エルフィン1−3
 

 ここは一旦エルフィンの思惑どおり押し倒されてしまおう。無理に逆らったところで、こうも花の香りに毒されてしまっては、体も重く鈍っているし、相手が力を込めればあっさり押し返されてしまうだろうから。

 だがもちろん、ずっとおやゆびひめにされるがままでいるつもりはない。従うように見せかけて反撃だ。相手の出方を待って、隙を見計らって主導権を奪うんだ。

 僕はエルフィンの促すままに仰向けになった。そのとたんに強烈な淫気があたりを包み込む。埋め尽くされている花畑が間近になって、ますます強力な花の香りに蝕まれているんだ。まるでこの花畑から醸し出される淫気のすべてが僕めがけて寄せ集まってきて、全身の神経を犯しているみたいだった。体が重い。全身が甘いけだるさに包まれ、金縛りのように鈍くなっている。このままでは再びエルフィンの放つ魔性の香りにほだされ、自分を見失って深い眠りのなかで甘い夢を見ることになってしまう。

 何とか身を起こそうと力を入れるも、体の動きが鈍く、わずかにゆっくり手足を動かせる程度だ。深いところへ落ちるような心地よさが全身を包み続ける。このまま花の妖精に抜かれてしまうのだろうか…。

 いや、ここでエルフィンの誘惑に負けるわけにはいかないんだ。快楽と欲望のとりこになって、自分が自分でなくなり、永遠の悪夢に取り残されてはいけない。こんなピンチこそ頑張り時ではないか。

 僕は必死で甘い誘惑の香りに抗った。ここで無理に反撃に出ても簡単にエルフィンに再び押し返されてしまうだろう。今や彼女は僕のすぐ側で妖しい笑みをたたえながら、僕の肩に手を添え、今にも馬乗りになろうと迫ってきている。まずは十分に彼女をひきつけておいて、隙を見つけたときがチャンス、一気に反撃に出るんだ。まだそのときではない。もう少し待つんだ。

 そのためにもここで眠ってしまったり心を奪われてしまったりして、完全に脱力することは避けなくちゃいけない。僕は握りこぶしを作って”落ちる”誘惑に耐え続けた。だが、この体勢で無理をしようとしても、脱力感はますます強くなる。ジワジワと追いつめられていく感覚が全身に浸透し始める。まだエルフィンに抱かれてもいない段階で、こんなにも形勢は不利なのだ。不安が頭をよぎる。

 いや、これでいいのだ。ここまでピンチになっているからこそ、チャンスも生まれるというものだ。僕を楽勝で射精させられるという安心感がエルフィンに芽生えたときにできる隙をつくんだ。そうすれば勝機がある。正攻法でかなわない相手にはこういう作戦、捨て身の作戦がものを言うんだ。僕はひたすら自分と戦いながら、時が来るのを待ち続けることにした。

 僕にまたがっているエルフィンの透明のドレスがオブラートのようにスルリと消え去る。大きくなったときにすでに絹のスケスケドレスで裸同然だったから、いまさらエルフィンの体に見とれるわけではなかった。それでも白く美しい女体が迫ってきて、間近で見せつけられると、あらためて心奪われそうになる。おそらく体中にまわっている催淫毒が女にたいする耐性を著しく下げているのだろう。並の男だったらそれだけで完全に心奪われ、夢中で彼女の体にむしゃぶりついていただろう。

 エルフィンはゆっくりとスベスベの肌を僕に触れさせた。その肌触りは思った以上に心地よく、清楚に吸いつく神秘の奥に妖精らしからぬ魔性の甘い罠がひそんでいた。毛のまったく生えていない肌が僕に密着している。オンナが玉袋の上に軽く乗せられ、彼女のふとももが僕の腰周りに吸いついて、今にもいきり立ったペニスを挟み込もうとしているみたいだった。

 しかし彼女は足を使わず、ふわりと体を持ち上げると、ペニスをオンナ表面でこすりつけ始めた。そのとたん、僕の方に電撃のような快感が走る。ゆっくりと、しかし着実に裏スジの敏感な部分を責めているんだ。

