ピクシー2−2
 

 相手の言うとおり、舞空術を試してみよう。相手はザコのピクシーだ。三人集まっても余裕で勝てるだろう。それよりもここで舞空術を試し、空を自在に飛べるようになったら、この先の攻略がずいぶん楽になるし、空を飛ぶ敵にも臆せずに空中で立ち向かえるだろう。敵が弱いうちに試しておくのもひとつの手だ。

 僕はピクシーを無視して目を閉じ、精神を集中させ始めた。魔力を発動させ、これを重力に逆らう力へと換えていく。自分の足元に気を送り込み、地面を自分から引き離すようにイメージする。魔力と精神力をうまく操って、この強大な重力の力に抗うのだ。自分で自分の体を持ち上げようとするとかえってうまく行かないので、むしろ自分の体の下にある大地を下にずらし、自分の体の位置は変えないようなイメージだ。すると結果的に自分の体が宙に浮いたことになる。

 心を落ち着かせながら精神は120%集中して地面を突き放すことだけを考える。どんどん魔力を注入する。さすがに空を飛ぶには膨大な魔力と精神力が必要で、簡単に物体を取り出すのとはわけが違う。イメージの力も相当要求される。この重い体を浮かせるのだから当然の話だ。それでいてがんばったりイライラしたり気合みたいな感じにすると、この魔力が散ってしまい、台無しになる。あくまで落ち着いてそれでいて最大限の集中が必要な、難しい舵取りなのだ。

 ふわっ。一瞬体が浮いた。おっ、浮いたぞ!そう思った瞬間心がかき乱された。浮いたという変化に対して驚きと喜び、感嘆が生じ、これが精神統一を乱したのだ。その瞬間足が地につき、ずっしりと重力に支配される。失敗だ。

 僕はもう一度チャレンジする。最初から何でもうまく行くはずはない。地道にやって成功するんだ。さっきまでの集中で素地ができていたから、二度目に浮くのは簡単だった。浮いた時にもそのまま平常心を保って、しずかに目を開ける。さらにどんどん地面を下に押しやるイメージで、空へと浮き上がり続けた。

 ぐんぐん地面が遠のいていく。舞空術は成功だ。精神世界だからこそ、空まで飛べるんだ。この調子で訓練し続ければ、もっと自由に飛べるようになるだろう。それにしても、今の段階では、少しでも気を抜けば下にまっさかさまな状態だ。僕は何度も落ちそうになり、そのたびに集中して体を宙に保たせた。

 「わぁい!おめでとー♪」「これで空飛び仲間だね!」僕が空を飛ぶまで上空から様子を見ていたピクシーたちが、近くまで降りてきた。僕は危うく落ちそうになりながら何とか体勢を整え、空中で彼女たちに対峙することになった。このままいつもどおり、ピクシーを平らげれば…

 僕はピクシーたちに手を伸ばし攻撃を加えようとした。しかしその瞬間体のバランスを崩し、1メートルほど下がってしまった。あわてて気を取り戻して浮き上がり、ピクシーたちに追いつく。飛ぶことだけに精神を集中させておかなければ、魔力を絶えず注ぎ続けていなければ、すぐに重力につかまり、引っ張られてしまうんだ。

 これは困ったことになった。飛び続けるには意識を飛ぶことだけに集中する必要があるし、その間中ずっと魔力を消費し続ける。ものを取り出すのと決定的に違うのは、飛ぶという状態を”持続”しなければならない点だ。だから飛ぶことだけで手一杯になり、それ以外のことをしようとすれば落ちてしまうし、もちろん魔力もずっと浪費される。継続維持系の魔法は僕にはまだ無理なのかもしれない。ピクシーのような生来の舞空術と違って、魔力で飛ぶ場合は、きわめて膨大な魔力を費やし、飛ぶことを続けなければならない。

 おそらく今僕が費やしている魔力の数十倍の魔力を連続的に放出し続け、それでいて意識はよそに向けることができる心の余裕がなければ、まともに飛ぶことはできないのだろう。ましてや戦闘時はなおさらというわけだ。もちろんそんなことはできないし、魔力もそろそろ尽きかけている。飛んでみたはいいが、まだまだ未熟、ピクシーたちと対等に戦える状態ではない。

