くのいち1−3
鬼ごっこ……か。
昔懐かしい遊びでもあった。
敵は隠れたり逃げたりしながら、誰にも見つからないように、捕まらないようにする。子供のころ、お互いに楽しみながら、ゲームには真剣になっていたっけ。
だが、これはゲームであると同時に、ただの遊びではない。精子をかけた決死の勝負。楽しく追いかけっこをするものではない。そんなことは分かっている。僕も、しのめも。
僕がすっと呼吸を変え、彼女を鬼として追いかける体勢になる。その息づかいだけで、むらさきしのめは、すぐに何が起こるかを把握したようだ。
僕はこの場で戦闘をするつもりがない。むしろこれから、彼女を出し抜き、隙を突いて、こちらが主導権を握り、半ば一方的に絶頂させるつもりだ。そしてそのことを、彼女の方もいち早く察知したようだった。
この鬼ごっこ、すでに純粋なる体力の勝負でないことは明白だ。
ただ彼女が逃げて、僕が追いかけるだけであれば、確実に僕の方が劣ってしまう。忍者として鍛えられている若い少女の体力に、僕が敵う道理はない。
このフロアは、日本庭園風に作られていて、池や建物や壁、木など、様々な工夫が施されている。おまけに、空間が歪んでいるのか、このフロアだけやけに広い。
相手もきっと、これを利用して逃げ続けながら、隙を見て反撃に出てくるだろう。
こちらも、頭を使って、しのめを出し抜いて捕まえるほかはない。
……しのめはアホだ。
庭園の地形を上手に利用して、追いかけているフリをしながら先を見て、うまく前方に回ることができれば、勝ち目も見える。
しかも、だいぶ精力を残した状態で、一方的にたたきのめすこともできるかも知れない。鍵を握るのは、相手を驚かせ、その自由を奪うことができるかどうかだ。
気をつけるべきは、相手の体術と、地の利だ。間違いなく、しのめの方が、このフロアの地形をよく熟知しているはずであり、それを利用されてこちらが捕まってしまえば、即座にアウトだ。
よしんば勝利することができたとしても、こちらの大ダメージは避けられず、どうしても次の連続戦闘において、窮地に立たされてしまうだろう。
むらさきしのめは、くるりと身体を反転させると、つま先で走るように素早く逃げ始めた。
さすがに速い。
あっという間に彼女は遠ざかり、姿が見えなくなる。脚力で追いつくのは、始めから不可能だった。
むろん、そんなことはこっちも百も承知だ。
だからこそ、絡め手でいくのである。
僕は周囲を見渡した。一見ランダムに見える木の立ち位置も、よく見ると規則性がある。前方に3ヶ所、手前側に4ヶ所、木が並んでいるが、上から見るとどうやら、北斗七星の形をしているようだ。なるほど、逃げようとすれば背後に木がぶつかるように、仕組みが整えられているらしい。
もちろん、そんな手には乗らない。
僕は素早く木に登り、自分の身を隠しながら、同時に彼女の姿を探した。
ちらちらと、少女の逃げる姿が目に入る。その逃げる方向は、日本家屋の反対側から抜けて、池の裏の茂みに通じているようだった。
それならこちらは……先に回り込んで待ち伏せだ。
木から降りて素早く池の方に回る。建物の陰から彼女が飛び出してきたところを、こちらは茂みを飛び出して捕まるようにしよう。そうすれば彼女を驚かせ、隙が生まれて、マウントポジションを取ることができるかもしれない。
じっと待っていると、カカカカッとつま先走りの足音が近づいてくる。あと3秒、2秒……1秒! 今だ!
僕は音もなく飛び出し、紫色の忍者服めがけて両手を広げた。
「捕まえたっ!」
しのめの体をしっかりと抱き締め、草原にねじ伏せる。その上にのしかかり、逃げられないようにする。
「あっ! ……硬い……!??」
少女の体は非常に硬く、とてもゴツゴツとしていた!
見ると、僕がねじ伏せた相手は、紫色のキレをまとった等身大の丸太だった。
「しまった!」
とっさに起き上がり、辺りを見回す。むらさきしのめの姿は見えない。
どうやら彼女の方も、何らかの方法で僕の動きを逐一監視しながら、建物の裏側に隠れたようだった。したがって、僕が池の奥の茂みに身を潜めるところも、彼女はリアルタイムに把握していたのだ。
そのため、しのめは一瞬、建物から飛び出すのためらい、身代わりの丸太を放り出して、様子を見ていたのだった。
気づいた時には遅かった!