 包み込むように、オンナのワレメがペニスをホットドックし、腰を小さく前後させることで、ペニスのヒダをツルツルのオンナがかわいがっている。エルフィンの美しい顔が僕をやさしく覗き込み、許すような笑みを浮かべていた。

 「うっく…」僕はエルフィンと目を合わせながら身動きが取れず、しっとり快感にダメージを受けた。挿入していなくても、ピンポイントでくすぐったいところを責めれば、こんなにも気持ちいいんだ。しかも毛の生えていないオンナがすべすべ裏スジに絡みつき、僕の精力を確実に削りとっている。幼い表情のなかに妖しく漂う色気が、そして充満する花の淫気が、倒錯した愉悦を僕の体に刻みつけている。

 エルフィンは前へ後ろへ動くさいに、裏筋のところにはとくにのしかかるように少し体重をかけている。こうすることで表面のしっとり感をより強くペニスの感じやすいところに押し付けることができるし、振り子のように弧を描く滑らかな動きがエルフィンのリズムに拍車をかけることもできる。

 さらに…。彼女は僕を責めがなら待っているんだ。もし僕が逃げようとしたり、はたまた反撃しようとしたりして、わずかでも身動きを取ろうものなら、彼女の動きは自然とペニスをオンナに飲み込むようになっている…あっという間に妖精の膣の餌食となってしまうだろう。

 それどころか、あまりの快感に僕が反射的に身もだえするだけで、するりとペニスがオンナに収まってしまうんだ。エルフィンの一方的な責めは、ペニスを強く反り返らせる格好で続けられている。バランスを崩せばペニスは空へ向かってぴょこんと跳ねるだろう。その勢いのなかでオンナ表面が弧のように前後していれば、彼女が腰を引いたとたんの騎乗位の戦慄に晒されることになる。

 そう、こちらが身動きすればエルフィンのオンナが強烈なカウンターをくり出し、身動きしなくても裏スジへの執拗な攻撃と淫気香で精力を消費し、どっちに転んでも果ててしまう作戦なのだ。

 一瞬、気を抜いてしまった!なんとか気力を振り絞って淫気と快感に抗い続けていたが、強烈な脱力感と眠気に襲われて瞬間的に”落ちた”のである。まるでロープに片手でぶら下がっていて、少しでも力を抜いたら谷底に落ちてしまう状況で、一瞬疲労から手を離してしまうようなものだった。が、その一瞬が命取りなのは言うまでもない。

 もう後戻りはできなかった。反射的にビクッと眠りから脱出する。その一瞬をエルフィンは見逃さない。すかさずオンナ表面をペニスに押し付けた。僕は反射的な痙攣と強烈な快感とで、さらにビククッと身を震わせ、腰を捩じらせてしまった。快感の連鎖がエルフィンの腰の動きから演出される。しまった、と思ったその一瞬の間に、事態は急展開した。恐れていたことがまさに実現しようとしていた。

 活きのいい魚のようにペニスが跳ね上がる。次の瞬間、オンナ入口が亀頭をつかまえた。エルフィンは動きを止め、ぐっと体重をかけてきた。思ったとおり、ペニスはあっさりと妖精のオンナに捕らえられてしまったのだ。

 「はうあっ!」全身に暖かい心地よさがかけめぐる。エルフィンは待ってましたとばかりに両ふとももで僕の腰を挟み込むようにしてペニスをがっしり捕え、両手を僕の胸に置いた。彼女は動くでもなく、じっくり自分の性器の感触をペニスに感じさせている。

 さすがにエルフの系統を引き継ぐ妖精のオンナは、これまでの相手とは一味も二味も違う。ぷるぷると弾力ある肉が強く纏わりつき、容赦なくぐいぐい締めつけてくる!そのシコシコした強い感触は、エルフ以上のこんにゃく締めといっていい。

 僕はほぼ一方的な攻撃の連鎖に翻弄され、何度も身を捩じらせて悦んだ。精力が一気に削り取られる。「さあ、私の体をじっくり愉しんでください。」「くっそ…あうっ!…き、気持ちいい…うぅ…」