 どうしよう、と思った瞬間、乱れた心が僕の体を維持しきれなくなり、僕は一瞬にして数メートル落下、地面にたたきつけられた。精神世界だけに大怪我は免れたが、魔力はゼロ、精力回復ひとつできなくなった。舞空術はきわめて高度な魔法で、僕には10年早かったのを思い知らされた。

 「あらら。」「あんまり持たなかったね。」「かわいそうかわいそう!」ピクシーたちは僕の上空を小さな円を描きながら飛び続けている。ふわり…。僕の体が再び浮かび始めた。今度は僕がやっているのではない。勝手に浮かんだんだ。おそらく僕の上で真円を描きながら飛び回り続けているピクシーどもの仕業だろう。

 …って、ピクシーにこんな魔力あったっけ? 仰向けのまま浮かんでいる僕の体はどんどん上に持ち上げられている。ピクシーたちの姿がはっきりと見える頃には、彼女たちの円は大きく広がり、その中に僕の体がすっぽり納まった。ピクシーの円の内側がピンクの膜のようになり、僕はその上に乗せられた。膜はぐにゃりとひしゃげながらトランポリンのように僕の体を支えた。これで僕の体は空中に留められたことになる。

 ピクシーたちは回るのをやめた。それでも膜は消えず、僕は強制的に空中戦を余儀なくされた。しかも魔力が尽きた状態でだ。彼女たちの小さな体が七色に光っている。これは…妖精特有の魔力の発動なのか。しかもその波動は相当強烈で、小さな体の奥に秘められた魔力の多さをうかがわせるものだった。たかがピクシーなのに、こんなに魔力が備わっているはずはない。僕の体を持ち上げ、空中に留めておいて、それでもなおもきわめて膨大な力を秘め、体の外にあふれんばかりになっているとは!

 「言ったでしょお!格が違うんだって!」「…!」「これが普通のピクシーとの最大の差よ。私たちハイピクシーは、修行の末ワンランク以上うえに登りつめているのよ。」「身体能力だけじゃない。自慢じゃあないけど、他の妖精よりもずっと多くの魔力を持ってるんだから。」「うぅ…」

 僕はどうしたらよいか分からず、膜の上で上半身を起こし、ハイピクシーたちを見回した。「魔力がいっぱいあるってことは…分かるよね?」「くっ…」僕はなんとなく察しがついた。これはかなりまずいことになった。ただのピクシーと違って、ハイピクシーは膨大な魔力を駆使してさまざまな魔法攻撃をくりだせるんだ。それもかなり高度な…

 「あなたの舞空術、楽しませてもらったわ。初心者にしては上できよ。」「魔力の絶対量が足りなかったみたいね。精神力はようは”慣れ”だからね。あとはどれだけ魔力が多いかが決め手。」「魔力さえあれば、軽く飛び続けることができるようになる。」ピクシーたちの光が、内側に吸い込まれるようにして消えた。完全に彼女たちの肉体の中に魔力がおさまり、自分のものとして自在に操れる段階になったのだ。「じゃあ、今度は私たちの番ね。」「ハイピクシーと人間の”魔力の差”というものを教えてあげる。」

 ハイピクシーの一人が魔力を放出した。「まずは一番オーソドックスにして、効果覿面、ただし比較的多くの魔力を必要とする技から見せてあげる。一発目から差を見せてあげないとツマンナイからね。」そう言うとハイピクシーはにっこり微笑んだ。魔力が波のように僕に向かってくる。それが僕の体を包み込み始めたとき、ハイピクシーは歌い始めた。

 「♪ちんこモミモミもーみもみー♪」楽しそうに体を左右にゆすって某有名歌を歌い続けるピクシー。しまった、これがピクシーの十八番、魅了の歌か。僕は身構えたがそれも遅く、魔力に乗ってかわいらしい歌声が耳から脳に伝わってしまった。魔力のおかげでその美しい声がますます魅力的に聞こえ、一瞬ぞくっとさせられる。しかしそれにしても…「どぴゅっとにゃ〜」って楽しそうに歌われた日にゃあ、こっちのペニスはかえってしおれるというものさベイベー。どうやら身構えなくても大丈夫みたいだ。