「忍法……影縫いの術!」
「アッ!!!」
くないが僕の影に突き刺さる!
そのとき、不思議な力が働いて、僕は立ったまま身動きがとれなくなってしまった。
こちらが相手の姿を確認しながら追いかけているつもりだったのに、相手もまた、僕の姿を確認しながら逃げていた。そして、地の利がある彼女の方が、一歩も二歩も、僕を出し抜く術に長けているのだった。
完全にこちらが返り討ちにあった形だ。
動くことができない!
壁の奥から忍者服を脱いだ少女がゆっくりと歩いてくる。
そして、立ったまま動けないでいる僕の前にひざまずくと、ペニスの根元をしっかりと握り締めた。
「ふふっ……もう逃げられませんよ……? くのいちの口術、たっぷりと味わってくださいね?」
「くっそ……」
僕は何とかして身をよじろうとした。一種の金縛りのようなもので、小指1本動かすことができない。だが、通常の金縛りというのは、脳と肉体との反応が齟齬を生じたものであり、いわば目を醒ましながら肉体が睡眠しているのと同じである。逆に言えば、小指1本さえ動かすことができれば、肉体も覚醒し、金縛りから脱出することができる。
しかし、ほんのわずかでも動ければ影縫いを脱出することができるのに、そのわずかさえも動かすことができないでいる。
ちゅく……ちゅっちゅっ……ぐぽっ、ぐぽっ……
「うぅッ!!」
むらさきしのめのフェラチオ攻撃が始まった。ふにふにした唇の弾力で、根元から先端まで丹念にゆっくり、棒全体を優しくしごきあげる。ペニスを滑っていく感触が、どこもかしこも、精力を削り取る絶大な攻撃力に満ちあふれていた。
「すごいでしょ……女子高生くらいの女の子に舐められてるんだよ?」
「うぐ……負けるか」
僕はぐっと股間に力を入れ、精力を消費しないように踏ん張り続けた。
だが、むらさきしのめの唇の攻撃は、その我慢を遥かに打ち破るほどの、ぷるぷるした弾力と、絶妙な力加減で吸い上げる優しい前後運動によって、確実に僕の性器を快楽一辺倒に追いやり始めている。
これまでにも数え切れない女の口で、ペニスに集中攻撃が加わったものだが、その経験をさえも打ち砕く熟練のテクニックが、一気に股間に襲いかかっている!
亀頭先端は、やわらかな少女の舌と内頬にさらされ、裏スジの敏感な部分がひっきりなしに刺激され続けている。こんな若い娘なのに、ここまで男根を悦ばせるテクニックを身につけているとは!
「エヘヘ〜……くのいちはね、物心ついたときから、女体への快楽に耐性をつける訓練と、手コキとフェラチオの訓練を始めるんですよ。だからこの歳になると、どんなに我慢強いおちんちんでもイかせる熟練のテクニックに仕上がるんです。すごいでしょ……んっんっ!」
くっそぉ……
体を動かすことさえできれば!
僕は必死になって、影縫いの金縛りから脱出しようと、全身を力ませて抵抗し続けた。だが、どうしても指一本動かすことができない!
「無駄ですよー! 私の影縫いの術は、ただの金縛りではありません。いわば”魂を縫う”のです。脱出はムリです!」
魂を縫う……だと……!?
催眠の類か!?
それなら僕の脳にかかっている暗示を解くことができさえすれば、何とか脱出できるかも……
しかし、暗示を解く手段など、ほとんど心得ていなかった。熟練の忍者であれば、日頃の訓練によって、影縫い破りもできるのかも知れないが……今の僕にはできそうにない。
じゃあ、どうする!?
このまま一方的に、フェラチオ攻撃されっぱなしにしていいわけがない!
