ロボット3−4
相手は未知のメカ。正攻法じゃだめだ。こっちも相手の土俵に合わせないと…相手のヒミツを解かないと勝てない。本来は戦う事のない、しかも超強力な敵だ。力をセーブしてくれるといっても、やはりその実力は未知数、まずは相手の事を知る必要があるだろう。その為には…多少危険だが「精神連結」しかない。
精神連結は自分の精神と相手の精神を結びつけ、内的世界の中で主導権を握る戦いだ。精神力の強い方、魅力のある側の勝ちだ。勝てば相手の精神を意のままに操る事ができ、戦闘に有利になる。が、負ければこっちが危ない。多くの場合魅了効果が伴うがたとえ伴わなくったってこちらの命令には逆らえなくなる(負ければこっちが逆らえなくなるが)。
つまり精神連結に勝てば自分の思い通りに相手を操り、気を緩ませ、快感に正直になるよう命じる事ができる。もちろん敵の攻撃を封じる事も可能だ。一方的に攻撃して倒せる。しかし諸刃の剣なのに変わりはないから、この技はめったには使わないんだ。こっちの精神がやられてしまえば一巻の終わりだからね。この技は一種の賭けみたいなもんだ。しかも相手はメカ。精神連結がうまく行くかさえ分からないが、やはりこれに賭けるしかないのだろうか。
チャチャ○は突然目にも止まらぬ速さで僕に飛び付いて来た。あまりのスピードに身構えるヒマがなく、僕はこの超弩級ロボに抱き締められてしまう。機械だけにもの凄いパワーだ。抗ってみた所で人間の力では振り解く事もできやしない。そのままチャチャ○さんは足からジェットを噴き出し、僕を持ち上げて空を飛び始めた。
「私は『より人間らしく、しかして人間を超えた実力で』というモットーの下、ハカセに作られました。だから感情システムも搭載されております。それから私の体はあなたの知らない特殊素材でできています。表面は人間と同じような高分子システムで弾力とぬくもりがあり、それでいて人間を越えた機能によって強化されています。だから私の体は女の肌そのものです。」「うう…」
「内部も別の新素材です。だから磁気も電気も大丈夫です。全能力が人間の限界を超えています。動体視力の限界を超えたスピード…魔力でもなければ人間に私の動きは見切れません。パワーも…運動能力も…感情も…科学の粋を極めています。」このままでは空を飛べるチャチャ○さんの方が圧倒的に有利だ。空中ではこちらは身動きが取れない。このまま一方的に空中ファック攻撃に晒されるのだけは避けないといけない。
チャチャ○は僕を両手で抱きかかえたままの体勢で両足を大きく広げた。ふんわり包み込むように太ももを僕の腰に巻きつけて来る。まずい、ここでの挿入は避けないと。やはり精神連結しかない。やはり正攻法では勝つのは難しいだろう。この体勢で活路を見出すすべはない。賭けて見るしかない。
僕は指先を機械化した。右手人差し指と中指以外折り曲げ、この長い二本の指を鍵のようにメカニックに硬質化させる。そしてその指のカギをチャチャ○の首に捻じ込んだ。「うっく!?」彼女の動きが止まる。亀頭を包み込み始めていたオンナが勢いで外れる。間一髪間に合ったみたいだ。僕の指先が彼女の首をすり抜けて、そこで僕達は連結し、一つになった。
「な…なにを…」チャチャ○の表情に狼狽の色がはっきりと浮かび上がる。感情システムはたしかに搭載されているようだな。僕は自分の神経の電気信号を相手に繋げて連結戦を開始した。人間とロボットの垣根を越えるんだ。彼女は首をのけぞらせて僕の指を引き剥がそうとしたが、もはや完全に一体化してるんだ、力を入れても取る事はできないよ。その内僕の精神波が彼女の頭脳・感情回路の中に染み込み始め、引き剥がす対処では抗えない事を彼女は知るのだった。こうなってはチャチャ○もこの勝負に臨むしかあるまい。彼女はまっすぐ僕を見据え、動きを止めた。
目の前がぼやけて行く。いよいよ彼女の精神と一つになるぞ。半分眠って夢を見ているような感覚。ちゃんと肉体を動かす事はできるが、まずは精神的な戦いだから、お互いに体は動かさないんだ。ついに僕とチャチャ○は真っ暗な空間に二人きりになった。この二人以外には何もない世界だ。この世界で彼女の心を屈服させる事ができれば僕の勝ち、逆に精神を乗っ取られてしまえば僕は快感の虜となってしまう。