 ぐにに。動いてもいないエルフィンのオンナが妖しくうごめく。僕は射精しまいと必死にふんばったが、一度”落ちた”一瞬を取り戻すのにずいぶん苦労させられている。連続的に与えられるダメージに僕は戦闘態勢を取り戻すこともできないでいる。ただひたすら一方的に快感に晒されている。玉袋はもう発射準備に入っていた。

 エルフィンの指先が僕の両乳首をくすぐる。磨き抜かれた手のひらが僕の胸からわき腹にかけて大きく滑りまわると、またピンポイントで敏感な乳頭をいじくるのだ。同時にペニスを吸い上げるようにオンナがうごめき、ますますがっしりとペニスにまとわりつき、ぐいぐい締め付ける。

 「こぉんなこともできるんですよ〜」「あひっ!」突然エルフィンのオンナがぶるるんと震えた!彼女の腰周りだけが小刻みに震え、その振動がペニスを直撃したのだ。同時にシコシコ名器が波打つように蠕動し、ペニスをこれでもかと快楽に晒すのだった。人工的でない、したがって”ゆらぎ”を含んだバイブと波打つ締めつけは、僕の精力を大幅に奪い去った。「くすくす…もう限界って顔してますよ?」エルフィンの言うとおり、僕の体は射精寸前のくすぐったい感覚に襲われていた。

 彼女のオンナはエルフ以上だ。エルフは集団戦を得意とし、連係プレイにて本領を発揮するという。僕はまだその脅威を知らない。きっと今の実力ではエルフ集団には太刀打ちできないだろう。

 しかしエルフィンは、個体としてはエルフ以上の実力の持ち主だ。一人ずつならエルフと戦い、どうにか倒した僕が、今エルフィンのオンナに悶絶し、ピンチに立たされ、そればかりかその僕をおやゆびひめはまるで手玉に取っているんだ。

 それに、この花畑に入ってから、僕の防御力は地に落ちてしまっている。強力な淫気に毒されたことで、僕の性感神経は異様に敏感となり、性欲も強制的に高められ、女性の魅力に過剰な反応を示すようになっている。中学生が何週間もオナニーを禁じられて限界にきているところへきわどい娘のビキニ画像を見せられたのと同じように、僕の精神は女の体のどこかしこにもひどく敏感になっている。そこへ妖精さまの美しい裸体がペニスを弄んで楽しんでいるのである。

 エルフィンと肌を合わせてから、花の催淫毒の効果が格段に高まっていた。僕の性感が高まっているのは、花の香りのせいだけじゃなかった。いや、この甘美な花の誘惑は、エルフィン自身の体液・体臭によるものだった。淫気香の正体は、魔性の妖精から出たものだったのだ。その証拠に、彼女と結合し、ペニスが愛の体液に浸かってから、僕は一気に、体の髄まで花の毒に染めあげられてしまったのだ。

 隙をつく作戦は完全に失敗だ。相手の主導権を奪うどころか、一方的に押し切られている。相手に隙ができるのを待っていられるほど、こちらの精力がたっぷりあるわけでもないし、強烈な花の淫気に対抗できるだけの実力もなかった。いやむしろ、僕に隙をうかがわせるほどの弱いオンナではなかったんだ。あっという間に僕を昇天させられる強烈な武器を前に、この作戦は適切とは言えなかった。

 ジワジワと花の淫気で落とし、軽めのジャブ攻撃でじっくりジワジワいたぶりながら、最後は極上の武器でトドメをさす…。相手は一万年以上も、そうやって若い男たちの精を搾り取ってきたんだ。隙などあろうはずがなかった。多くの青年が色々な抵抗を試みてきたのだろう。経験深い妖精は僕程度の使い手など飽きるほど喰らっているに違いない。

 たぶんこちらが最後の力を振りしぼって抵抗し、必死で腰を突き上げたところで、相手にはほとんどダメージを与えられないだろう。僕も完全な素人じゃあない、そのくらいのことは分かる。そして…自分に勝ち目がないことも。気の遠くなるような年月を生きてきて、ありとあらゆるタイプのペニスを飲み込んできたんだ、特に騎乗位の経験は豊富で、アソコも刺激にはなれているはずだ。その証拠に結合して以来エルフィンは息一つ切らせはしない。それなりにレベルを上げてきた僕のペニスは武器としても悪くはない方なんだ。しかし相手にとってみれば何度も昇天させてきた程度の「余裕な相手」でしかない。