なんとか打開策をさぐらなければ。あきらめないこと、これが勝利のために最も大切なことなんだ。
しかし、僕の踏ん張りをあざ笑うように、10年以上毎日鍛錬してきたフェラテクが、容赦なくペニスを滑り続けた。
根元を押さえるようにして締め上げながら、同時に舌先がやわらかく素早く、亀頭先端全体をこねくり回してくる。
ゆっくりとだが着実に、女性的な柔らかい口が、ペニスをぬめっていって、それぞれの部位に与える感触によって、股間の奥のくすぐったさを否応なしに高めていく。
唇は、根元も中央も先端も、どこに貼り付いていても心地よくなるように調節されている。そこに加えて、口腔内部や舌を存分に活用し、とりわけ先端部分を重点的に、内頬や舌の攻撃を加えてくる。
亀頭は喉奥や頬にあてがわれて吸い込まれ、オンナ内部に引けを取らない心地よい感触で包み込んでくる。そうやって素早い舌の動きを上乗せして、どんどん精を吸い尽くそうとする算段だ。
そればかりでなく、下の歯まで上手に使い、裏スジの敏感なヒダ部分を歯でこそぐようにして、やわらかな刺激に硬い感触を加えてくるのだ。
並の男なら、一分と持たない攻撃力だ。
一方的に攻撃され、こちらばかりが精力を消費してしまう。むらさきしのめは首だけでなく上半身全体を使って、だんだんフェラチオの動きを速めていった。16歳にしては発達しすぎた若いおっぱいが、フルフルと大きく震えている。
脱出しなければ!
身体が動かず、影縫いで一方的にフェラチオされ、そのまま抜かれてしまうなんて、情けない敗北の仕方ではないか。せめて一矢でも報いることができれば!
「みぃんな、おんなじことを考えるんですよね。一矢報いたいって、思ってるでしょ。くすくす……わたし、そうやってがんばる男の人を、こうやって一方的に気持ちよく絞ってあげてるんですよ〜。」
うああ!
腰を引きたくても、それさえも許されない。半ば腰を突き出すような格好のまま影縫いされ、跪いているしのめに咥えられっぱなしで、連続フェラ攻撃にさらされてしまっている!
少女の片手が玉袋をくすぐり、もう片手が僕のお尻を撫でさすっている。そのいやらしい指先は細く、僕のアナルを狙っているかのようであった。
「うゎあ! だめっ!!」
しのめの白魚のように磨かれた指が、ついにお尻の穴をかぎ当て、優しくねじ込まれていく。あえて第1関節まで入れるようにして、出口付近ばかりをかわいがることによって、フェラチオの快楽から逃れられない状況を演出しているんだ。
この若娘は、あどけないカワイイ顔をして、一体何人の男忍者の、そのがんばる姿を目の当たりにしながら、有無を言わさず一方的に精を抜いてきたのだろうか。100人から先は覚えていないとでも?
何か突破口があれば……
「ぷぎゅぎゅ……あきらめちゃいなよ!」
「負けるか……」
まてよ……
僕は指1本動かせないでいる……だが……話すことはできている。そこに何か矛盾はないか?
話せるということは、口を動かすことができている、声帯を震わすこともできている……ってことだ。そもそも、全身が完全に動かないなら、呼吸もできないし、心臓も止まる。やはり、魂の呪縛、もっと有り体に言えば、“思い込み”の力によって、金縛り状態になっているということだ。
そこが突破口にならないだろうか。
話せるし内臓も普通に動く。すべての筋肉が止められているわけではない。
それなら……
「ふふっ……さっき言ったじゃないですかぁ。みぃんな、おんなじことを考えるんですねえ。」
ぐぽっ!
「うあ!」
な……なんだ!? か……身体の力が……ぬけて……
僕は立ったまま、その姿勢を崩すことはできないままで、しかし同時に、急激に全身の力が抜けてしまう。
しのめちゃんがお尻の穴に少し深く指を入れただけで、僕の身体には即座に変化が現れた。それ以上、余計な刺激は必要なかった。彼女はアナルから手を離すと、ペニスと玉袋の攻撃に専念し始める。
性感ダメージが急激に高まる。
身体の力が抜けた分、防御力がほぼ地に落ちてしまったのだ。そのため、むらさきしのめの超絶フェラ攻撃に対して耐性がなく、まるで中学生のペニスのように、まったく初めての体感のように敏感になってしまっている。
「どうせ”しゃべれるんだからそれを突破口にして動けるようになろう”って考えてたでしょ。みんなそう。だから……その対処もぜぇんぶ、わかっちゃってるんですからねっ!!」
「うああ!」
まずい……
完全に彼女の方が一歩も二歩も先に進んでいる!
