勢押し寄せている。
僕が未来にタイムスリップしたというのと設定が同じのため、彼女たちもさまざまな時代からここに集められているようだ。つまり、未来のある時点で、僕にこれだけ多くの子孫がいるというのではなく、未来の長い期間における「若い娘時代の少女たち」が、この一時点に集められたということのようだ。
サイバーたちの実力は、むらさきしのめをさえ凌いでいるように思えた。あるいは、僕が弱体化しているせいかもしれない。
お尻の穴に埋め込まれたちいさな装置が、うなり声を上げて僕の身体の奥に眠るあらゆる性感神経を刺激した。どうやらこの機械は、対男性用の武器として、未来のくのいちたちが駆使する装置のようだ。
そいつは男性の身体の中、とくにお尻の奥にある性感神経を探り出して、ぶんぶん刺激する小型バイブのようなものだ。サイバーは戦闘時、こういう未来兵器を用いて、男性の内側から快楽漬けにし、刺激を強めて、イキそうになってしまうところへ、くのいちならではの体術でダメ押しをして、射精に至らしめる戦法を採るのだった。
そんなことをしなくても、僕はすでに、何もされなくても勝手に射精が始まる身体になっている。しかし、彼女たちはお構いなしに、もちうる最高の攻撃力で、ペニスの快感をこれでもかと高め、射精の律動を早めてくるのだ。
足の裏をくすぐられているような感覚。しかし、それは体内の兵器が暴れまわっているせいで、足の先までも性感神経が呼び起こされている証拠だった。
それなのに、現実に彼女たちは僕の足先までも柔らかな手でスベスベ撫でさすり、くすぐって、内側からも外側からも刺激を強めてくる!
少女たちは交代しながら、サイバーならではの筒枯らし攻撃を続ける。くすぐられ、もみしだかれる玉袋からは、次々と新しい生殖細胞が作られては放出されていく。玉袋は一時的に精液を溜め込んでおく場所だが、作られ送り込まれた体液は、そこにとどまらずに、少女たちの指先に押し出され撫で出されるようにして、一瞬も休まず、尿道へと追いやられていく。待っている先は、妊娠とは無縁の、魔界の膣、魔性の子宮ばかりであった。
僕は夢中で快感に没頭した。もう何も考えられないし、考えたくもない。この異世界で、未来の娘の群れと、倒錯した擬似子作りの宴が続く。それを全面的に受け入れたとき、僕の未来は、天にも昇る快楽とともに閉ざされた。
###ゲームオーバー###