 防御力が高く、しかも精力も高い。力の開きは歴然だった。「さあ、小刻みに上下してイッていただくか、大きく腰をくねらせてイッていただくか、どちらか選ばせてあげますよー。小さくしごきたてるのは思った以上に気持ちいいんです、私の顔を見ながらコショコショ、ピンポイントでしごかれて出します?…それとも、私のアソコに締めつけられたまま大きく揉みしだかれて、包まれる甘美さを味わいながら出すのがお好きですかぁ?」「くっ…」

 僕は思わず腰を軽く突き上げてしまった。もうこれ以上ガマンを続けることは不可能だった。ほとんど勝手に腰が動いた感じだ。体が求めるままに動いたことで、エルフィンは、僕の意思ではなく肉体の欲求にあわせて癒してくれるのだった。

 エルフィンがトントンと軽く小刻みに上下し始めた。波打つぷるぷるこんにゃくに上下しごきが加わる。裏筋に照準をあわせた至高のヒダが小刻みにテンポよくこすり付けられている。2〜3センチ程度しか上下しない代わりにそのスピードが速く、ピンポイントでこすり付けられしごきたてられるオンナの動きはまさにトドメの名にふさわしかった。

 「んああふっ!!」僕は体をのけぞらせた。全身を支配する甘い射精感が思考を停止させる。この直後に脈打ちが始まるのは経験上分かりきっていた。絶望的な敗北感が心地よい快感に打ち消される。

 エルフィンは再びオンナをブルブル震わせた。突然のバイブ効果が僕の全身を容赦なくくすぐり抜いた。このバイブは僕を射精に導くためのものではなく、射精を長引かせるための仕上げだった。脈打ちがいつもの倍のスピードになり、快感も倍増した。蠕動とバイブが玉袋の奥底に残っていた精子を残らず吸い上げ、一匹も残さなかった。

 強い花の香りが僕の脳を犯し、今まで味わったこともない多幸感に身もだえする。射精の勢いが衰えないまま脈打ちの時間がずっと長引く。至高の時間は通常は数秒。しかし今回は一分近く脈打ちが続いた。その間少しも快感が衰えず、気が変になりそうだった。

 「まだできますよね?」彼女が腰をグラインドさせると極上のオンナと淫気香で脈打ちが止まらなくなる。やっとすべての子種を放出し終わって、脈打ちに衰えが見え始めた矢先に、エルフィンは今度は大きく腰をグラインドしてきたのだ。小刻みで抜く選択は終わって、もうひとつ残った方で今度は僕を悦ばせようというのだ。

 淫気香とエルフィンの極上のテクニック、そして、敗北後に訪れる男の肉体の変化によって、枯渇した玉袋が一瞬のうちにパンパンに膨れ上がった。性欲が格段に増し、それに合わせてあっという間に精液が玉袋に溜め込まれる。一瞬にして生産される精子は、もはや種としての性質より、男に快感を提供するための媒体という役割しか持っていなかった。

 この状態では、射精した直後にもかかわらず、数週間禁欲したのと同程度の射精欲にとりつかれることになる。その上、全身の細胞や神経が性感の虜となり、この意思もまたセックスのことしか頭になくなってしまうのだ。すべてが快感におあつらえ向きに改造されてしまう。現実世界から離れ、無尽蔵の精神に変貌した男の肉体は、もはや枯渇知らずであった。

 そこへエルフィンの、幾多の男たちを悦ばせてきた真っ白い肢体が覆いかぶさる。腰だけを大きくくねらせながら、僕の目をやさしく覗き込んでいた。ペニスは大きく揉みしだかれ、蠕動とバイブが容赦なく体液を吸い上げる。最初に感じたくすぐったい多幸感から一向に衰えることなく、脈打ちと射精の快感が持続していた。

 僕は完全に花の虜となり、脱力して柔らかい花畑で仰向けのままエルフィンに抜かれるに任せていた。いつまで続くのか…そんなことももうどうでもよくなっていた。

###ゲームオーバー###

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