鬼ごっこの時に、彼女の方が先に進んでいたように、すでに始めから、完全に彼女のペースに嵌まってしまっているのだ。
ちゅうちゅうと大きな音が鳴り始める。しのめの吸引がいよいよ急ピッチに進み、仕上げに入ろうとしているのだ。
彼女にとって僕は、かつてイかせてきた大勢の男忍者たちと同レベル程度の存在だった。だから、その対策も万全というわけだ。
こうなってしまった以上、身体が動けるようになる突破口をじっくりさぐっている場合ではない。なんとしても、力ずくで、ムリにでもこの娘を引き剥がさなければ!
……いや……
違う!
多くの男忍者たちが、ここで大焦りをして、死ぬ気でもがこうとするはずだ。そうして、しのめはそんな男の無様な姿を見上げながら、口だけでペニスを射精させてきたに違いない。
だめだ……さらにその先を行かなければ、絶対に窮地を脱することはできない。考えるんだ!
こらえようとしても、身体を踏ん張らせることができず、脱力したまま、ダイレクトに性感ダメージを受け続けている。彼女の方はこなれたもので、一定のリズムでくちゅくちゅと首と上半身を前後させて、ペニスを高め続けている。
これだけでは一方的にイかされてしまう。
対処するには、落ち着いてさっきの思考の続きを考えるほかはない。
精力がほぼゼロに近づいてしまっている。不慣れな男根と同じ状態になっているので、たゆまず唇でしごき舌先を激しく動かし続けることで、こちらに大ダメージになってしまっているんだ。
落ち着け。影縫いはどういうメカニズムで呪縛をもたらしているんだ? 四肢を動けなくしておきながら、それでいて話もできれば呼吸もできる。なにかのトリックがあるはずなんだ。
「あ。そうだ。一つ聞きたいんだけどさ。巻物を咥えて印を結んで”えいっ”でんでんでんでんでんでん! ……ってやると、大きな蛙さんの上に乗っかったりできるの?」
「ぷはっ!」
彼女は口を離して笑い出した。
「あははは! そんなのできるわけないじゃないですかー! だいいちカエルさんは手のひらサイズですよぅ! のっかったらかわいそうですよう! おっきい蛙さんはコワイですよお!」
その一瞬、フェラチオ攻撃が止まった。
なぜか今なら、動ける気がした。小指を動かしてみる。
ぐっ!
「あああ!!!」
やった! 動けた!
「お前……やっぱりアホの子だろ。」
「ぷぎゅっ……! あほっていわないでー!!」
よし……影縫いから脱出できた。どんな力かは分からないが、何らかの暗示の力が働いている。それは僕側だけの問題ではなく、一方的にフェラチオできる体勢に持ってこられている、というシチュエーションを用意することによって、強化される暗示だったんだ。
だから、むらさきしのめが気を抜いたとたん、影縫いは解ける。いよいよ反撃だ!
「もー怒った! これでもくらえー!」
ちゅっこちゅっこちゅっこちゅっこちゅっこちゅっこちゅっこちゅっこ……
「はうあっ!」
股間から全身にめがけて、強すぎる快感が拡がっていく! 今までのスローなフェラではなく(舌だけは猛スピードだったが)、首全体が激しく前後し続ける仕上げのストロークだった!
影縫いから脱出できた僕ではあるが、ペニスは彼女の顔の前に差し出されたままであり、さらに脱力して防御できない状態は変わっていなかったんだ。
射精直前のきゅ〜んとした心地よさが訪れる。やばい、ここまでくると何秒も持たないぞ!
とっさに僕は、射精をギリギリで堪える体勢を取った。イク寸前で、どうにかこうにか堪えきって逆転した経験はいくつもある。危ないところではあったが、なんとか勝ち抜いてきたんだ!
「あひっ!! しまっ……」
びゅるん! ぢゅうぢゅうぢゅう〜〜!!
とっさのことで、僕が防御できないことを一瞬、忘れ去っていた。それが命取りとなった。
多幸感を抑える踏ん張りも効かない状態だったので、僕はあっさりと、大量の精液をむらさきしのめの口腔内にぶちまけてしまった。
腰を引いて脱出すべきだったのを、うっかり踏ん張ろうとしていた。単純ミスによる敗北だった。
「ああ……」
徐々に目の前がブラックアウトしていく。
ペニス全体が脈打ち続け、一向に収まることのない射精の絶頂感に酔いしれながら、すべての精液をしのめちゃんに吸い上げられてしまったのだった。
……。
身体が熱い。視界が効かない。
僕は……肉体改造され、もはやこの世界から抜け出せない魂に堕とされてしまっていた。
辺り一面、完全に暗闇だった。
人の気配、息づかいが、あちこちから聞こえる。もうむらさきしのめの姿を認めることはできなかった。さすがに忍者だけあって、“任務”が終われば即退散、というわけだ。
僕はどこに移動させられたのだろう。詳しいことは分からなかったが、どうやら僕は密閉された空間に放り出され、周囲に大勢の女たちがいることだけは理解できた。
「あっ!」
ペニスが誰かに触れられた!
