ねこまた1−4
 

 連続射精の呪いを受けている以上、やはり長期戦はまずい。キスだけの軽い呪いであるといっても、いつもよりも精子生産が早いということは注意しておかねばならない。まして初めての対戦で、敵の具体的な強さがわからない段階で、状態異常は非常にまずいのだ。慎重に、それでいて時間をかけずに決戦する。そのためにはやはり、一番大きな快感を与えられる挿入攻撃が一番だ。…もっとも、こちらが受けるダメージも相当にのぼるから、一定の覚悟と精力に注意しなければならないが。

 とにかく挿入で戦うことに決めた。これまで幾度となく膣に悩まされ、イキそうになるピンチを迎えてきたが、同様にして挿入で倒した敵の数も数え切れないほどある。実際そっちのほうが多いはずだ。敵から積極的にハメてきたこともあるし、こっちからいきなり入れて倒せた相手もいる。レベルもそれなりにあって精力値も高い。何とかなるだろう。

 問題は、こうして狭い空間で四つんばいで向かい合っている敵と、どうやって挿入に持ち込めるか、だ。もたもたしていると敵の魅了攻撃にはまってしまう危険がある。それでなくても、敵の雰囲気や物腰が男を欲情させ、どんどん心を奪われてしまうのだ。相手は誘惑のエキスパート。気を抜くことはできない。

 また、狭い空間だけに、座位や松葉くずしなどの体位は使えない。激しい動きもままならないだろう。ということは、簡単な動きで十分快楽を与えつつ、愛撫攻撃もちゃんとできるように、できるだけシンプルな体位がいい。正常位か、バックあたりが妥当だろう。

 狭い空間での正常位は避けたほうがよさそうだ。上下で密着してしまったら、大ダメージを受けることにつながるし、何よりみっしり身動きが取れなくなってしまえば愛撫攻撃もうまくいかなくなる。…となると、やはりバックに持ち込むのが一番なのだが、どうすれば相手にお尻を突き出させることができるだろう…

 「…後ろ向いてくれる?」「いいよ。」猫又はあっさり体勢を変え、僕にお尻を向けてくれた。意外と簡単だったな。やっぱりネコ並の頭脳で、自分が不利になるかどうかということまで頭が回らないのだろう。

 とにかくチャンスだ。僕は猫又の上に覆いかぶさり、バックの体勢で挿入を試みた。猫又は身を低くかがめ、しかし腰だけは入れやすいように持ち上げたまま、僕を受け入れていった。

 ぐっ!

 「な、なんだこりゃ!?」「くすくす…かかったね。私の中はすごくいいでしょう。このままとろけちゃっていいんだよ?」違う、敵は頭が弱いからあっさり腰を突き出したんだじゃない。絶対の自信があったんだ。

 人外の強烈なオンナがペニスを包み、これでもかと締め上げた。触手のように長いヒダがペニスの根元から先端までしっかり絡みついている。もぎゅもぎゅと自動的に蠕動する筒が、ペニスを揉みしだきながら、敏感なところを内部でコチョコチョくすぐっている。なんて攻撃力の高い化け物マンコなんだ。

 「ふふふ…搾り取ってあげるね♪」猫又は腰を上下左右になまめかしく揺り動かし、ペニスを激しく揉みしだいてきた。「うあああ!」僕は大ダメージを受けてしまう。猫又は妖しく腰をくねらせ、スベスベのお尻の肌を僕の腰にこすりつけながら、大きくいやらしい動きでペニスを翻弄してくる。

 それでいて内部では変幻自在に蠢いてペニスを揉みしだきつつ、敏感なところに絡みつく突起が勝手に動いてこれでもかと刺激している。内部の絶妙な動きと、幼児体型の大きなお尻の激しい動きによって、本当に腰がとろけそうになっている。体に力が入らない。精を絞ることに特化した膣は、あまりにも甘美な締まりと、妖しい腰つきで演出される蠢きによって、恐ろしい攻撃力を誇る武器に仕上がっている。素人がネコマタに挿入すればあっという間に枯渇するほど射精させられるのもうなずける。

 また、思っていた以上に天井が低く、バックで結合しているはずなのにその体勢はずいぶん不安定だ。こっちは頭をあげることもできず、スムーズに腰を使うにはどうしても前かがみにならざるをえない。彼女の上に乗り、僕のおなかと彼女の背中が密着する形で、ひざをついて体を安定させつつ腰だけを大きく動かすほかはなかった。