 「…。」「♪もーみもみ〜…。…? …もみみ?」「…。」僕はこの世の終わりみたいな顔でハイピクシーのほうを見やった。「…あらら。なんかうまくいってないみたい。」「変ねえ。これだけの魔力だから魅了されてるはずなのに。」「でも全然効いてないみたいよ?」「やっぱり歌選がまずかったのよ。もっと萌える歌でないと男の人を魅了できないじゃん。『ちょっときいてな@名●屋版』とかにしとけば…」「あーあれは萌えるよね」「失敗したー」「どうしよう…」「いや、どうしようじゃなくてさ。このままじゃワタシたちアホだと思われちゃうよ。」…もう遅いが。「そうよそうよ。せっかく魔力の差を見せ付けようと思ってるのに、のっけから失敗したらダメだよ。」「んー、じゃあ、仕切りなおしで。」

 今度は別のピクシーが魔力を放出した。ピンクの膜に乗せられたままの僕はほとんど反撃できない。手を伸ばしても届かないし、動こうとしてもアリ地獄のように下にゆがんだ半透明の膜に引き戻されてしまう。今ハイピクシーが別の魔法をかけようとしている。とにかく魔法をガードしないと。僕は意識を集中させて魔法のバリアを作ろうとした。しかし魔力が尽きていたのを忘れていた。バリアはできない。戦慄する。

 「ごにょごにょごにょ……ぱよぺもんぱよぺもん!シヨシヨのぱぁ!!」ヘンテコリンな呪文を唱えるピクシー。その瞬間解放された魔力が消えた。「へぶっ!」次の瞬間、僕の上半身に何かがぶつかった!小さな塊のようなものが数回、首周りに当たったのだ。まるで透明の石が投げつけられたような感覚だ。今のは一体…!?

 「やったー!大成功!」「うまく突けたみたいね。」「なっ…一体何を…?」「すぐに分かるよ。」

 そのとき、上空にやさしいそよ風が吹いた。裸の僕をくすぐっていく。「!」そのとたん、全身にくすぐったい快感が広がった。「う…はうっ!こ、これは…」「ほほほ。これぞ魔法の力でなし遂げた究極奥義!魔力を駆使して正確に胸椎の秘孔・龍頷を突く。名づけてピクシー真拳・醒鋭孔!」「ぴっ、ピクシー真拳〜!?」一気に胡散臭くなった。てか魔法じゃないじゃん…。

 「今あなたの体はむきだしにされた快感神経で包まれている。」「風が触れただけで…」「あううっ!」「全身に強烈な快感が走るっ!」くっそ、震える空気がくすぐったい。それがすべて性感となって僕を感じさせ、精力消費につながっている。上空にあるだけにそよ風はひっきりなしに僕を高め続けた。

 「まだまだあるよ!」三人目のピクシーがごにょごにょ呪文を唱えながら魔力を解放した。「らみぱすらみぱすりゅりゅりゅりゅりゅーー」それって元に戻るときなんじゃ…

 次の瞬間、僕の体中にじわりと性欲が駆け抜けた。「あうう…こ、これは…」玉袋が激しく疼く。それがペニスに伝わり、触ってもいないのにくすぐったい鈍い感覚として全身に広がっていくのだ。じわじわと体が蝕まれていくような刺激に思わず腰を引いてしまう。

 「こっちも大成功!」「今のが性欲増幅の魔法。今あなたの体は一部ものすごい勢いで進んでいて、何週間も禁欲したのと同じ状態になってるのよ。」「おんなが欲しくてたまらない体になったってことね。ふふふ…心配しなくっても、すぐに楽にしてあげるからね。」「くそっ…」

