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くのいち1−1


 僕は階段を上った。

「むうっ!?」

 いきなりの展開で面食らった。

 僕の目の前に広がっている光景は、今までの狭い部屋とはまったく対極的な、だだっ広い空間なのだった。

 日本風の庭園が数十メートルにわたって拡がっており、周囲を壁で囲んではいるが、内側には樹木や草花、枯山水、池、添水(ししおどし)まで用意されている。奥まったところに、茶室のような小さな日本家屋まであった。

 空間がゆがめられていて、本来は狭い五重塔内部が、広く拡張されているのだろう。それで、こんな特殊なステージを作ったというワケか。

 スッ……

「!!」

 突然天井から、1人の少女が降ってきた! あまりに音もなく、自信たっぷりに、風を切るように落ちてきたので、華麗すぎる動きに、僕は驚きさえできなかった。

 紫色の忍者服に身を包んだ少女。からだは十分に発達していて、女性らしさを存分にたたえているが、顔つきがまだまだあどけない。ダンサーやレオター、風俗嬢たちよりも、ずっと若い感じだ。

 忍者少女……すなわち”くのいち”が、今度の敵というわけか。すぐに理解できた。

 少女は片手を自分の胸元に突っ込んだ。これは、たえず乳頭をこねくり回して精神統一を図るためである。戦闘準備が整えば、セックス一色に精神を集中させると同時に、即座に挿入できるよう、オンナを滴らせるためのものでもあった。

 そのポーズが決まると、もはやくのいちは完全に戦闘モードになった。

 だが……

 以前の戦闘で、僕は相当に消耗してしまっていた。辛うじて勝ったとまではいかないけれども、残り精力は……半分を割り込んでいる。

 性欲が増し、女性の魅力に敏感になって、今にでも爆発してしまいたい欲動に駆られる。

 これはセイシを賭けた戦いであり、快感に従順となれば、そのままこの甘い気持ちよさの虜となって、永久にこの世界から出られなくなるんだ。それを忘れてはいけない。

「……拙者、とあるくのいちの里より、おのが精をいただくために馳せ参じつかまつった忍びの者。むらさき しのめ と申します。よわいは……もうすぐ17ッ!」

 回復できない連戦という不利な状況の中で、僕は連続セックスにだんだん追い詰められてきていた。少しずつの回復は与えられても、それを上回る精力消費が続いて、股間は絶えず心地よいくすぐったさに埋もれ、休息もないまま、女の子たちの肉体の嵐にさらされていった。彼女たちは全員例外なく、僕を射精させようと必死でセックス攻撃を仕掛けてくる。

 これに敗北し、精液を出してしまえば一巻の終わりだ。射精してはいけないという強い意思の元で、僕は少女たちの肢体に耐え続けてきたのだった。だが……そろそろ限界を迎えてしまう。これ以上連続して刺激され続けたら、イッてしまう可能性が高くなってきた。理性が途切れたら終了だ。相手の身体に夢中になって、体液を搾り取られてしまうだろう。

 そんな不利な状況の中で、こんな若くてかわいい強豪を相手に、どこまで耐え切れるのだろうか。むらさきしのめは、忍者として強化され、その肉体も徹底的に磨き抜かれた肢体を維持している。高校生くらいの少女だけに、太い生足が魅力。しかも、じっくり見れば毛穴が見えるはずの素足は、本当にきめ細かくツルッツルに仕上がっている。

 それだけに、くのいちの乳房や横尻、内股を凝視すれば、たちまちペニスが反応する。若々しく溌剌とした肉体は、どこまでもやわらかく白くてみずみずしかった。それだけの性的魅力を、ただ見せつけるだけで醸し出せるんだ。

 しなやかな身のこなし、おとなの女性そのものへと成熟した身体、それでいて若さとピチピチした肌は磨き抜かれた状態のまま健在ッ! 様々な“くのいち忍法”を駆使し、のし上がってきた、本物の実力派ということだな。それでいて、女子高生的な子供っぽい顔立ちを残している。そのギャップがかえって、彼女の性的魅力を高めている。

