ドール1−5
ドールを無理に引き剥がそうとしても離れない。腰を突き上げて応戦してもそのままでは軽いドールごと動いてしまってダメージは与えられない。ドールを押さえて出し入れしようとしても、僅かにしか動かないからこれでうまく行くとも思えない。ペニスはドールに飲み込まれたまま文字通り抜き差しならぬ状態でむさぼられ続けている。このままでは何もできないまま果ててしまうだろう。何か方法はないものか。
それなら、と僕は考えた。ペニスじゃなくて”ドールを”出し入れできないだろうか。今ドールは僕にピッタリ張り付いたままオンナだけ蠢く事で僕を責めている。それ以外に動きはない。動きはないんだけど内部では蠢いてる。只動かずに蠢くってだけでもたしかに快感だけど、通常のセックスのようにペニスを筒で出し入れしてしごくような動作はめったになく、締め付けと揉みしだきしかない。
どうしてドールはペニスをしごく攻撃をして来ないのだろう?もしかしたらそこにドールの弱点があるのではないか。オンナが激しく出入りするような動きをしないのはそこにドールの弱点があるんじゃないか?
つまり激しく出し入れする攻撃はドールを感じさせる。ドールの性感帯の秘密がそこにある。ピッタリ粘着して離れないで僕が動かすのもできないのは、弱点を責められたくないからだ。
弱点があるって確証はない。それに出し入れ攻撃を断行すればうねりとバイブに加えてペニスにしごきの効果も加わる事になる。勝手にそこが弱点だと目星をつけて戦うのは危険な賭けになる。
でもこのままではドールに一方的に絞られるだけだ。それに危険な事だからこそそこに弱点を隠せる筈だ。僕にとって危険な反撃はするまいというなら逆にそこが”安全地帯”になる。手を出さないだろう部分は却って安全と言う訳だ。
そうでないとこれだけ精巧なドールなのに出し入れしない事の説明が付かないじゃないか。きっとこのリスクにはチャンスがある。僕はそう睨んだ。
僕は起き上がり、胡坐をかいて両手でドールをがっしり掴んだ。そしてゆっくりとドールの体を上下し始めた。
ぴったり下半身に張り付いたドールは、始めの内はほとんど動かずに固定されてたけど、段々オンナ部分がずれて来て動き始めた。僕はドールを大人のおもちゃみたいに体全体を出し入れしようともっと力を入れる。
ドールの方はどうやら、僕がドールを引き抜こうとしてるのではなくてドールの体を使って自分でペニスをしごこうと意図してるのを読み取ったらしい。ドールの体は段々滑らかに前後するようになって来た。
ペニスが奥へ奥へと突き入れられる。これまでオンナの奥にペニスを突き立てられず固定していたが、今度は終点の感触を味わう事ができた。これまでそうできなかったのはきっとそこに性感帯があるからだろう。
今はその性感帯にペニスを突き立てる事ができる。てかドール全体を上下に動かして深くペニスをめり込ませては亀頭あたりまで戻している。僕は胡坐をかいたまま動かず、手の動きだけでドールを強く責め続けた。
うねりが螺旋状にペニスに纏わりつき、やさしくしごきあげる。微振動がそれを強烈にサポートし、僕の性感を高め続けた。さっきに比べてしごきが加わった為にダメージが大きくなっている。精力が急激に消耗されて行く。
きっとここに性感帯がある。これでドールが感じてくれればこの目論見は成功になる。僕はそう信じて自分でドールの体を上下させ続けた。
ドール自身の攻撃に加えて僕がドールを上下させているから、相乗効果で快感が倍増する。まるで息を合わせてエッチしているみたいだ。セックスは元々そういうぴったり合った呼吸が最高の快感と愛情を引き出すものだが、今まさにそういう状態が僕とドールの間にでき上がっていた。
僕は快感に支配されないように踏ん張りながらドールを見る。ドールは…前とほとんど変わってない。相変わらず無表情のままだ。内部が激しく蠢きながらも、その体全体は僕の手の動きに任せている。まるで僕が自分で射精に導いているみたいな、オナニーしているみたいな錯覚に陥りそうになる。
締め付け+バイブ+蠢きがひっきりなしに僕に襲い掛かっている。加えて自分で出し入れする度にドールのヒダがペニスをしごきたてる。残り精力値が危険水域に達して来た。
思わず手が止まった。せめて激しく動くのを止めて射精を遅らせ、込み上げる射精感を押さえながら(でも蠢き続けるオンナが抑制までの時間を大幅に遅らせるだろう)体勢を立て直したかった。堪え切れればまた上下させてドールを責めてやる。
僕はドールを両手のひらで抱えながら呼吸を整え始めた。体の奥がくすぐったく疼く。この調子で続けてたらこっちが負けてしまう。射精しそうになるこの第一波を乗り切らないと。
「うわっ!」グニグニとオンナが収縮し、ねじりながら引っ張りあげる。ま、まだまだぁ…!僕は射精感を押さえるべく全身に力を入れた。
ふとドールの締め付けが和らいだ。よ、よし、今の内に…
「なっ!」突然僕の意思に関係なく僕の手が動き始めた。ドールの目が赤く光る!ドールを掴む両手が勝手に動き出し、さっきと同じように激しく出し入れしてしまう。
僕は自分の動きを止めようと必死に力を入れたが、それに関係なく手が勝手に動き続ける。まるで…いやほとんど確実に、僕の手がドールに支配され、ドールの思うままに無理やり突き動かされてしまっているんだ!