チャチャ○の体が大きくなり始める。彼女の魅了攻撃が始まったんだ。美しく整った顔立ちが透き通った残像のように僕の目の前に迫って来る。まずはきれいな顔で僕の心を奪おうというのか。たしかに顔の造りはもの凄い美人だ。凛とした顔立ちがたまらない。その大きな顔がニッコリ微笑んだり、泣き顔になってみたり、恥ずかしそうに顔を赤らめたりしている。本当に表情が豊かなロボットだ。こんなメカと一緒に暮らしたら本当に楽しいだろうな。。。
次にチャチャ○は数体に分裂した。それぞれのチャチャ○が裸を見せ付けている。悩ましい表情や誘うような上目遣い、優しい微笑み等のバリエーションをつけながら、髪をかき上げて首筋とわきの下を見せたり自分の乳房を強調して見せたりセクシーポーズを取ったり座り込んで足を広げたりしている。チャチャ○さんの顔、表情、ボディの質感、耳に付いたメカ、長い髪、球体関節、胸も足もお尻もわきの下も、どれも魅力的だ。
段々彼女の良さに翻弄されて来て支配を受ける。彼女の「女としての魅力」を見せ付けられ、どんどん彼女が欲しくなってしまう。しかしそれで心を奪われてしまっては負けてしまう。こちらも負けずに包み込む大きな愛の心でロボの心を犯す。こちらからも幻影を飛ばし、優しく抱擁し頭を撫でてやる。チャチャ○の顔がぽっと赤く染まった。
チャチャ○の分身がどんどん増えて行く。そしてチャチャ○が用意した僕の幻影に手コキをして見せたり、フェラチオしたり、パイズリ、尻ズリ、スマタ、アナル、そして…オンナ挿入攻撃をしている。あたかも僕の目の前で僕自身がそれらの快感に晒されているような映像が、僕の頭に一杯広がっている。チャチャ○が可能な攻撃バリエーションが一度に見せ付けられているんだ。どんどん彼女の体がヌルヌルに光って行く。ローションを滲ませているんだ。それが小刻みに波打っている。どの攻撃にも絶妙なバイブが付いているんだろう。
実際にこっちが快感ダメージを受ける事はないが、幻影の僕は全員恍惚の表情を浮かべている。実際にチャチャ○に体を預ければこんなイイ目に逢えますよと誘ってやがるんだ。僕も負けじとさらに自分の男としての魅力を見せ付けてやる。こちらが用意した僕とチャチャ○の幻影を送りつける。ガンガン責めて彼女が悦びまくっているシチュエーションを次々映像化する。
ペニスからガマン汁が滴る。相次ぐ視覚攻撃で性欲が跳ね上がり、体が疼いているんだ。しかしここで肉体の欲望に負けてしまっては負けだ。自分のペニスをこの精神空間で握り締めてしまったが最後、僕は快感に包まれ、気が緩んでしまう。恐らくチャチャ○はそこに一気に魅了幻影を畳み掛ける事だろう。彼女を思って精を噴き出せば、その瞬間完全に精神を支配され、外の世界でもすぐに後を追うように彼女に精を放ってしまうだろう。
状況は相手にとっても同じだ。チャチャ○も腰を小刻みにくねらせてじっと耐えている。もし彼女が自分のオンナをまさぐってしまうようならそこに僕の幻影を一気に畳み掛けてやる。この暗黒空間では精神だけの存在なのだから、こっちがペニスを握り締めても相手がオンナに指を入れてもすぐにイッてしまう。その絶頂感さえ魅了の一端となり、目覚めた時には勝負がついている…ホンモノの絶頂もあっという間だ。
お互いに顔を上気させて魅了合戦を繰り広げる。チャチャ○はひざまづくとお腹部分の蓋を開け小さな階段を下ろした。その階段を小さなチャチャ○が後から後からぞろぞろ出て来る。10センチ位のチビチャチャが行進しながらこっちに歩いて来る。あどけない笑顔で数百体、僕の体に群がり、体中に張り付いて要所要所を責めまくる。幻影なので快感はないが、あたかも自分が小さなおもちゃロボに群がられて犯されているような雰囲気になってしまう。どこを見ても小さなチャチャ○が可愛らしく迫っている。
うう…本当にチビチャチャ軍団にこんな事をされてみたい…。そんな欲望がますます高まる。思わず自分の亀頭に指先を触れてしまう。その瞬間強烈な快感が電撃のように走る。ああっ、このままがっしり握り締めて扱いてしまいたい!…いや、ここで快感を求めたら負けだ。僕は腰を踏ん張って何とか欲望に抗った。
魅了攻防は熾烈を極めた。チャチャ○もあの手この手で何とかして僕の心を奪おうとしている。こっちもそれに抵抗しながら相手に幻影を送ってやる。そして…ジワジワとロボットの魅了アタックを押し返して行った。せめぎあいの結果、ついにチャチャ○は耐え切れなくなって自分の股間をまさぐってしまった。するともう止められなくなったのか、どんどん自分で指を入れ、深くこねくり回している。彼女の指先にはバイブ機能があるからそれを惜しげもなく駆使し、あっという間に彼女は上半身をのけぞらせて絶頂を迎えた。今だ!僕はあらん限りの大量の幻影を相手に送りつける。