「無駄な抵抗はしない方がいいですよ……あなたくらいの男性は、鍛練を積んだ忍者ならいくらもいます。そんな男たちを、私はいくらでも倒してきたのですから。ふ……お覚悟を。」
「……。」

 くっそ……圧倒される……

 生半可な対戦では、あっさり返り討ちに遭ってしまうだろう。正攻法では、とても敵いそうにもない。しかし、それだからといって、安易なカラメ手や小手先のテクニックが通用する相手とも思えない。忍術テクニックで簡単に跳ね返されてしまう。

 そんな僕の狼狽を、あまたの男性をイかせてきた少女くのいちが見逃すはずはない。
「隙ありですよっ!」
「あぅ!」

 とつぜん股間に強烈な締め付けが襲い掛かる!

 一瞬の出来事のように思えた。くのいちの体術がすばらしく速いということの証左だ。しかしそれだけではなかった。僕自身がどうしてもスローになって、相手の動きに面食らってしまう。相手を見たときから、きゅんとくすぐったい疼きが股間を襲っていた。この娘で出してしまいたいという、本能的な欲情が、僕の動きを鈍らせていた。

 その隙を突いて、しのめちゃんはいきなり僕に飛び掛ってくる。矢継ぎ早の体術に、こちらはなすすべもない。

 上手にのしかかってくることで僕のバランスを崩し、反撃の隙を与えないようにする。僕は後ずさって、体勢を立て直そうと反射的にもがいたが、それこそが実は彼女の計算の内なのだった。

 背中に硬いものが当たる。それは、僕の背後の動きを止めてしまうための大木だった。

 逃れることができない僕は、瞬間的に乳首を両手でくすぐられ、それにもひるんだ隙に、あっさりくのいちの挿入攻撃を許してしまった。ぐにゅうっと柔らかい肉がペニスを覆いつくす。そんなに簡単に挿入できてしまうのが不思議だったが、彼女たちはそうやって、戦闘時にすぐにハメこむ攻撃ができるよう、しっかり訓練されているんだ。

 気持ちよくなりたいというペニスの要望は、僕の意思に反して、その望みが叶えられ、すっかり悦んでしまっていた。

 出会ってすぐに快感攻撃、瞬時に射精させられる技術の高い忍者娘は、僕がもうすぐ射精してしまうかもしれないことを敏感に察知して、僕の背中を木に追い込んで逃げられないようにしながら、サッと立位での挿入を果たしてしまった。

 オンナの感触だけで、ついうっかりと脈打ってしまいそうだった。

 だが、戦闘開始直後に精子を出してしまうわけには行かない。僕は全身をこわばらせて、快感に抗った。

「だめですよー……我慢なんかしちゃ。ほらぁ。」
 ぎゅううっっ!!
「んああぁ……」

 悩ましいため息が漏れてしまう。むらさきしのめは、挿入した体勢のままぐいっとブリッジを作り、片足を上げて、ふくらはぎを僕の肩の上に乗せる。そうして腰を強く押し出して、ペニスをオンナで根元まで深く飲み込み、ぎゅううっと大木に押し付けてくるのだった。

 跳ねるようにして瞬時に挿入に持ち込んだときも、むらさきしのめは、男女間の背丈の違いなんてまるで気にならないような動きで、立位に持ち込んできた。そこからさらに、上体を反らして深くねじ込むように、両手をついた体勢をとる。こんな難しい体位でも難なくこなすのが、女忍者の得意分野だ。

 くのいちは、やや肉体を斜めに傾けた状態で挿入を続け、ブリッジで踏ん張る。それでいて、しなやかすぎる女体は、まるで筋力を感じさせない。これほど無理な体勢なのに、まったく彼女は意に介していないようだった。両手で身体を支えているので、彼女の下半身は、自由自在に前後左右上下に揺り動かすことができた。