どばあ! どばあ!
もはや脈打ちとは言えないくらいに高速の律動を伴って、精液が噴き出していく。
ほんの一秒ほど手でしごかれただけであるが、肉体改造によって敏感になっていることに加え、女手は一秒に何度も、執拗にペニスをしごき立てる猛スピードだった。それでいてほとんど痛みを感じることなく、快楽だけが股間に集中した!
なんて手練れだ。
目にもとまらぬ手コキスピードで、一瞬にして男根を絞る。むらさきしのめがそれをできるかどうかも分からない。いや……間違いなく、しのめを遥かに超えるような強力な“上忍”が、僕を取り囲んでいるようだ。
16で一等のくのいちであるなら、それを統括する強力な熟練者は25歳くらいだろうか。それほど若いのに、もはや神の領域にまで達するほどのテクニックを積んでいる。
ちゅうっ!
「あひい!」
瞬間的にペニスが誰かの口に収められ、その軽い刺激だけで、さらに大量の精液が飛び出していく。
誰にも触れられていなくても、常にイク直前の多幸感が収まらないペニス。放っておいても、勝手に射精が始まってしまう状態だ。
だがもちろん、戦闘に敗北した以上、そのまま放っておかれるはずはない。確実に、この世界の大勢の女たちの慰み者にされ、取り囲まれて、永遠に続くハーレムに埋没してしまうことになるんだ。
女性に触れられたり、刺激されたり、挿入されようものなら、射精の脈打ち速度が格段に上がり、それまで味わったこともない気持ちよさに理性を奪われる。
上忍たちに取り囲まれ、しかし暗闇でその姿を確認することができない中で、僕はどうすることもできず、黙って立っているほかはなかった。逃げようとしても、閉鎖的な空間で真っ暗であり、脱出方法がない。ヘタに動けば、上忍の肉体に当たり、抱きしめられ捕まって、さらに射精の頻度と快楽が増大するだけの話だ。
彼女たちは、露骨に僕にしがみついて精を奪うことを、あえてしてこなかった。
むしろ、ちょっとだけペニスをしごく、一瞬亀頭先端を口に含む、オンナに亀頭だけ入れて離れる、という戦法をとってきた。
そういうジャブのような、ちょこちょこと気持ちよくする作戦は、暗闇でこそ真価を発揮する。きっと、実戦においても、男忍者を暗闇に追い込み、こうしたヒット&アウェイ攻撃で、ジワジワ精力を奪い、ついには射精に至らしめることも、くのいちならでは可能なのだろう。
今の僕の場合、そういうきめ細やかな一瞬の攻撃だけで、大量の白濁液を放出してしまう。上忍たちはクスクス笑いながら、つんつんとペニスをつついては体液がでるのを楽しんでいるようだった。
まさに、25歳くらいのおとなの上忍たちの慰み者だった。
気持ちよさは衰えない。むしろ、露骨に挿入されっぱなしほどは狂おしくなく、かえってそれが理性を保たせ、快感に対して敏感になるよう、仕組まれているみたいだった。
太ももの間にちょっと挟み込まれただけなのに、おとなの生足の感触だけで、ペニスはたいそう悦んで、ビクビクと跳ね上がっていく。すかさず別の女性が乳房で包み込んできて(乳頭の感触も伝わってくる)、イッたばかりのペニスをさらに激しく律動させてきた。
こうして、僕は上忍たちの“つかず離れず”の暗闇攻撃にすっかり翻弄され、生殖細胞を惜しげもなく吐き出し続けた。快感が衰えることもなく、飽きることも痛むこともない。あとは、すべてを忘れて、ただ目の前の快感だけに我を忘れ、気持ちよさと引き替えに、すべてを失うばかりとなる。
じわじわと、その運命を受け入れていく肉の塊が、僕の中にたしかに芽生えていた。
###ゲームオーバー###