こちらの勝ちのようだ。暗黒空間が晴れ、空中で抱き合っている状態に戻った。チャチャ○の表情は虚ろだ。精神空間ではたしかにイッたのだが、チャチャ○はまだ本当に絶頂した訳ではない。むしろイッた状況を頭の中で思い浮かべた状態に近い。だからこっちで本当にイかせてやらないと勝ちにはならない。主導権はこっちが握った。後は最後の仕上げだけだ。一気に勝負をつけよう。
「さあ、もうこれ以上何もしないで。下に降りて動かずそのまま僕を受け入れて。」「はい…ネオマスター…」チャチャ○は下に降りた。それ以上は何もしない。完全に命令通りだ。僕は彼女を壁によりかからせた状態で立位挿入、一方的に攻撃した。オンナが自動的に締め付ける。さっきの戦いでたっぷり彼女の魅力を教わっていただけに、こっちのダメージも半端ではない。しかしバイブ攻撃等の厄介な反撃は一切禁止されているし彼女にもその気はもうない。ただ僕にされるがままだ。
「さあ…できるだけ僕を良く感じて。安心してイっていいんだよ?ん?」「あう…ネオマスター…お言葉に甘えますぅ…」ついにチャチャ○を倒した。彼女は壁に寄りかかったまま目を閉じ恍惚の瞬間を味わった。彼女はイッたが消える事はない。警備係として雇われた身であり、『ないと・めあ』が作ったものではないからだろうか。
こっちもイキそうだった。一度勝ったのだからこのまま性欲処理してもOKだ。僕はさっきの精神空間でのチャチャ○の魅力を思い出しながら彼女を求め、一心不乱に出し入れした。するとあっという間に体の奥から射精の疼きが込み上げる。僕は彼女の体を強く抱き締めたまま精液をオンナにぶちまけた。出し終わると精力が回復する。僕はチャチャ○から離れた。
「はっ!」正気に戻るチャチャ○。戦いが終わり、精神連結の効果も切れて本来の使命に戻ったのだ。「…私の負けですね。」「…。」「マスターにおこられますが…お仕置きされるかも知れませんが、負けは負けです。」チャチャ○は体の中からカードキーを取り出し、僕にくれた。僕はカードキーを手に入れた。なんにせよこれでこのフロアはクリアした訳だな。
「本来は私どもはゲストには会わないのが鉄則です。裏方ですから。それに…ゲストが他の侵入者や迷い人と遭わないよう秘密裏に処置するのも仕事ですし。」チャチャ○は服を着ながらそう話してくれた。「そうなのか…」「…ですので恐らく二度とお会いする事はないと思いますが…偶然のイタズラでもなければ。」服を着終わり、元の凛とした表情で僕に向き合う。
「でもあなたとの一戦は良い思い出でした。」ペコリ。律儀に頭をさげた。「う…あ、ああ。」釣られて僕も深くお辞儀をする。顔を上げて彼女の顔を見ると…その目からは少し涙が光っているようにも見えた。そしてその感情システムがフル活動した結果、その表情は固く悲しいものだった。ああ…多分僕と同じ気持ち、あるいはそれ以上にその感情が強いのだろう。何だか名残惜しい。もう会えないとなると尚更ね。でも…これが運命だと割り切るしかないんだ。久しぶりの『良い敵』であった。
「それでは…さようなら…”ネオマスター”。」「…さようなら、チャチャ○さん。」ロボは飛んで行った。エヴァさまに早く帰るように言われていたからな。その命令に忠実なのだろう。こうして僕一人後に残された。さて。もう一つ僕はやらなくちゃいけない事があるんだ。いっつもヘンテコリンな事をしでかす”昇り階段への扉”と闘わなくちゃ。
カードキーを差し込む。何が飛び出すか分からないから気をしっかり持って置かなくては。「ニンショウカンリョウ…で、ぱにぽにの中で一番好きなキャラは…」「はいはいマホマホ。」「…。」「…。」暫く沈黙が流れる。いーからさっさと開けろや。
「…ぱにぽにの中で一番…」「はいはいマホマホっ!」「…。」「…。」「…みのもんた、略してみのもん。」「なんじゃそりゃー!」「タモリは略してモリ。」「いや…『た』位言ってやれよ。」「これがホントのたぬき言葉。略してテンカス言葉。」「いや増えてるし。大体何でもかんでも略して言うのはどうかと思うぞ。」「じゅげむじゅげむごこーのすりきれかいじゃりすいぎょのくりいむしちゅう…」「あ、それは略せ。長いから。」「じゅ。」「略しすぎ。もーいーから早く開けろよ!」扉が開く。付き合ってらんないよ。僕は扉をテキトーにあしらいながらさっさと上を目指すのだった。
(ロボット3 クリア@大森みのりタンも捨てがたい)