 「次は私。汚名返上よ!」魅了の歌で失敗したピクシーが魔力を解放させる。僕は生唾を飲んだ。魅了ほどの高度な魔法を使った直後なのに、まだあんなに魔力があふれている…文字どおり魔力の差を見せ付けられて絶望的な気分になった。「ごにょごにょ…すとっぷすてっぷすとりっぷ!」魔法が発動したとたん、僕の手足に何か輪っかのような光がまとわりつき、それが拘束具のように機能し始めた。「どお?動けないでしょ。この魔法も超高度なのよ。」「ぬああ…!」

 渾身の力を込めないと手足が動かせなくなった。動かせてもその動きはすこぶる鈍い。手首足首にはめられた魔法の輪が、僕の体の自由を奪う。その間も射精欲は高まり続け、精巣の精子が出口を求めてぎゅうぎゅうにひしめき合っている。そしてそれを後押しするかのようにそよ風が敏感な全身にまとわりつき続けている。つい自分でしごいて出してしまいたくなる衝動に駆られてはなんとか押さえてきたが、動けなくなったことで、そもそも自分のを触ることさえできなくなり、もちろん相手への攻撃もままならない。

 「これでオナニーできなくなったね。」「そのまま生殺しでもいいけど、やっぱりかわいそう。」「かわいそうかわいそう!」「でも、もうちょっといろいろ見せてあげたいなー。」「じゃあ、次はアレやろうよ。三人一緒で。」

 ピクシーたちはお互いに魔力を出し合い、それをピンク色の霧に変えた。霧がどんどん広がり、色も薄くなっていく。しかしこれに反比例して魔力は充満している。まずい、次は何をされるんだ?

 空中に半透明の美女たちが大勢映し出される。全員裸で、耳の長いものすごい美女ばかりだ。人間というよりエルフのような妖精の一種だろう。彼女達はおたがいに重なり合ったりしているから、本物ではなく、ただのヴィジョンであるに違いない。さっきの魔力は僕の目の前に巨大なスクリーンを作るためのものであり、そこにいろいろエッチな像を映し出す装置を作り上げたんだ。

 映し出された美女たちはそれぞれいやらしい格好で僕を誘い続ける。足を開いてツルツルの陰部を見せたり、胸を揉みしだいて悩ましい表情を見せたり、ぷりぷりのお尻を強調したり、質感あるふとももの肌をアップで見せ付けたりしている。性欲の虜となり、敏感な体になっている僕に、数十もある女たちのヴィジョンはきつかった。

 彼女達は思い思いにオナニーを始めたり、スクリーンに映し出された僕のペニスに跨ったりフェラチオしたりしている。女体が半透明で膣の様子が丸見えになり、締め付けられた自分のペニスがゆがむ映像が一番いやらしかった。こうして千差万別のセックスシーンを360度見せ付けられ、僕の疼きは最高潮に達した。これに風の愛撫が加わり、もう爆発寸前になってしまっている。

 とにかくこの状況はまずい。早く脱出して反撃しなければ、溜め込まれる精子がどんどん増え、夢精に近い状態で発射してしまいかねない。魔法にたいしては魔法ガードや魔力抵抗で効果を押し戻すしかない。しかし舞空術でそのいずれの手段も尽きてしまっている状態だ。逃げようとしても手かせ足かせに妨げられてうまく行かないしそもそもここは空中だ。一体どうすれば切り抜けられるのだ。僕は腰をくねらせ疼きに耐えながら必死で考えた。

 「にゃはは。私たちの小さい手で触っただけで出しちゃいそうだね。」「じゃあそろそろトドメといきますか。」「最後は華々しく出させてあげたいね。」「どうしよっか?」ピクシーたちは話し合っている。

 話し合った結果、ピクシーたちはオナホールを取り出した。一人がぷるぷるシリコンをペニスに押し込むと、オンナそっくりに作られたやわらかい物質がペニス全体を締め付けながら包み込んだ。「あひっ…くうううっ」しごかれてもいないのに締め付けられるやわらかい感触だけでつい漏らしそうになってしまう。ぎゅっと目を閉じて全身力むことで、なんとか射精だけは食い止められたが、ピンチに追い込まれているのには変わりがない。