 もしここでネコマタのほうがひざを突くのをやめてしまえば、一気にバックから男上背位の体勢になり、そこで狭い天井の下みっちり詰まってしまい、下から女の柔らかい肉の感触を味わうことになっていただろう。そのくらいに上下は狭かった。かろうじて、床がトランポリンのように沈む構造になっているため、そして二人とも”つ”の字に折れ曲がって結合しているために、バックの体勢でもセックスができるのだった。もちろん、狭い空間ではこれが限界だ。

 そうなると、上半身にネコマタのスベスベの背中の感触をみっちり受けることになる。やはり密着の体勢になってしまうのだった。このステージでは、男女が激しく密着することになり、僕に相当不利に働くのだ。どうあっても柔らかい感触がぎゅみっと押し付けられることになるからね。

 おまけに、猫又の愛液をダイレクトにペニスに受けているため、精子がどんどん生産され、限界まで溜め込まれている。もはや股間の感覚が鈍くなるくらいにまで、禁欲を続けた状態になっている。普通は、ここまで長期間オナニーをガマンしたら出したくてたまらなくなる。ごくわずかな時間で、それと同じ効果になっている。

 そこへ猫又の妖怪ならではの化け物オンナが、滑るお尻と妖しい腰つきが、一気にペニスに襲い掛かっているのだ。こちらも必死で腰を前後させ、敵にダメージを与えようとしているが、相手の防御も鉄壁のため、なかなか大きなダメージを与えることができない。敵は恨みの塊であり、男を射精させまくって死にいたらしむことでこの恨みを晴らすことしか頭にない怨念妖怪だ。当然セックスや快感を楽しむ気などはじめからあるはずもない。それが彼女の鉄壁の守りとなり、こちらの攻撃にもほとんど感じてくれないのだ。

 いくら精力が高いといっても、これではこちらの精力ばかりが激減する。精子がどんどん溜め込まれているし、肉体的にも精神的にももはや限界を迎えようとしていた。

 「ああっ! やっぱりだめっ!」僕はとっさに強く腰を引いてペニスを引き抜こうとした。入れっぱなしにするだけでどんどん精力を消費してしまう。イッてはいけないという強い思いが、反射的に僕の腰を引かせたのだった。

 ぐぐぐっ! 「う!?」股間から全身に広がっている強烈な快感の中で、自分の身に起こっていることが信じられなかった。猫又の位置は変わらない。僕だけが大きく後ずさって、ペニスを引き抜いてバックから外れようとしていたのだった。しかし、ペニスは先端以外抜くことができたものの、先っぽの亀頭部分だけが、猫又のオンナに引っかかったまま、それ以上引き抜くことができなくなっていた。

 何かが亀頭に絡みつき、食い込んでいるみたいだ。どんなに力強く腰を引いて後ろに引っ張っても、亀頭全体に引っかかる無数の突起がきつく絡み付いていて、どうしてもペニスが抜けない!

 猫又のオンナの筒に包まれているときには、ヒダがペニス全体に絡み付いていて、それがウニウニ蠢いてピンポイントで快感をつむぎだしている。15センチ前後くらいは、ペニスが筒の中で自由に出し入れできている。しかし、それ以上引っ張って引き抜こうとすると、ヒダが変質するのだ。

 いや、もともとネコマタのヒダは弁のように奥に向けて伸びているのだ。ただ、あまりに柔らかく長いために、突き刺さるような弁のヒダにはなっていないというだけに過ぎない。奥に向けて伸びているために、入れるときはあまりにスムーズに入ってしまうが、引き抜こうとするとヒダが絡み付いて抜けなくなってしまう。それでいて触手のような長さがあるため、膣内は文字通りミミズ千匹の心地よさであり、出し入れもできる。ただ、ある程度以上に大きく動こうとすると、つまり抜こうとするほど大きく引っ張れば、逆さ弁となっているヒダがペニスにがっちり絡み付いてしまうのだ。ちょうどペニスが快感にさらされる範囲でのみ、自由に前後させることができるに過ぎなかった。

 「気持ちいいでしょう? 出すまで絶対離さないから…ね?」「あううっ!」抜くことができない先っぽ部分に容赦なく触手ヒダが襲い掛かる。カリはもちろんのこと、尿道口や周囲の付け根まで、こちょこちょといやらしく絡みつく弁のようなヒダが、自由自在に動いて先っぽ全体を刺激している。一本のヒダが尿道に突き刺さっているみたいで、ツンとしたかゆい刺激とその数倍もの快感を送り込んできている。