 くちゅっ……ぐちょっ……むぎゅ……

 少女は乱雑に見える腰の動きで、しきりにペニスを揉みしだき、激しくしごきたててくる! それでいて息もタイミングもぴったり整っている。

 とりわけ先端に集中するオンナ内部の快楽は、まさに根こそぎ、最後の一滴まで搾り取れる熟達した作りと、それを裏付ける修練を積んだテクニック、そして本来はどうしても未熟すぎるはずの、若々しい筒のはじける弾力が生み出す芸術品だった。訓練された男でも、こんなくのいちたちに襲い掛かられれば、ひとたまりもないだろう。

 背後を木に阻まれ、挟み込まれた格好の僕は、身動きも取れず、簡単には脱出できない状態で、激しくぶつかってくるしのめちゃんの腰周りやお尻の弾力を味わいながら、急激に精力を消費していった。

 まずい……このままでは、あっという間に大ピンチに立たされてしまう。何とかして反撃しなければ。

 しかしながら、この体勢から抜け出すことは容易ではない。木に挟まれて立たされたまま、僕はむらさきしのめの挿入攻撃で固定されてしまっている。ちゅっくちゅっくと甘い汁をペニスに絡めながら、若いパワーで精を絞りにかかっているくのいちに、やはり簡単には太刀打ちできない。どうすればこの困難な快感から脱出して、反撃、さらに逆転に持ち込むのか。

 絶望的な選択肢だ。

 相手をイかせさえすればよいというものではない。射精しなければ済む話でもない。ここは連戦の試練なんだ。楽に回復できるほど甘いステージじゃない。しっかり精を残しながら勝利しなければ、辛うじて勝ってもその先はない。

 なんとか脱出して、仕切り直しができないだろうか。たぶん、それが一番いい選択肢だ。

 敵から逃げながら、相手の隙を突いて反撃に出る。それに成功すれば、難なくとは行かなくても、まだ精力を十分残しながら、先のステージに進めるかもしれない。とにかくこの固定された立ち位置から脱出できれば、余裕を持って反撃する機会も見えてくるだろう。失敗すれば……逃げ切れずにしつこく捕まったまま、延々と腰を振るくのいちのオンナに負けて射精してしまう可能性が高い。チャンスはわずかだ。

 あるいは、とにもかくにもこの挿入戦を脱出して、愛撫合戦で勝敗を決めるやり方もある。

 くのいちの性器テクニックは、まさに文字どおり幼少期から膣内訓練を積み重ね、男根を悦ばせるに最適化された蠢きと締まり、それを裏付ける腰の動きが完成されている。このまま入れっぱなしで、耐久レースで勝利する可能性はかなり低い。それなら、性器戦を避けて、忍術を上回る僕の百戦錬磨を叩きつけるほかはないだろう。

 これに成功すれば、精力温存にはかなり寄与するはずである。少なくとも、くのいちの下腹部をふんだんに駆使した攻撃から脱出することで、快感を抑えて、相手を追い詰めることができる。長期戦もありうるが、なるべく短い時間で決められるかどうかが鍵だ。

 問題は、くのいちの性的なテクニックは、肉体全般にわたっていることだ。手も口も胸も足も、どこもかしこも精を吸い上げる立派な武器。しかもピチピチ10代の肌を具えている娘の肢体にほだされれば、この作戦も成功しないだろう。未知数の相手だけに、かなりのリスクは伴う覚悟がいる。

 さもなくば、このままこの体勢で、挿入戦で短期決戦を決め込むか。

 こっちも腰を前後させることだけはできる。これは、自分から動いてさらに快感を高め、自分からイッてしまうよう、ある程度くのいち側からも許された隙間だ。それをうまく突けば逃げることもできるが、あえて逃げずにそのまま立ち向かう作戦だ。

 ただでさえ、こっちはかなり追い詰められている。失敗の確率が高いものの、正攻法でやっつけることもまた、先々のために重要ではある。これから先、似たようなピンチに対抗できるよう、自分を厳しく鍛え上げるんだ。

 どの選択肢も、なかなか勝算が見えない。くるしい戦いになりそうだ。さて……どうしたらいい?


−選択肢−

 1−2 戦略的撤退で仕切り直し
 1−3 愛撫合戦
 1−4 挿入戦



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