 「んああ…」目を閉じても魔法のヴィジョンは容赦なく脳に刻み込まれる。魔法の映像は脳に直接動画を送り込むのだ。女たちがスクリーンで集団で僕を犯し続けている。そよ風がますます敏感な全身をくまなくかわいがり続け、性欲は雪ダルマ式に高まっていく。そこにさまざまな体位で挿入しながら全身愛撫し続けるヴィジョン攻撃で、僕はまるで本当に挿入しているみたいな錯覚に陥ってしまう。

 だめだ、次から次へと繰り出される敵の快感魔法にはまるで太刀打ちできない。気の遠くなるような快感の中、お尻の穴の奥がくすぐったく疼き、射精直前であることを脳に伝えた。それでも長い経験から最後の最後で踏ん張るすべを心得ている僕は、どうにかこうにか脈打ちを押さえつけることに成功した。全身から汗が滲み出る。おもちゃがペニスにまとわりつき締め付けたまま離さない。裏スジを圧迫するシリコンが心地よい刺激を送り込み続けている。

 「しぶといね。」「なんかド根性だけで踏ん張ってるみたい。」「早く噴き出してくれるかと思ったけど、あと一歩みたいね。」「せっかくだからさ、ワタシたちが指一本触れないままイかせるってのはどお?」「うんうん、そうしよう。」

 ピクシーの一人が僕の耳元までやってきて、甘く囁き始めた。「ほらほら〜。ガマンしないで、出しちゃいなよぉ。いいんだよ、素直になって? ね? 目の前の妖精さんたちをもっとよく見てご覧。あんなお姉さんたちによってたかって舐められたり、次々挿入されたり、全身すばやくなでさすられたりして、気持ちよさそうでしょお? あっほら、あそこなんてものすごいスピードでおちんちんをやわらかい手でしごきあげているよぉ? くすくす…」優しい囁きはだんだん歌声のように美しい調べに変わっていった。同時に魅了の魔力が体の中に入り込んでくる。

 「じゃあ私たちは同時にこんなことしてあげちゃう。」残りの二人のハイピクシーが僕の股間のそばまで来た。「それえっ!」「これでもかー!」彼女たちが魔力を解放すると、触れてもいないのに前立腺が激しく刺激された。快感の魔法ってヤツだ。これまでじわじわ疼くだけだったのが、魔法の力で体の内部の敏感なところが直接刺激され始めた。それと同時にもう一人の魔力がオナホールを自動的に動かし、ものすごいスピードで上下し始めた!

 お尻の奥とペニスが同時に強烈な刺激に晒され、ガマンの限界に達していた僕の体と脳が悲鳴を上げた。「うわあああああああっ!」断末魔の叫びとともに、ペニスから大量の精液が噴水のように空中に飛び上がった。あとからあとから白濁液が飛び出し、空中あちこちにぶちまけられる。溜まりに溜まっていたせいもあり、これまで押さえつけていたものが解放されただけあって、僕は生命のすべてを出し切る勢いで数回分以上はイキ続けた。

 ハイピクシーたちは僕に指一本触れることなく、魔法の力だけで僕を射精に追いやった。魔力の圧倒的な差がそのまま敗因になった。

 「やったあ!」「ワタシたちの勝ち〜!」「にゃはっ!まだ出してるよー!」ピクシーたちの歓声が、遠くなりかけた僕の意識の奥底で聞こえた。

 出し尽くしたとき、僕は深い眠りにいざなわれるのだろう。そして目が覚めたときには、禁断症状のように性を求め、この無限大の世界を駆けずり回って出し続けることになるんだ。快楽だけを味わい、余計なことは考えない世界。それもまた、幸せのひとつのかたちなのかもしれない。

 まずは、ヴィジョンで見せ付けられた状況を味わいたいな。大勢の美女妖精にすばやくしごかれたり、オンナでひしゃげるペニスを目の当たりにしたり…。それが実現するまで、それほど長い時間はかからないだろう。

 僕の視界を深い闇が覆った。


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