 ネコマタがぐいっと腰を突き出してきた。するとペニスは再び温かい化け物オンナにすっぽり包まれてしまった。すかさず膣がモギュモギュと引き締まり、ヒダが勝手にコショコショ動いて、蠕動とくすぐりの刺激をペニス全体に送り込んでくる。

 彼女がぐいっと強く腰を突き上げると、僕の腰部分には柔らかいお尻の肉がぐにっとつぶれ、背中も臀部もしっかり密着してしまう。それでいて滑らかな動きで腰が左右に振られ、いやらしい動きで膣が締まっていくのだった。

 「くっそ!」僕はまた力任せにペニスを引き抜こうと試みた。しかし、抜こうとあがけばあがくほど、絡みつく逆さくらげのヒダが亀頭をかわいがり、かえって精力を消費する羽目になってしまう。体液がどんどん僕の理性を奪い、性欲を増強させ続ける。

 「…ガマンしないで…いいんだよ?」シュッ! 僕の横を何かが通り過ぎた。背中に回っていた、猫又の二本の長い尻尾だった。尻尾が僕のお尻をまさぐり、そして…

 ぐり! ぐりぐりっ! 「うひゃあああっ!」

 尻尾の先端が僕のアナルをかき回し始めた。ただでさえ彼女のオンナだけでイキそうになって追い詰められているのに、そこへくすぐったい尻尾がお尻を直撃したのだ。彼女の尻尾は毛が生えておらず、女の肌がむき出しになった軟体動物だ。その柔らかい先端がちょうどお尻の穴にぴったりフィットし、コショコショとくすぐりながらぐりぐりとこねくり回してくる。

 さわさわ♪ 「だ、だめえ…!」もう一本の尻尾は玉袋をさするように揉み始めた。呪いによって溜め込まれた精液は、僕の意志の力だけでかろうじて精巣内に押しとどめられている。それをスベスベの尻尾が無理にでも押し出してしまおうと、玉袋をくるみこんでさわさわしながらモギュモギュしているのだった。

 一気にくすぐったさが高まった。バックの体勢だっただけにむき出しになった無防備なアナルは、猫又の格好の餌食だった。精力は一気に奪われ、意思に関係なくゼロにまで貶められてしまった。そこにトドメの一発! 猫又のお尻がひときわ深く僕の腰に押し付けられ密着してきた。これから出されようとする体液を一滴残らず受け止めるつもりだ。

 びゅる! 一気に精子が押し出される。律動とともに溜め込まれた体液が逆さくらげの中に放出される。脈打ちに合わせて玉袋が愛撫され、同時にアナルは高速で尻尾の先端が蠢き、そして膣は絞るような蠕動を始めて、同時にヒダがカリを集中攻撃する。

 精子は一分以上出続けた。その間僕は極上の多幸感ばかり味わい、何も考えられなくなっていた。セックスバトルは完全に敗北であった。

 「あふ…」僕は彼女の背中に体重を預け、イク快楽に身をゆだねていた。ネコマタが顔をこっちに向けて甘い声でささやく。「いっぱい出たね。これから永遠に、”その感覚”が続くのよ…途切れることなく。イイでしょう…? これ以上ないくらいに幸せでしょう?」「…。」

 そう、だ。負けた以上は、この極上の快楽が永遠に続くのだ。射精した次の瞬間には精子がパンパンに溜め込まれるよう、肉体が改造される。そこへ怒涛のように女たちが押し寄せ、この上ない快感を与えてくれる。だから僕はイキっぱなしになる。一瞬たりとも途切れることなく律動し続け、その間もずっと大勢の美女たちと交わり続ける、そんな天国が待ち受けているんだ。

 何も考える必要もない。ただただ、千年も一万年も一億光年も、快楽だけに没頭していればいいんだ。生きるだの死ぬだの、病気になることもなければ年もとらない。何も悩まなくていいのだから、理性を働かせる必要もない。だから、人間としての自由意志、いわゆる主観というものを持たなくても良い。これ以上の幸福がほかにあるだろうか。

 僕は再び猫又にしがみついて、腰を振りはじめた。精子はネコマタの呪いと肉体改造によって、途切れることなく放出され続ける。死ぬまで精を絞り続けて呪い殺す妖怪、きっと犠牲になった男たちも、同じ多幸感を味わいながら、死にたくないという思いが薄れていって、彼女の中で果てることを望んで命を差し出したのだろう。呪いは完璧である。もちろん、快楽の中で死ねるのだから、きっと幸せだったんだ。

 実際に僕がそう実感しているのだから、間違いはない。

###ゲームオーバー###

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