ドールは魔法媒体だった。魔力がエネルギー源だった。だからその魔法で僕の肉体の一部を意のままに操れるんだ!
「や、やめろぉぉ!」僕はどっと汗をかき、体をねじって抗った。何とかドール支配から脱出しないと!性感がさらに高まって行く。一体どうしたら…!
ぴた。手の動きが止まった。支配から逃れられたのか?…いや違う、ドールが意図的に僕の手を止めたんだ。証拠に依然として僕の手は自由にならずにドールをしっかり掴んだままになっている。ドールを離す事もできない。
オンナの締め付けもバイブもなくなり、感覚がゆるくなってる。何を考えてるか知らないが立て直すチャンスだ。
僕は込み上げる射精感を根性で押さえつけた。呼吸を整える。さてこれからどう反撃…う、うわああ!
締め付けとバイブが再び始まり、手も勝手に動き出した。お尻の穴あたりにくすぐったさが電流のように走る。思わず胡坐をかいたまま腰を強く引いた。勢い出し入れの動きは鈍くなり、ペニスの奥深くまで出し入れされなくなる。
だがそれもドールの想定範囲だったみたいだ。ドールは亀頭を中心にグニグニとオンナを蠢かせ、カリや裏筋の敏感な部分をやわらかい振動で刺激する。亀頭に集中攻撃しながらドールは僕の手をゆっくり捏ねるように動かした。すると亀頭集中攻撃が加速して、鈴口を責めたり裏筋を責めたり微妙にピンポイントが変わる。
またドールの動きが止まった。僕はその間休ませて貰えるみたいだった。イキそうになるとドールは止まってくれる。後3センチ腕を動かせればドールを引き抜けそうなのに(亀頭しか包んでない)、腕は動かせない。どうやってこのピンチを切り抜けたらいいんだ。
それにどうやら僕の当初の目論見は外れているみたいだ。膣の奥に性感帯があるからドールはそれを隠すために動かなかったんじゃない。最初の内は動く必要がなかっただけなんだ。あまりに危険な賭けは僕の負けに終った。これはエッチな戦闘での僕の敗北も意味する。
ドールは決して感じない。性感帯そのものが備わっていないのか。元々ドールは生き物じゃなくて魔法媒体なんだから、それが感じるなんて事はなかったんだ。
僕の両手は意思と関係なくまた動かされた。腰を引いている僕のペニスを奥深くまでオンナが咥え込んだ。自分の両手でドールの体を腰の奥深くまで捻じ込んだ状態だ。
今度は締め付けもバイブもなく軽くペニスを包み込んだまま僕の手を動かして来た。イキそうになっては止め、また責めるのを繰り返すと、次にイキそうになるまでの間隔がどんどん短くなって来る。何回か寸止めされた後の攻撃だった。
キツイ締め付けも蠢きもなく、バイブもしないオンナを、僕はもの凄いスピードで出し入れさせられている。普通ならこの程度の締め付けなら耐え抜く事もできるが、今は感度も高められた状態だ。
イキそうになっている時の「軽いジャブ」は強く責めるよりも時として気持ちいい。体が勝手に反応し、体の中で勝手に快感を作り出してしまうからだ。
ドールの足が動き、玉袋を包むように挟んだ。そろそろトドメをさそうと言うのか。体の奥からくすぐったさが込み上げて来る。だめだ、射精してはだめ…!でももうこの疼きをどうする事もできなかった。
「あー…」僕は自分で動かしてるのかドールに動かされてるのかも分からなくなった腕を激しく上下させ、リズミカルに腰を突き上げながらドールを出し入れする。素早く小刻みに軽くペニスをしごきたてる筒が最後の精力を削り取った。
僕はドールを動かしながら果ててしまう。込み上げた精液が尿道を通り、一回目の脈がペニスをビクンと震わせた。その瞬間あの強い締め付けと蠢き、そしてバイブが加わった。その勢いに押されて射精しながら「イキそうになる」感覚が全身を包む。
後から後から精液がドールに注がれた。根元から亀頭にかけてマッサージするように揉みしだくオンナがほとんど強制的に精液を吸い上げ、搾り出して行く。その間も手は休む事を許されずに上下に動き続けた。
射精の勢いと僕の手の動きが連動して、脈打ちが緩やかになると手の動きも緩やかになった。もう出なくなる一滴まで僕は人形を強く抱き締め、すべてを注ぎ込み、体の奥に溜まった快楽をひねり出した。出し終わるとやっと手が止まった。
次の瞬間全身が脱力し、手の自由が利くようになったと同時に横に倒れ込んだ。ドールが体から離れると床に大量の精液をこぼして行く。あの白濁液が…僕がドールに搾り取られた快感の印、ドールの魅力に負けてイってしまった証拠なんだ。
頭の中は真っ白なまま。脱力が眠気のような血流不足を誘い、気が遠くなって行く。きっと次に気がついた時には、僕は僕じゃなくなってる。快楽の虜になった一人の男が飽きる事のない永遠の快楽装置を彷徨う事になるんだ。
…それも気持ちいいかも知れない…
###ゲームオーバー###